僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
いやぁ見ましたよあの映画、超面白いですな!!!マジ最高。そしてメリッサさんすげぇ、いいっ……凄い、好きだ。
もっと早くに見ていたら、絶対にヒロイン候補にしてたのに……!!!!
「龍牙、林間合宿までの夏休みの予定はもう決まってるのかい?」
「いえ全く」
「それならこれを上げちゃうのさ!」
期末テストも終えて後は林間合宿を待つだけとなった龍牙は自宅で自習をしている時だった。自室に根津がやって来て予定を聞いてきたのでないと答えるとある封筒を取り出し、差し出してきた。それは立派な封がされているもので書かれているのは英語だった。
「……アメリカのヒーロー協会からって書いてありますね」
「そう、以前アメリカに行ったときに講演をしてね。その時になんかヴィランが爆弾を設置しちゃってさ、それを僕がちょちょいのちょいで解除した時のお礼みたいなものかな」
「相変わらずのハイスペックですね」
その爆弾も知性向上系の個性を持っていたヴィランが制作した物らしいが、根津にとってはお茶を楽しみながら解除出来る程度のものだった。しかも解除の合間に遠隔操作を逆探知してヴィランが潜伏している場所まで特定してしまうという事を行って逮捕に貢献した。その公演に参加していたヒーロー関係の著名人や大企業の社長、大勢の命を救ったとしてそのニュースは大々的に公表されていた。中を見ていいとの事なので開いてみると、そこには根津宛の手紙が入っていた。
「これも英語、当たり前か……」
そして根津仕込みの教育を受けている龍牙にとって英語など母国語も同じ。因みに根津の教育のお陰で他にも英語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、中国語などが喋る。教える側がハイスペックだと教わる側もハイスペックになるのだろうか。因みに現在はスペイン語を勉強中。
「要約すると……事件解決と爆弾の処理を心より感謝します、そのお礼というには不釣り合いかもしれませんがI・アイランドにて行われるI・エキスポのプレオープンの招待状を送らせて頂きます。是非お使いください……ってあのI・アイランドに招待されるって凄いですね校長」
「エッヘン!!」
I・アイランド。世界中の企業からの出資によって建造された巨大人工都市で海上を移動するでヴィランに行方を掴ませないようにもさせている。世界中の優秀な科学者たちがここに住んでおり、日夜個性の研究やサポートアイテムの作成を行っているという人工島。そんな島への招待状が根津に来たという事になる。しかし、ここで根津は肩を竦めて息を吐く。
「僕も是非とも行きたいんだけどねぇ……ヴィラン連合に対する事とかで忙しくて行けそうにないんだよねぇ……念には念を入れて万全にしておきたいから」
「そっか……」
「だからさ龍牙、君代わりに行ってくれないかい?」
「―――へっ?」
思わぬ言葉に龍牙の目が点になった。I・アイランドに行く、自分が?
「僕の招待状だけどさ、僕が連絡さえしておけば君が行く事も出来るからさ」
「いやでも、良いんですか……?」
「勿論さ。それにこれはいいチャンスでもあるさ、I・アイランドで君の確りとしたコスチュームを作って貰いなよ」
龍牙のコスチュームは防刃防弾で耐火性能があるという程度のものハッキリ言って特質するものが一切ない。コスチュームであるならば自身の個性に合わせたものにし、個性を最大限に引き出したり個性にも負けない強靭なものにすべきだろうという物が根津の中にはあった。
「君の個性は基本的に上から鎧を着るって感じだからね、だからコスチュームの性能も上乗せできる。でもそれなのに龍牙は基本的な感じにしかしてないからねぇ……僕としてはもっと良いものにした方が良いんじゃないかなっと思ってね」
「いや今のスーツもカッコいいと思うんですけど……」
「(あの超人ロボOVAを見た影響かな……)まあ兎も角行ってきなよ龍牙。僕が良い人に話を通してあげるからさ、ついでに誰かお友達を連れて言って来ても良いよ、同伴者OKってあるし」
と内心である事を気にしつつもそう言い残して部屋から出ていく根津は早速連絡を取るのであった。そんな父の背中を見続けた龍牙が折角の機会なのだからI・アイランドに行くことを決めた。そして同伴者について考えだす。誰を誘うのが一番適切なのだろうか、自分にとって友達といえば常闇や焦凍になる事だろう。だが自然と二人に誘いを掛けるよりも先に目に留まった名前があった。
「そうだ、葉隠さんを誘ってみよう」
そう彼女のであった。自然と手が伸びたのは連絡先は葉隠、なんだかんだで彼女には本当に良くしてもらっているし入学直後のテストで声を掛けて貰えなかったら今頃如何なってしまっていた事だろうか……考えるだけでも恐ろしい。これはそのお礼も出来るのはと思って迷う事無く彼女に電話を掛けた。そして彼女は即答で行く!!という返事をしたので葉隠と共にI・アイランドに行く事になった。
「それじゃあ他には誰を誘おうか……」
『え、えっと実はね、百ちゃんのお父さんがI・エキスポのスポンサー企業の株主だからの招待状を貰ったから一緒に他の人を連れて行くって言ってたから多分誘わなくてもいいと思うの!』
「へぇっ流石八百万……それじゃあ行きは二人だね」
『うん、二人っきりだね!!』
此処で地味に他人が入らないようにして二人っきりという事を強調する葉隠。恋心に漸く気付き始めた彼女としては出来るだけ二人っきりでいたいのだろうが、それに龍牙が気付けるのは一体いつになるのだろうか……。因みに、この時にピクシーボブやリューキュウと知り合っていた場合龍牙は二人にも誘いを掛けている事だろう。そうなったらある意味面白くも恐ろしい光景が出来上がっていたかもしれない。
こうして龍牙はI・アイランドへと行く事になった。彼としては父の勧めで自らのコスチュームを作る為に、一方で葉隠としては愛しの彼との距離を一気に縮められるかもしれないという一大チャンスをものにする為、というよりも彼からの誘いを断る理由なんて一ミリもあり得ないのだが……様々な思いを胸に向かう先はI・アイランド、そこで龍牙は夏の思いがけない思い出と―――
「―――はい、はい分かりました。それじゃあ俺がその龍牙君、でしたっけ、彼のコスチュームを作ればいいんですね」
『そう、お願いできるかな。龍牙なら君を満足させる事が出来ると思う、君のインスピレーションが止まらない位にね。秀才の名をほしいままにしたね』
大きな出会いをする事になる、スーパーイベントとなる。
「お任せを、この天才に任せてくださいよ。根津先生」
最後に言っておく!!
多分この番外編、結構長くなるよ。
後、最後に出てきた人は分かる人には分かっちゃうと思う。