現実世界にポケモンをぶち込んだらサバイバル系B級パニック物になってしまった   作:ケツマン

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番外編1発目はギャグ。普段の文章量の3倍くらい。
9/20 トロハマチさん、ステキな推薦文ありがとうございました‼︎
9/24追記 アンケートの結果、番外編3つ目は『あくタイプに喰われる(性的な意味で)ショタ)』に決まりました。


番外編 日本各地のトレーナー達の事情
薔薇色の男


どうしてこうなったんだろうか。

 

 

突如として現れた未知なる怪物達。

妖怪、クリーチャー、モンスター。呼び方は様々な招かれざる客人達が世界中に現れ、暴れ始めたあの惨劇から半月が過ぎた。

 

小綺麗なマンションの一室にて、くたびれた学ランを着崩した青年『薔薇色 道行(そうびしき みちゆき)』は重い溜め息をついた。

道行は名は体を表すという言葉をまるで具現化した男で、文字通りの薔薇色の人生を歩んでいる男だ。

本人がどう思っていようが、少なくとも赤の他人から見た彼の人生はそうだった。

 

何せ道行はモテる。モテ過ぎるくらいにモテた。モテてモテてモテまくる男なのだ。

 

 

「だからこんな事になっちゃったんだろうな……」

 

 

またもや溜め息。幸せが逃げるから、などと道行の祖母はよく窘めたものだが今の現実では逃げる幸せなどとっくに尽きている。

甘いココアでも飲んで落ち着きたい。そして何も考えずにずっと寝ていたい。

 

そう道行が考えて三度目の溜め息を吐く直前だった。

彼の目の前にフヨフヨと何かが宙を漂いながら寄って来たのだ。

しかもよく見ればソレは彼が愛用していたマグカップではないか。

 

不自然に宙に浮かぶカップの中からは甘いチョコレートの香りが立ち昇っており、その中身が彼の好物であるココアだと主張しているようだ。

恐る恐るカップに手を伸ばすと、まるでそれを待っていたかのようにカップの方から吸い付くようにして道行の右手にスッポリ収まった。

 

道行は冷汗をタラリと流すとゆっくりとマグカップが飛んで来た方向に首を向ける。

引きつった表情を隠さぬその様は古びたブリキ人形がギシギシと軋みながら動くようだ。

 

 

道行には何故こんな計ったようなベストタイミングでココアが飛んで来たのだとか、そもそも何でカップが宙を飛んでいるかとか、その犯人の予想がついていた。

案の定、この奇妙な共同生活始めてから外れる事の無くなった勘は嬉しくもないのに的中。

 

視線の先には彼女がいた。

 

キラキラと輝くエメラルドグリーンの髪を二つに結び、頭の横からチョコンと伸びる赤い半円状の突起が角のように生えている。

雪のように白い肌、そして上物のルビーのようにキラキラ輝くそれはそれは大きな瞳を持つ。

そんな見目麗しい少女が微笑みを浮かべて立っていた。

 

 

否、正しくは美少女らしきモノだ。

 

 

翠色の髪の毛のように見える頭部は厳密には肌の一種らしく、我々地球人には全く未知の感触の物質で構成されているっぽいし。

その白い肌だってシミひとつ無くて綺麗っちゃあ綺麗だが、その色は暖かみが無いと言うか、無機質で白い絵の具や白い蝋を塗ったくったような。

そう、言うなれば人間の身体の色とは別次元のモノだし、しかも途中からは頭部と同じ緑色で構成されている。

 

そして先程は宝石のようだと比喩したつぶらで大きな瞳は確かに美しい。

いや、美しいのは間違いないんだけど、ぶっちゃけ明らかにサイズが大きすぎて少女漫画の二次キャラをデフォルメしたようになってる。

そのせいで顔の作り自体はとても可愛い。

可愛いんだけど明らかに人間とは全く違う生き物だとハッキリ主張している。

ヒラヒラとひらめくスカートは彼女によく似合うと思いきや、そのヒラヒラも身体の一部らしく、思いっきり人外アピールしているじゃないか。頭身だっておかしい。

ツッコミどころのバーゲンセールだ。

 

