ツツジを嫁にするまで   作:呉蘭も良い

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一応は二話連続投稿。
12時回っているけど、今気付いた人は前の話をお読み下さい。

そしてこの話を持ちまして、タグに“害悪系主人公”と“働かないアルセウス”を追加しました。



二十一話

夏休みまで後2週間を切った。

 

夏休みの自由研究である、ホウエン地方ジム巡り計画の準備はほぼほぼ済んでいる。

後もう少しでツツジと2人で長い旅が始まると思うと、期待で胸が膨らむ所存だ。

……ツツジの胸も(物理的に)膨らんでくれたら嬉しいな。

 

それはさておき___

ムロ・フエン・キンセツと夏休み前に西ホウエンのジムリーダー達とは無事にジム戦を終え、残す所はトウカジムだけになった。

 

だがそれも今日でミッション完了だ。

長い所用でジムを空けていたジムリーダーがトウカジムに帰って来たと聞いたのだ。

早速約束を取り付けた俺達は、今日トウカジムへとやって来た。

 

……何故か、目の前にはセンリも居るが。

 

あっれ~?

パパン、何でいるのん?

 

もしかして、ここのジムリーダーが行っていたジョウト地方への所用って、そういう事?

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

マジかよ。

俺はセンリに良いイメージ無いんだよなぁ。

 

あっ、前世のゲームでね?

子供の時にやったルビーで、こいつのケッキングがやたら強くて大変だったイメージが強い。

最初に挑む時は“まもる”使えないし。

 

そもそもノーマルタイプが基本面倒なイメージが強いんだよな。

リサイクルカビゴン、輝石ラッキー、輝石ポリ2……。

 

そしてアカネのミルタンク。

 

“ころがる”“ころがる”“ミルクのみ”……うっ、頭が。

 

俺が苦い思い出に苛まれている間に、いつも通りツツジが本気のジム戦を相手にお願いする。

 

お願いする相手はチヨコさんという、歳を重ねたお婆さん。

一応はこの人がまだトウカジムのジムリーダーだ。

 

しかし本人曰く、もう本気でバトルをする体力が無いとの事だ。

だから自分の後を継がす為にセンリをスカウトして来たとか。

 

成る程なぁ。

確かに本人が言う通り、もうそんな体力はないのかも知れない。

今もカクレオンがお婆さんの隣で静かに佇み、何かがあった時にフォローしようと控えている。

 

この人が凄く上品な人なので、隣のカクレオンがまるで老執事に見えて、何か凄く似合う。

 

ポケモンとのこういう関係は羨ましい。

お互いに信頼し合っているのが良くわかる。

この人のバトルの強さはわからないが、この2人の関係を見るだけでも、この人がジムリーダーとして相応しい人だって事は良くわかる。

 

……引退したらどうすんのかな?

この人がスクールで教鞭取るなら授業に参加しても良いかな。

ポケモンとのコミュニケーション授業とかやって欲しいわ。

 

そんな事を考えていたら、センリが提案を出して来た。

 

「私は自分がジムリーダーに相応しいかはまだわからないが、バトルには自信がある。……どうだろう? チヨコさんの代わりと言っては何だが、私とバトルをしないか? 私も君も次期ジムリーダーとして手合わせをするというのは、悪くない提案だと思うが。」

 

「そういう事でしたら、是非ともお願い致しますわ。」

 

お願い致しちゃうか~。

まだ“まもる”を覚えてないからケッキング相手はキツイんだけどなぁ。

この世界でも、“まもる”さえ覚えれば完封とは言わずとも大分楽に戦えるだろうになぁ。

まぁケッキングの相手をツツジがするなら、俺は別の相手かも知れないけど。

 

「私のケッキングは強いぞ、何せ子供の頃から長年連れ添い、【()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

……………。

…………。

………。

……。

…。

 

……は?

 

はぁぁぁ!?!?!?

いや、待て、はぁ!?

おいっ、おまっ、うっそだろ!?

ちょ、ケ、ケッキングがなまけない!?

まさかのシュッキングゥゥゥ!?

 

あ、あり得ねぇ!?

