転生したら月雲了になってたんだが軽く詰んでる   作:あけび

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オリジナル展開多め。月雲社長以外の視点が割と長めになりました。




I'm Tukumo. I’mbusy.

 

 

 

アイドリッシュセブンinノースメイア〜!!

 

 

 

…俺自体はノースメイアに居ないんだけどね。うん。原作だとここくらいで大和がコスプレしてたよね。寒いとこでも頑張れよ。

 

仕事が無ければ、ZOOLのライブを見に行って、ついでにこっそり着いて行こうとも考えていたが…

 

 

「社長。仕事をなさらないでどこへ行くおつもりですか?」

 

 

という部下の一言によって打ち消された。そうだよね、俺がアイナナのキャラを守ろうと奮闘してるから仕事増えてるんでしたね。

…ごめんね。

 

俺のあまりの落ち込みっぷりに、以前からプロデュースしていた他の新人アイドル達に慰めてもらう始末。こんな情けない社長に着いてきてくれるのだから、いつかデビューさせてやりたいなぁ。

 

 

まぁという訳で、Re:valerの事件があってから、俺はその鎮圧に奮闘していた。Re:valerを陥れようとする反星影派の人達を説得したりとかね。失敗したけど。

いや、失敗というか未遂というか。下手に刺激して会社から独立されても、かえって動向が分からくなるので迂闊なことは出来ないのだ。

 

よって、コネを使いまくって、出版社の人達に記事を書くのを辞めてもらったりしているのだが…まるで効果が無い。

 

 

(正直しんどいな。…そう考えると、Re:valerのお姫様だっこってすげー破壊力だったんだなぁ…)

 

 

原作ではこのスキャンダルを、千が百をお姫様だっこするという(しかし千は非力なので百が体を最大限に仰け反らせて、片足立ちをしている)荒業で乗りきった。

大抵の人間がそうだが、推しの確証もないスキャンダルよりも、公式からの供給の方がよっぽど魅力的なのだ。やはり萌えが世界を救うのか…ナギも萌えに心を救われてたし、この世界の人達そうゆうコンテンツに耐性ないな??(俺も含めて)

 

やがてSNSに上がるであろうお姫様だっこの写真に思いを馳せた。

 

 

 

           *

 

 

 

俺は今、やるせない気持ちでいっぱいだった。

 

大々的なミュージカル作品、『クレセント・ウルフ』のオーディションに俺は全力で挑み、そして敗れた。

 

主演を勝ち取ったのは、有名な大物俳優でもなければ、最近人気の若手俳優でもない。

 

 

 

かつてその評判が地の底まで落ちた、大人気アイドルのTRIGGERの3人であった。

 

 

 

(クソッ!なんでアイツらなんだよ!!?)

 

 

アイツらは確かに実力がある。アイドルが本業とは思えないほどの演技力に、思わず震えたものだ。

でも、俺だってアイツらに負けないほどの演技をみせたはずだ。それなのに…

 

 

 

俺の頭の中には、1つの嫌な可能性がよぎっていた。

 

それは、俺が月雲の人間であることが審査に響いたのではないかという事だ。

 

 

クレセント・ウルフの元となった舞台、『三日月狼』の主演は千葉静雄__つまり星影の代表とも言える人間だ。

 

月雲と星影はライバル関係であり、最近は新社長の月雲了によってその争いは激化している。そんな中で月雲出身の俳優となれば良い印象はもたれないだろう。

オーディションでは新人だろうがベテランだろうが平等に扱っていたが、関係者は、最近の月雲に対する不信感を完全に考慮しないで審査などできたであろうか?

 

 

(これも全て、勝手なことばかりしている新社長のせいだ!そのせいで俺は…)

 

 

俺の最近の俳優業は上手くいっていなかった。新人の頃は上手いと言われた演技も、段々と個性が無く凡庸だも言われることが増えた。ハッキリいって伸び悩んでいた。だからこのオーディションは、そんな俺の評判を変える絶好のチャンスだったのだ。

 

とは言っても、今更オーディションの結果が変えられるわけでもなく、この結果を甘んじて受け入れるしかない。明日からまた、頑張らなければ。

 

 

 

そう思っていると、目の前になんと、月雲了が歩いているではないか。

 

先程落ち着こうとしていた心が、一瞬で怒りに染まる。ありとあらゆる劣情が心の中を支配した。

 

 

そうだ、コイツのせいじゃないか。コイツが余計なことをしたせいで俺の人生が…

 

 

気がついたら、俺は目の前の男に早歩きで向かっていた。その時には、今から行うことによって俳優人生が危ぶまれるかもしれないということも、TRIGGERだってスキャンダルを抱えていたにも関わらず受かったという事実も、頭から消し飛んでいた。

 

 

 

そして、俺は目の前の男を突き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

ドサッ

 

 

 

 

 

鈍い音、しかしそれはヤツが階段から転がり落ちた音ではない。

 

 

 

 

「何を…するつもりだったんですか?」

 

 

 

 

月雲了を抱えた音。そしてヤツを抱え、俺を睨みつけている人物は紛れもなく、TRIGGERの九条天であった。

 

 

 

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