私は呪われている   作:ゼノアplus+

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今回は不作です。人によって、好き嫌いがはっきり分かれる話になっております。不快に思われたらすいません。


そろそろ試験週間に入るので投稿頻度が圧倒的に下がります。ご了承ください。


それぞれの想い

5話

 

 

〜二課、司令室〜

 

 

「今朝、響君から連絡があった。『今夜のノイズは任せる。せいぜい被害が出ないようにしなさい』とのことだ。これで、彼女のノイズ感知する能力が半日以上でも作用することがわかったな……」

 

「末恐ろしいわね……一体、ノイズの何を感知しているのかしら?……いえ、分からないことをずっと考えていても仕方がないわね。研究者としては、気になるところではあるのだけれど」

 

 

弦十郎と了子、オペレーター達は、今朝に響から起きられてきたメールを見ていた。

 

 

「今まで、ノイズの出現ポイントに僕たちより先についていた理由がわかりましたね。……それよりも」

 

「ああ、今夜は響君がいない。つまるところ翼だけでノイズを対処することになる。問題ないとは思うが……」

 

「万が一の事を考え、響ちゃんに出撃を要請するべきね。もちろん、報酬を考えとかないと」

 

「致し方なし……か……翼には備えておけと伝えてくれ。当たり障りのないようにな」

 

「了解しました」

 

 

そして、二課はいつも通り自分の仕事に戻っていく。

 

 

(……なぜ分かる?これでは我々の優位性が……立花響の捕獲は諦めた方がいいか?……いや、完全聖遺物であるネフシュタンならば出来るはずだ。クリスに連絡しておかなくてはな……)

 

 

ただ1人、とある計画の修正を考えているが……

 

 

 

〜夕方、リディアン〜

 

 

「未来〜そろそろ行こっか〜」

 

「響……うん、見逃したくないしね」

 

 

響と未来は、その日の学業を終え流れ星を見にいく準備をしていた。

 

 

「……あの、響」

 

「ん〜、どうしたの未来?」

 

「……ううん、なんでもない」

 

「そう?変な未来」

 

 

何か言いたげな未来だが、何も言わない。その時……

 

 

ビービーb……ブチッ……

 

 

「響……今のは……?(多分、ダインスレイフさんが見せてくれた記憶にあった『二課』ってところの……)」

 

「なんでもないよ未来。じゃあ、行こう」

 

 

響の声のトーンはいつもより低めだった。

 

 

「……うん」

 

 

 

少し経って、2人は流れ星を見る予定の場所へ着いた。

 

 

 

 

「わぁ〜!見て未来、星空だよ〜」

 

「流れ星はまだみたいね……ねぇ響……」

 

 

神妙な顔をした未来は響に問いかける。

 

 

「どうしたの未来?」

 

「お願いがあるんだけど……」

 

「未来のお願いならなんでも聞いちゃうよ!」

 

「……響が行かなきゃ行けないところに行ってきて欲しいの」

 

「……え?」

 

 

とても楽しそうな響の顔が一瞬にして曇る。

 

 

「今もどこかで、炭素になってる人がいるんじゃない?」

 

「……分からないよ。でも、私達にはどうにも出来ないよ未来」

 

「出来るでしょ。響なら」

 

「ッ!?……なんの……事?」

 

 

未来の言葉は、響を動揺させるには十分だった。今まで隠し通せていたと思っていたのだから当たり前だろう。

 

 

「ノイズの所に行ってるんだよね?……倒すために」

 

「……今日の未来なんかおかしいよ?体調が悪いんだったら寮に帰r……「響!!」……ッ」

 

 

言葉を遮ってまで、響のことを呼ぶ未来。その顔はとても辛そうだ。

 

 

「響が行かないと、生きるのを諦めちゃう人がいるかもしれないの……」

 

「ッ!!……それは……でもッ」

 

 

すでに他人の事を想わなくなった響だが、その内にはかすかに残っている。

 

 

「響にしかできない事……やってきて欲しい!!」

 

「未来……」

 

 

響は俯く。自分が行く必要はあるのか、翼がいるではないか。

色んな言い訳が頭の中に思い浮かんでは消えていく。

 

そして……

 

 

「……それが未来の望み?」

 

「……うん」

 

「そっか、じゃあ行ってこないとね。未来はちゃんと帰ってるんだよ?」

 

「…… うん」

 

