戦姫絶唱シンフォギア ~龍を纏いし戦士~   作:Dorakuro

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少し投稿が遅れました。申し訳ありません。
でも、これから頑張って投稿していくので宜しくお願いします。
それではどうぞ!!


突然の編入

 私立リディアン音楽院は小中高一貫の女子高である。だが、中等科、高等科への切り替え時に外部の生徒を編入させることもある。立花響、小日向未来がその例である。この学院は高等科が独立した敷地にあり、そこには遠くからの入学者のための学生寮が備わっている。そんな私立リディアン音楽院の校内にいるはずがない男子がいた。

 その名も朱崎亮である。何故、彼がこの学院にいるのかというと、それは彼が2課に加わった後、風鳴弦十郎に話があると言われ、付いて行ったときに聞かされた内容が彼がここにいる理由である。

 

 

 

---2日前---

 

 俺、朱崎亮は弦十郎さんに呼び出され、それに付いて行き、そしてある事を聞かされた。

 

「亮君。君には私立リディアン音楽院に編入してもらう」

 

「......へっ?」

 

 俺は思わず、間抜けな声を出す。今この人は何て言ったんだ?リディアンに編入?俺が?......もしかしたら聞き間違いかもしれない。聞いてみるか。と思い、弦十郎さんにもう一度聞く。

 

「あの~、もう一回行ってもらっていいですかね?」

 

「なんだ?聞き取れなかったのか?分かった。もう一度言うぞ。君には私立リディアン音楽院に編入してもらうこととなった」

 

 今度は俺に聞こえるようにはっきりと言ってきた。

 

「......冗談ですよね?」

 

「申し訳ないが、これは本当のことだ」

 

「なるほど......ってえぇぇぇぇ!?俺が編入!?しかもリディアンに!?リディアンって女子校ですよね!?どういうことなんですか!?」

 

 どうやら俺の聞き間違いではなかった。その事実を聞いて頭が真っ白になり、困惑してしまった。

 

「落ち着け亮君、これには訳があるのだ」

 

「えっ、訳?」

 

「うむ、それは君を守るためでもあるのだ」

 

「......と、いうと?」

 

「理由は二つある。まず一つ目は、君が現在ノイズと戦える力を持っているということだ。我々にとってノイズに立ち向かえるシンフォギア以外のその力は戦力となる。だが、その力を持っているが君であることを何者かに知られた場合、命に関わる危険性がある」

 

「でも、俺のことはもうすでにニュースや新聞で取り上げられてますが、その心配はないのでは」

 

「知れ渡ってるのは君がノイズと戦っていることだけだ。君の正体や力のことは知られていない」

 

「そうなんですか.......」

 

 二年前の事件から現在まで俺は一人で人々を守るためにノイズたちと戦っていた。その時にそこにいた人から知れ渡ったことには気づいていたので自分にとっては気にしない程度だった。だがそれは国内だけであり、国外には知れ渡っていないことを弦十郎さんの説明で納得する。

 

「それでも、いつか何らかの方法で力のことが知れ渡り、ゆくゆくは狙われることになるだろう。さらには君の家族や友人などに危害が及びかねない。だが、2課に近いリディアンにいれば少なからず安全だ。それが一つ目の理由だ。」

 

「もう一つは?」

 

「今後、定期的に2課でミーティングをすることになる。君が今通っている学校からここまではかなり離れている。もしかしたら何らかに巻き込まれ、来れなくなることがあるだろう。そうならないためにしたのがもう一つ目の理由だ」

 

「なるほど......でも、男の俺が編入するという点はおかしくないですか?」

 

「なぁに、そこに関しては心配いらないぞ。君は共学化のためのテスト生として編入させるつもりだ」

 

「テスト生ですか......でもそのことは親には......」

 

「そこも心配ないぞ。親御さんには俺から連絡して了承してもらった」

 

「何俺抜きで話しを進めてんだ。親共は!!」

 

 俺は今ここにいなく、実家にいる父さん母さんに対して怒りが込み上げてきた。この時、あとで問い詰めようと思うのだった。

 

