メガネ(兄)   作: ルーペ

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第44話

 玉狛支部に連れられた修達は、その日は玉狛支部に宿泊することなった。

 運が良いのか悪いのか、玉狛支部には京介達玉狛第一はおらず宇佐美と林藤支部長との関連性が謎のままである陽太郎のみだった。

 玉狛支部に辿り着いた修は最上さん達がトリガーってどういうことだとレプリカに訪ね、その間に千佳は宇佐美から遠征について色々と聞いたりした。

 そこから修は遊真がどうしてこっちに来たとかの経緯を知った。千佳はボーダーに入って兄や友達を探そうと決意をした。遊真は修に自分と一緒に遠征をと頼まれた。

 色々とあったものの、最終的には三人でチーム組んで遠征を目指すぞと言う原作通りの形には納まった3人。

 翌日、防衛任務明けや用事とかで居なかったモサッとしたイケメン(京介)ゴリラ(レイジ)アホガール(褒め言葉)(小南)が出勤。

 この前の大量生産メガネじゃないと色々とあったが、京介が修を、レイジが千佳を、小南が遊真を鍛えることとなった。

 

「おぉ~!!」

 

「嘘、なにこのトリオン!黒トリガーレベルじゃない!?」

 

 遊真&小南ペアと修&京介ペアは基本的には戦いオンリー。

 訓練室で何度も何度も戦いあった。近距離の攻撃手を目指す遊真と射手でレイガストを使う修を鍛えるにはそれが一番となったのだが、千佳は別メニューだ。

 千佳は性格等から狙撃手が向いていると判断し、レイジから狙撃手の手解きを受けた。素直な千佳は真面目にコツコツと狙撃銃を手に訓練していたのだが、その時に千佳の異常なトリオンが真価を見せた。

 修達がいた訓練ルームは機械とトリガーを繋げて何度負けても何処を切られても直ぐに復元する仮想訓練が出来る場所だったが、千佳が居たのは訓練は出来るものの弾を撃てばトリオンを消費する部屋だった。

 大丈夫なのか!?とレイジは千佳がいる訓練室に入るが千佳は軽く汗をかいているだけだった。朝からぶっ通しで弾を何百発と撃ち続けていることは容易でなく、トリオンが豊富なレイジでもそれは不可能であり、千佳がどれだけトリオンを持っているんだとなり、一旦全員休憩。そのまま千佳のトリオンを測ることとなったのだが、宇佐美と小南は驚く。

 数字にして38。ボーダー随一のトリオン能力を持つ二宮を遥かに越えるどころか倍以上のトリオンを持つ千佳。

 

「あんた、何処にそんなトリオンを持ってるのよ」

 

 ちっこくてどちらかと言えば守られる側で弱いだろうという第一印象がある千佳。

 黒トリガー並のトリオンを持っている千佳の頬を小南はむにゅっと引っ張る。尚、この場には実力派エリートはいない。長らく黒トリガーの風刃を使っていたのでスコーピオンの感覚を取り戻したいと鈴鳴支部と防衛任務中である。

 

「素質だけならば恐らく、千佳が一番だ。戦い方さえ覚えればエースになれる」

 

 小南から解放され、成果を報告しあう。

 遊真はB級の上位陣と大差変わりなく、慣れてボーダーのトリガーで経験を積めば良い。千佳も狙撃を覚えれば有り余るトリオンのお陰で直ぐに化ける。二人については好評であり問題は修だった。

 本当にB級の隊員なのかと疑うレベルの強さだった。実力でB級に上がったのでなく、ラッドを見つけたという功績で上がっており、下手すりゃ訓練生のもうすぐC級よりも弱い。更に言えば迅が裏で色々とやって入隊しており、本来ならばボーダーに入れるトリオン量じゃない。鍛えてる側の京介はコメントしづらかった。

 けどまぁ、やる気はあるし考える頭は持っているのでこれからだと前向きに京介は考えている。

 

「ところで千佳ちゃん、ボーダーの入隊の書類、千佳ちゃんが書かないといけない分は書けたかな?」

 

「あ、はい」

 

 3人の実力や訓練の成果についてはそこで終わり、話は変わる。

 既にボーダーに入隊していた修は本部から玉狛支部に移動するだけだ。ボーダーに協力しているということになっている遊真は親は既に死んでおり、入隊の書類については本人の意思確認ぐらいで簡単に済む。

