転生したら月雲了になってたんだが軽く詰んでる   作:あけび

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ようやくひと段落したので、投稿できました。お久しぶりです。
次からは、なるべく投稿ペースを戻していけるようにしたいです。




時間の修正力だか何だか知らないが割とピンチなやつなのでは??

 

 

 

前回のあらすじ。俺が抑えていたはずのRe:valerを叩く目的の記事(しかも千だけ過剰にバッシング)が復活していた。

 

 

何故…?

 

 

 

一瞬頭がフリーズしたが、これは由々しき事態である。

なんていったて自分の改変したはずの事象が元に戻っている可能性があるのだ。

 

他にもRe:valer関連の記事を調べてみるが、やはりある一定の時期からそういった物が急速に増えていた。まるで誰かが仕組んでいるかのように…

 

 

「あいつらなら分かるか…?」

 

 

そう言って慌てて部下に電話をする。彼らならアイドル界の内部事情に詳しいはずだ。

月雲社長に付き合わされて詳しくなってしまいました。と前にも言ってたし。

 

あれ、もしかして俺のせい?

 

 

「もしもし、今手空いてるか?」

 

「問題ありません。それで、一体どのようなご要件で__」

 

「Re:valerを叩く記事が急激に増えてる。なんでか分かるか?」

 

 

少しの沈黙の後、部下は重苦しく答えた。

 

 

「やはり社長もお気づきになりましたか。…これは、星影反対派によって仕組まれたものです」

 

 

 

 

 

さて、アイナナ本編を見ている人なら知っているだろうが、ツクモと星影はライバル関係にある。お互いが芸能界の巨大勢力なのだからある意味当然なのかもしれない。

3部でその存在が知られると、アイナナのキャラ達の複雑な事情が分かってくる。

 

まず俺こと月雲了は、ツクモの社長だ。本人自体はアイドルを滅茶苦茶にしたかったようだが(事情を知らないものからしたら子供の癇癪そのものである。いや、事情を知ってても結構こど(以下略)、他の連中はツクモ所属というプライドを持っている。

好んで喧嘩をふっかけることはないだろうが、星影をよくは思っていないだろう。

 

一方、二階堂大和は星影の柱とも言うべき存在__千葉志津雄の隠し子で、大和の住んでいた家は星影の人々が集まる、芸能界の闇がある場所だった。

 

 

 

そして、重要となるのがRe:valer。百はツクモ、千は星影にそれぞれ関わっている。

 

何故2人がそれぞれ別の所に関わっているかというと、まだまだ小規模の岡崎事務所が、二つのうちどちらかに取り込まれる可能性が高いからだ。

 

 

星影側の千の評判が落ちれば、Re:valerがツクモ側に傾いてしまう。

つまり、Re:valerを主体とする岡崎事務所がツクモに乗っ取られてしまうということだ。

 

 

(なんっで原作よりややこしくなってるんだよ!!?)

 

 

ツクモ内の星影反対派が仕組んでいるのなら、社長である俺が止めてしまえば解決すると思うかもしれない。しかし実際はそう簡単にはいかない。ハッキリいってしまうと、月雲社長に全ての社員を従わせる程の人望が無いのだ。

 

 

(俺が元の月雲社長と違って急に悪巧みを止めたのも、反対派を刺激しているんだろうな…)

 

 

汚い手を使ってでも星影を陥れたい連中からしたら、(月雲社長)の心変わりは許せなかったに違いない。どう足掻いても自業自得になるんじゃねぇか。泣けてくる。

 

とにかく、対策を取らねばならない。ふぅと息を吐き調子を整える。帰ったらやるべきことを考えなければ。

 

 

『いつまでも、仲間と一緒に走っていたい』

 

『Re:valer 《永遠性理論》発売中』

 

 

街頭ビジョンに映るRe:valerを見上げる。

 

 

(今度こそ2人を守るんだ!)

 

 

 

月雲社長の夜は長い。

 

 

 

 

 

僕は、トウマが僕らの楽屋から出ていくのを確認した後、モモを問いただした。

 

 

「相談しにおいでなんて、モモは人がいいな…。ベランダから落とされかけたんだぞ」

 

 

トウマはあくまでツクモの人間。その上、月雲了直々にプロデュースしているZOOLのメンバーだ。

ついさっきだって、月雲社長をどうにかしようと話し合いをしていたというのに…。

 

しかしモモは、笑顔を崩さぬまま答えた。

 

 

「芸能界の先輩が、それだけなワケないじゃーん。打算だってあるよ」

 

「ZOOLは今やツクモのドル箱__了さんの生み出した得点王でエースストライカーだ。ZOOLが売れているからこそ、新社長の了さんに発言権がある、いわば了さんの翼みたいなもんだよ」

 

「なくなれば、地上に落下する」

 

 

そう言って銃をうつ真似をして、不敵に笑う。でも…、

 

 

「そんなこと言って、本当は気にかけているんだろう。モモは面倒見がいいから」

 

 

モモは驚いて目を丸くした後、少し俯いて話し出した。

 

 

「まあね。了さんのこと知ってたのに、積極的に助けてやれなかったし…了さんがこんなこと始めたのも、半分くらい、オレのせいかもしれない」

 

「…どんな理由でも、モモのせいじゃないよ。あいつがどんな悪巧みをしてようと、僕がモモを守ってあげる」

 

「ユキ、格好いい…」

 

 

その後僕らはいつものような、ふざけているような、楽しいようなやり取りをした。自分の気持ちが伝わって、モモがいつもの調子に戻ったと安心した。

でも、そんな一時も一瞬で崩される。

 

 

「週刊誌やネットニュースで、今までにない数のバッシングが出てます!……しかも、千くんのスキャンダルだけ異様に…」

 

 

おかりんの予想外の報せは、僕らを動揺させるには充分だった。

 

モモが歯を食いしばって怒りを堪えているのが見える。

 

僕は、よくある物語の鈍感な主人公じゃないから、自分がモモにすごく大切にされてるってことが分かる。そして、モモが自分より誰かを傷つけられるのを嫌うことも。

 

相手の狙いが、モモへの嫌がらせなのか、それとも別の目的があるのかは分からない。

 

 

それでも、すぐそばまで黒い雲が迫ってきているのを感じざるを得なかった。





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