~雄英高校~
・・・推薦入学試験落ちました(涙)
書類選考で落とされたので完全にうつ病と治りかけのパニック症候群のせいでしょう。
しっかり書かないと書類偽装になるので泣きながら正確に書いてます
これについては親達も責めませんし、逆に謝られました。
謝られることが子供にとってとっても辛いんだけどなぁ・・・
残る入学試験は今日、倍率なんと約300倍、偏差値は今年は79と例年並みの地獄の一般入試に挑まなくてはいけません
浪人になるわけにもいかないのでここがラストチャンス!!
「よーし!!ヘブッ」
緊張して膝が笑ってますよ
校門入ってすぐにスッ転ぶ学生なんていませんよ普通
かー、顔を上げたくない~、絶対奇妙な物を見る目で見られてるよ・・・かー、かー、かーつらたん
今日は最初から薬を飲んでいるので死にたくは無いですが最初の一歩から躓いた私はその後筆記テストでも普通はしないケアレスミスを連発
ガクガクガク
「や、ヤバい・・・簡単な自己採したけどこれだと落ちる・・・じ、じつぎだ!!実技!!それに賭けるしかない!!」
ある程度は鍛えてきた
がパニック状態でどれだけ個性を使いながら動けるかなんて自分でもわからない
個性を使わなければ中学の軟式野球だけど実力の9割出せれば良い方だと顧問から言われていた
(落ち着け私、入試項目には私の苦手なチーム戦ではなく、ロボットを10分間でどれだけ倒せるかという試験・・・人に当たらないように気を付ければ大丈夫大丈夫・・・)
ブツブツブツ
今日は俺のライブにようこそー!!エヴィバディセイヘイ!!
(うおぉ、本物のヒーローだ。・・・ええっと名前覚えてないや・・・えっと資料には・・・プレゼントマイク先生っていうのか)
会場はシラケていたがプレゼントマイク先生が試験内容をハイテンションで話始める
まとめると
1.4種類の仮想敵(ロボット)が配置されている
2.3種類の仮想敵は多数配置されており、ポイントが割り振られている
3.破壊しなくても行動不能にさせれば良い
4.様子は常に試験担当の先生方が監視している
5.事前資料の通り制限時間は10分間、持ち物の持ち込みは自由
6.残り1つの仮想敵はポイントに加算されないため戦うも逃げるも自由
『最後にかの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と!!』
『Plus Ultra!!(プルス・ウルトラ)それでは皆、良き受難を!!』
会場に誘導された私が達受験生が見たのは1つの工業団地くらいの敷地に存在する街並みだった
「で、でかい」
唖然としてると受験生らしい男子が話しかけてきた
「君大丈夫かい?顔色悪いけど」
「あ、あはは、大丈夫ですぅ↑」
あ、変な声出た
「そ、そうかい。まぁ」
ポン
「互いに頑張ろうよ」
肩を軽く叩かれ男子は走り去った
すぐに私は異変に気がついた
(体が重い!?)
まるで自分の体重が倍に増えたような感覚だった
(盤外戦術なんて姑息な真似を!!)
仕掛けた男子は気弱そうな子をターゲットにしているらしく、既に数名餌食になっていた
「ま・・・『スタート』・・・え?」
『実戦じゃカウントなんかねえんだよ走れ走れ!!』
私は急いでリュックに入れている薬をモンスターというエナジードリンクで流し込み、周りから1テンポ遅れてスタートした
「体が重くても!!下半身を機械化すればぁ!!」
他の受験生が派手に会場を破壊しながら戦っているのか普通の4輪車ではすぐにパンクするので無限起動含め戦車の車台を生成する
モデルは傑作T-34
(見た目完全にガンダムのヒルドルブ・・・うぅ、女子のする格好じゃないよ)
「おりゃ」
ガゴン
加速している車体を利用してハンマーで思いっきりロボットを叩く
それだけでロボットは機能を停止する
(混戦過ぎて発砲なんてできない・・・)
スタートして既に5分、近場のロボットの数も減り、移動をしていた
(えっと今ので合計26ポイント合格点がいくらなのかわからないけどたぶん足りない)
それよりも鈴は会場の破壊のされ方が酷いことに目が行く
(本当にこの人達ヒーロー志望なのよね?確かに強い個性で抑圧されてきた人も多いかもしれないけどビルがいきなり崩れて危険過ぎる)
鈴は知らないが、破壊している本人達はなまじ頭が良いため間接的な妨害をしてライバルを減らそうとしていた
崩れて足場が悪くなればそれだけ移動に手間取り、運悪く直撃したとしても雄英に受験する学生なら(自分達と同じくらい優秀だろうと)大丈夫だと考えていたためだ
『残り3分30秒!!』
プレゼントマイク先生の放送が流れた次の瞬間、0ポイントの仮想敵が破壊された会場の中央部から現れた
(!?!?!?)
その大きさ、一撃でビルが倒壊する突破力、見るからに堅そうな外見
(いけ・・・ない!!無理無理無理!!)
何人か果敢に挑んでるが私はその隙にポイントを稼ぐ
(うわ、出火してるし、消火しておこ)
たぶん仮想敵の壊れたロボットのどれかが、植物を生やすか操る個性の残骸に引火していた
通れないため腕を放水車の様に変更し、ホースのように伸ばした左腕を更に指の数だけ分裂させ、蛇口や偶々近くにあった水場から水を汲み取り、右腕を発射口に替えて放出した
目立つが幸い周りに人も暴れている仮想敵もいないので、全力で対処することができた
グルルルルル
(お、お腹すいたでもラストスパート・・・)
『しゅ~りょう!!』
「あぁ、30点・・・どうだろう?どうだろう・・・」
試験が終わると体の重さはすぐに消えた
筆記が悪かったので暗い気持ちに支配され、トボトボと帰路につく
「ダメだったかな・・・う~ん」
自宅に帰ると両親が心配そうにしていたので、なるべく笑顔で過ごしたが、自室に戻ると
「何でヒーロー志望の子が試験の邪魔をするの!!」
ゴンゴンゴン
「何でヒーロー志望の子が破壊中心に動くの!!」
ゴンゴンゴン
「なんで、なんでよぉぉおお!!」
部屋の壁に頭突きをしながら涙を流す
額からは擦れて血が出ていた
こうして星野鈴の雄英高校生入試の長かった1日は終わりを告げた