戦姫絶唱シンフォギア ~龍を纏いし戦士~ 作:Dorakuro
数日間、とある事情で投稿できませんでした。
それもあり今回はいつもより短めです。
それでもよければ本編をどうぞ。
俺の手で覆われていたそのカードの名前には
《無双竜機 ボルバルザーク》
と書かれていた。
《無双竜機 ボルバルザーク》それはデュエルマスターズの歴史において知らないものはいない。当時はそのカードが持つ効果により出ただけで勝負が決まると言われていた。その効果は場に出たときに追加ターンを得るという破格の効果だった。その強力な効果のあまり禁止カードになってしまったカードである。
俺がこのカードを使うのに躊躇った理由は追加ターンという強力な効果のあとにゲームに負けるという効果があるためだ。つまり、追加ターンという力はどんなに強い強敵でも互角に戦えると考えられるが、その代償として自分の身に何か起こると思い、俺は恐くて今まで使わなかったのである。
だが、今は翼さんが覚悟を決めて絶唱を歌おうとしていた。彼女の覚悟には感慨深いものがあったが、絶唱で彼女の命が無くなるかもしれない。それだけは止めなければと強く思った俺は躊躇していた心を捨て立ち上がり、ボルバルザークのカードとペンダントを手に握り叫ぶ。
「龍装《無双竜機 ボルバルザーク》!!」
するとペンダントがいつもより輝き、鎧が出現する。体に鱗のような赤い鎧や肩アーマー、頭部アーマーには羊のような曲がった角が背中には緑の羽が付けられ、両手には赤い剣と盾が装備される。
すべてのアーマーが全身に装着されると同時に炎の衝撃波が周りに放たれ、木や草が燃え、周りにいたノイズや響を捕らえていたノイズを一瞬で灰にした。さらには少女の身動きを取れなくしていた小刀が地面から抜かれる。
そこにいた三人は俺の方を見る。
「な、なんだよその姿は!?」
「.......これで、決める」
そして、俺は構える。
「.......へっ、姿が変わろうと所詮こけおどしだろ?」
「試してみるか」
地面を蹴り、少女のところまで駆け出す。少女はそれを見て防御の体制に入る。俺は右手の大剣で少女に斬りかかり、お互いの武器がぶつかる。
「な、なんだこの力は!?」
少女は防御しているが、自分の方が力負けし、押されていることに気づく。俺はこの鎧なら完全聖遺物であるネフシュタンの鎧と互角に戦えると感じた。
「このまま押し切らせてもらうぜ」
「ちっ」
少女はなんとかバックステップで避け、俺の攻撃は惜しくも当たらなかった。俺は再び構え、少女の懐に飛び込もうとするが
「!?」
突然、剣を持っている方の腕に痛みが走る。それにより俺は腕を一瞬下ろしてしまい、その場に止まってしまう。それにより、相手に隙を見せてしまう。
「今だ!!これでも喰らえ!!」
少女はその隙を逃さず、鞭を俺の方に伸ばしてきた。俺はそれを盾で防御し、剣を振り下ろし、炎の斬撃を飛ばす。
「がはっ!?」
斬撃は少女に直撃し、倒れる。その時、今度は左腕の方に痛みが走った。俺はこの時、理解した。この鎧を使うと代償として自分の体が傷つき、やがて全身に痛みが走り、体が当分動かなくなること。つまり、このまま続けば俺が敗北するということだった。
(もたもたしてられない.......次で決める!!)
