ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?(少年とドラゴン)   作:とにかく帰りたい

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いやぁ、過去編もいよいよです。
もうなんか楽しく書いてたのが不意にピタッ!、ピタッ!、ピタッ!ピタットハウス!Hi-Hi-Hiみたいに止まりました((よく分からない話振り

ここまで来たら、きっちり書いて本編行きます!
早くしろってわかってるんです!
だけどね………これ書きたかったんだよォ…うわぁぉぉ((議員ネタ
バジマリィマズゥゥウ…ウェッハ(むせる


プロローグ8話、小さな追憶と大きな夢の約束

ーーー風は、コハクの周りを守るようにくるりと1周回って、姿を変えた。

 

いや、姿を変えた訳ではなくジャルタ達が目で追えないほどに速かった。

元は、黒い何かが本当の姿だったのだろう…。

 

過去の話を一緒に見るコハクは、過ぎたこの時間に何かすごく思い入れがある様でときおり、悲しそうに喉をキュロロン…とナキ声を響かせる。

 

「彼奴はなんだ?…私らが見た所に、

あの気配は無かったぞ。」

 

「言いたくないこともあるでしょう?

その…なんというか、」

 

スカーハは、コハクよりあの黒き影が気になるようで、

コハクに尋ねていた。

そんなスカーハにジャルタは察しなさいよと言わんばかりの空気を出したが……

 

「むっ、彼奴か?

彼奴は、おぬしらが倒そうとしてる黒龍自身じゃよ?」

 

あっさり呆気なく答えた。

彼奴だろ?って、そう聞いて来るくらいにだ。

全員が嘘だろうと呟きを漏らしそうになる。

 

「まじっすか!!

でもそれだとありえなく無いっすか!

アンタがここにいる事自体が…」

 

瞬足君が…震えながら言う、無理もないあの姿は私でも堪える…。

しかしながらコハクは答えない、まるで見ていればわかると言いたげに過去の自分を見ているだけだった。

瞬足君も、どんよりと息をつく……。

結構な時間を食ったバランス感覚を取り出して、今は立っている。

 

「しかし、それなら私も納得がいく……。

でも、なんで………。」

 

ジャルタ自身も、不思議だったのだ。

彼女程の強さなら同族の嫌悪をされているなら傷、疲れるような体力の様な事で動く事はないのだ。

上位種のトップに位置するドラゴン。

見ただけでも、実力はかなりのものであるはずなのだ。

 

「くくっ…、そうだな。

特別種だろうな、彼も私自身もな……。

変異種より余っ程なでたらめさがあるだろうな」

 

コハクはニタリと、笑って過去を見ろと言わんばかりに、自身は少し後ろに下がって言う。

その先には、先程の2体……コハクと黒龍と呼ばれたものがいた。

ジャルタ達は、言われた通りに見るしかなかった。

 

ーーーーーー視点転換ーーーーーー

 

傷もない琥珀色の白いドラゴンは、彼を見て怯えることも無く笑う……。

恐ろしい闇より深く染まった黒い物体が、彼女に迫っていたが、彼女はなんのそのと言う様なクスッと笑い、

彼はそんなドラゴンに声をかける。

 

「少し遅くなった。

他のモンスターに襲われてないか?」

 

そんな心配性の彼は、遅くなったことを気にして私に怪我していないか確認をする為に聞く。

 

そんな彼がたまらなく可笑しくてクスクスと、笑う。

この階層は、比較的穏やかなモンスターが多く、

自分より強い者には滅多に争いごとをしようとしない。

 

 

「心配症ね…そんな事ないわよ。

貴方がはやかったから、ほら!なんともないわ。」

 

私は、そう言って彼に傷がない事を見せる為にクルリと、回った。

 

このフロアは広くて元のままでも充分に回ることが出来てお気に入りの場所だ。

 

「むむむ…それなら、いいのだが」

 

 

彼は不服そうだが、傷もない事に安堵し人の形をとり、

黒いコートを着た青年になり私を見る。

 

私はまた可笑しくて笑う、

少しだけ私を抱きしめたいけど迷惑じゃないかって、少し伺うような顔をしながら、寂しくて少しシュンッとした顔を見せるのだ。

その癖が私にはよくわかる彼の感情表現だと思っている。

少しからかうように抱きつこうとしながら、途中で

人の形に変身するようにとる。

 

彼は、面白い様に少し慌てながらも構えてやるぞっ!

って覚悟を決めた顔をするのが私の一番好きな顔でもあったりする。

可愛らしい小柄な白銀の髪を揺らす少女の様な姿になり、彼の胸に飛び込んだ。

 

「ふふふっ、おかえり……ファフ君。」

 

彼の胸に顔を埋めて、ソッと呟く。

彼は、ギュッと優しく抱きしめて受け止めてくれる。

 

「まだ別フロアだけどな……ただいま、待たせた。」

 

無骨だけど、不思議にギュッと心に安心感を与えてくれる。

生まれた直後、彼を見た時…時が止まったかのような静かな時間が流れた。

 

今のコハク自身では分からないけど、

あの黒い黒龍ファフに会った瞬間に奔流の様な温かな気持ちが溢れそうになり、溢れそうな涙を堪えた。

 

ーーーーーーーー

生まれたのは少し前、自分は上位の存在…として

ここより、別の階層に産まれた。

最初は、何も分からずにただぼぅっとしていた。

 

本能というものは、最初から付けてくれていたのだろうか?

私は殺した記憶が無い…闘ったと言うより、

目を向けて相手が敵意を持ってきて迎え撃つつもりで、

いつの間にか死体が出来上がっているのだ。

 

私は最初モンスターとして、殺した…人だったのだろうか、モンスターだったのだろうか…

分からない、その時は判別もつかない。

 

「自分は、モンスターと呼べるものなんだろうか…。」

 

生まれた時のことを思い出した。

すごく怖い……上位個体であるドラゴン種として全知にも似た知識と感情に、戸惑っていた。

いつもの縄張りとしてつけた場所には、落ち着ける場所など無く…、階層の間に潜むように隠れ住んだ。

怯える感情は無い、ただ……悲しく孤独に過ごしている自分がコハクにとって1番だったのだろう。

 

魔力で、色んなものに形を変えれた。

そんな発見が、1人でいた頃の唯一無二の楽しみだった。

 

「……どうした?もしかしてやっぱり痛いところとかあったのか!!」

 

 

「ううん……違うよ。」

 

いつの間にか、昔の孤独を思い出して泣いていたようだ……

私はフルフルッと銀髪の髪を揺らして、

心配そうにオロオロとする黒髪のファフ君にぎゅうっと抱きつき直して、そっと顔を埋めてコハクは言った。

 

「ありがとう……ファフ君。

私、今ファフ君が居てくれて凄く嬉しいんだ。」

 

「そっか…。」

 

黒髪の彼は、言葉を返せば黙って抱きしめ返してくれる。

今すごく自分達は、安心を求めてここにいる

今この時間が1番彼女にとっての1番だった。

 

 

そんな微笑ましい光景に隠れるようにモンスターの血で染め臭いを…存在を誤魔化すものがいた。

 

『こりゃあ、すげぇや……ヘヘッ、こいつぁ希少…いや、見た事ねぇ、、頭に言わねぇとな。』

舌舐めずる様にかなり遠くでシシシッ、と笑う


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