「まぁ、リディアンには翼も響君もいることだ。知り合いがいないわけじゃない」

 

「そ、そうですね」

 

「俺が話したいことはここまでだ。何か聞きたいことはあるか?」

 

「じゃあ、一ついいですか?」

 

「何だね?」

 

「編入っていつからですか?」

 

「明後日からだ」

 

「急すぎるでしょうが!!」

 

 そんなこんなで俺のリディアンへの編入が決まったのである。

 

 

 

 

---現在---

 

 

 

 時が進んで現在、俺はリディアンのある教室の扉の前に立っていた。

 

「はぁ~」

 

 俺は深く溜め息をつく。編入初日なんて、勢いでどうにかなると思ったが、案外そうでもなく、緊張と同時に後悔もしていた。あの後、両親に電話し、編入の件について問い詰めてみた。母さんは学費が安くなるからなどとまともな理由があったが、青春して来いと父さんからどうでもいい理由を聞いて、俺はその時、父さんをごみを見るような眼をしていた。

 その翌日、学校の友達に電話すると『なんでお前だけ......なんでお前だけなんだ......』と泣きながら言ってきたので無視して電話を切った。

 

「今日はこのクラスに新しいクラスメートとなる転校生を紹介します」

 

教室にいる先生がそう言い、教室の中がざわつく。それを聞いてより緊張してしまう。

 

「その生徒は共学化のためのテスト生として編入してきた初の男子生徒です。」

 

「えっ、嘘!?」

 

「この学校に男子が!?」

 

「どんな子なんだろう?」

 

「神様ありがとうございます」

 

それを耳にした女子生徒は全員、ざわつき始める。やめろ、これ以上俺にプレッシャーを与えるな。

 

「皆さん、静かに。それでは入ってきてもらいましょう。どうぞ!!」

 

遂に呼ばれてしまった。緊張しすぎて体が震えていた。取り敢えず、震えを止めて覚悟を決めよう。

 

「よしっ、行くか!!」

 

 そして扉を開け、教室に入る。教卓の傍に行き、生徒達がいる方に体を向けて教室全体を見る。すると、

 

「「「えっ?」」」

 

 廊下側の席に幼馴染である響と未来が座っていたことを発見し、お互い驚き、声が出る。これから同じ学校になるとはいえ、まさか、同じクラスとはこれも弦十郎さんの計らいだろう。

 

「では、自己紹介をお願いします」

 

と先生が俺に促す。

 

「えっ、あっ、はい.......本日よりテスト生としてこの学校に編入してきた、朱崎亮です。よろしくお願いします!!」

 

そして、お辞儀をすると、教室の全員から拍手が起こる。よし、このまま終わって、授業が始まれば.......そう思っていたが

 

「では質問ある人は」

 

先生の言葉にほとんどの生徒から手が挙がる。現実はそう甘くはなかった。

 

 

 

 

 

 あの後、質問攻めという地獄を生き抜き、授業を乗り越え、やっと放課後になる。放課後になった途端、俺は転校初日で机で突っ伏した。

 

「あぁ~、まだ転校初日だっていうのに疲れた~」

 

 そんなことを言っていると響と未来がこっちに来た。

 

「亮君お疲れ~」

 

「いやぁ、まさか亮君がリディアンに転校してくるなんてビックリだよ」

 

「本当ね。私も驚いたよ」

 

「まぁ、言ってなかったし、突然の転校だったから、俺もその時は驚いたよ」

 

「でも、これでまた三人一緒だね!!」

 

「ふふっ、そうね」

 

「.......だな」

 

 また一緒になれたのが嬉しかったのか、俺たち三人は笑顔になる。

 

「そういえば響、授業中眠たそうにしてるの見てたぞ」

 

「えっ、いや~あはは」

 

「昼食の後だから眠くなるのは分からなくはないが、気をつけろよ」

 

「はい、善処します」

 

「ねぇ響、亮君、このあとどうする?」

 

 と未来が言ってくると

 

「私は寮に戻ろかな、レポートしなきゃいけないし」

 

