「此方、スネーク」
『私だ。スネーク』
「大佐。隠れる事が出来そうなポイントに到着した。現在、ダンボールに身を隠しつつ周囲の様子を窺っている」
『スネーク。其処から何が見える?』
「周囲はゴーストタウンなのか廃墟と化した街並みが見える。酷く寂れていて無頼漢が彷徨って居そうな程に荒廃した街が広がっている……然も見た事も無いクリーチャーが路地裏や大通りを闊歩している……見るからに不気味な連中だ。どう言う構造をしているんだ?」
『スネーク。奴らはメルヒェンと呼ばれる生命体だ。実に様々な姿をしているが、総じて人間に害なす存在だ。様々な生命体が存在する中で的確に人間のみを襲って来る。視力や聴力を持たない種であっても的確に襲う』
「どうやって判別しているんだ?」
『一説には人間の匂いだとも言われている。ダンボールで隠れたとしてもダンボールごと攻撃される可能性がある。メルヒェン相手にダンボールで対処出来ると考えない方が良いかも知れんな……』
「全部が全部。そうとも限らんだろう……他にも判別方法があるかも知れないじゃないか」
『其方に関して深く考えても仕方がない。一応、注意するんだ。他に何が見える?』
「白い壁が見える。周囲が廃墟だと言うのにその白い壁の巨大な建物は新築のように聳え立っている……屋上付近には対空砲まで完備されている。砲門の数が多いな……空からでは爆撃の雨霰、とても近付けないだろう。真っ新過ぎる壁も怪しい……何かあると見た方が良さそうだ」
『間違いないな。スネーク、
「ああ、散々迷惑を被って来た『恐るべき鮫達計画』の基盤があの施設に存在する。単独潜入し『計画』の機能停止。乱入された時は散々な目にあった……地上で鮫に追われる体験なんてもうウンザリだ」
『そうだ。よもや、この様な場所に存在するとは想像だにしていなかったな……』
「しかし、情報が錯綜しているそうだが今回の情報。確かなんだろうな?」
『ああ、無論。空振りに終わる可能性がある……』
「…………無駄骨覚悟か」
『火のない所に煙は立たない……こう言う時もある』
「乗り気では無いが任務は任務だ。何も無ければそれで良いが、敵対する以上……話し合いで終わる訳が無い。ましてや向こうも向こうで簡単に腹の内を見せるとは思えん。結局、やる事は変わらないと言う事だ」
『……済まないな』
「大佐、何年の付き合いだと思っている?っと、誰か来た……子供?」
『どうした?』
「いや……小さな少女が見える。茶髪に、かなり活動的で脚の素肌が丸見えだ……夏場のアメリカで見かけそうなファッションセンスだな……」
『その環境では女の子が生きるのは辛かろうが……?』
「ッ⁉︎ 何だ、アレは……⁉︎」
『どうした?何を見た、スネーク⁉︎』
「耳が……ピンク色に発光する狐耳が見える……どう言う事だ⁉︎」
『……待て。もしや』
「大佐?」
『聞いた事がある。時折、特異的な進化を遂げた人間が生まれると言う事を……彼女もそうなのだろうか……?』
「……逃げたぞ。あの子は何がしたかったんだ?」
根本的に何か可笑しい事に気づいていない2人……。
因みにこの話は『神獄塔メアリスケルター3』の『袋の小豆』のスネーク側の視点。