テスト期間のため、だいぶ遅くなりました。
空咎楽しみですね。
あい変わらず指紋認証でしか開けられないスマホを操作し、メモを開く。
そこには、今まで俺がしてきた行動や、今後起こると予想される事などを記している。
俺は引き続き、TRIGGERの過剰な批判記事を消すように努めたり、ZOOL以外のタレントの育成に力を入れたり(だってZOOLばかりに頼っていたら何だか悪い気がするし、他の人にもチャンスをあげたい)しているが、アイナナ達も色々な行動を起こしているはずだ。
ノースメイアへ行く準備、曲作り、三日月狼のオーディション、対ツクモ勢力ハッピーアワーのメンバー集め等など…
…こいつらホントにアイドルかってくらい色々やってるな。何個かは月雲社長(俺)のせいだけど。
ちなみに、俺がZOOL以外のアイドルを育成に力を入れようとした時、何人かの社員(どうやら、月雲社長の手が回らないところや細かいスケジュールは彼らが対応していたらしい)がアドバイスをくれた。
本編で、恐喝、殺人未遂、社員を顧みない行動、単純に奇行etc.....をやらかしている月雲社長に口出しするなんて、よほど勇気があるのだろう。
ただ、俺の行動に感銘を受けたのか、結構嬉しそうに色々教えてくれるのでこちらも何だか悪い気がしない。
むしろ、月雲社長の人望が無さすぎて逃げられるとさえ思っていたので、助かっている。
「いやぁ、月雲社長はココ最近で随分変わらられたな」
「しっ!声が大きいぞ。…まぁ確かに、私達の意見を聞いてくださるようにはなったが」
「ん?何か言ったか?」
「ななな、何でもありません!!」
「ならいいけど…」
うーん、俺の気のせいか? めっちゃ焦ってたけれど。
少し疑問に思ったが、アイナナ達やZOOLの事に気が回っていたので、それ以上気にする事はなかった。
*
仕事が終わり、帰宅しようと大通りを歩く。
最近では家よりも外にいる時間の方がはるかに長いので、やっと帰れるという感じだ。
ついでにと、帰り道が一緒だった社員を飲みに誘ってみたのだが、顔を真っ青にして断られた。傷つく。
どんなに月雲社長らしく振舞おうとしても、アイナナの事件を止めようとする限り月雲社長から外れた行動をしなければならない__
その事実を認知してからは、アイナナの主要キャラ以外の前では自分のまんまで行動している。
だからこそ、こうして社員からの好感度を上げるために飲みに誘ってみたりもしたのだが、効果はなかったようだ。
…やたらと難易度の高い乙女ゲーをやらされているような気分である。
肩を落として歩いていると、街中の大型テレビから、軽快な音と共に明るいハツラツとした声が聞こえてきた。
『みんなで自由な…○○ッシュセブンはじめよう!』
○○ッシュセブン__アイナナ本編で流行っていたアプリだ。
7人もやる人がいるかはともかく、俺なら絶対に九条天ドリッシュセブンに入るだろう。
…もうあるかな?ないなら作るか。
プルル
「おっ、トウマからか」
電話に出ると、細々とした連絡と、休暇はノースメイアにするという事が聞けた。
「良かった。ノースメイアに行くって決めたんだな」
この世界でも、ZOOLはノースメイアに行くことを決めたらしい。
正直、原作の月雲社長ほどZOOLを煽れた自信が無かったので、これにはホッとした。
「順調順調!この調子で頑張らないとな」
頑張るぞー!と声を上げたら、不審者を見るような目を通行人にむけられた。…すみません。
「明日の予定もチェックしないとな」
スマホを開き、メモを開こうとすると、注目のニュース欄が更新されていた。
ふと気になって記事の詳細を押してみる。ニュース欄に書かれた内容には、
【Re:valerのユキ、相方を余所に熱愛疑惑!?】
「…は?」
それは、月雲社長がRe:valerを陥れるために仕組んだ、ユキを責め立てるような記事そのものであった。