「じゃあ、行ってきます」

 

「行ってらっしゃい!!」

 

 

未来からの言葉を聞いて響は走る。目指すは、翼のいる場所。

 

 

「……響と一緒に、流れ星見たかったなぁ」

 

 

未来は響のいなくなったそこでつぶやく。

 

 

「ダインスレイフさん、教えてくれてありがとうございました。響に……貴方の『祝福』がありますように……あっ、流れ星……」

 

 

未来が願った時、ちょうど流れ星が見えたらしいが、真実は本人のみぞ知る。

 

 

 

〜響side〜

 

 

「ダイン……どうして未来にばれちゃったのかな?」

 

『知るかよォ……まァ……ヒビキの事は嬢ちゃんが一番分かってる。……って事じゃねェのかァ?(俺が言ったことバレて無さそうだなァ……)』

 

 

未来と別れた響は、ダインスレイフに尋ねるがろくな答えを言わない。しかし響は……

 

 

「ふふっ……未来に理解されてるって、嬉しいなぁ〜。今日は張り切っていこうかな」

 

『頼むから使いすぎるなよォ……(なるほど、こういう場合に『チョロい』って使うのかァ……最近の言葉は難しい)』

 

 

未来が絡むとチョロい響を見てダインスレイフは思う。

 

 

『%#¥*;%@』

 

「……ノイズ?こんな所に、ダイン」

 

 

いつもの人型やオタマジャクシ型などが現れるが、響の敵ではない。すれ違いざまにダインスレイフで切りつけ倒していく。

 

 

「ふっ!!……あっ、ブドウの奴」

 

『#¥@%**-%%』

 

 

紫色で、頭に球体をつけているノイズ(以下はブドウノイズと呼称)正史で、響が仕留め損ねた個体だった。響の姿を確認した途端に、逃げていく。少なくとも野生のノイズの行動ではない。

 

 

「……ッ、逃げるなッ!!」

 

 

エネルギー弾を連射する響だが、ブドウノイズは当たる直前に頭の球体を落とし爆発させて視界を悪くし照準を逸らさせる。

 

 

「……面倒くさい。当たらないなら……太くすればいい」

 

 

響はその場で止まり、エネルギーを貯めてレーザーとして打ち出す。

 

 

「……チッ、外したか。んっ?流れ星……?」

 

 

響が放ったレーザーはブドウノイズを倒すことはなかったが、代わりに空まで届き雲を穿った。そして、その間からのぞいたのは……

 

 

アッメッノハッバキリ〜♪

 

『天ノ逆鱗』

 

 

世にも珍しい、空から巨大な剣が降ってくるという状況。その剣は響が倒し損ねたブドウノイズを切り裂き倒す。

 

 

「風鳴翼……」

 

 

その巨大な剣の柄に立っていた女性、風鳴翼は倒したブドウノイズの方を一瞥してから響に向き直る。

 

 

「立花響……今日は遅かったわね」

 

「……来る予定は無かったんですけどね。あまりにも処理が遅く見てられなかったので」

 

「……ッ、そういう割には、貴方もノイズの逃走を許していたみたいだけれど?」

 

「「……あ゛あ゛?」」

 

 

響はともかく、翼はこんなドスの利いた声は出さないだろう。アイドルとしても、SAKIMORIとしても……

 

 

「おいおい……あたしのことも見てくれよ」

 

「「ッ!!」」

 

 

2人とは別の声が聞こえる。月明かりに照らされて露わになったその姿は……

 

 

「ネフシュタンの……鎧……」

 

「……えっ、趣味悪ッ!?」

 

『……あれも立派な聖遺物だから油断すんなよォ』

 

 

真っ白い鎧に肩部アーマーがゴツく、バイザーで顔がわからないようになっている女がそこにいた。

 

 

(あれで聖遺物?先史文明の人の感性はちょっと理解できないなぁ……)

 

『……気にしたら負けだヒビキ』

 

 

未知の存在が目の前にいるのにこんな悠長な会話ができるあたり流石だろう。

 

 

「へぇ……じゃあアンタ、この鎧の出自を知ってんだ?……テメェは後で引っ叩くからな、人が気にしていることを言ってくれやがって」

 

 

鎧の女は、翼に向けて挑発じみた言葉を言った後に響を睨みつける。

 

 

「げっ……聞こえてた」

 

