愛和創造シンフォギア・ビルド   作:幻在

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弦「仮面ライダービルドにして天才物理学者の桐生戦兎。彼は現在、敵からの攻撃を受けて重傷となり、意識不明の重体となっていた」
藤「しれっと連日投稿ですが、大丈夫なのか作者は・・・」
友「なんでもある程度書いてるものが溜まったから、それに毎度見てくれる読者に対しての感謝の気持ちを込めているそうですよ。あ、ここの作者は基本書き溜めですので無理してる訳ではありません」
無性「でも今やってるのは誰もが知るトラウマ回の最中・・・」
緒「まあまあ皆さん、お茶でも飲んで今は今回の話を見ましょう」
ネトアイ「今回は様々な人間の葛藤が描かれているのねぇ・・・」
スパイ「そういえば戦兎君は?」
龍「ああ、戦兎なら今寝込んでるからよ」
未「仕方ないですよ。だってあんな大怪我負って・・・」
響「あーもう、暗い話はここまで!さあどうなる第三一話!」
ク「その渦中にいる奴が何言ってんだ!」
響「あう!?」


それぞれのアンビバレンス

戦兎が昏睡状態に陥ってから既に二日。

 

「・・・なあ」

そんな中で、クリスは目の前に座るセレナを見て、思いっきり訝しい目で睨んでいた。

「なんでお前そんなに眠そうなんだ?」

「え、えーっと・・・実験が色々と失敗しちゃって?」

頭を掻いてどうにか誤魔化そうとするセレナ。

そんな様子にクリスが切れる。

「ただ実験に失敗したってわけじゃねえだろこの馬鹿!!」

「ひぃっ!?」

「どうせ、あの先公の家にいって勝手になんかやってたんだろ?」

クリスが呆れ気味にそう指摘すれば、セレナはバツが悪いように目をそらす。

「・・・・戦兎先生があんな状態になって、私だけは何もしていないなんて、嫌だったんです・・・」

「・・・」

「私には、戦う事はできません。ですからせめて、戦兎さんと同じ科学方面でどうにか出来ないかと思って、色々と試行錯誤しているんです。あのアイテムの設計図は凄いです。詳しい事は書いてなくともハザードトリガーをどう制御するのかという理論はしっかりと組み込まれていた・・・」

「・・・」

切実に語るセレナを見て、クリスは黙って聞く。

「だからこそ、今度戦兎先生が目覚めたとき、安心してハザードトリガーを使えるようにしておきたいんです。いつも皆さんが無理をする分、私も・・・」

「お前の言い分は分かった」

クリスが話を遮る。

「だからと言って、無理する事はあいつは望んでいないと思うぞ?」

「・・・・」

それを言われて、セレナは俯く。

(なあ、アンタもそう思うだろ・・・?)

残酷なくらい青い空を見上げて、クリスは、心の中でそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

二課の指令室にて―――

「月の落下です!ルナアタックに関する事案です」

オペレーターたちが各国機関に連絡を取っていた。

そして正面のモニターには、日本の要人たちが映っていた。

『米国の協力を仰ぐべきではないか?』

「米国からの情報の信頼性が低い今、それは考えられません!」

その彼らに、弦十郎が対応する。

「状況は一刻を争います。まずは月軌道の算出をすることが先決です」

しかし、相手がたはそれを拒否。

『独断は困ると言っているだろう!』

『まずは、関係省庁に根回しをしてから本題に入っても遅くはない』

随分と頭の固い事だ。

これには弦十郎も頭を抱える。

(一刻も早く、ウェル博士の言う月の落下に関する情報を集めねばならないというのに・・・!)

