開拓のマイクラ地上隊(完結)   作:ハヤモ

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駄文更新。 名前は伏せてますが、不謹慎な部分があるかも知れません。 もしそうでしたら、すいません……。


荒らしとゲートと猛突進用意

 

始まりは突如として現れた わっか。 そこから異界のバケモノが大量に溢れ落ちて来た。 特に夜になると、その数は凄まじい数となる。

そんな異変に気付いたクラフターは地上にて、凄まじい速度で塹壕や防壁を構築。 遠方から砲撃やら弓矢で応戦し、空からはブーンによる爆撃で数を減らしていく。

後はだいぶ前に あったように わっか をTNT等で塞いでしまえば一件落着……かと思われたが、そう簡単には問屋が卸さない。

 

わっか からは、真の荒らし……我々と同様のクラフターが現れたからだ。

 

今まではブーンだとか村人を相手にして来たが、今回は勝手が違う。 我々と同じ、或いはそれ以上の脅威と対峙しなければならないからだ。

何故仲間が? とは考えない。 元の世界でもこの手の者はいた。 珍しくも何ともない連中だ。 破壊に快感と美学を求める片手落ちの下衆だ。 さっさとリスポーンしてもらおう。 能力が同等以上なのは厄介だが、この戦力比ならば恐るるに足らぬ。

 

ところが。

 

「ユーハング同士が砲撃戦をしているぞ!?」

「おい! お前らハルカゼ予備隊の言っていた事よりヤバい状況じゃねーかよ!」

「前からいた連中の方が押されてないか!?」

「わ、分からないよ! 突然始まったんだもん!」

「いかん。 応援の飛行隊を直ぐに呼べ!」

 

なんと少数派であるハズの荒らし側の戦闘展開速度が凄まじ過ぎた。

元々作業速度や陣地構築速度が人外のクラフターだが、此方が1門のキャノン砲を製作している間に10門のフルオートキャノンを製造されて、TNT投射量も天と地の差があるならば……結果は どうだろうか。

 

「ああっ!? 開拓地がボロボロだ!」

「陣地も壊滅したぞ!」

 

撃ち合いになったのは、僅か数秒。 後は一方的に砲撃されて防衛陣地はボロボロにされてしまう。

モンスター用の簡易防壁のことごとくは爆散し、即席キャノンはバラバラ。 操作員及び装填手は爆発の中に消えていった。

生き残りは止むを得ず増援が到達するまで退避壕に飛び込み、防衛戦に移行する羽目になった。

非情なる砲撃音と、脇で土埃が跳ねまくる穴蔵。 鼓膜を圧死させんがばかりの着弾音が轟く。

最早、無数に降りかかる砲弾の脅威からは逃れられない。 だから大地に幾重にも刻み込まれた塹壕の中で、クラフターたちは猫のようにうずくまる。

まるで寒さを凌ぐように互いの体を密着させながら、いつ来るか分からない仲間を待ち続ける。 待ち続けながら、座標を味方に伝達、アウトレンジによる長距離砲撃支援を要請したのだが、

 

「遠方からの砲撃がっ!」

「くそっ! 敵さんが空中に張った壁に阻まれたか!」

 

敵もソレを想定し、ゲートをドーム状に丸石で覆う。 表面は水流を流して耐爆仕様。 それに阻まれて形勢逆転に至らず。

寧ろ、発射音や発砲煙から、なんと砲撃陣地を逆算されて反撃された。 たった1度の砲撃で陣地が全滅した。 恐ろしく正確な砲撃である。

アイツらただの荒らしじゃねぇ……多くのクラフターは戦慄と共に身を震わせた。

 

「ど、どうする!?」

「どうするって言ってもよ……アイツらバケモノクラスだぞ!?」

「此方側のユーハングが押されてるなんて……!」

「ひぃっ!? 攻撃して来た!?」

 

地面の中から攻撃する方法もあるが、それをやると相手に侵攻ルートを与えるようなものだ。 レベル差が激しい。

我々が反撃の手立てに困っていると、暇を持て余したのか、今度はブーンを攻撃し始めた。 原始的に弓矢のみだが、まだ狙いが甘い。

ふむ、とココで気付く。

 

敵は対空能力が低いのでは?