『……俺は知らねェからなァ』

 

「……2年前、私の不始末で奪われたものを忘れるものか」

 

「……2年前?」

 

「なによりも、私の不手際で奪われた命を忘れるものか!!」

 

「……奪われた……命?……風鳴翼さん、どういうこと?」

 

 

翼の言葉に反応する響。翼に聞くことにより理解しようとする響だが、胸の奥では分かっている。

 

 

「ッ……あとで説明するわ。でも、今は奴を捕らえる!!」

 

「後で……?ふざけないでよ、今ッ、ここでッ、説明しろよ!!風鳴翼ァ!!()()()()()には、どういう意味があったのか、説明しろよ!!」

 

 

響は叫び、その視線で翼を射殺さんとばかりに睨みつける。

 

 

「教えてやれよ。あたしはまっててやるからさぁ」

 

 

鎧の女は余裕そうな表情で言い、その手に持っている杖のようなものを下げる。

 

 

「……完全聖遺物ネフシュタン。私の天羽々斬、奏のガングニールのシンフォギアに続き、ノイズへと対抗手段としての起動実験は2年前のライブ会場の地下で行われた」

 

「起動実験……?ライブ中に……?」

 

「立花もおそらく聞いているでしょう、聖遺物の起動には相応のフォニックゲインが必要だということを」

 

 

翼は、鎧の女に剣を向け構えたまま語り出す。

 

 

「それになんの関係が?……ッ!?!?」

 

「理解した?」

 

「……ふざ……けるな。だったら、あの時会場に来ていた客は全て……」

 

 

響は少しずつ、分かっていたはずの事実を口にしていく。理解したくないのに、頭は理解してしまっている。

 

 

「そう。ツヴァイウイングのライブはネフシュタンの鎧を起動させるための実験の一部。私たちの歌と、観客の歌を合わせればネフシュタンの鎧を起動させるだけのフォニックゲインが集まる筈。だから……」

 

「だからって……だからってッ!!何も知らずに実験に付き合わされた挙句、殆どの人が死んだんだよ……しかもその産物が、訳も分からないこんな奴らに奪われるだなんて……」

 

「……いちいち失礼な奴だな」

 

「私たちだって、ノイズの出現は予想していなかった!!それでも……助けられなかった……奏も……いなくなった……」

 

「そんなの、ただの言い訳だ。自分の心を守るための逃げ口だ!!」

 

「ッ!!それは……私に、剣として育てられた私に心なんて必要ない!!」

 

「だったら、純粋に命令をこなすだけの人形の方がお似合いだ!!……それすら出来ないんだったら、意味のない剣なんか捨てちまえ。せいぜい、()()の歌姫が関の山だ」

 

「なっ……」

 

 

響と翼の長いようで短い論争、そして言い切った響の吐き捨てるような一言に翼の心は……刀身は折れた。

 

 

「私は……私の剣は……奏……私は……」

 

「……」

 

 

もう響は翼のことなど見ていない。完全に眼中から離れた。

 

 

「お話は済んだか?なら、そろそろ行かせてもらうぜ?」

 

 

鎧の女は、2人の話が終わったのを確認しこちらの番だと言わんばかりに構える。

 

 

「……何が目的か知らないけど、もうどうでもいい。帰っていい?」

 

「……はぁ?」

 

 

響はもうどうでもよくなった。使えると思っていた二課は、あのライブの事件の核心に関わっている。しかも響を含めた観客を利用して、だ。少しはマシだと思っていた弦十郎も、これで好感度はマイナスに振り切ってしまうだろう。裏切られた、とまでは響は思っていない。せいぜい、未来以外への人間不信が大幅に加速しただけだ。

 

 

「どうでもいい。お前だって、別にノイズじゃないし。親友の頼みだからここに来たけど、ノイズは殲滅したしもう目的は果たしたんだよね」

 

 

視線をあげ夜空を見上げながら喋る響は、側から見れば放心しているようにも見える。

 

 

「つれねぇこと言うなよな。私の目的は、お前を引っ捕らえることなんだからなぁ。そんなにノイズがご所望ならコイツらを相手してもらおうか」

 

 

鎧の女がそう言うと、手に持っていた杖状のものを掲げた。すると、緑色の閃光が走り、あたりにノイズが現れた。いつもの人型やオタマジャクシ、頭がアイスクリームのような種類もいる。

 