そして大前提として人間の頭には角が無い。

 

 

(しかも冷静に考えたら普通に全裸だ)

 

 

そんな事を道行が考えたのがいけなかったのか。

目の前の美少女(仮)はハッとした顔で目の前の青年を見つめた後、カァッと頰を赤らめてイヤンイヤンと凄くワザとらしく首を振りながら小さく声を上げた。

 

 

「キルルルリーン」

 

 

声を上げた。ぶっちゃけ鳴き声である。

多分、鳴き声である。

 

何故そんな奇妙な声で鳴くのだろうと道行が毎度の疑問に悩んでいると、普段から彼が『キルリー』と呼んでいる彼女が道行に近付いて来た。

しかもただ近付いてくるのではない。踊りながらだ。

まるで熟練のバレリーナのように。スカート(っぽい何か)とツインテール(っぽい何か)をヒラリヒラリとはためかせながらクルクルとターンしながら寄ってくる。

 

そして道雪の目の前で華麗に立ち止まるとスカートを両手に持ってキュートなカーテシーを披露。

そのままピタリと止まると無言のままキラキラした瞳で道雪を上目使いで見つめ始める。

 

 

(ホメテ。ホメテ。ホメテホメテ。)

 

 

別にテレパシーは使っていない。

その輝く瞳が勝手に主張しているだけである。

 

このようなやりとりをもう何度も繰り返している道行はダラダラと溢れそうになる冷や汗を、気合と根性とステキな何かで必死で抑えつけた。

心の中で自分に喝を入れると彼は目の前の美少女もどきに優しい笑顔を向け、その頭を優しく。それは優しく撫でてやった。

緑のそれは髪の毛では無い謎パーツだというのに、サラサラのスベスベで癖になる手触りである。

 

 

「キルリー、ココアありがとう。わざわざ気を使ってくれるなんて、君は本当に優しい娘だね」

 

 

繰り返すようだが薔薇色 道行はモテる。

もうコレ以上無いってくらいにモテる。街中で裸で突っ立ってても通報されるどころか欲求不満なお姉さま方に食べられちゃうくらいモテる。

そんな彼が年下っぽい(背丈は80cmぐらい)女の子に『笑顔』で『頭を撫でる』とどうなるか。

 

 

 

 

 

 

「キッ……キリュリュリュゥ……」

 

 

顔を真っ赤にして甘い声をあげるのだ。

そう、俗に言う『ニコぽ』『撫でぽ』の必殺コンボである。

その威力の高さは恐ろしい。どのぐらい恐ろしいかと言うと。

 

 

「あ、ヤバッ」

 

 

ふと少女の頭部から飛び出た突起に手が触れた途端、道行の脳内に洪水のように思考の波が流れ込んで来る。

 

 

 

 

 

(ミチユキ! ミチユキ! ミチユキ! ミチユキィィィィゥゥウウウワァアアアアアアアアアアアアアアアン‼︎‼︎

アァアアア……アア……アッアッアー! アァアアアアァアアア! ミチユキミチユキミチユキィイイイァワァアアアア‼︎‼︎

アァクンカクンカ! クンカクンカ! スーハースーハー! スーハースーハー! イイ匂イデスゥ……クンクン。ンハァ! ミチユキ・ソウビシキ様ノ漆黒ノ髪ヲ クンカクンカシタイデスゥ! クンカクンカ! アァア‼︎

