その壁は薄かった   作:充椎十四

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番外編・某演説パロ

 諸君、私は降谷零が好きだ。

 諸君、私は降谷零が好きだ。

 諸君、私は降谷零が大好きだ。

 あの顔が好きだ。

 あの声が好きだ。

 あの目が好きだ。

 あの眉が好きだ。

 あの口が好きだ。

 あの手が好きだ。

 あの腕が好きだ。

 あの脚が好きだ。

 存在全て好きだ。

 ポアロで、街道で、車内で、職場で、屋上で、物置で、海上で、鉄橋で、家の中で、組織で――この地上で振る舞われるありとあらゆる降谷零の行動が大好きだ。

 

 拳銃の部品を並べ丁寧に清掃するあの真面目さが好きだ。

 部品が少ないためさほど清掃に時間がかからないとはいえ、毎晩ウェスでフキフキしているのだろう姿を見ると心が踊る。

 いくら仮の姿だとしてもポアロでのアルバイトにも真剣に取り組む姿が好きだ。

 アイスコーヒーが賄いでちょうど消えたときには胸がすくような気持ちだった。

 親の仇でも見るような目で百の仮面でも被ってみせると呟く強気なところが好きだ。

 自分への絶対の自信を持ち、自らの敵を忘れないように心の炎を灯し続ける様子など感動すら覚える。

 

 年上の部下を従え肉体言語で指導する姿はもうたまらない。

 部下から尊敬しつつも一歩引かれ、理解できない存在のように思われているのも最高だ。

 哀れな風見がコナンに盗聴マイクを仕掛けられ、それを降谷に関節技を極められながら指摘されたシーンなど絶頂すら覚える。

 

 赤井を目の前にして正気を保てず思考が滅茶苦茶にされる姿が好きだ。

 自らが守らねばならない部下や黒の組織によるテロのことを忘れてしまうほどの激情を見るととても悲しいものだ。

 赤井の言動に振り回され心乱される姿が好きだ。

 あの男に実は繊細なガラスのハートを守られているなど全く屈辱の極みだ。

 

 諸君、私は降谷零を、地獄から這い上がってきたような目をした降谷零を望んでいる。

 諸君、私に同意をくれる神父諸君。君達は一体何を望んでいる?

 

 更なる降谷零を望むか?

 餓えた我々に情け容赦なく雨霰と降り注ぐ登場シーンを望むか?

 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な降谷零を望むか?

 

 ――よろしい、ならば降谷零だ。

 我々は全身全霊で降谷零を望み求める十字軍の尖兵だ。

 だがこの暗い闇の底で、赤井や沖矢ばかり見せられながら降谷零の登場を真摯に待ち続けてきた我々に、ただの降谷零ではもはや足りない!!

 

 降谷零を!!

 一から十までの降谷零尽くしを!!

 

 我らフルヤ=クリスチャンは現在六千六百人(※pixiv bookmark数調べ)余りの少数派()に過ぎない。

 だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している。ならば我らは諸君と私で総力六百六十万と一人の軍集団となる。

 

 赤井推し過ぎる原作に引きずられて一時の眠りについている連中を叩き起こそう。

 両肩をつかんでガクガク揺らし、眼を開けさせ思い出させよう。

 連中に降谷零の尊さを思い出させてやる。

 連中に我々の信仰は公安がFBIの日陰に追いやられている時においても燦然と輝き続けていることを教えてやる。

 天上にあるべき我らの降谷零には赤井単品推し達の認識では思いもよらない魅力があることを理解させてやる。

 六千人のフルヤ=クリスチャンもしくは仏教降谷宗と呼ぶべき者共で構成された戦闘団で世界を燃やし尽くしてやる。

 

 ――そうだ、ゼロの日常だ。これこそが待ちに望んだ降谷零信者への光だ。

 私は諸君らと同様コンビニに走ったぞ。最近では週刊誌すら紐で縛っているあそこ……立ち読みができた時代が懐かしいコンビニへ。

 

 そして降谷零という戦艦はついに大洋を渡り、丘へと我ら戦士を走らす。

 フルヤ=クリスチャン達に告ぐ。神父各員に伝達――教皇命令である。

 さぁ、諸君。天地創造の時間だ。

 

(2話も最高かよ)

 

 

「流石かなちゃん、頭おかしい」

「へ? どこが?」

「全部かな」

 

 これは五月、本郷さんがフルヤ=キリストと知る前のある日のことだった。

 

_人人人人_

> 教皇 <

 ̄Y^Y^Y ̄

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