「そういえばそうだったね、亮君は?」

 

「俺はこのあと何もないし、寮に戻るかな」

 

「なら、一緒に帰ろう?」

 

「そうだな」

 

 そう言いながら席を立ち、響、未来と共に寮に向かう。そして寮に着くと、二人と別れ、それぞれ自分たちの住む部屋に行く。部屋に着いた俺は鞄を机の上に置き、疲れたせいか着替える気力がなかったため、そのままベットに横たわり、眠りにつく。

 数時間後、目が覚め、起きて携帯で時間を見ると17時であり、外は暗くなっていた。携帯を操作しているとメールが届いていることに気づく。内容を確認すると弦十郎さんからであり、17時半から定例ミーティングをするという内容だった。あと30分だったので、急いで寮を出て2課に向かった。

 

 

 

 2課に着くと、響以外のメンツが揃っていた。

 

「お疲れ様です。皆さん」

 

「来たか亮君。で、どうだったかな転校初日は?」

 

「色々大変でしたよ。特に質問に一つ一つ答えるのが.......」

 

「ははは、そうかそうか!!だが、ある意味良い経験だっただろ?」

 

「まぁ、そうですね」

 

「弦十郎のダンナから聞いてたけど、本当にリディアンに編入したんだな」

 

「.......はい」

 

「私が言うのもなんだが制服似合ってるじゃないか!!」

 

「そ、そうですか?ありがとうございます」

 

 奏さんにそう言われ、俺は少し照れる。その後、弦十郎さんと奏さんと話していると響がやって来た。

 

「すみません遅れました!!」

 

「では、全員揃ったところで仲良しミーティングを始めましょ」

 

 そして、ミーティングが始まる。響は俺の隣に座る。

 

「まずは、この前、亮君から預かったものを解析した結果ね.......その前にはいこれ、返すわね」

 

 了子さんはそう言い、俺にペンダントを返す。

 

「で、どうでした?」

 

「結果としては何も分からなかったわ。」

 

「そうですか.......」

 

「このペンダントは現代の科学力を持ってしても解明できない。つまり、それも聖遺物と同じ異端技術で作られたものだと推測しているわ.......ごめんなさいね。あなたもその力について知りたかったでしょうけど」

 

「いいんですよ。それに了子さんの推測のおかげでこの力について少しは分かりましたから」

 

「そう?なら良かったわ.......では次の議題ね」

 

 了子さんが次の議題に入ると、モニターが映し出される。そこにはいくつもの点が記されていた。

 

「これを見てどう思う」

 

 弦十郎さんが俺と響に聞いてくる。

 

「.......いっぱいですね」

 

「同じく」

 

「ははは、全くその通りだ。これはここ一ヶ月に渡るノイズの発生地点だ.......ノイズについて響君が知ってることは?」

 

「まずは無感情で機械的に人間だけを襲うこと。そして襲われた人間が炭化してしまうこと。時と場所を選ばずに突然現れて、周囲に被害を及ぼす特異災害に認定されていること。」

 

「意外に詳しいな」

 

「今まとめているレポートの題材なんです」

 

「今日言ってたレポートっていうのはノイズについてだったのか」

 

「うん、そうだよ」

 

「ってか、何でレポート?」

 

「いやぁ、それはあはは.......聞かないで」

 

「.......分かった。聞かないでおく」

 

「ノイズの発生が国連での議題になったのは、今から13年前だけど、観測そのものはもっと前からあったわ。それこそ、世界中で太古の昔から」

 

「世界各地に残る神話や伝承の数々の異形はノイズ由来のものが多いのだ」

 

「ノイズの発生率は決して高くはないの。でも、この発生件数は誰から見ても明らかに異常事態。だとするとそこにはなんらかの作為が働いていると考えるべきでしょうね」

 

「作為ってことは誰かの手によってノイズが発生しているということですか?」

 

了子さんが言ってきたことを俺が聞き返す。すると、今度は翼が口を開く。

 

「中心地はここ私立リディアン音楽院高等科。我々の真上です。サクリストD -デュランダル- を狙って、何らかの意思がこの地に向けられている証左となります」

 