 

『『『『『『%¥#@¥¥#』』』』』』』

 

「殺すんじゃねえぞ」

 

「……今日は、ロクなことがないと思ってたけど最高の日かもしれないなぁ」

 

『ヒビキ、少しこっちにも流せ。お前の容量じゃ入りきらねェ』

 

 

突然現れ、命令を受けたノイズを見て響の口元は歪む。そして、いつのまにか増幅していた『呪い』は周囲に溢れ空気を侵食していた。ダインスレイフはすかさず響に呼びかけるが、聞こえた風でもない。

 

 

「まさか、ノイズを操る道具があるなんて……あれがあったら、ノイズを潰し放題じゃんか」

 

『オイ、ヒビキ?……チッ、聞こえてねェかァ。仕方ない、好きにやらせるかァ』

 

「私今すごく気分がいい……だからコレも使ってあげる。……Balwisyall nescell gungnir tron」

 

 

聖詠を歌いガングニールを纏う響。狂喜に満ちた響に対して『聖』詠というのはおかしい気もする。

 

 

「アハハッ♪」

 

 

響が笑い声を上げるとともに、額にある悪魔の目が開き響自身の目も大きく開かれる、狂気の目だ。バイザーが出現していないのは響が必要と思ってないからだろう。

 

 

『あーあァ……自我の中に『呪い』による『破壊衝動』を自分で植え付けやがった。こりゃあ、あのオッさんが来るまで止められねェかもなァ。破壊衝動に塗りつぶされてんなら楽なのに、自我がある分タチが悪い』

 

 

「クフフフフフッ♪あぁ……気分がいい……いや、気持ちいいなぁ……♪力も湧いてくるし、ノイズを壊したくてたまらないッ!!」

 

「うっわ、暴走?しやがった……」

 

 

明らかにイってる内容のセリフと目に、鎧の女も引いている。

 

 

「それは……奏のガングニール……そんな禍々しいものじゃない……」

 

「……風鳴翼、まだそんな意思が残ってたの?クフフッ……邪魔だよ、どいてろ」

 

「ガッ……!?」

 

 

どす黒いガングニールを見て、放心していた翼は立ち上がろうとする。しかし、狂気に包まれている響は笑いながら翼を蹴り飛ばす。元々の怪力にギアの出力が加わった蹴りは、翼を森の奥まで吹っ飛ばした。

 

 

「おいおい……仲間じゃねぇのかよ?」

 

「仲間……?クフフッ……笑わせないでよ。他人なんて信用に値しない、信じられるのは自分とこの力だけ。あとは……陽だまる場所で迎えてくれるあの娘がいてくれればそれでいいの♪」

 

「ッ……あたしには、そんなのいねぇよ!!行けッ、ノイズ共!!」

 

「クフフッ、ガラクタ共……ぶち壊してやる」

 

 

狂気の笑みを浮かべた響は、ノイズの集団に向かって跳躍した。

 




〜二課、司令室〜


「ネフシュタン……だとぉ……!?」

「来ないと言っていたはずの響ちゃんまで……今日は予想外のケースが多すぎるわ!!」

「現場に急行する!!なんとしてもネフシュタンの鎧を確保するんだ!!」


弦十郎と了子は車で現場に、オペレーター達は翼のサポートに、それぞれ付いていた。


〜少し経って〜


「翼ッ!?……くっ、響君には伝えるべきでは無かったか」


弦十郎と了子は、車で移動しながら端末で戦闘を見ていた。


「響ちゃんにとっては、地雷だったわね……翼ちゃんもムキになってるし……」


響と翼が言い争っている様子が画面に写っている。そして……


「ッ!?了子君、これはっ」

「暴走!?……いえッ、少し違うわ。でも、早く止めないとマズイことになる……響ちゃんの精神が壊れるかもしれない」

「了子君、急ぐぞ!!」

「ええ、飛ばすわよ!!(マズイな……アレは私が思っていたより良くない存在だ。クリスには荷が重い……早くネフシュタンの鎧を回収しなくては)」


響、翼、ネフシュタンの女、弦十郎、そして了子。それぞれの想いは一体何をなすのか……それは、誰にも分からない。

オリジナル聖遺物で最もヤバイ能力は?

  • 自在に姿を隠す
  • 空気操作
  • 純粋な身体能力向上
  • 視界の共有
  • 空間作成
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