 しかし千佳だけはそうもいかない。この町在住でこの町育ちで兄である麟児さんは向こうの世界に行ってしまったもののご両親は存命であり

 

「うん!後は保護者の人のサインだけだね……」

 

「問題はそこですよね……」

 

ボーダーに入るには保護者を説得しなければならない。

 千佳が幼い頃に近界民に襲われたことについてはまだしらないものの、友達や兄が居なくなった事についてはざっくりと聞いている宇佐美は困った顔をする。

 

 千佳はぶっちぎりのトリオンを持っている。質も量もぶっちぎりだ。しかし、それだけであり好戦的な性格ではない。今はまだ人を撃てない。その上、友人と兄が居なくなっている。

 そんな千佳がボーダーに入りたいと強い意思を見せても、両親は却下する。どうやって説得するか宇佐美は頭を悩ませる。

 

「トリオンとか話せそうなの、出来る限り話したら良いんじゃないの?流石にこの量は放置してるのはまずいわよ。

この前の、あれ、街中にいたよわっちいの。トリオンが多い人のところに集まるように出来ているって聞いたわ。それを出して説得してみたら?」

 

 数分前まで京介の嘘に乗せられていた小南だが、割と凄くまともな意見を出す。

 小南は純粋なだけで何処ぞの槍バカやDANGERと違い普通に賢い側の住人であり、ちゃんとした意見を出すときは出す。

 

「確かにそれは有効かもしれないが、余り言い過ぎるのも良くはない」

 

 トリオン器官はまぁ、三門市とか企業の極々一部が知っている。

 遠征とか普段襲ってくる奴等がトリオン兵だとかは世間は全く知らず、隠していることの一部を正直に話すことは余り良くない手だと指摘するレイジ。

 

「宇佐美さん、ボーダーの部隊って4人までですよね?」

 

「うん。最大で4人までだけど?」

 

「修くん、貴虎さんも誘えないかな?」

 

 ボーダーは1部隊まで4人まで許される。その確認を取った千佳は貴虎の名を出す。

 目の前にいる修や遊真が頼りないからではない。遊真はいい人、修は色々と危なっかしいけども頼れる人と分かっている。一緒になって遠征を目指す仲間だとも思っている。

 しかし、それで両親を説得出来るかと言えば無理だ。修だけでなく貴虎が居るならばと両親が納得してくれるのではと一緒に居てくれれば物凄く心強い事を知っているので出した。

 だが、修はその事について首を横に振る。

 

「それは出来ない。もし加わってくれて遠征に行くことが仮に出来たとしても、それは多分、間違った方法だと思う。遠征には危険が伴うから僕達がちゃんと戦える様にならないといけない」

 

 貴虎の力を借りることはダメだ。

 母との約束以前に、それで遠征に行ったとしても危険が伴うだけだ。兄がどれだけ頼れるかを最も知っているから修は分かる。貴虎がいればあっという間にA級に、遠征に行けると。

 だが、それは貴虎自身の力であり自分達が強くなったりして行くわけではない。文字通り自分達が強くならないと遠征は危険だと、それで行くのは間違った方法だと判断をする。

 それについては向こうの世界をよく知っている遊真も賛成で、貴虎を誘うことはしない。

 

「てか、貴虎って誰よ?」

 

 話にイマイチついてこれていない小南はそもそも貴虎って誰?と頭に?を浮かべる。

 

「オサムのおにいさん」

 

 遊真がざっくりと説明すると小南だけでなく下の名前を知らなかった宇佐美達もピンと来る。そして下の名前が貴虎だったのかと今知る。

 

「あの人か……」

 

「まぁ、確かに入ってくれるなら心強いよね」

 

「そいつ、強いの?」

 

「強い、と思うぞ」

 

「思うって、曖昧じゃない」

 

 貴虎の事を知ってはいるものの、実際のところはよく分からないレイジ。

 正月のお年玉企画での出来事を思い出し、あれだけ動けるならば運動能力が向上しているトリオン体では派手に動けることは確信する。

 

「小南先輩、分かりやすく言えば三雲さん、修の兄は里見先輩と弓場さんと二宮さんと菊地原を足した感じです」

 

「はぁ!?って、流石にそれは騙されないわよ」

 

 ざっくりと噛み砕き貴虎のスペックについて京介は説明するのだが、日頃、騙していたツケが回ってきたのか信じてもらえない。しかし、言ってることは間違っていない。

 

「二宮さんと弓場ちゃんと里見と菊地原を足したら……変な奴が出来るじゃない!」

 