少女やたった二人の男たちが戦っている今、自分たちに出来るのはこういう事しかない。

だというのに―――

 

『――――随分と困っているようだな』

 

その声に、弦十郎は目を見張る。

そうして新たに映し出された映像には―――

「ひ、氷室首相補佐官・・・!?」

氷室幻徳―――この国の首相の補佐官を務める、実質の政府のトップの一人。

『根回しが必要と言ったな。もう既に各施設に話しはつけてある。すぐに算出を始めろ』

『し、しかし・・・』

『総理の意見も出ている。早急に事態の把握をしろ、とのお達しだ』

『わ、分かりました・・・』

それを聞いた要人たちがさっさとモニターから消えていく。

「ご助力頂き、感謝します。氷室補佐官」

『気にするな。そちらにはノイズの撃退という大義を担っている少女たちがいる。それから鑑みれば、この程度、安いものだ』

幻徳はなんでもないと言うように返す。

「この仮説本部も提供してくださり、補佐官には頭があがらないばかりです」

『本来ならこちらが頭を下げねばならない事をしているお前たちに、これ以上手間はとらせん。では、俺はこれから総理と共に仕事に向かう。だがこれだけは忘れるな』

幻徳の眼が、鋭くなる。

『―――命を守るという大義を忘れるな』

それを最後に、幻徳との通信は終わる。

「・・・・ええ、分かっていますとも」

その言葉に、弦十郎はそう答えた――――

 

 

 

 

戦兎が昏睡状態になった。

それはきっと全て、自分の責任―――

(あの時、私が不覚を取らなければ・・・)

天羽々斬を喰われ、ネフィリムの成長を促し、そして、叩き飛ばされ、喰われ掛けた所を、戦兎に助けられた―――そして、戦兎が喰われ、あのような重傷を負ってしまった。

(全ては・・・私の失態が原因だ・・・)

刀を傍らに、畳の部屋にて、翼は膝の上に乗せた拳を握りしめる。

あんな事になったのは、自分が弱かったからだ。でなければ、あんな輩の使役する化け物風情に、後れを取る事はなかった。

天羽々斬を奪われ、あの怪物の成長を促す事もなかった。

その拳に当たり、動けなくなり、戦兎に庇われる事もなかった。

あのような形で、戦兎を、暴走させる事もなかった。

(私が、弱かったから・・・)

奏の時も、自分は、手を伸ばしても届かなかった。

(もっと、力を――――)

 

―――くしゃってなるんだよ。

 

「ッ・・・」

脳裏に、あの男の口癖がよぎる。

「・・・・違うな」

自然と、強張っていた体がほぐれる。

「私はただ・・・戦兎にあんな風にはなって欲しくはないと願っているだけだ・・・」

何か、見返りを求めているわけじゃない。どれほど周りに責め立てられようと、彼は、人を守る事をやめない。

「人を守る勇気・・・か・・・」

くしゃっとなる。彼は、ただ、それだけの為に―――

「・・・もう二度と、その身を削らせはしないぞ」

翼は、そう呟いて、素振りを始めるのだった。

 

 

 

 

 

その一方で――――

「ふっ!ほっ!やぁ!」

人目のつかない場所にて、格闘術の訓練をする響。

その様子を、未来は遠目ながらに見ていた。

「響・・・」

ここの所、響は切羽詰まった様子で訓練に勤しんでいた。

理由は、もちろん分かっている。

 

戦兎が意識不明の重体になってしまったからだ。

 

聞けば、相手の攻撃によって重傷を負い、その状態で戦い続けた事が原因だとか。

きっと、その事に響は負い目を感じていて、だから今よりももっと強くなろうとしているのだろう。

クリスも、翼も、龍我も、きっと誰もが、戦兎の現状に悩んでいる筈だ。

そして、自分なりにどうにかしようとも。

それに自分は、何もしてあげらない。

「キュールルー!」

「あ」

「ん?」

そこへやってくる機械の小動物(クローズドラゴン)

