いよいよ本編開始です。
始まったし、決意を固める
ある日の九条鷹匡と桜春樹の会話
昔の仲間と夢を追いかける狗丸トウマ、デビューしたTRIGGER、MEZZO、ZOOL、そしてIDOLiSH7のライブ
そして、アイナナ7人とマネージャーが揃った記念撮影
4部の始まりは確かこうだった気がする。あまりに不穏過ぎて画面前で震えまくっていたような…
とうとう、4部の時間軸に追いついてしまった俺は、思わずため息をついた。とは言っても、部屋には俺しかいないので問題は無い。
ん?何で4部が始まったか分かるのかって?
それは4部のあるシーンが関係する。
『みんなといれば楽しい!なんも怖くない!約束するよ…!おじいちゃんになっても、ユキの隣で、踊ってるって…!!』
そう言って眩しい笑顔を見せるモモに、月雲社長は不敵に笑って指でピストルを作る。
「ふふ…。そんな約束は守れないよRe:valer
ピアノ線で宙に吊られたアイドル。次は必ず撃ち落とす」
「BANG!」
…いや、まさか念願の初Re:valerライブにきたら、こんな重要シーンに遭遇するとは思わなかった。
俺はもちろん、撃ち落とすとか言ういかにも悪役な台詞ではなく、「やっぱRe:valer最高!!」とか言って盛り上がりまくった。
当たり前だよなぁ?
何はともあれ、4部の始まりを察知した俺は、今こうして頭を悩ませているのである。
「結局当日まで大した事は出来なかったな。精々、月雲に便乗してTRIGGERの批評記事書いたところを黙らせたくらいか?」
とは言っても、4部は始まったばかり。
「よーし!やるぞ!!」
俺は拳を挙げて声高らかに宣言した。
*
九条鷹匡は考えていた。
『どちらも大事です。九条さんかTRIGGERか、ボクには選べません。どちらも手放したくないし、どちらとも幸福な関係でいたい。TRIGGERもあなたも、ボクが心から尊敬してやまない人たちだから。』
天の言葉が心に引っかかる。
今までは鷹匡のことや弟のことばかり考えていたのに、最近では、TRIGGERやファンのことも全て抱え込もうとしている。
九条天は素晴らしいアイドルだ。
信用が地に落とされた時だって、天使が空を高く舞い上がるように、より眩い美しさを持って復活した。
(天はゼロのようになれる。でも、ゼロのような素晴らしいアイドルなんて現れない)
矛盾した思いが胸に広がるが、それを無視し、さらに思考を回転させる。
胸ポケットにしまった写真を取り出す。
(今天が僕を選んでくれなくても、不安要素は消すべきだ)
写真の中に写る楽しそうに笑う男。あるTRIGGERのライブ会場の近くで、2人の女と、TRIGGERについて談笑する姿が目撃されている。
TRIGGERを地に堕とした悪魔__月雲了
写真の悪魔を睨みつけて、鷹匡は口角を歪め笑った。
*
月雲社長はTRIGGERを、九条天をどうするつもりなのか?
パーフェクト高校生の頭脳をもってしても解決できない問題に、頭を悩ませる。
月雲社長は掴みどころのない、まるで子供のような人物だ。1度手にした喜びも、飽きたら玩具のように簡単に捨ててしまう。
モモにかつて執着していたようだが、裏切られたと感じたために酷く痛めつけようとしていた。今夢中になっている七瀬陸に関しても、気に食わないことがあれば苦しめようとするかもしれない。
もし彼が九条天を気に入ったのならば、何かの拍子で嫌悪することがあったならば…
(信頼を失うどころでは無い、もう芸能界にさえいられなくなる、そうなれば…)
" 七瀬さんは二度と歌えなくなる ”
「一織ー!」
「な、七瀬さん、どうして…」
「どうしてって、夕飯の時間だから呼びに来ただけだけど」
「もうそんな時間でしたか」
「なぁ一織、最近調子悪そうだし、大丈夫か?」
「大丈夫です。七瀬さんこそ無理をし過ぎないように気をつけてください」
心配そうにこちらを見つめる七瀬さんに、心配させぬよう笑って答える。
「もう、俺だって大丈夫だよ!…ほんとに困ったことがあったら言うんだぞ!」
「お気遣いありがとうございます」
「一織が珍しく素直だ…」
「失礼な人ですね!」
「だってホントに珍しかったし!」
七瀬さんとくだらない言い合いをして、兄さんのご飯をメンバーの皆と食べて。それは日常のただの一場面でしかないかもしれないけれど…
私はこの幸せを壊させるわけにはいかない。
その為だったら__
「何だってしましょう。あなたにこれ以上好き勝手はさせませんから」
月雲社長に死亡フラグが建ちました