『スネーク。ちょっと良いかしら?』
「何だ、パラメディック。今、医療機関に居るんだから無線通信は止めてくれないか? ちょっと、場所を移すから待て。あ、すいません、ちょっと仕事の同僚から空気を読めない電話が来てしまったので、はい」
『何ですって……⁉︎ スネークが社交辞令を⁉︎ 天変地異の前触れかしら……‼︎』
「……。良いぞ、で? 今度は如何したと言うんだ? パラメギアなら、んに娘に摂取されてオモチャにされたぞ」
『其方の件が非常に気になるのだけど……医療機関って、また歯医者に潜入して居るの?』
「違う。普通に患者として来ているんだ。ついでにうに娘達が次回の作品の出演が決まっているから次いでに検診に来たんだよ」
『……歯医者? 医者なら私が見てあげるわよ。遂に自分自身の脳と腹と筋肉と骨と胃腸と延髄と目と鼻と歯の異常を自覚したとでも言うの⁉︎』
「顎の異常は感じたな……」
『何ですって?』
「顎だ。顎の関節付近が妙に痛くてな……病院で聞いたら口控外科だと言われて来たんだ。放置していると噛みにくいし痛いわ、陸な事が無い」
『顎関節症かしら? 日頃から変なモノを食べたりしているからでしょう?』
「潜入任務で呑気に歯磨きは出来ないからなぁ……」
『それ以外にも石とか訳の分からないモノばかり口にしているからでしょう?』
「……食ったら美味いかも知れないじゃないか?」
『……一応、食う前に聞いている事だけは評価して上げるわ。それ以外はどうしようも無いのだけれど』
「……せめて資料はアテになる奴にしてくれよ」
『全く……貴方の様な髭面で幼女を連れていたら職質よ職質。見るからに人像が悪いんだから誘拐犯に間違われても可笑しく無いわよ?』
「それは流石に酷すぎやしないか?」
『可笑しくありません。そもそも顎が痛いのなら私に言えば直してあげるわよ? ついでにその脳髄も診てあげるわ。何をどう間違えれば人の家を料理スタジオに改造するのか調べないと』
「遠慮しておこう」
『如何して?』
「……何処ぞの『戦慄‼︎ ダンボール怪人』だの『恐怖‼︎ ホワイトシャークの逆襲』みたいなB級映画の登場人物みたいな事態に陥りそうだからな」
『……B級映画の何処が可笑しいのよ⁉︎ 面白いのに‼︎』
「…………そろそろ順番が来るから戻る」
『せめてマシな服装に着替えてから行きなさい‼︎』
「??? 何か変か?」
『前回もそうだったけれど……何処の世界に白いタキシードで歯医者に行く人間が居るのよ‼︎ 然も胸ポケットにまた薔薇なんか挿しちゃって‼︎ カモフラージュ率がダダ下がりで目立ち過ぎよ‼︎ その上に幼女を連れてだなんて……一体、何を考えているのよ⁉︎』
「え?可笑しいのか? ニッポンじゃ普通の服装だと思うのだけどな……。ほら、街を歩いている人は大半がスーツだからさ。似合うか?」
『色と都合と場合を考慮しなさい‼︎ 貴方のチョイスは斜め45度間違えているのよ‼︎』
「似合わないのか……」
『似合う似合わない以前に、もう少し場所を考えて服装を変更しなさい‼︎ 全く……貴方の様な優秀だけど非常識の塊の様な大人を見てうに娘達の将来が凄く心配だわ……』
「別に養育している訳じゃないんだけどな。時たま姿を眩ませるし……」
『子供は身近な大人を見て育つモノなの。変な育ち方をしたらどうするのよ?』
「…………教育方針に関して口を挟む気は無いぞ」