しかし先に申しておきましょう。クリスファンの人、本当にごめんなさい。
確実にやりすぎました。反省しています。……でも後悔はしていません。イエス深夜テンション!!目覚めた頃には、書き上げた内容を思い出して羞恥で悶絶している作者の姿を思い浮かべてください。傑作ですね。
さて、次の更新もまたいつになるのかわかりません。気長にお待ちください。
ps,弦十郎さんとかみたいにカッコいいセリフって、どうやったら思いつくんでしょうかねぇ……
15話
「未来ッ!!」
「響……?」
リディアンの地下にある二課本部で、大人たちに見守られながら響と未来は再会を果たした。決してシチュエーション的にも、未来の気分的にも笑顔になるはずではないのだが、未来に会えた、それだけで響は笑顔になる。周りの大人たちは、響の普通の少女のような笑みに少し惚けているようだが……割愛しよう。
「んんッ!!……響くん、せっかくの再会に水を差すようで悪いが、未来くんに関して少し話がある」
弦十郎は勇気を持って響に話しかけた。特定の個人に対してのみ、このような顔をする事を理解した弦十郎は響に話しかける事を少し迷った。下手に割って入っては、機嫌を損ねてしまうのかと思ったのだ。……だがしかしそこは流石OTONA。仕事をしっかりこなす。
「……何ですか?」
響の声音が少し低くなる。弦十郎の予想通り未来との触れ合いを邪魔されたからだろう。無論、わざわざ弦十郎の口から未来に関する事を言われるのだ。そういう意味でも、響が身構えてしまうのも仕方ないだろう。
「……その、未来くんを我々二課の外部協力者という立ち位置に据えたいと考えている。協力者といっても、有事の際の一般人の避難誘導などが主な仕事だ。二課への出入りの自由や、連絡端末の所持を認められるため、結果的に共闘関係にある響くんとの連携も取りやすくなる」
「……なるほど。私が多少は納得するであろう案を提示して、体よく私とのコネクションを作ろうという魂胆ですか」
「ッ!!……完全に違う、とは言い切れん。俺たちは所詮、役人……お上の命令には逆らえないからな」
「ふん……やっぱり」
「ちょ、ちょっと響ッ」
弦十郎の提案に、刺々しく反応した響。そんな様子を見て未来は響に言おうとするが……
「未来」
「ッ……私は納得して……」
「……」
「……書類にサインしてくるね」
響の語気は強い。それこそ、未来が思わず空気に耐えられず離れようと思うぐらいには。だがそれこそ響の、未来のことを心配する気持ちの大きさなのだが……少し過剰に見える。
「ほかの奴らが逃げてるのに、未来だけ避難誘導?……先に言っておきますが、私の行動原理の最上位には未来の存在があります。ほかの人間を気にかけている余裕はない」
「ッ……だが、二課の保護下にいる方が君も安心しt「出来ませんね」………」
弦十郎の言葉を遮ってまでいう響。
「私は二課を安全だとは思いません。だからってこの世界に絶対的な安寧があるとも思いません。だからこそ……だからこそッ!!私の手に届く範囲にいてほしいッ!!」
先ほどの少女のような笑みとは打って変わって、顔を歪めて叫ぶ。二課の職員たちには、もはやこちらの方が見慣れているのではないだろうか。
「これからこの街は荒れる。そして、その中心にいるのは私や二課、そしてフィーネとかいうあの年増でしょう。……一体どこに安全があるというんですかッ!!」
「完璧に安全な場所は確かにない。だがな響くん、……君は、未来くんの意思を無視してまで、彼女を自分の世界に閉じこめたいのか?」
「……は?」
「未来くんは、自分が響くんの力になれるならなんでもやりたいと言っていた。もちろんボイスレコーダーにも録音してあるから後で聴くといい。君は、そんな未来くんの気持ちを踏みにじるのか?」
「……」
『……嬢ちゃんなら言いかねないだろうなァ』
汚い。響は素直にそう思った。そして同時に、これが大人のやり方なのかとも。恐らく、未来は本当に言ったのだろう。響も、ダインスレイフもそこには納得する。弦十郎の表情も少し重くなった。
「すまん……言い方が悪かった。そこまで追い込むつもりでは……」
「分かっています。政府はともかく、貴方の言葉からは責任や迷い、後悔の感情が感じられる。事実、私こそ納得しました。確かに……未来なら言うだろうと」
響は少し、呆れながら言う。
「では……」