「わ!?クロ、また来たの?」

「キュル!」

「あれ?未来、こんな所で何してるの?」

「あ」

ついで響にも見つかる始末。

そういう訳で、話しを聞く事になったのだが。

「そっかぁ、やっぱり未来にはバレちゃうんだねぇ・・・」

「戦兎先生があんな事になって、響が一層思い詰めてるような気がして・・・」

「うん・・・私が暴走した時も、あんな感じだったのかもって思うと、ね・・・・」

初めて、ビルドの暴走(オーバーフロー)を目の当たりにして、響は思わず足が竦んでしまった。

あまりにも、感情がなく、そして容赦のない戦い方に、響は、どうしても戦兎の面影を見いだせなかった。

「オーバーフローした戦兎先生は、本当に怖かった。先生の優しさが一切感じられなかった。ただ、目に映るもの全部を壊す事しか考えてない。そう思った・・・」

シンフォギアの暴走とは、違うものではある。

シンフォギアの暴走は、感情の昂りによって引き起こされるものだ。しかし、ハザードフォームの暴走は―――あれは必然だ。

偶発する暴走なんかじゃない。

元からある設定にあらかじめ組み込まれているようなシステムのようなものだ。

必然的に、引き起こされる暴走だ。

だからこそ、必ず来ると分かっていても、いざ目の前にすればあんなにも怖い。

「だから――――」

響は、拳を握りしめる。

「私が止めないとって思うんだ」

「響が?」

「うん。龍我さんは、暴走した戦兎先生の正面に立って全力で止めようとした。だけど、私たちにはそんな度胸がなかった・・・それが堪らなく悔しかった。だから、今度は暴走した戦兎先生の前に立てるように、強くなりたいんだ」

「響・・・」

「だからごめん未来」

響は未来の方を見て笑いかける。

「また無茶するかもしれない。でも、必ず帰るから」

その笑顔が、未来の心に突き刺さる。

(本当は・・・戦ってほしくない・・・)

これ以上、響が傷つく所なんて、見たくない。

だけど、自分に出来る事は何もない。

そして、それは響にしか出来ない事だから――――

「分かった。それは、響にしか出来ない事だもんね」

そう言って、自分の心を押し込める。

「キュイ・・・」

そんな未来を心配そうに見上げるクロ。

「ありがとう、未来」

響はそう言った後に立ち上がる。

「さて、そろそろ戻ろうかな」

「分かった」

「服とってくるから待っててね」

そう言って響は行ってしまう。

その響の後ろ姿を見る未来。

そんな未来の肩に、クロは乗っかる。

「キュル」

そして、小さく未来の耳に一つ耳打ちした。

「・・・・え」

その鳴き声(なきごえ)は、未来を心の底から驚かせた。

「・・・・響が、危険・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方、カ・ディンギル跡地にて――――

 

ウェル博士(英雄もどきのクズ野郎)はいた。

 

ネフィリムをビルドにやられてからはや二日。酷くやつれた様子でソロモンの杖をそのまま杖として使いその場彷徨い続けているのだ。

全くもってアレである。

そんな最中で足を滑らせて坂を落下。情けない悲鳴を上げて下の方へと落ちる。

呻き声をあげて、顔を上げた先。

そこには、赤く明滅―――否、鼓動する何かがあった。

それを見た瞬間、ウェルの顔が狂喜に歪み嗤う。

それを拾い上げ、怪しい笑い声をあげて呟く。

「これさえあれば僕は英雄だぁ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ナスターシャが倒れ、そして慧介もビルドにやられてから、マリアと調は二人の看病に当たっていた。

ナスターシャは持病を患っており、マリアやシンなら応急処置程度は出来るが、本格的な事はウェルの見立てでなければどうにもできないという現状の今、切歌とシンがウェルの捜索に当たっていた。

切歌は渋っていたが、ナスターシャの為となると快く了承してくれた。

シンは元々、ナスターシャを見捨てる事などする訳がないため、率先していたが。

(今はシンたちがドクターを見つけてくれるまで待つしかない・・・だけど、今一番心配なのは・・・・)

暴走したビルドの一撃を喰らった慧介だ。

あれ以来、慧介は目を覚まさない。

(仮面ライダーとしての装甲を貫き通す一撃を喰らったもの・・・こうなるのは当然・・・だけど・・・)

どうして、こんな事になってしまったのだろうか。

自分が戸惑いさえしなければ、シンに血を浴びさせる事も、慧介をこんな事にさせる事はなかっただろうに。

(もう、私一人の想いでは、何も成せない・・・)

人類を救う事も、夢のまた夢・・・

 

ただ、そんな無意識の中でも、彼女は歌を口ずさんでいた。

 

