バレンタイン記念短編です。
大急ぎで書いたので少し展開に無理があったり、誤字があるかもしれませんが大目に見ていただけたら嬉しいです。
それではどうぞ。
少し昔の話
バレンタインという習慣がある。
旧世紀より続くその行事は杏姉曰く女性が気になる男性に心に秘めた想いをチョコに込めて贈る日なのだとか。
最もそれ以外にも日頃の感謝の気持ちの表れとして、チョコ以外のものを贈る事もあるらしい。
まぁ、そんな感じの外国由来の行事らしいけど何故そんな事を考えていたかというと。
何を隠そう今日は2月13日、つまりバレンタイン前日なのである。
商店街もそれに因んだセールやフェアを行っており、何処か少し浮かれた空気が漂っていた。
最も皆曰く、自分達が小さかった頃に比べれば下火らしいが自分にはその違いは良く分からなかった。
いつもならすぐ近くにいる若葉姉達も今はその気配を感じられない。
暇だなぁ……
『それについてはタマも同感だな』
……ねぇ
『どうした、タマの方をじっと見たりして』
『いや、タマはそこそこ出来ると思うぞ! ただ、奏音を一人にするのもなと思ってな』
そっか、ならゲームでもやって時間を潰す? 球子姉とやろうと思って買った新作ゲームがあるみたいだから。
『本当か! ならタマと一緒に遊びタマえ!』
いぇーい!
そうして早速球子姉と一緒に遊び始めた。
ゲームは千景姉が薦めていただけあってとても楽しくて、そのためか長時間やり込み過ぎてしまったのかいつの間にか寝ちゃったみたい。
◆ ◆ ◆
そして迎えたバレンタイン当日、学校を終えて帰ってくると自分の部屋の机にラッピングされた6個のチョコが一通の手紙と一緒に置かれていた。
チョコ自体も気になったけどまずは手紙の方を見てみる。そこには……
ハッピーバレンタイン、これが私の気持ちだ。
美味しく食べて下さいね?
タマのチョコをありがたく受け取りタマえ!
少し凝ってみました。後で感想を聞かせて欲しいです。
皆で一緒に作ったんだ、美味しく食べてね!
日頃の感謝の気持ちよ、受け取って。
……ありがとう、みんな。
言いたいことも言うべき言葉もたくさんある。それでも今はそれしか思えなくて。
とはいえ、いつまでもそうするわけにもいかないのでラッピングを解いて中に包まれたチョコを見る。
見た目の時点で6個全部にそれぞれの特徴が出ていて、丁寧なつくりになっているのもチョコに込められた気持ちがすごく伝わってくる。
一瞬そんな考えが頭の片隅を過ったが、気にしない事にして一口ずつ食べていく。
「美味しい……!」
まず出てきた言葉がそれだった。そこからは無言でひたすらに、でも美味しく味わっていった。
そうして気が付けば全部なくなっており、食べた事が嘘のように思えるけど口の中に残る甘さがそれを事実だと示していた。
今年もありがとう、みんな。
『それでそれで私のチョコの感想はどうでしたか、奏音さん!』
『落ち着きタマえ、杏!』
『でも気持ちは分かるな~ 奏音くん、あんなに美味しそうに食べてくれたし』
『そう……ね、私も嬉しかったわ』
『ああ、私も頑張ったかいがあったものだ』
『ですね、それにチョコ作りに一生懸命な若葉ちゃんも見れて大満足です』
「え、みんな!?」
突然聞こえてきた声に思わず声が出る。みんなの気配に気付けないほどにチョコに夢中になっていたらしい。
『とにかくだ、杏。まずは言うべきことがあるだろう?』
『あっ……そうでしたね! ごめんなさい、つい舞い上がっちゃって』
『大丈夫だよ、アンちゃん。 今からでも間に合うよ!』
『ええ……これは外せないわ』
『よーし、それならタマ達で一斉に言おう』
『そうですね、それでは』
ひなた姉の音頭に合わせてみんなが自分の方を見る。みんな自然な笑顔を浮かべながらバレンタインを象徴する言葉を口にする。
『せーの』
『ハッピーバレンタイン!』
本編の方は実生活の方が相変わらず忙しくてまだかかりそうです。
良ければもう少しお待ちください。
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