「……不本意ながら、了承しましょう。でも!!」
響は大声をあげると同時に、ダインスレイフを出現させ弦十郎の喉元に突きつける。
「……」
「未来に何かあったら……覚悟してください。私の力は、対人間に特化していますからたとえ貴方でもただではすみません。
「ああ」
弦十郎の返事の後、重苦しい雰囲気だった2人の間の空気が霧散する。
「ところで、櫻井了子は居ないんですか?」
「……昨晩から帰ってきていないな。誰か、了子君を見たか?」
弦十郎が職員達に問いかけるも、誰も答えない。どうやら知らないようだ。
「へぇ……なるほどなるほど。分かりました」
「響くん……まさか」
「私の獲物は決まりました。クフフ……少し泳がせておきましょうか。ソロモンの杖を持って現れるまで」
響は少しにやけながら独り言を呟く。
「……それまでの間に、我々が介入した場合は?」
「証拠でも掴めたんですかぁ?……そうですねぇ、拷問には付き合ってあげますよ。私の能力的に得意なんで」
拷問、と聞いた瞬間に弦十郎の目が細くなる。
「拷問……する気なのか?」
「いえいえ、ソロモンの杖を素直に渡してくれたら、一撃でぶっ殺すだけに済ませますとも。あの惨劇が例えあのババァによって起こされたものだとしても、私の目的はあくまでノイズですから」
「……そうか(数年前まで一般市民だった子に、こんなことを言わせてしまっているのか。……俺は、俺たちは)」
弦十郎は心を震わせる。如何にかしてこの少女を救う方法はないのかと……
「……まぁ、私からはこれくらいですかねぇ。んじゃ、失礼しますよ。未来も連れてって良いですか?」
「ああ、時間をとらせてすまなかった」
「いえいえ、規則ですから。それじゃ」
響はそう言うと普通に扉から出て行った。
「響ちゃん……本当に未来ちゃんを大切に思っているんだな」
「そうね……それが逆に災いしないと良いのだけれど……」
藤堯と友里は、少女達を見てため息をついた。
〜響と未来の部屋〜
「ただいま〜」
「お帰りなさい響。ただいま」
「おかえり未来〜」
二課から帰ってきた響と未来。先ほどの弦十郎と響との間にあった険悪な雰囲気が無いためか未来も怯えている様子はない。
「ふぅー。二課はどうだった未来?悪いところじゃなかったでしょ?」
「うん。弦十郎さんや友里さん、ほかの職員の人も良い人だった」
「そうなんだよねぇ……チッ、国の機関の癖に無駄にお人好しだから余計にやりにくい」
響は未来の意見に同意しながらも小声で悪態をつく。
「こーら、あんまり悪く言わないの。あの人たちは、響のことも本気で心配してたんだよ?」
「……私を?」
未来の言葉に、響は訝しげな視線を送る。
「体調の変化とか、学校での生活とか、すっごく心配してた。特に弦十郎さん」
「……私の親か何かなのあの人」
呆れたような声で弦十郎の顔を思い出した響。
「まあ、そういうわけで、私もこれから少しでも響に協力できると思う」
「……絶対に自分を優先してよ未来。未来まで失ったら私、ダメになっちゃう」
「わかってるよ響。だから響も絶対帰ってきてよね?」
「うん。約束だよ」
『……俺に口があればなァ。コーヒーって奴を味わいたいぜェ、確か苦いんだろ?』
ダインスレイフもダインスレイフで色々苦労しているようだ。
「……ん?未来、ちょっと出てくる」
「また……ノイズ?」
「多分」
「はぁ……響、今日はなにが食べたい?」
「未来の一番得意な料理がいい」
「分かった。期待しててね?」
嬉しそうな笑顔で、未来は響に問いかけた。
「うん、行ってきます」
「いってらっしゃい、響」
響は外に出た。先ほど感知したノイズの出現場所に向かって跳躍して向かう。
「ダイン、ノイズ共なんかおかしくない?」
『アァ……無作為に人間を襲ってねぇなァ。もしかしたらソロモンの杖で操っているのかもなァ』
響が感知したノイズは、少数。しかもその数が減る速度もおかしい。街の人々ノイズに騒いでいないし気づいている風でもない。と、なると……
「狙いがちゃんとある?……でも今日戦ったあのコスプレ女はフィーネっていうババァに捨てられてるし、どういうこと?」
『……そのフィーネが、用済みだからとあの白髪のを消しにかかってるんじゃねぇかァ?』
「……なるほど。まあ、最優先はノイズの殲滅で」
『おうよォ……』
響はさらにスピードを上げる。もちろん、憎きノイズを蹂躙するために……
〜街中の路地裏〜