「……小南先輩、そう思うじゃないですか意外にも足した感じなんです。

里見先輩以上に老け顔で二宮さんなみに良い声をしていて弓場さんなみに男前で菊地原と同等の毒を吐きます」

 

 そして小南は変な勘違いをする。

 京介はそれに気付きなんの迷いもなく貴虎と4名をくっつける。息を吐くかの様に騙す。

 

「嘘、そんなことって」

 

「サトミ?って人は誰かは知らないけど、おれ、オサムのおにいさんに会った時にお父さんだと間違えました」

 

「え、ホントなの!?」

 

「京介」

 

 話の方向が徐々に徐々に拗れるので止めに入るレイジ。

 

「すみません、小南先輩」

 

「え?」

 

「スペック的な意味で菊地原達を足した感じで、性格的な意味じゃないんです」

 

「なぁ!?……騙したなぁあああ!!」

 

「ちょ、僕じゃなくて烏丸先輩ですよ!?」

 

 腕で修の首をロックする小南。

 実際のところ、性格的なところもそんなに間違ってはいない。

 

「てか、スペックがそんなに高いの?」

 

 修で怒りを発散し、話を戻す小南。

 ボーダーのお年玉行事で弓場と生身とはいえ互角に渡り合った事や普段から馬鹿達に勉強を教えている事を教えられる。

 

「視力強化の物凄く戦闘に役立つサイドエフェクトも持ってるから、ボーダーのトリガーを覚えれば一気にマスタークラスまではいけると思うよ」

 

「ん?オサムのおにいさんは目が悪いからメガネをつけてるんじゃないのか?」

 

「兄さんは視力が良すぎるからメガネをつけてるんだよ。アレってやっぱりサイドエフェクトだったんですか?」

 

「種類的に言えばCランクの、五感を強化するサイドエフェクトの1つだと思うよ。聴覚が何倍も強化されるサイドエフェクトを持った子がいるから、その子の視力版だね」

 

 改めてサイドエフェクトだと知る修。

 視力を強化するということは遠くの物を見る、物凄い動体視力等の色々と思い浮かべる小南。

 聴覚を強化するサイドエフェクトを持っている菊地原がいる風間隊は菊地原の聴覚を共有し、目だけでなく耳も使い攻撃を探知するという戦闘をし、A級の中でも特に白兵戦に特化した部隊。

 もし菊地原の視力版が居るならば、それは自分よりは強くないだろうがまぁまぁやる奴になるだろうなと思った。

 

「話を聞く感じ、まぁまぁやれそうな奴だし、部隊に加えるかはともかくスカウトでもしたら?サイドエフェクトとか持ってるなら入隊に必要なトリオン量は越えてる筈でしょ?」

 

 それぐらいの奴なら誘ったらと、修云々を置いておいてスカウトを提案するもその話になると目を合わせなくなる。

 

「あの人、ボーダー嫌いで有名なんですよ」

 

 それはそれ、これはこれとボーダー隊員だからという理由で……差別はした(別役の一件とか)。

 しかしまぁそれでもと一応の一線は引いているもののボーダーは嫌いな事を京介と宇佐美は知っている。と言うよりは、貴虎とそこそこの付き合いがある奴は皆、知っている。

 

「なによ、それ」

 

 ボーダーが嫌いと言われ、余り良い顔をしない小南。

 ボーダーが表に出る前から、それこそ迅が入る前から旧ボーダーに所属していた彼女にとってボーダーはとても大事な存在であり、貴虎がボーダー嫌いというのは余りいい気分ではなく、つい修を睨んでしまう。

 

「話がズレている。今は千佳の両親の説得だ」

 

 そしてレイジに話を戻される。

 千佳のご両親をどうやって説得するか、それについて考えるのだが小南とレイジは今のボーダーになる前から所属しているので、その辺に関しては余り力にはなれない。

 京介もその辺には力になれず、ボーダーが嫌いだと言っている兄を持つ修に全員の視線が向くのだが、修も首を横に振る。

 

「僕の時も親はいい顔をしませんでした。最終的には兄さんを倒したら書類にサインをすると言われました」

 

「修、よくサインが貰えたな」

 

 修がどうやってサインを得たのかを聞くも、全く参考にはならなかった。

 色々と考えるも、これなら折れるというのが中々に浮かばない修達。

 

「迅さんがおれたちが入隊をしてる未来を見たから、なんとかなるんじゃないのか?」

 