そう思い、もう一度炎の斬撃を飛ばそうとするが、
「そうはいかせないぜ!!」
と少女が鞭を伸ばしてきた。鞭は大剣に巻きつき、俺の攻撃を直前で止めてしまう。
「また喰らってたまるかよ。今度はこっちからいくぜ!!」
少女の片方の鞭に球状のエネルギーが溜まっていく。また、あれを繰り出すつもりだと思った俺はなんとか大剣に巻き付いた鞭をほどこうとするが、出来なかった。
「これでしまいだ!!」
少女は再びNIRVANA GEDONを放った。俺はすかさず盾を自分の前に持ってきて防御するが、少女のパワーの方が強く、押し切られてしまう。また喰らってしまい、吹っ飛び倒れてしまう。
「はっ.......少々手こずったが、この程度か」
「ま、まだ.......だ.......!!」
俺は立ち上がろうとするが、今度は足に痛みが走り、それに耐えられずに膝をついてしまう。
「どうやら、ここまでのようだな」
「くっ.......」
「これで邪魔者はいなくなった。あとはお前らを連れていくだけだ」
少女は俺にゆっくりと近付いていく。このままだと俺と響は連れて行かれる。それだけは阻止しなければと思った俺は身体中の痛みに耐えながら、立ち上がる。
「.......ほぉ~、まだ立ち上がれるほどの気力はあったんだな。でも、大人しく降参した方が身のためだぜ」
「.......かよ」
「あん?」
「誰が降参するかよ!!俺はあの時誓ったんだ。俺が大切だと思うものを絶対に守るって!!」
そして俺は力を振り絞り、剣を構えた。
「.......なら、守って見せろよ」
少女は俺を見下すように言ってくる。俺は剣を地面に突き刺すと、剣から炎が発生し、炎を地面に流し込む。
「なにやってるんだよ。あんな大口叩いておきながら、降参するなのか?」
「今から、俺がすることはこの状況を一気に逆転することだ」
「何だと!?」
「響!!」
俺は今出せる精一杯の大きい声で響を呼ぶ。
「翼さん抱えてこの場から離れろ!!」
「えっ、どういうことなの、亮君?」
「いいから早くしろ!!」
「.......うん、分かった!!」
響は俺の指示に従い、翼さんの元に駆け寄り、肩を担ぎ、その場から遠くに離れる。その直後、剣が突き刺さっている地面から亀裂が入り、徐々に亀裂は大きくなり半径数十メートルまで及んだ。さらに少女の下に亀裂が通った。
「な、なんだこれ!?」
少女はそれを見て驚く。すると、亀裂から赤い光が輝き出す。
「.......竜脈噴火」
俺がそう囁くと、地面に流し込んでいた炎が亀裂から勢いよく吹き出し、それはドラゴンの形をしていた。そして少女の足元にある亀裂からも炎が吹き出した。少女はいつでも逃れられたのだが、その光景を見て恐怖を感じてしまい、身動きが取れなかった。やがて、炎はさらに頭上高くまで吹き出し、少女はそれをまともに喰らってしまう。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
少女はそこから吹っ飛び、はるか後ろにあった岩に激突する。
「くそっ.......あ、あんな技を.......持っていやがったのか」
少女のは鎧共々ボロボロであった。だが、少女が纏っていた鎧は損傷したところを修復しようと少女と融合しようとしていた。
「が、あぁぁ!!こ、ここまでか」
少女はそう言い、その場から退散した。
(やったの......か?)
俺が繰り出した技で周りは焼け野原になっていた。鎧が勝手に解除され、背中に激痛が走ったが、それに反応する気力がなくその場に立っていた。響は翼さんの肩を担ぎながら俺の方に向かう。すると、黒い車がやってきて中から弦十郎さんが出てきた。
「無事か、皆」
「弦十郎さん、私は大丈夫ですが、亮君と翼さんが」
「司令、私は大丈夫です。辛うじてですが......」
そして皆が俺の方を向く。今の俺は立ってるのがやっとだったが、なんとか皆のいる方を向く。
「自分も......なんとか......」
「そうか......無事で良かった」
そして響と翼さんを見る。響は何ともないが、翼さんの方はボロボロでなんとか立っていた。なんとか守ることが出来たことが分かった俺は少し笑う。
「......良かった。守れたんだな......大切なものを」
そして俺は皆に聞こえないような小さな声で呟く。その後、安堵したのかすぐに気を失ってしまい、倒れてしまった。その時、響が俺に呼びかける声が一瞬だけ聞こえた。その後、俺は病院に運ばれていくのであった。
今回はここまで
次回からはいつも通り書いていきますのでそこのところよろしくお願いします。
それはまた次回で。