ツツジを嫁にするまで   作:呉蘭も良い

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三十一話

カナズミシティに戻って来てから1週間、ツツジはセンリから念願のヨーギラスをしっかりと授かったので、俺達はジム巡りの旅を再開しトクサネシティへと向かったのだった。

 

ちなみにヨーギラスを頂く際に、センリへと弱点タイプの対処法のアドバイスを求めたら、『弱点を突かれる前に敵を倒せ』と言うありがたい?言葉を頂いた。

……まぁこれは意訳だが、要約するとそういう脳筋的な対処法が良いよって話だった。

 

……そりゃな、シュッキング級だったらそりゃそうなるよ。

広い技範囲に圧倒的な種族値でそれが可能だろうよ?

 

けど普通は無理だからね?

そんな簡単には出来ないからね?

だからアドバイス求めてるんだよ?

 

しかしまぁ、ノーマルタイプの弱点は基本的には格闘タイプのみなので、センリからしてみれば弱点への対処なんてあまり深く考えずに済むのかもしれないな。

ましてや特性【ちからずく】で持ち物が命の珠のぶっ壊れシュッキングを所持していたら、それだけで大多数のポケモンの対処が可能だろうよ。

 

羨ましい妬ましい以前に頭おかしいとしか思えないわ、やっぱり。

 

こういう所だぞ、アルセウス。

色々とツッコミ所があるこの世界だが、駄目なものは駄目としっかり線引きするべきだぞ。

お前なら出来る筈だ。

 

……とはいえ、今回はツツジがこの世界の曖昧な線引きのおかげで恩恵を受けたがな。

ディアンシーがシュッキングから“じゃれつく”を教えて貰ったのだ。

 

俺はあまり詳しく覚えてないが、ディアンシーって確か“じゃれつく”は覚えなかったと思うのだが?

 

“ダイヤストーム”という岩タイプ物理攻撃の強力な専用技を覚えるディアンシーだが、フェアリータイプの強い物理攻撃技は覚えないからこそ微妙扱いされ、レートでは滅多に見ないポケモンだった筈だ。

 

折角のフェアリータイプが殆ど無駄、みたいな扱いだったと思う。

これでは物理アタッカーとして使い辛い的な感じで。

 

じゃあ両刀で使うか?となると、それもまた微妙だし、折角の耐久性能が勿体ないしで、とにかく何か惜しいみたいな立ち位置がディアンシーだったのだ。

 

けど“じゃれつく”を覚えるなら、もう物理アタッカーとして結構やっていけるのだ。

 

メインの物理技として“ダイヤストーム”と“じゃれつく”を使い、後はサブウェポンさえあれば中々硬い物理アタッカーの出来上がりだ。

 

この世界じゃ技枠の制限無いし、トリル展開も可能だし、積み技も狙えるし、壁も貼れるし……えっ、やだ、普通に有能。

 

そりゃまぁ幻ポケモン枠だし、普通に考えれば強いのは当たり前かもしれんが、ここまで厄介になる可能性は考慮してなかったわ。

しかもメガシンカっていうパワーアップイベントもまだ残しているんでしょ?

 

……あれ?

俺は勝てるのかコレに?

ヤバくないか?

これめっちゃヤバくないか?

 

……おかしい。

ヨーギラスゲットのイベントの筈が、純粋なパワーアップイベントだったでござる。

 

……俺も、強くならなくちゃ。(震え声)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにもかくにもまぁ、俺達はトクサネシティへと無事にたどり着いた。

トロピウス先生では海を飛ぶのがまだ怖かったので、普通にミナモシティで定期便を使ったがな。

 

ただまぁトクサネに着いたからと言って、今回は俺がいつも通りの行動をした訳ではない。

 

ポケセンにチェックインした後にツツジとは別行動をして、彼女はトクサネジムへとジム戦の予約をしに、俺は砂浜にしんじゅを探しに来ていた。

 

……何故しんじゅを探すかって?

そりゃアンタ、売って資金にする為よ。

 

いやだって、トロピウス先生の果実を売って得た資金だけじゃまだ心許ないからさぁ。

だから俺は目をギラギラさせながら、トクサネシティの砂浜を隅々まで練り歩いた。

 

その際に砂浜にいるトレーナーに声を掛けられてポケモンバトルへと発展する事もあったけど、彼等は基本が水タイプのポケモンを使用するので俺の敵ではなく、ほぼ一蹴する事が出来た。

 

防御で言えばユレイドルが素晴らしいけど、攻撃性能はロトムがかなり良いね。

電気タイプで大体のポケモンに弱点が突けたし、いざとなれば“リーフストーム”で一撃だからね。

ホント、水タイプを有するポケモン相手には頼りになるわ。

 

まぁ最近はバトルでエルフーンを使用する機会が減ったが、俺のエースが誰かと問われたらそれはエルフーンなんだよな。

 

さっきも中々強そうなトレーナーとバトルした際にエルフーンを使用したら、最終的には何もさせずに毒ダメージとやどりぎスリップで勝っちゃったからな。

 

いや~、久々に気持ちの良い害悪プレイをした。

けど、多分あの人エリートトレーナーだよな?

……何かゴメンな。

 

ちなみにエリートトレーナーとは、企業からスポンサーとして資金を援助して貰っているトレーナーの事を指す。

まぁ別称プロトレーナーと言えば話は早いだろうか?