 そして遊真の一言で終わった。

 書類にサインをして貰えないという壁は高く、千佳に入ってほしいと言うのならばサイドエフェクトをとことん利用して千佳が親からボーダーに入隊するサインを貰える様に裏で暗躍をする。

 だが、迅は暗躍を一切しておらず、スコーピオンを手に現在は防衛任務中だ。千佳がボーダーに入隊出来るように裏で暗躍をしていない。それは千佳は迅が裏で暗躍をしなくても千佳は入隊できるということと考えれる。

 迅のサイドエフェクトに関してはボーダーでも絶大なまでに信頼があり、それなら大丈夫ねと何故かドヤ顔になる小南。

 迅が裏でなにもしていないならと逆に安心感を得たのか、千佳のご両親の説得の話は終わり訓練は再開される。

 

「すみません。ダメでした」

 

 そして、承諾のサインを貰う当日。

 いきなり支部長と宇佐美を連れてくれば揉めると思った千佳はサインを貰えないかと必死になって説得をするのだが、両親は首を縦には降らない。

 街に被害を出さない守りきるのを条件にボーダーは三門市に近界民を誘導しているのに、大きな襲撃があったのでもないのに半年前に麟児は居なくなったのを出され、戦うということは拐われる可能性がある。

 そんな危険な目に遇わせるわけにはいかないと首を振らない

 

「はじめまして、自分はボーダーの玉狛支部の支部長をしている林藤匠と申します」

 

 無理だった連絡を受け、雨取家に乗り込む林藤支部長。名刺を渡し、ペコリと一礼をする普段の姿からは余り想像出来ない大人の姿を見せる。

 まさか支部長を連れてくるとは思っておらず、千佳の意思が物凄く固かった事に千佳の両親は驚き、一先ずは耳を傾け、林藤支部長は話せる範囲の出来事を話す。

 

「娘さんにはとてつもない才能が秘められています」

 

 トリオンについて。

 

「つまりはトリオンを持っていればいるほど、近界民から狙われます」

 

「こちらが有名なボーダー隊員のトリオン能力を数字にしたものと千佳ちゃんの能力を数字にしたものです」

 

 トリオン器官が優秀な人間を優先的に拐うことを。

 

「四年前の様なことがあれば真っ先に狙われる可能性があります。自衛の手段も必要で、ボーダーに入ることは相対的にも安全で娘さんの訓練に関しても、ボーダーでただ1人しか居ない遠近中全てで戦える我が玉狛支部が誇る木崎隊員が指導しております」

 

「千佳ちゃんは現在、狙撃手になるべく訓練をしています。

狙撃手は最前線で戦う攻撃手、ボーダーで言えば太刀川隊員の様に剣を持って戦わず街中に潜んで戦い、いざというときは走って逃げるという訓練もしています」

 

 訓練の方に関してもちゃんと指導し、訓練についても色々とやっていると林藤支部長は話す。

 宇佐美はその補佐を勤め、御両親が説得に折れてくれる様に色々と補足をしたりデータを見せたりとしている。

 それにより段々と顔が変わっていく千佳の両親。このままいけば承諾を貰えるぞと心の中で小さくガッツポーズを取り話を進める。

 

「玉狛支部には娘さんと同世代の人達がいます。

既にB級に上がっている三雲隊員に、1月に入隊予定の空閑隊員と共に部隊を組んで上を、A級を目指します。A級を目指す方法ですがボーダー内で部隊によるランク戦がありまして」

 

「待ってください」

 

「はい、なにか不明な点でも?」

 

「三雲隊員、というのは三雲修のことでしょうか?」

 

「はい。そうです。

この度は玉狛支部に移動することになりまして、娘さんの方も彼と一緒ならばと安心している部分が……どちらに?」

 

「すみません、数分ほど席を外します」

 

 自衛の為にもA級を目指すのはオススメだと、同世代の修や遊真がいると、宇佐美がオペレーターをすると説明していくのだが修を出すと少しだけ千佳母の雰囲気が変わり、席を外した。

 

「三雲くん、隊員だったのか?」

 

「うん。少し前からで……」

 

「三雲隊員の方も優秀でして、この前のイレギュラー門も彼が市街地に潜んでいた近界民を見つけてくれたお陰で被害を拡大することなく防ぐことが出来ました」

 