それは、彼女が失った妹『セレナ』との大切な思い出のある歌。

マリアは、暇があればいつもそれを唄っていた。

そしてその歌は、もう彼女たちの間では聞き慣れた歌だった。

そんな中だった。

「う・・・ぐぅ・・・」

「!」

慧介が目を覚ます。

「慧くん!」

「う・・・俺、は・・・ッ!」

しばらく状況を理解出来ていないでいた様子の慧介はしばらく周囲を見渡した後、何かを思い出したかのように目を見開き、思いっきり起き上がって、すぐ傍の調の肩を掴んで怒鳴り気味に尋ねる。

「あの戦いはどうなった!?ビルドは!?クローズは!?立花響は!?」

「あ、えっと・・・」

「落ち着きなさい慧介!調が驚いているでしょう!」

マリアが一括する事で正気を取り戻した慧介ははっとなり、やがて申し訳なさそうに肩から手を離した。

「ごめん・・・」

「ううん、気にしてないよ」

それで、事の顛末を話した。

「そうか・・・俺は、ビルドに・・・」

「生きるか死ぬかの状況だった。シンの応急処置が間に合わなかったら、慧くん、きっと死んでた・・・」

調の声が小さくなる。

その様子に、誰も何も言えず、そこでどこからか連絡が入る。

「私です」

その通信に答えたのは、マリアでもなく、なんとナスターシャだった。

『っとと、もしかして、もしかしたらマムデスか!?』

切歌の戸惑った声が聞こえてきた。

『具合はもういいのか』

シンが、どこか安心したような声でそう聞いてくる。

「マリアの処置で急場は凌げました」

『なら良かった。今、ドクターを探している』

「分かっています。私の容態を見れるのはドクターウェルのみ・・・そういう事でしょう?」

『話が早くて助かる』

『デスが、連絡が取れなくて・・・』

「二人ともありがとう・・・では、ドクターと合流次第、連絡を。合流地点(ランデヴーポイント)を通達します」

『了解デス!』

『なるべく早く見つける』

それを最後に、通信が終わる。

 

 

 

その一方、切歌とシンは。

「はあ・・・」

切歌はほっと息をついていた。

「まさか、マムが出るとは思ってもみなかったデスよ」

「声音からして、もう大事はないようだ。だが油断は出来ない。一刻も早くドクターを見つけよう」

「分かっているデス!」

その時だった。

 

切歌の腹が鳴った。

 

「おっと・・・安心した途端にこれデスよ」

「はあ・・・まあ、仕方がないだろう。朝から何も食べていない訳だからな・・・そこの店で済ませるとしよう」

「はいデス!」

そうして二人が入っていった店の看板には『ふらわー』と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦兎の家にて、セレナはとある設計図を元にあるものを作っていた。

(戦兎先生が目覚めたとき、安心してハザードトリガーを使えるように、これを早く完成させないと・・・!)

もう誰も悲しませない。あの力で、誰一人だって死なせてやるものか。

そんな想いが、セレナを突き動かしていた。

コーヒーを片手に、セレナは今作っているものを読み返す。

(ハザードトリガーの中にある強化剤『プログレスヴェイパー』・・・その効果は、脳の特定部分に作用を及ぼし闘争本能を刺激し、戦闘力を十二分に引き上げる・・・だけど、使い続ければ脳が負荷に耐え切れなくなって、そしてついには暴走状態である『オーバーフロー』状態に移行してしまう・・・・)

コーヒーの入ったマグカップを置き、まだ試作段階のそれを持ち上げる。

(だけど、このアイテムなら、プログレスヴェイパーを抑制し、そしてオーバーフロー状態で理性を維持し続ける事が出来る筈・・・)

そんなわけで――――

 

『ハザードオンッ!!』

 

誰も装着していないビルドドライバーに起動したハザードトリガーをセットし、そして今作っていた装置をスロットに装填する。

 

『ドンテンカンドーンテンカン!ドンテンカンドーンテンカン!』

 

「よーしでは早速・・・」

 

『ガタガタゴットンズッダンズダン!ガタガタゴットンズッダン!』

 

『Are You Ready?』

 

ボルテックレバーを回し、そうして準備が完了して―――

 

 

バキィィンッ!!