「クソッ……しつけぇんだよテメェら!!」
夜の路地裏に高い声と銃撃音が響き渡る。あたりは暗い。それにも関わらず異彩を示し続けるのは……半透明ではないノイズ達だ。
「オラァ!!ちょせぇぇぇぇぇ!!」
ガラの悪い態度で叫び続ける少女、雪音クリスは彼女の唯一の武器であるイチイバルのシンフォギアを持ってその障害を消滅させていく。
「ハァ……ハァ……なんだってんだ。どうして……フィーネ!!」
いつから戦い続けているのだろうか。クリスの体力はすでに限界を迎えそうだ。
『『『『『『%/#¥#¥%£&$€〆※』』』』』』
「なッ……どんだけ……いやがる」
さらにその数を増やしたノイズ。クリスの悲痛な叫びなど、関係ないとばかしにさらにクリスに向かってその体を差し向ける。
「haha!!さ〜!あ〜!it’s show……がッ……声が……」
戦闘の疲れからか歌うことすらままならないクリス。彼女の歌がシャウトを効かせなければいけないのも原因の一つだ。喉に負担がかかりやすい。
感情を持たないノイズだが、いまが好機とばかりにクリスに向かって突撃してくる。
「ぐっ……こんなところで……」
クリスは歌えなくてもアームドギアを構えて引き金を引こうとする。
クリスが撃つかノイズがクリスにたどり着くか、何方かが早いのか……という時に空から黒い靄が降りてくる。
「……ノイズ如きに防戦一方、私とそこそこやり合った奴とは思えないね」
「ッ……その声は……」
『『『『『『%¥#¥#*€£$#§#¥』』』』』』
「うるさい、消え失せろゴミ屑共」
黒い靄……『呪い』はノイズ達を包み込んでいく。そして少しずつ小さくなっていった。
「ふん……」
『呪い』を操る人間……響が手を握ると同時に、ノイズを包んだ『呪い』完全に小さくなりきり消えていった。
「立花響……どうして……」
「どうして?……ノイズあるところに私あり……覚えておけばいい」
響は少し不機嫌そうに、クリスからの問いに答える。
「……あたしのことなんかほっとけよ。フィーネにも捨てられたあたしには……もう出来ることなんて」
「……」
「笑えよ。今まで散々、戦争を無くすためだの平和のためだのほざいてきて、出来なくなったら無様に行き流れてるだけのあたしをな」
イチイバルを装備したままのクリスは、コンクリの地面に座り込み独白する。響は、クリスに背を向けなにも言わずに話を聞いている。
「……あたしは一体なんのためにここまで来ちまったんだろうな。テメェにも勝てない……天羽々斬女にも勝てない、ノイズにすら膝をつくあたしは誰にも認められることはなかったてか。傑作じゃねえか」
「……とりあえず、ギアを解除して。二課にもバレる」
「……ああ」
クリスは響の言うことに素直に従いギアを解除した。
「私は、別にお前の境遇なんか知ったことじゃない。関係だって、慰めるようなものじゃなくてお互いに戦意無き敵対関係だ」
「…………」
今度は響の番、とでも言うようにクリスは黙って響の話を聞いている。
「無駄に知り合いだったら、相手のことからの反応が怖くて本音なんて出せない。でもただの敵ならそんなことは気にしなくて良い」
「……何が言いてぇんだよ?」
「お前も他者からの悪意を一身に受けたことがある。違う?」
「……ああ、あるさ。ガキの頃から何度もな」
クリスは思い出す。バルベルデ共和国にいた頃の自分の境遇を。
「その悪意は本物だったでしょう?ねっとりと自分に絡みついて、どこまでも己を否定し存在価値などないかのように接してくる。その証明は、暴言でも暴力でもなんでもありだ」
「……」ギリッ
クリスは思い出す。他の子供達と共に鎖に繋がれ、ろくでもない扱いを受けたことを。
「そうしたら、次は自分がそいつらに悪意を向ける番。どうして自分が、自分が何をした。お前らの一方的な蹂躙のせいでどれだけ自分が苦しい思いをしたか」
「……ッ!!」
クリスは思い出す。毎日のように暴力に怯え、その中で大人達への悪意を募らせるだけだった日々を。
「でも自分には何も出来ない。何故かって?力がないからだ。アイツらに、自分たちの苦しみを思い知らせてやるだけの力が。毎日毎日、悪意に震えながら、自分の無力さを『呪う』日々」
「…………ッ!!」
「でも今は違うだろう!!」
「ッ!?」
響は拳を強く握りしめ叫ぶ。そんな響を、クリスは体を震わせながら見つめる。
