開拓のマイクラ地上隊(完結)   作:ハヤモ

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対空TNTキャノン。


マイクラ対空戦闘

「ラハマに敵襲ッ! 上がれるヤツは全員上がれーッ!!」

「敵の戦闘機の数……20、30……なおも増えてますッ!?」

「大型爆撃機の編隊を確認!」

「ありゃ富嶽か!?」

「なんで!? 何が目的だよ!?」

「わっかだ! ユーハングの わっか が狙いだ!」

「恩人達に仇で返す気か!?」

「とにかく急げ急げ急げッ!?」

「パイロットはモタつくな走れ!」

「寝てるヤツを叩き起こせ!」

「対空戦闘よーいッ!」

「回せー!」

 

真夜中だというのに初期スポーン地点が騒がしいから、クラフターは ゾンビイベントかと思って剣と弓矢で武装した。

あのイベントは周りを湧き潰しても起きてしまう。 村全部をハーフブロックにして外壁で囲めば効果があるが、少なくとも初期スポーン地点は そこまでの徹底をしていない。 マルチの自由を優先しているからだ。

どちらかというと、場所によって村人は多過ぎる気さえするから、今回の件で減れば良いなとすら考える。

ただ巻き込まれたり、スポーン地点にゾンビが蔓延る風景は気分が悪い。 フルダイヤによる防具と武器で さっさと終わらせよう。

クラフターの一部は そう思って、ダイヤフル装備で状況に備えた。 これらは全てエンチャント済みだ。

ベテランクラフター皆が皆ではないが、エンチャントを施さないダイヤ装備など未完成に等しい。 最高のツールとは、最高の付加をしてこそ真価を発揮する。 なにより耐久が勿体ない。

それを思ったらゾンビ相手に耐久を擦り減らすのは惜しい気がしてきた。 ヤツらの多くは群れだから、どうしても複数斬り付ける。 アンデッド特効であってもだ。 「やり過ぎ」を個体にしたところで効率は上がらない。

 

「夜間でも誘導灯があって分かりやすいな」

「お陰で悩む事もない。 直ぐに展開出来る!」

「管制塔からも、様子が把握しやすい。 助かる」

「新型エンジンで調子が良い。 やってやるさ」

「かまど だけどな。 それ」

「ユーハング人サマ様だな」

「私語は慎め! ガチでやるぞ!」

「他の町から救援の飛行隊が来る! 時間を稼ぐんだ!」

「時間稼ぎ? 全機撃墜だ!」

 

しまったなぁ……トラップタワーを建てときゃ良かった。

 

この世界はモンスターのスポーンシーンはおろか、未だにスポーンブロックだって見つからないから、要らないと思っていた。

だが防衛を考えれば、なるほど。 これは作るべきだったな。 過密化の傾向にある初期スポーン地点での再開発は困難を伴うから、皆と相談しなくちゃなぁ。

取り敢えず堀を作って水流を流してのマグマ落としでどうだろう。

 

「でも数が多過ぎる! 逃げようぜ!」

「バカヤロウ! それでもタマ付いてんのか!?」

「その弾が全機落とせるほど無いだろう!」

「でも、ここで逃げたら わっか が……町が……ユーハング人が……!」

 

建設地点は地下が良い。 地表は過密化が進んで厳しい。 無理に造ってチャンバラ劇に発展して欲しくはない。

せめて、村人に造ってやった大きな道くらいあればなぁ。

そう思って、そちらを見やるクラフターだったが、ちょうど空飛ぶモンスターがブンブンと次から次へと空へと上がるのが見える。

創造した者としては実に嬉しい光景だ。 やはり使われてナンボである。

やり過ぎたり過疎化で廃墟になる町は 元の世界でもコチラの世界でも見かけたが、本来の望む姿はこうなんだろう。

嬉しさにうんうん頷きながら───真夜中に何処へ行くのかしらんと行く先を眺めていると。 その先に沢山の飛行体を確認する。 おや、良く見れば四方八方から来るじゃないか。