「あの、デュランダルって一体......」

 

「ここよりも更に下層。アビスと呼ばれる最深部に保管され、日本政府の管理下にて我々が研究している、ほぼ完全状態の聖遺物、それがデュランダルよ」

 

 と友里さんが言う。

 

「翼さんの天羽々斬や、響ちゃんの胸のガングニールのような欠片は、装者が歌ってシンフォギアとして起動させないとその力を発揮できないけど、完全状態の聖遺物は、一度起動した後は100%の力を常時発揮し、さらには装者以外の人間も使用出来るであろうとの研究の結果が出ているんだ」

 

 今度は藤尭さんが聖遺物について説明する。

 

「それが、私の提唱した櫻井理論。だけど、完全聖遺物の起動には相応のフォニックゲイン値が必要なのよね」

 

 それを聞いた響は理解できていないのか、顔を歪める。響ほどではないが、俺も正直言ってすべて理解できなかった。

 

「あれから2年。今の翼の歌であれば、或いは......」

 

すると翼さんの顔が険しくなる。

 

「そもそも起動実験に必要な日本政府からの許可っておりるんですか?」

 

「いや、それ以前の話だよ。安保を盾に再三のデュランダル引き渡しを要求しているらしいじゃないか。起動実験とか扱いに関しては慎重にならざるを得まい。下手を打てば国際問題だ。」

 

「まさかこの件、米国政府が糸を引いているなんて事は?」

 

「調査部からの報告によると、ここ数ヶ月の間に数万回にも及ぶ本部のコンピュータへのハッキングを試みた痕跡が認められているそうだ。流石にアクセスの出所は不明。それらを短絡的に米国政府の仕業とは断定できないが......もちろん、痕跡はたどらせている。本来、こういうのこそ俺たちの本業なんだからな」

 

「風鳴司令......」

 

すると、緒川さんがやってきた。

 

「お、そういえば、そろそろだったな」

 

「今晩はアルバムの打ち合わせが入っております」

 

「えっ?」

 

「表の顔ではアーティスト風鳴翼のマネージャーをやっています」

 

 緒川さんが眼鏡を掛けた後、俺たちに名刺を渡してきた。その後、翼さんと緒川さんはその場から退出した。

 

「私たちを取り囲む脅威ってノイズばかりじゃないんですね......何処の誰かが狙ってるだなんて考えたくありません。」

 

「大丈夫よ。なんたってここはテレビや雑誌で有名な天才考古学者である櫻井了子が設計した人類守護の砦よ。先端にして異端なテクノロジーが、悪い奴らなんか寄せ付けないんだから」

 

「よろしくお願いします」

 

「今日のミーティングはここまでにしよう。響君や亮君もお疲れ、帰って良いぞ」

 

「「はい、お疲れ様です」」

 

弦十郎さんからミーティング終了の言葉が掛かり、俺と響は2課を退出していった。




響「ねぇ、亮君。友達に亮君の写真見せてもいい?」

亮「別にいいけど、あの時の写真だけは絶対見せるなよ?」

響「えっ、何で駄目なの?」

亮「こいつ、マジで見せる気だったのかよ!!というか持ってるのかよ!!」

響「何で?亮君のことを知ってもらえるんだよ?」

亮「それで知って欲しくねぇよ!!というかその写真寄越せよ!!」

響「駄目だよ。私の宝物の一つなんだから」

亮「そんなの宝物にされて、俺は嬉しくねぇよ!!というか恥ずかしいわ!!」

響「大丈夫だよ。私のが捨てられても未来がもう一枚持ってるから」

亮「未来も持ってるのかよ!?」

未来「うん、持ってるよ」

亮「あの~未来さん?その写真を俺に渡してもらえないでしょうか?」

未来「駄目に決まってるでしょう」

亮「そこをなんとか」

未来「う~ん、あっ、亮君」

亮「なんでしょう?」

未来「写真を渡してもいいけど、その代わり、亮君のあの時のような写真が増えるけどいいかな?」

亮「.......遠慮しておきます(涙)」
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