「今の私には力がある。今のお前には力がある。今度は私たちが思い知らせる番だ。いつまでも恐怖に怯えているだけのか弱い少女ではないことを、奴らに教えてやるんだ。さあ雪音クリス。お前に嘘偽りを吐き、自分を無価値と吐き捨て、己の力を認めなかったクソ野郎は誰だ?」
「…………フィーネだ」
クリスは思い出す。フィーネに拾われてからの日々を。ソロモンの杖を起動させるために毎日嫌いな歌を歌わされ、ネフシュタンの鎧に耐えるために電撃を浴びせられ、甘美な言葉で自身を欺いていたことを。
「そうだ、フィーネだ。奴は傷心のお前に優しい言葉をささやき、利用するだけ利用して捨てるようなクソババァだ。そんな奴にお前が出来る……いや、思い知らせることができる行為はなんだ?」
「…………力を、示すこと。フィーネ自身に……あたしの力を。でも、あたしはフィーネに……だなんて」
クリスは思い出す。そんな毎日ですら、自身の目的のためだと己を偽り続け、フィーネに恐怖しながら過ごしていた日々を。
「今までは自分にとって唯一の理解者だったから、なんの疑いもせずに信じてきたんだろう?でも今はどう?『雪音クリス』にとって『フィーネ』は『味方』なのか、『敵』なのか」
「……わから……ない」
「分からない?だったら直接聞いてしまえばいい。あたしはアンタにとってなんなのかって」
響はクリスに近寄り耳元で囁く。その様子は、今までフィーネがクリスに甘美な言葉を囁いていた時と同じようだ。
「それでも答えてくれないなら、いっそ『敵』っていう関係を築いた方が、嘘偽りなく、自分に正直に、遠慮無く『想い』を伝えられるんじゃないの?」
悪魔の囁きだ。だが、すでに己の激情に身を任せてしまっているクリスにはそんなことは分からない。クリスの中では、すでにフィーネに対する決意が固まってしまっていた。
「…………ああ、礼を言うぜキチガイ女。やっと分かった。あたしのやるべき事。……戦争の火種は、フィーネだ」
(そう……それでいい)
クリスは嗤う。想像しただけで笑みが溢れるほどに。
響は嗤う。1人の少女がこんなにも純粋に何かを呪っている事に。
「立花響だ。私はキチガイじゃないよ。コスプレ女」
「雪音クリスだ。あたしの名前、その頭に叩きこんどきな」
「……分かったよ雪音クリス。じゃあ、早速行こうじゃないか」
「ああ、もちろんそのつ……もr……」
突然クリスが地面に全身を投げ出し……倒れた。
「ん……気絶?」
『過労だろうよォ……。あとストレスだ。脳が耐えきれねェよ』
「はッ!?今なの?一番良いタイミングで!?」
ダインスレイフの分析に響は叫ぶ。当たり前だろう、響にとっては一番美味しい展開まで持っていけていたはずなのだから。
『にしても……お前……悪女の才能があるんじゃねえかァ?歴代最低の女みたいだったぞお前ェ……』
「なんのことかわからないねダイン。私はただ、コイツの深層心理を引き出してあげただけだよ。自分に正直に生きるっていうのはすごく開放的で良いことだよ?」
『未来の嬢ちゃん、こんなので良かったんだろうかァ……』
ダインスレイフが声だけで黄昏ているのがわかる。
「クフフ……それにしても美味しかったなぁ、コイツの感情。こんなにも純粋でドス黒い感情はないね。最高のディナーだったよ。さてと……こんな良いものを提供してくれたお礼に、多少の世話は焼いてやろうかねぇ。未来も会いたいだろうし。くふふふふふふ……」
響はさらに嗤う。これから訪れるであろう展開が、彼女の思い通りになる事を想像したからだ。
物語は、最悪の形で進んでいるのかもしれない……
すまんやりすぎた……反省はしている。
後悔はしていないッ!!
オリジナル聖遺物で最もヤバイ能力は?
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自在に姿を隠す
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空気操作
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純粋な身体能力向上
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視界の共有
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空間作成