『スネーク、無敵キャンディを手に入れたのね』
「ペロペロキャンディみたいな物を拾ったは良いが、何故無敵キャンディと言う名前なんだ?」
『さぁ?単にそう言う名前だからじゃない?』
「……よく分からんが道端に飴が落ちている光景は何とも理解し難い」
『無敵キャンディは食べると筋力や頑強さが最大限に引き出される飴の形をした薬物よ。甘そうだけど確かに甘いわ』
『人知を超えた筋力状態になるから並大抵の敵兵なんかは触れた瞬間に即死してしまう程。更には過剰強化された肉体は爆発や火炎放射、銃弾、果ては危険生物の爪牙や毒物でさえも無効化してしまう……』
「おい、それは麻薬の一種じゃないのか?触れた瞬間に敵が死亡するなど、おっかな過ぎるだろ。そんな強化兵士なんかが戦場に跋扈したら戦争なんてワンサイドゲームになってしまうだろうな……」
『所がそうも行かないみたいよ。無敵キャンディの製造法は極秘中の極秘。原材料ですら不明……更には生産数も然程多くはない……それにその無敵化の効果時間は最長で8秒程とかなり短いそうよ』
「……効果時間も短く量産も効かない希少品……と言う訳か。全兵士に行き渡らせる事は無理と言う事か、安心した。敵兵全員が無敵になってしまえば手も足も出せなくなる。そんな怪物相手は人の手には余るモノだろう」
『そう言う事。何故、道端に落ちているのかは分からないわね』
「……補給線の部隊が落としたのかも知れないな。随分と杜撰な管理だ。或いは単なる飴だと思っていたのかも知れないが」
——飴だけを運ぶ部隊もそれはそれでどうかと思うのだけどな……。
「リスクは?原材料不明とは雖も実物が存在する以上、そんな過剰染みた効果を得られる以上何かしらのリスクが発生する筈だ。内容は分かったが得体の知れないモノまでも口にする勇気は無い」
『貴方の場合、何でも噛んでも口にしている気がするのだけど……』
「そうだな……偶には敵兵に食わせて様子を確認してみるか。丁度、巡回警邏中の兵士がいる」
『大丈夫なの?』
——まぁ、見てみよう。例の無敵キャンディを敵兵の口が開いた瞬間に死角から投げ込む‼︎
「う、うぉぉぉ‼︎⁉︎」
「いきなり全力疾走し始めたぞ。あ、別の兵士にぶつかった瞬間、ぶつかられた方の兵士が流血しながら吹っ飛んでしまったぞ」
『敵味方関係無いのかしら。と言うよりも良く投げ入れる事が出来たわね』
——そろそろ8秒経つな。
「がはっ⁉︎ ぐおぉぉぉ‼︎ は、腹がァァァ‼︎⁉︎ か、かかか、身体が、こ、壊れ⁉︎」
「効果が切れた途端、倒れ込んだぞ。飴が道端に落ちていたからな……媒介菌を持った虫でも集っていたのかも知れないな」
『貴方の場合、毒蜘蛛さえも口にしていたでしょ?』
「何の事だ?兎も角、やはりあのキャンディを口にしなくて良かった……」
——過剰強化された細胞が自身を構成させた肉体の耐久力を超過したのだろうか、見るも無残な光景が広がっていく……恐ろしい飴もあったモノだ。
『無敵キャンディ』
口にした兵士が猛烈な勢いで走り出し敵味方関係なく体当たりして殺害していた。どうやら興奮剤も併せて配合されている可能性が高い……飴の形をした危険な薬物なのだろう。
『無敵キャンディ』
『星のカービィ』シリーズに登場する食べ物。触れるか吸い込むかすると一定時間、無敵状態になる。そんな事よりも何故、道端に落ちている食べ物を平然と口にできるのだろうか?ポップスターに住む者たちは皆、食中毒とは無縁な程に胃袋が頑強なのかも知れない……。