 

対地能力は やたら高いが、空への対応は甘い。 いや、耐爆ドームをクラフトして舐めているのもある。 対空キャノンの技術もないのではないか。

試しに、ブーンに乗っていた仲間が近寄った。 弓矢による応射を喰らうが……やはり。 高高度まで攻撃は届かない。 だからといってキャノンを使わない。 ブーンも飛ばさない。

元の世界での知識や能力を高めただけなのだ。

 

これは……いける。

 

勝機を見出したクラフターは、ブーン側面にTNTを取り付けては火打ち石で直接投下、空爆していく。 壁を壊せなくても、クラフターには爆風ダメージが通じるので。

この世界の村人はお腹にぶら下げたTNTモドキを投下したら、それっきりなようだが、クラフターはアイテムスロットにTNTと火打ち石があれば空中で投下出来るから良い。 いちいちRSやスイッチを用意する必要がない。 村人もやれば良いのに。

 

「い、いや……相手は対空戦闘が荒い!」

「俺たちでもやれる……?」

「爆撃隊を編成して、地上だけでも……!」

 

しかし困った。 ブーンによる攻撃も限界がある。 相手もただで殺させてはくれない。

煽るように左右に避けたり丸石による防壁で防がれる。 ダイヤ防具なのもある。 耐爆のエンチャントでもつけているのだろうか。 厄介だ。

何とか荒らしを引き剥がし、ドームを破壊、ゲートを閉じなければ。 その為にはブーンの援護の中、エンダーパールによる強行突入からの近接戦闘に持ち込む必要がある。

 

「こちらコトブキ飛行隊、隊長のレオナだ。 状況は?」

「おお! オウニ商会の用心棒か!」

「こ、こここ、コトブキ飛行隊ッ!? お会いできて光栄ですっ!」

「挨拶は良い。 また例の わっか が現れてユーハングが揉めていると聞いたが」

「はい! その、わっか からバケモノの大群が出てきて……それは此方側にいたユーハングが倒したんですが、わっか から新たに出てきたユーハング人が戦闘を仕掛けてきまして……現在交戦状態です」

「よく分からないが、いつもの喧嘩じゃないのは分かる───応戦する!」

 

塹壕からそぅっと様子を伺う。 空駆けるブーンが増えてきた。 よしよし。 数に比例して荒らしはマトを絞れずにいる。 矢が適当な撃ち方になってきた。 今の内に攻勢に出よう。

砲兵陣地は復旧作業中。 即射等の支援砲撃は望むべくもない。

クラフターは俊敏のポーションを飲むと、空き瓶を放って塹壕から飛び出した。 ブロックで荒らしが陣取るドームに登るような真似はしない。 バレたら突き落とされるしかないからだ。

ここはエンダーパールの投擲範囲に到達したら直接「上陸」する。 その方が手っ取り早く安全だ。 残りは弓矢による援護。 突撃部隊が上陸次第、後続も続く。

 

「えぇ!? なんかユーハングがワープしなかった!?」

「何を寝ぼけた事を…………今更、何をしても驚きませんの」

「驚いてたよね、沈黙からして」

「喋ってないで援護だ援護ッ!」

 

ブーンが時々横殴りに 荒らしを攻撃してくれる。 たまに爆発する飛翔物を飛ばしてドームを壊そうとしてくれているがやはり、直接ツルハシで壊す他なさそうだ。

上陸した頃き、相手はようやく気づいており、してやったりと思ったが……強い。 格闘戦の話だ。 間合いや飛び斬りのタイミングが完璧だ。 読まれている。 挙句に毒スプラッシュのポーションを投げて来る。 状態異常は防具じゃ防げない。 して、戦闘中の牛乳バケツ一気飲みは不可能だ。 何人かは毒刃に倒れてしまった。 ノックバックでドームから押し出せれば良いだなんて、甘い考えだった。 逆に斬られて押し出されそうだ。 その都度、足を空中でジタバタさせて後退する。

反省しよう。 取り敢えず丸石で防壁を造って時間を稼ぐ。 この間にドームを破壊するのだ。 効率強化のダイヤツルハシを振るい、一斉に破壊作業をする。 砲弾がゲート内に入るように穴をこじ開ける。 水流で作業が難しいが構わず手を止めずに。

 

「わっかを壊すにも、まず表面の殻を割らなきゃ話にならんか」

「前のように、飛行船を突撃させても駄目だろうね」

「悔しいが爆撃は効かない。 殻はユーハングに任せるしかない」

 

今度は此方が壊したドーム壁を修復してきた。 互いに そうはさせないと牽制の攻撃を与え合う。 ダイヤ防具による攻防とは決着がつきにくい。 だがこれが相手の狙いでもあった。 こんな事をしていてはドームに砲弾を撃ち込めるほどの隙間がいつまで経っても出来ないからだ。

 

「うわぁ!? なんだあれ!?」

「緑の斑ら模様の、棒状の生物……ッ!?」

「気味悪ッ!」

 

そうこうしている内に、地上を後回しにしていた分、モンスターが拡散していく。 いけない。 クリーパーの比率がどういうわけか多い。 そういや昼である、自然と生き残るのはそういう魑魅魍魎だ。 アンデッド系は太陽光で燃え尽きる。 蜘蛛は中性になる。 敵性を維持している一般の敵といえばクリーパー。 そういうことである。 このままではイジツ中で爆発テロが起きてしまう。 それはいけない。 阻止だ。 でも人手が足りぬ。