ふざけんな!

 

働けアルセウス!!!

 

おまっ、お前がなまけてるせいで、働いたら駄目な奴が働いちゃってるじゃねぇか!!!

ざけんなよマジで!

 

ケッキングの総合種族値はグラードンやカイオーガと同じで670だぞ!?

あれか!?

ホウエン地方の新しい伝説ポケモンか!?

 

レジギガスなんて目じゃありませんねってか?

やかましいわ!

 

……こんなんどないせいっちゅぅねん。

 

『強さを追い求める男』が、センリのキャッチフレーズだけど、いくら何でも追い求め過ぎだろ……。

 

「ほら、普通のケッキングならボールから出たら寝そべる所、私のケッキングはピシッと立っているだろう?」

 

センリは自慢する様にボールからケッキング___いやもうこれシュッキングを出して、笑って俺達に見せる。

 

……わ、笑えねぇ。

いや引きつった笑いならしてるかも。

 

そして俺は、気付きたくもない物に気付いてしまう。

 

センリのシュッキングはまるでネクタイをするかの様に、()()()()()()()()()()()()

 

多分持ち物だ。

 

この世界はポケモンに持ち物を持たせる事が許されているが、基本はきのみばかりだ。

何故なら、前世で持たせていた様な優秀な持ち物が中々見つからないからだ。

 

だから普段は俺もポケモンにはきのみを持たせている。

最近はツツジと色々な所に出回っているので、少しは所持しているきのみも増えて来た所だ。

 

しかしセンリのシュッキングが持っているあれは、もしや___

 

「あの、センリ、さん。……その、もしや、シュッ___ケッキングの首に着けられている物って“いのちのたま”、ですか?」

 

「驚いた、良くわかったな!」

 

……驚いたのは、俺だ。

シュッキングに“いのちのたま”とかアンタ___

 

「へぇ、それが。……知識としては識っていましたが、初めて見ますわね。 ですが、それを着ける事を良くそのケッキングは了承しましたわね?」

 

当たり前の話だが、ポケモンは生物だ。

だから基本的には自分が傷つく事を嫌う。

 

戦っている時でさえそうだ。

仮に全力でパンチをした所で、それは自分の拳が傷つかない範囲での全力だ。

 

ポケモンの技には強力な技が多いが、中には強力だが反動で自分もダメージを喰らう技がある。

 

そういう技はポケモンは使いたがらない。

それこそ、命の危機レベルじゃないと使わない事さえある。

そういう反動技を使わせる事が出来るのも、トレーナーとポケモンの信頼関係ありきと言える。

 

だから、攻撃力が上がる代わりに自身にダメージを蓄積する“いのちのたま”を持ち物として了承させるのは、かなり凄い事と言える。

 

だからツツジは驚いているのだが___

 

「ははは。 うーん、これから戦うから言うのはどうかと思ったが、よし、ヒントとして教えよう。 実は私のケッキングは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

……………。

…………。

………。

……。

…。

 

は、は、働けアルセウス!!!

 

そんなん、おまっ、【ちからずく】じゃねぇか!?

“いのちのたま”持ちでも問題無いってそれしかねぇぞ!?

 

はぁ!?

おまっ、珠持ち【ちからずく】のシュッキングゥゥゥ!?

 

最早改造ポケモンレベルじゃねぇか!?

 

お前が相手して負けろバーカ!

 

どうなってんねんこの世界。(白目)

 




シュッキング(ケッキング)♂
トレーナー センリ
性格 いじっぱり
特性 ちからずく
持ち物 いのちのたま

覚えてる攻撃技

ほのおのパンチ
れいとうパンチ
かみなりパンチ
ばくれつパンチ
ダストシュート
いわなだれ
じゃれつく
のしかかり
なしくずし
ふいうち
カウンター
じたばた
からげんき
ギガインパクト

覚えてる補助技

あくび
なまける
ドわすれ
ビルドアップ
ちょうはつ



……自分で設定したけど、酷いなこれ。

もしかしたら明日、いやもう今日の金曜日は投稿出来ないかもしれないので、ご了承下さい。

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