『スネーク。マヒダケを
「この小さいキノコの事か?」
『ええ。マヒダケはその名の通り神経毒を多量に含んだキノコの一種よ。何処にでも自生するから有り触れたキノコと言う訳。間違っても口にはしないで頂戴。内包する神経毒は即効性で大型生物でさえも一時的とは言え筋肉神経を麻痺させ動きを大きく制限してしまう程なの』
「山椒の粒は辛いとは言うが、コレもそう言う類なのだな」
『ええ、古来よりマヒダケを狩りに利用してきた歴史があるそうよ。神経毒を矢とか弾に転用して獲物を仕留めて来たと言う事よ』
「と言う事はコイツを使えば大型の奴を楽に
『試してみないと分からないけど、実績が存在する以上、無碍には出来ないわね。使ってみたらどうかしら? そうすれば資料の充実化に繋がるかも知れないわ』
「ああ、流石に携行武器の弾に直接塗り付けるのは難しいから他の手段を考える必要があるな。何かしら案は無いか?」
『そうね。原始的にはなるけど投擲用のナイフに麻痺毒を塗りつけて投げ付けると言うのが一番、シンプルかつ安定した効果が出ると思うわ』
「成程。初期の頃の案にはなるがシンプルであるからこそ明確に効果が出易いと言う事だな?」
『そうね。大型生物でさえも一時的と言え動きを制限させてしまう程の神経毒だからヒトなら長時間動けなくする事は可能よ。ただそれでも即効性かつ一時的に過ぎないから自然と治癒するわ』
「充分だ。戦場では一瞬の隙が命取りとなる。一瞬の隙さえあれば戦局は簡単に覆るものだ」
『ええ、だから』
「で、味は?」
『食べな、何言っているのよ、貴方は?」
「だから味」
『……貴方、話をちゃんと聞いていた? もしかして変なモノを食べ続けた所為で脳細胞が死滅してしまったとでも言うの⁉︎』
「大丈夫だ。俺は正気だから問題は無い」
『とてもそうには見えないのだけどね、常々思うのだけど貴方の胃は人間の胃なのかしら?』
「酷い言い草じゃないか? それで、味は?」
『味も何も神経毒が……』
「だが、食ってみたら存外、ウマいかも知れないだろ? 食える部分は意外にもウマかった、かも知れないじゃないか」
『勝手にして』
——食べてみた。
『ごほっ⁉︎ 毒だ、クソっ‼︎』
「パラメディック」
『スネーク、どうしたの?』
「例のマヒダケを食べてみた。ありゃ毒だった」
『だから言ったでしょう?』
「だが、麻痺したお陰で肩凝りが治ったぞ。後、何と聞いて驚け、バッテリーも回復したんだ」
『え?』
「オロシャヒカリダケみたいにバッテリーが回復するキノコが存在するとは、世界はやはり広いモノだな。味は……ウマくは無かったのが玉に瑕だな」
『…………』
『マヒダケ』
食ったがそんなにウマくない。が、バッテリーが回復した。麻痺と電気に何らかの関係があったのかも知れないな。
『マヒダケ』
『モンスターハンター』シリーズに登場するキノコ系アイテムの一種。『キノコ大好き』のスキルがあれば『硬化薬』の効果を得られる。