 なにやら不穏な空気が漂いだしており、少しだけ話題が切り替わったのでマイナスな事を言うわけにはいかないと褒める支部長。

 遊真の事も出し、どちらも非常に優秀な隊員で千佳の事を思いやれる子なのでなにかチームメイト間でのギクシャクといった事も少ないでしょうと宇佐美もフォローを入れる。

 

「申し訳ありませんが、少しだけ待っていただけないでしょうか?」

 

「娘さんを預けるのは心苦しい事は分かります。入念に何度も何度も相談し、考えて御返事をお聞かせお願いします」

 

「あ、いえ、そうではありません」

 

 数分後、戻ってきた千佳母。

 考える時間が欲しいという事を聞き、何卒と支部長を頭を下げるのだがそういうことではないと頭をあげさせる。

 

「ちょっと色々と聞きたいことがありますから、少し待っていてください」

 

「?」

 

 聞きたいことがあると言うのならば、今すぐに聞けばいい。

 話せる範囲ならば色々と話すつもりの林藤支部長は頭に?を浮かべており、少しするとインターホンが鳴り千佳父が応対しにいくのだが、直ぐに戻ってきた。スーツ姿の貴虎と学生服姿の修を連れて。

 

「支部長!?宇佐美先輩!?」

 

「色々とお伺いしたい事があるので、この場に呼びました」

 

「ああ、そうですか。あ、どうも、はじめまして。自分はボーダーの玉狛支部で支部長を勤めております林藤匠と申します。何時も息子さんがお世話になっております」

 

「……」

 

 何故呼んだかは分からないが、結果的には呼んでくれた方が良かったのではと前向きになる支部長。

 御両親の時と同じく名刺を渡しペコリと一礼をするのだが

 

「兄です」

 

「え?」

 

「支部長、その人、修くんのお兄さんだよ」

 

「その、兄です」

 

 渡した相手は貴虎だったので空気が凍った。




実力派エリート「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!」

メガネ(弟)「今回は空閑についての説明を……って兄さんは?」

空閑遊真

PROFILE

ポジション アタッカー
年齢 15歳
誕生日 不明
身長 141cm
血液型 不明
星座 不明
職業 中学生
好きなもの 日本の食べ物

FAMILY

父、レプリカ

トリオン 7
攻撃 9
防御・支援 8
機動 10
技術 8
射程 2
指揮 3
特殊戦術 4

TOTAL 53

実力派エリート「メロンくんは今色々忙しいみたい」

メガネ(弟)「そうですか」

実力派エリート「ということで、遊真についての説明だ。
遊真は近界民の世界からやって来た人間で、ボーダー創設時のメンバーの1人である空閑有吾の息子さんだ。有吾さんは現在のボーダーには所属しておらず、色々な近界を回っており……最後には黒トリガーになった」

メガネ(弟)「数年前までカラワリアという国家にいて、当時も空閑は有吾さんに鍛えられそれなりに強かったのだけれど、カラワリアでも指折りのトリガー使いを倒す敵と遭遇しボーダーのトリガーとは全く違う向こうの世界のトリガーを使っていた空閑はトリオン体を破壊され、生身の肉体を瀕死寸前まで追い込まれた」

実力派エリート「遊真を瀕死寸前までに追い込んだ敵は居なくなったけれど、死の間際だった遊真。
有吾さんはなんの迷いもなくトリガーを手にして笑顔で自身の命とトリオンを注ぎ込んで遊真の肉体を別空間に入れ、日常生活を送る特別なトリオン体を与えることが出来る機能も備えた黒トリガーとなりこの世を去った」

メガネ(弟)「黒トリガーを手にした空閑は有吾さんの持つ嘘を見抜くサイドエフェクトを引き継ぎ、本当は有吾さんが生きて欲しかった人達に頼まれカラワリアの戦争に協力して戦争が一段落した後、もしも自分の身になにかがあった時は日本のボーダーという組織にいる最上宗一を訪ねろと言われており、空閑はその言葉に従って尋ねた。
黒トリガーとなろうとしている父が最後の瞬間、笑っていた。どうしてかと分からなかった空閑は黒トリガーとなった有吾さんを元に戻せないかと訪ねに此方の世界にやって来た」