 

 

「ふぎゃあ!?」

アイテムが爆発し、セレナは驚いてひっくり返る。

「う・・・ぅう・・・」

そうして起き上がったセレナの着ていた白衣はややはだけ、顔はげんなりしていた。

「失敗だぁ・・・」

砕け散ったそれを見て、セレナは情けなく声を挙げる。

「何がいけないんだろう・・・設計図通りに作った筈なんですけど・・・そもそも素材が悪いのかな・・・」

様々な事を工夫して、考えて、調べて。セレナは試行錯誤を繰り返す。

(もう、誰にも心配なんてさせないように・・・)

このアイテムを、一刻も早く―――

 

 

「くう・・・くう・・・」

「心配だから様子を見に来てみれば・・・」

呆れるクリスの眼には、眠気に勝てず机に突っ伏して寝ているセレナがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからどうしようか?」

そして、場面は響と未来、クロの元へ。

「お昼食べて、それからお買い物かな・・・」

「よし!それじゃあおばちゃんの所行こう!」

「もう、響は相変わらずだなぁ」

「キュールルールルッ!」

いつも通りの響の様子に、未来はからからとした笑いを浮かべる。

(さっきクロが言ってた、響が危険・・・ってどういう事なんだろう・・・・?)

一体、何が危険だというのか。命の危険?それとも、何か別の?

分からない。あまり、そういう事に詳しくないからか、どうしても想像力が及ばない。

(響・・・一体何を抱えてるの?)

響の表情から、何かを隠してる、なんて事はないだろう。

強いていうならば、気付いていない。

自分の身に近付いてきている、あるいは、起こっている事に、気が付いていない。

そんな気がするのだ。

 

「―――グル」

 

その時だった。

 

クロの鳴き声が――――()()()()のは。

 

「クロ?」

「ん?どうしたの―――」

そしてその直後、彼女たちの目の前を、三台の黒い車が駆け抜けていったのは。

その車の中に、見覚えのある、黒スーツの男達が乗っていたのは。

それが凄まじい速度で過ぎ去っていき、そして見えなくなり――――凄まじい爆発音が鳴り響いた。

「今のって・・・」

「くっ!」

響が走り出し、それに未来が続く。

そして、その先で見た光景は、悲惨だった。

先ほどまで新車のようだった黒い車の装甲はひしゃげ、へこみ、その周囲には元は人間のものであっただろう黒い炭素の山――――

そしてその周囲にはノイズと―――ウェルがいた。

「ウェヒヒ・・・誰が来ようと、これだけは絶対に渡さない・・・」

片手にソロモンの杖、そしてもう一方の片手には、何か布に包まれたもの。

「ウェル・・・博士・・・!」

「グルルルル・・・・」

響がウェルを睨みつけ、クロが今までにない声で唸り出す。

「な、何故お前がここに・・・!?」

「ここで何をしているんですか?」

「お前には関係ない!消えろぉぉおお!!」

あまりの狂いっぷり。見ていて情けない。しかし、そんな彼が半狂乱になってノイズを差し向ける。

「あ・・・・!?」

「未来は下がってて!」

響が、その手に持っていた荷物を投げ捨て、そのノイズに向かう。

 

「―――Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)―――ッ!!」

 

聖詠を唄い―――()()()()()ノイズを()()()

本来なら、それは死に直結してしまう行為。

「響ッ!?」

「キュル!」

響のまさかの行動――――しかし、響は―――()()()()()()()

「人の身で・・・ノイズに触れた・・・!?」

それは、本来ならありえない事。

しかし、それは現実で起きており、次の瞬間、その身を対ノイズ戦の戦闘装束へと変える。

そしてそのまま拳を押し込み、ノイズを消し飛ばす。

「おぉぉぉおお―――ッ!!」

吹き荒れる衝撃。

その最中で、響は拳を握りしめて叫ぶ。

「この拳も、命も―――シンフォギアだ!」

 

 

 

その身を、今自らの戦う力に蝕まれている事を、彼女はまだ知らない――――




次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!

シンフォギアを纏い、異常な熱を纏う響。

(力が・・・漲る・・・)

その力、止める事は出来ず―――

「俺ならどうにか出来ない事はない、が・・・」

されど乱入してくるF.I.Sの二人。

果たしてこの戦いの行方は――――

次回『ブレイクしていくキミに』

「よお、調子良さそうじゃねえか」
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