『スネーク。レーションを手に入れたのね』
「……ああ。余り美味くないイメージしか無いんだけどな」
『そう文句は言わないの。レーションは保存が効く人工食品の保存食よ』
「……昔食べたレーションは本当に不味かったぞ」
『アメリカ製のは不味いって評判だから、非常にストレスの溜まり易い戦場に於いて消耗品たる食糧を過度に摂取しない様に敢えて甘味料等は入れられて居らず敢えて不味い様にされているって話があるわ』
「……多少腐ってていても俺は蛇が良いなぁ。最近、蛇を食っていないなぁ……何処かに蛇、隠れていないモノか」
『共喰い上等なのね……』
「何か言ったか?」
『いえ、何でも無い。レーションはお国柄によって内容が変わっててバラエティに富んでいたりするのよ。ニッポン製とフランス製のレーションは不味くは無いって評判よ』
「そうなのか……お、ニッポンの文字が書いてある‼︎ と言う事はこのレーションはニッポンで作られたレーションと言う事か‼︎」
『と、なればそのレーションはニッポン製の可能性が高いわね。味も保証出来るわよ』
「ソイツは楽しみだ。何せ食用ガエルの住んでいる国だからな……親近感が湧く国の食糧か。そう言えばカロリーメイトもニッポン製だったな?」
『ええ、確かそうだった筈よ』
「なら、安心して食えるな」
『そもそも、ソレ……何処で手に入れたのよ?』
「ん?ああ、保管庫と思わしき所で見つけた。長い間使われて居なかったんだろうな。レーションは腐らない保存食だから大丈夫だろう?」
『え、ええ……そうね。そうじゃなかったら保存食とは言えないわ』
「……………‼︎」
『どうしたの?』
「いや、人の気配を感じた。然も複数人……ダンボールの偽装でやり過ごす」
『一旦、切るわ』
——こんな辺鄙な所に少女と言った子供が多数?似た様なお揃いの黒と赤を基調とした服を着ている…………まさかと思いたいが少女兵や少年兵と言った類なのか?そう言うのは余り好きでは無いのだがな……子供にはそう言う場所には来て欲しく無いんだがなぁ。
「やり過ごせた」
『そう……』
「と、思っていたら長い金髪の子供がずっと此方を見ている……‼︎ コレでは動けん……‼︎」
『子供は何かと鋭いって言うしね……』
「呼ばれたのか去って行った……普通の子供達には見えなかったな」
『何処かの学校の生徒じゃない?まぁ、バレたら変質者と思われても仕方ないけど……』
「……それはそれでかなりショックだ。俺は断じて変質者では無い」
『変人だとは思うけど』
「何か言ったか?」
『いえ、何も?』
——取り敢えずこのニッポン製のレーションでも食べて気を取り直そう。
「ぐほぉ……期限が切れて、いたぁ……‼︎」
——マズい……‼︎ と言うよりも期限切れのレーションだった……‼︎
『ニッポン製レーション』
期限切れだった……。美味いと期待していたのにコレはかなりショックだ……‼︎
『レーション』
現実にも実在する携帯食糧。
基本的に軍事的な要素が見受けられる作品に登場する。『メタルギア』シリーズ、『ゴッドイーター』シリーズ等。『モンスターハンター』にもレーションと思わしきアイテムが存在(説明文に『多くのハンターが口を揃えるマズさ、との事)する。
意外な所では『神獄塔メアリスケルター』シリーズにも登場する。然も6種類程……が、どう考えても製造年月日は本編の年代よりも19〜20年以上、昔のモノと思われる。アイテムとして期限切れレーションが道端に普通に落ちている。壊滅した自衛隊のモノだろうか?
或いはジェィル細胞により擬態化されたモノだと思われる。因みに人間がジェイルにより擬態化された物質を一定量以上摂取すると知能低下、凶暴化を誘発させてしまう(ジャック達は人間では無く同族に値すると思われるので問題は無い模様)。
因みにこの話は『神獄塔メアリスケルター3』の『欲求』のスネーク側の視点。