 

「放置は出来ん! 撃て! 何処へも行かすな!」

「うりゃあ!」

「爆撃でも機銃でも旋回機銃でもレンガでも何でも構わん! あのバケモノ共を1匹残らず倒すんだ!」

 

と、思っていたら。 なんと村人と そのブーンがクリーパーを倒し始めたではないか。 空を飛んでいるので反撃される心配もない。 一方的に倒している。 よしよし。 またひとつ、ブーンの優位性を理解出来た。

しかし、決着が付かない。 耐久やTNT、物資が持たない。 ブーンだって改造してなきゃ燃料やファイヤーチャージモドキナシに戦えない。 空いた穴に、クラフターが直接乗り込む方法があるが、中は大きな空洞で、ゲートにたどり着く前に射殺された。 重力に逆らえないので足場を作りながらだとそうなる。 ブーンや砲弾が入れれば良いのに。 ままならないものだ。

 

マズい。 このままでは戦略的に負ける。

早期決着を。

 

こうなったらアレを使うしかない。 この世界の巨大怪鳥をスポーンさせていたダンジョン周辺で手に入れた設計図にあった「アレ」だ。

 

アレはブーンというより「空飛ぶクリーパー」である。 適当に「スカイ・クリーパー」とでも名付けておく。

少し変わった形で、何より「自爆」するような設計だからだ。

ブーンみたいに飛び、して砲弾としての役割を担う「アレ」。 リスポーンを前提とした捨て身の攻撃は、破壊の美学に囚われた者の仕業か哀しみの果ての産物か。 それは分からない。 だが今回、役に立って貰う。

 

何故なら今まで見てきたどんなブーンより速い。 その速さに賭けるからだ!

 

クラフターは地上に散らばった、クリーパーのドロップ品……大量の火薬を搔き集めると、貴重品類と一緒にエンダーチェストに放り込み、TNTゼロ距離自爆でリスポーンした。 やる事は決まった。 邁進するのみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同志が奮戦する中、遠く離れた初期スポーン地点。

リスポーンして戻ってきた何人ものクラフターは、直ぐに滑走路に向かう。 そこには、そこそこ大きな怪鳥が。 テストフライトすらしていないが、母体として使うものだ。

 

「あっ! おい、前線はヤバいんだって? 零戦乗ってくか? お前に変わって整備は万全だ…………あ、乗らないの? そうか……まあ、お前らの自由だ」

 

脇でしょげてる白帽を無視して、さっさと母体下に作業台とエンダーチェストを置いてスカイ・クリーパーをクラフトして取り付ける。 レシピはクラフターに分かりやすく翻訳されているが、とにかく大量の火薬やTNT、RSブロック3基分以上……なんとスタック単位で消費する。 だが、それだけ強力だと期待する。 威力はクリーパーの名に恥じぬモノになるだろう。

 

「うん……? おい、ソイツはなんだ? 見たこともないぞ。 上の一式陸攻自体、お前らが造るまで知らなかったが……照準器は付いても武装なんて無いじゃないか、ソレ。 ロケットのようだけど。 震電改……じゃないよな」

 

よし出来た。

時間が惜しい。 出撃だ。

武装なんて取り付けている暇がないので、母体の防衛は現地任せと、搭乗員の弓矢任せだ。 よし。 テイク・オフ。

 

「まるで爆弾みたいにお腹にぶら下げ…………おい待て待て、まさかソイツは!?」

 

ブーンが重いらしく、地上を離れるまで時間が少し掛かった。 だが構わず飛行する。

戦場となっている開拓地は遠い。 到着まで同志が持てば良いのだが……急げ。 急げブーン!

 

「おいよせ戻れ! 戻るんだぁ!! 私はまだ、お前らに教わりたいことがッ! 見たい技術が! 世界が! お前らと……まだ! まだ居たい理由があるんだァッ!!」

 

忌まわしくも疎ましいゲートを叩き潰してくれる。

 

破壊の為のクラフト。 TNTキャノンや即席地雷とは方向が少し違うモノ。

 

戻る事は無いだろう地上をガラスブロック越しに見る。 白帽が半泣きしてハァンハァンと叫んで追いかけてきているが、ただでさえ小さな身体が どんどん小さくなっていく。

それが何だか可笑しくて……クラフターは少し微笑んだ。

 

それは白帽にも伝わって。 格好付けてお別れだと言われたみたいで。

 

彼女は小さな身体を滑走路の末端で崩れ落とした。

 




白帽が、どうして「用途」に気付いたのか。 それは技術を扱う者、整備する者だったからかも知れない……。
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