ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?(少年とドラゴン) 作:とにかく帰りたい
プロローグ9話 悪意の憑依と母なる回帰
その日は、別段と何をするわけでもなかった。
ファフくんはここ最近、私を失う夢を見て寝不足気味らしい……戦闘に関しては、私も覚えがあるというよりファフくんと出会うまで1人で頑張っていたし、この辺りの岩盤は構造的にも強固なより硬く階層移動するモンスターも避けるほどで、しかも出るところは1箇所を守っていればあとは安全というものだった。
「ファフくん、寝ないとダメだよ!
もう!私だって戦えるし〜…いつまでも守られてばっかじゃないから!!」
ズイズイ…っと彼に詰め寄る。
彼は、まだなにか言いたげにしどろもどろだが、容量を得ない。
「だ、だけどな……、妙にリアルだったからさ。
なにか起きてからだと俺が後悔をするにしきれな…」
ブニュッ…彼の頬を両手で添えてこれ以上言わせないように触れた。
トーンは、この時ちょっと泣きそうだ。
彼に守られることしかされてなくて、自分は彼の役に立てているのかわからなかつた
「私、そんなに頼りないかな…!グスッ」
なさけなくている自分が悔しい思いをしていた。
ファフは、アセアセと手を振りながらリアクション大きく
「いや、そんなことない!!
寧ろ、いてくれてすごく頼りになっている。
コハクがいてくれるだけで、私も毎日が楽しく……
一緒にいる事が、何故か当たり前になってしまっていて伝え損ねた私が悪いな。
すまない……」
コハクを宥めるようにソッと手を頭に触れて撫でる。
優しく不器用ながらも大事にしているんだと言うその撫で方に、コハクは涙をためて泣きそうだった泪がこぼれ落ちる。
すごく嬉しかったのだ……。
その時間は、時間にして数時間ほどのものだった。
---ポニュン……。
いつの間にか、スライムの様な粘性の物体が壁から湧き出てきていた。黒く異臭も放たないベタっとしていて、見ているだけでも君が悪かった。
明らかに母から産まれたものではなく、ただ単にモンスターとしては、異質なものであった。
「コハク…。下がっていてくれ。」
ファフは、あのスライムが地上にいるとされる人の手によってもたらされた悪意の塊だと魔力から察して舌打ちをする。
ーーーー奴ら、もうこんなところを突き止めたのか……
クソッ、欲の深い連中め。
その気味の悪いスライムが何をするかは分からないが、
彼自身は人の作ったものがどうせ自身を止めれるようなものでは無いだろうと、タカをくくった。
彼は、いち早く人間の匂いを感じ取っていた。
そいつが犯人だろうと……思っていた。
「そう……思うんだね。
君は、だけどそう言うのって……行けないと思うんだよねぇぇぇ」
ぐにゃぐにゃと、スライムが動き彼にジリジリとよってきた。
ーーーナンダコレハ、こんな人間が………いるのか??
スライムとは、別の場所…
入口から、漆黒に染め上げられたような…黒が歩いてきた。
この場所は深層とニンゲンタチが呼んでいたはずだ。
その中でも、この場所は深層よりも深く。
モンスターでも苦労する場所である筈なのだ……
「何故……此処に来れた?ニンゲェン!!」
牙を向けやつに炎を吐いた……
「………
aha…は6HA羽8!?」
その焼かれたはずなのに塵にすらならず、寧ろ無傷で
焼け爛れた頬をズルリと、落とした…。
黒々しいタールのような液体がそこから、垂れ出して来た。
「!???!……ニゲロ!!!コハk((」
ーーーブシュ……、
鮮血が綺麗にみずみずしい野菜を乱雑に切った時のような勢いで彼の血が舞い、コハクの顔を
少しばかり汚した。
「ファ………フ、くん??」
血は、彼の硬い装甲もある皮膚から今は、勢いをなくす切り裂かれた所の血が噴き出した後、
黒々としたタールの液体が入り込むように、その傷……口、耳、目の入れる場所から……ずるりずるりと、彼の頭を覆った。
周りには、飛散した血がコハクにありありとした現実をみせる……
ーーーーーウッ、なんなの……コレは、吐き気が酷くなる一方……
その光景をジャルク達は、虚脱感と吐き気に襲われながらも、しっかりと前を向いてその光景を刻んでいた。
『えぇ……妾もこればっかりは、いつ見てもなれぬ……』
絶望する様に…低く低く頭がさがるコハク、
やがてドラゴンより人間の体になれば、涙をいっぱいに頬を濡らし………その先にいる悪意を睨みつける。
上気するほどの怒りと憎しみに顔を歪め……
周りの大気を揺らす、、、
ジャルク達はその力に、片膝をついてしまう。
圧倒的な力に押し付けられたかのような、恐怖を体感してしまっている。
「殺す………殺してやる。
私も……上位種の端くれだ。
お前くらい………お前くらいなら………」
ーーーヤバ…いっす、、、!
なん、すか……この圧。
バケ、、モノって…Lvじゃ、ねーすよ。
その圧に瞬足くんは、ヘロヘロで今にも気絶しそうだった。
スカーハはその圧に、打ち奮わせるが…今にも獲物を落としそうになっている。
そして多くを語らずにただそこを見つめるコハク……。
『すまぬな……もう少し耐えてくれ。』
ーーーアンタぁ……一体、、、何を…知って、、、るのよォ。
『あやつが来る前に耐性をつけるためじゃ。』
そんなコハクに歯噛みするように睨みつける体力を見せるジャルク……その声も途中途中息を外してしまい言葉が連続して出てこない。
ーーーーーーーーーなに……それ…ぇ……ッ!?
Aぁ…コkロg震…el…。
「だ……だれ!!?、貴方は!?」
その大気が弾けて消えてしまう様な、底冷えのする
優しくネットリと、冷たい沼にハマるような感覚を、
この中の誰もが……それを感じ取る……優しくも恐ろしく、ズルりずるりと抱きとめる様に、引きづり込むように、その声は先程の殺意すら消し飛ばしてしまうほどだった。
それは、揺れていた……いや、
嗤っていた……。