 

これは別にジムバッジをコンプリートしてなくてもなれる。

まぁ殆どの人はコンプリートしてるだろうけど。

 

ポケモンリーグとは別に催される地域のバトル大会等で良い成績を修めた人が、企業から声を掛けられて契約してそうなるのだ。

 

逆に言えば、ジムバッジをコンプリートしていても声を掛けられなければプロには至れない。

 

ポケモンバトルで飯を食って行くとは、つまりそういう事だ。

彼等は生活が掛かっているので、そう簡単にはバトルで負けられない、負けてはいけない。

当然野良バトルでも。

 

……ホントすんません。

 

言い訳するなら、俺程度に負けるのはプロとしてまだ努力する余地が残っていると思いますよ?

後は相性がね?

俺のポケモンと相性が悪かったから、今回は運が悪かったって事で___

 

俺はエリートトレーナーから、そこそこ良い金額のおこづかいをありがたく頂いた。

 

あ、でも1番ありがたかったのはおぼっちゃんの人ね?

どんだけ金があるのかわからんけど、バトルで勝ったら6千円貰えた時はマジでビビった。

しかも弱いし。

 

この砂浜で集めた数少ないしんじゅ類を売り、バトルして勝ったお金を足したら、旅の資金を確保しつつ今度は“みがわり”の技マシンが買えるな。

 

ぐふふ。

次のバトルではみがまもアンコしても良いかな?

 

俺は臨時収入にウキウキしながらポケセンへと帰った。

そしてポケセンに到着すると、既にツツジが待っていて明日のジム戦の事を簡単に説明された。

 

「明日はダブルバトルをする事になりましたわ。」

 

ダブルかぁ~、やっぱりな。

トクサネシティのフウラン兄妹と言えばダブルバトルが印象にあるからなぁ。

 

「彼等の話では、『自分達との本気バトルならそれが1番良い』との事です。 2人で1人のジムリーダーですので、最も強いのはダブルバトルらしいですわ。」

 

ツツジの言では、1人でも戦えないという事はないらしいが、それでは他のジムリーダーに劣るので本気ならばダブルとの事だ。

 

「……それにしても、わかってはいた事ですが、まさか私よりも幼い人物達がジムリーダーとは……。 侮るつもりはありませんが、……それでも、センリさんが私達を侮ってしまった理由が、理解出来なくはありませんわ。」

 

……あぁ、まぁ、なぁ。

言ってしまえば、スクールの後輩相手に舐めずに本気で全力で格上に挑むかの様にバトル出来るか?

って気持ちだろうか?

……うん、まぁ、わかる。

 

けどまぁそれでも相手はジムリーダーだ。

舐めた瞬間にこちらが殺られるのは目に見えてる。

気は引き締めないとな。

 

「さぁソースケ。 ダブルバトルの練習をしますわよ! 付け焼き刃になるとはいえ、私達にはダブルバトルの経験があまりにもありませんので、少しでも練習しませんと!」

 

「ん?……いや、うん。……うん?……それ俺は必要か? 別に君個人だけでも良いんじゃないか? 別に俺は自分でダブル用の構想とか考えるけど___」

 

「?……あぁ! 勘違いしてますのね? 明日は1人でダブルバトルをするのではなく、2人でダブルバトルしますわよ?」

 

えっ……なんだとぉ!?

 

「おまっ、はぁ!? 俺達は別にコンビネーションの練習とかしてないじゃないか!?」

 

「だから練習するのではありませんか。」

 

「アホかぁ!? そんなんホントに付け焼き刃じゃねぇか! まだ自分1人で戦った方が勝率あるぞ!」

 

しかもあの双子ダブルバトルの専門家プラス、テレパシー染みた事がお互いに出来るらしいのでコンビネーションは世界でも有数なんだぞ!?

 

ガンダムXならカテゴリーFだ!

この世界では紛れもなく本物だけど!

 

……ヤバい。

結構ヤバい。

 

勝てる確率が0とは言わんが、慣れない事して挑むのは良くない。

 

結局どうするべきかわからないまま、俺はツツジに連れられて再び砂浜へとやって来てダブルバトルの特訓をする事になった。

 

そして試してみてわかったが、俺とツツジのコンビネーションはそこまで悪くないと思う。

 

悪くないと思う、が___

 

……これで勝てたら苦労しない。

 

何か奇策がいるかもしれない。

俺がそう思い悩んでいる時に、天の声はやって来る。

 

「やぁ、奇遇だね。 トクサネに居るって事は、君達はジムバトルへと挑戦しに来たって事なのかな?」

 

「おやダイゴさん、奇遇ですわね? 仰る通り、私達は明日のジムバトルに向けてダブルバトルの特訓中ですの。」

 

ダ、ダイゴ神!?

そ、そうか!

トクサネにはダイゴ神の家があったな!

なんたる幸運!

 

「ダ、ダイゴし___ん、んぅ! ダイゴさん! 不躾で大変失礼ですが! 俺達とダブルバトルをして頂けないでしょうか!? お願いします!」

 

「ははは、勿論良いよ。 けど、僕がダブルバトルの特訓相手になるかな?……こう言っちゃ何だけど、フウとランはダブルバトルに関しては僕以上だと思うよ?」

 

そんな風に謙遜しつつもダイゴ神は『だからといって、負けるとは言わないけどね?』と不敵に笑った。

 

そうしてダイゴ神が俺達の相手をしてくれる事になった。

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