実力派エリート「けど、最上さんはもう居なかった。
そのせいでやることとかがなくなり、心にぽっかりと穴が開いた遊真。そこでレプリカ先生が、メガネくんに遊真について色々と話すんだけど……ここではちょっと違うかな。
こっちの世界に居る間は協力する事になってそれで終わりで、長い間この世界に滞在したら迷惑をメガネくん達に掛けるから大規模侵攻を防いだら向こうの世界に帰ろうかなって考えていた。
そうなると生きる目的ややることはなくなり、それはダメだと思ったレプリカ先生が黒トリガーについて聞いてきたメガネくんに色々と事情を話した。トリオン体になってる理由を、指輪の中にある遊真の肉体は徐々に徐々に死に向かっていることを。
遊真の肉体を蘇生させるのは此方の世界の技術でも無理だと判断したレプリカ先生は遊真と一緒に遠征に連れていかないかと、向こうの世界の行ったこと無い国に一緒に連れていってほしいと頼んだ。
まぁ、その後は千佳ちゃんが入隊するとかメガネくんはいざというときに逃げてしまう自分がいるとか色々と話し合い、やること無いから手伝うよとなりメガネくんが隊長で良いと押してボーダーに入隊することになった」

メガネ(弟)「一応は、そんな感じです。
因みに空閑の持つ黒トリガーですが、コピー能力を持つ黒トリガーで、ボーダーのトリガーの機能を瞬時にコピーして使用したりすることが出来る優れ物で、それ以外にもレプリカを経由して他人を強化する事も出来る……そういえば、重くなる弾こと鉛弾を覚えていないんですが」

実力派エリート「ああ、大丈夫大丈夫。
宇佐美がトリガー紹介をしている時のどさくさ紛れにスコーピオンとか鉛弾の解析はしてるから、使わないだけで使えないなんてことはない」

メガネ(弟)「そうなんですか。原作でもなかったのですが黒トリガーを持った迅さんと空閑が戦った場合はどちらが勝つんですか?」

実力派エリート「う~ん、どうだろう。
遊真のトリガーはコピー能力を持っていて、相手のトリガーを真似ることが出来てシールドや射撃なんかの基本的な事は全部出来る。対してオレの風刃は弧月よりも切れ味抜群でスコーピオンよりも軽い刃を物質に伝播させて遠距離からの斬撃を可能とするだけで万能性には欠ける。けど、オレのサイドエフェクトとの相性は最高だ。だから、戦闘回数とフィールドで勝敗を分ける」

メガネ(弟)「戦闘回数とフィールド、ですか」

実力派エリート「そう。風刃は遠距離からの斬撃以外の機能は有していない。だから、それを知ってるか知らないかで戦闘は大きく変わる。もし、入り組んだ工場地帯やショッピングモールなんかで遊真とはじめての戦闘になったらオレが確実に勝てる。けど、それ以外でそれこそ陸上競技場みたいな平地のだだっ広いフィールドとかだと遊真が有利で、戦闘回数が2回目、3回目となると風刃の能力にも気付く。風刃の奇襲性が無くなったりすれば色々と出来る万能な遊真の黒トリガーでオレを倒す為の戦法を取ってくる」

メガネ(弟)「迅さんを倒す為の戦法ですか」

実力派エリート「そう。分かりやすく言えば、質量による暴力、弾攻めとか。
因みにメロンくんと遊真が戦った場合は7:3の割合ぐらいでメロンくんが優勢で、遊真が勝つ時は大体は火力によるゴリ押しだ」

メガネ(弟)「技術なんかでは勝てないんですね」

実力派エリート「うん、まぁ、そうだな。
遊真の黒トリガーは万能で一番の強味は他者のトリガーをどんなものか覚えて自分の物にするコピーする能力なんだけどメロンくんの使うトリガーって、切れ味抜群の武器!とか物凄く頑丈な盾!とかの能力より使用する人が強いか弱いかの武器が多くて、コピーしなくても遊真は自前の物があるし、能力重視のメモリをコピーしようにも先ずは解析しないとダメで解析しようにもアレ、一応は地球の記憶が詰め込まれてるからスッと解析することが出来ない。だから、勝つには黒トリガーで上がったトリオンの火力でゴリ押しが一番なんだ」

メガネ(弟)「火力のゴリ押し……僕とは一生、縁の無い話ですね」

実力派エリート「縁が無い方が良いって。
火力によるゴリ押しは強いけど辺りの被害とか半端なくて、必要以上にトリオンを消費するからコスパとか最悪だよ。ということで、次回予告を頼んだぞメガネくん!」

メガネ(弟)「はい!林藤支部長に父親だと間違えられ、落ち込むものの直ぐに立ち直る兄さん。僕と兄さんはこれはどういったことかと問い詰められる。次回、ワールドトリガー【繋いだ手と伸ばした手】にトリガー、オン!」

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