 

「ッ! 別方向からも来る!」

「なんだと!?」

「管制塔が確認した!」

 

またか…………クラフターは辟易した。

新種と思われる大型も見える。 何にせよ、襲撃イベントに変わりあるまい。

大体、この手のパターンはソレだと学んだから、取り敢えず迎撃態勢を整える。 無視出来るなら良いが、建造物を破壊するパワーがある連中なので厄介なのだ。

仕方ない。 例によってエリトラ飛行で多くは迎撃に上がり、TNTキャノン職人も状況に備える。 予め村や都市部に造った対空仕様を起動させ、起爆タイミングをそれとなく合わせる。 計算が面倒なので予め設定している起爆空域に入ったら一斉砲撃だ。

そら、入った。 撃って撃って撃ちまくれ。 スイッチレバーを倒せば、フルオートの爆音が鳴り響く。 それは祭りの音。 技術の結晶音。 我がクラフトに一片の悔いなし。

 

「ユーハングが対応してくれるようだ!」

「悔しいが、頼る他なさそうだな」

「残りは俺らが片付ける!」

 

エンダードラゴンみたいに、ゆっくりで時々低空飛行なら弓矢で届くのだが。

手が届かぬ高高度を飛ぶ敵なんて、そう多くは経験が無いクラフターである。 対処するには弓矢の狙撃の腕を上げるか対空兵器を造るか、エリトラ飛行での接近戦に持ち込むしかない。

 

「おお! 善戦しているぜ!」

「人の大きさによる被弾率の低さか」

「急な加速度変化。 道具の力だけじゃない、彼らの操縦技術……じゃなくて飛行技術が高いのだろう」

「そういや前より動きが良い気がする。 有利なポジションにつくあたりな」

「ところでよ……あの背中に着いてるので、どうやって空飛んでんだよ?」

「考えるな」

「ユーハング謎の技術」

 

だがまあ、そんな厄介な敵との巡り合わせも楽しかった。 新たな刺激は怠慢や惰性と偏在の日々を防止する。 して、新たなステップとなる新技術や方法が確立されるのだ。

例えば、ほら。 対空TNTキャノンなんて製造技術はあったとしても、コッチにくるまで その多くは実戦投入されなかった。 大変な割に火薬の大飯食らいでリターンが少ないからだ。

 

「だけど回避行動を取られるぞ!」

「いや、良く見ろ。 砲を何門も並べ立て、弾幕を張っている!」

「散弾式もあるようだ!」

「おお! これなら撃墜可能か!」

 

造るのは ほぼ趣味の域。迎撃対象の少なさも要因だった。 だが、この世界にて脚光を浴びるとは誰が予想出来ただろう。

して、クラフターの豊富な戦闘経験から運用法も確立されてきた。 空飛ぶモンスターは、なんと回避行動を取る知性を見せる。 スケルトンのような間合いによる変化に似た行動を取るのだ。

よってキャノンは散弾式か、沢山製造して辺り一面に撃ちまくる弾幕方式が有効とされる。

簡易キャノンでは出来ぬ、それらの機構を成り立たせる複雑な回路と仕組みを要するTNTキャノン職人は必要とされた。 評価された。 男泣きした。

技術とは その刹那に不要とされても、後に役立つ日が来る事もあるのだと。

クラフターは喜びを抑え切れず、激しく首と腰を振った!

 

嗚呼! 造って良かったと思うワケ!

 

 

「おお……! やったぜ!」

「あんなにいた敵が、もう数える程にしかいない!」

「敵、撤退開始! 深追い無用! 防衛成功だ!」

「やったー!」

「地対空戦闘。 その可能性を教えられたよ」

「航空機の戦闘方法や運用法も根本的に変わる可能性があるな」

「ホント、恐ろしい連中だ。 敵じゃなくて良かったぜ」

 

こうして鶏肋だとしていた対空技術は多くのクラフターに再評価され、このイジツで発展をしていく事になる。

 

再び教えられたな……この世界に。

 

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