間違エタ! モフモフシタイデスッ! モフモフ! モフモフ! 髪髪モフモフ! カリカリモフモフ……キルキルリイィ‼︎‼︎

困ッタヨウニ微笑ムミチユキ様可愛カッタアアアァァアア……アアア……アッアアアァァァアアン‼︎ ファァアアアアアン‼︎‼︎

番外編アンケート選バレテ良カッタネ ミチユキ様! アァアアアアカッコイイ! ミチユキ様カッコイイ‼︎ アッアアァァァァァァ……私ノ想イヨ ミチユキ様ヘ届ケ‼︎ ミチユキ様ノ卵産ミタイ‼︎)

 

 

「……おぅふ」

 

 

このぐらい恐ろしいのだ。

 

ちなみにキルリーと呼ばれている彼女は、とある世界にてポケモンと言われているモンスターの一種で『キルリア』と名付けられている。

超能力を得意とするエスパータイプに属する彼女は、その赤い二つの突起に触れる事で相手の感情を読み取る事が出来るのだ。

……出来るのだがあくまで読み取る事が出来るだけで自分の感情を伝える能力は無い。

 

だが天性のモテ男である道行の必殺コンボを受けると、恋する乙女は限界など軽く凌駕し新たなスキルに目覚めてしまう。ふしぎなアメやポイントアップよりも有用である。

 

現に感情が昂りすぎてサイコパワーが溢れたせいか、キルリアと道行の周囲の空間がぐにゃぐにゃと歪み始めて何か邪神とか降臨しちゃいそうな見た目である。

道行が慌てて彼女を落ち着かせようと宥めている。

 

人種の差というか種族の差さえ凌駕し、あっという間に惚れさせてしまう道行のモテ男体質。

しかもこんな感じで道行を恋慕い、あわよくば添い遂げたいと願うポケモン達が何匹もいるのだ。

 

 

(ああ、本当にどうしてこんな事に)

 

 

半分涙目になりながら道行は己の過去を振り返っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薔薇色 道行。

歳は17、身長は175cm、体重は60kgと特に目立つ体型でも無い。

ルックスも決して悪く言われることは無いが、彼より見目麗しい人間は探せばいくらでもいた。

 

特別、頭の出来が素晴らしい訳でもスポーツが万能と言うわけでも無い。

友人は多い方だがクラスの中心人物と言うわけでも無い。

特別目立つわけでも無い、言うなれば平凡な存在なのだ。

少なくともその見た目だけは。

 

 

だが道行の周りには常に様々な女性達の影があった。

実家暮らしの頃、家が隣の幼馴染からは電話をすればいいと言うのにわざわざリビング越しに毎晩話しかけて来る。

小学生低学年の時に親の再婚で出来た義理の妹は毎朝ベッドの上にダイブして起こして来る。

 

地元の有名な爆乳ヤンキー娘も、何故か道行には態度が柔らかくて話をする度に顔を赤らめている。

日本有数の大企業のご令嬢なのに何故か公立の中学に通う金髪ドリルお嬢様に毎日リムジンでの登下校に誘われたり。

向かいの家の色気ムンムンの歳上のお姉さんからは思春期男子の青い性を刺激するような揶揄いをしょっちゅう受けてきた。

 

そんな羨ま死刑な境遇から何故か抜け出すように、道行が高校進学をキッカケに一人暮らしを始めてからは更に凄かった。

同級生に慕われ、生徒会長には何故か強引に生徒会に加入させられ、アメリカ人の英会話担当の女教師には放課後の教室で犯されかけた。

女性達からの猛攻を躱しつつ、ようやく進級したと思えば帰宅部なのにも関わらず様々な部活や委員会からの後輩から慕われるハメになるわ、卒業した筈のOGからの襲撃も何度も受けて来た。

誰かしらからラブレターを貰い放課後の屋上で愛の告白をされたりは日常茶飯事だった。

 

実家を離れたにも関わらず義妹や幼馴染は勝手に合鍵使って入り込むし。

マンションの隣室のお姉さんからは作りすぎた肉じゃがを食べて欲しい、と言う名目で家に連れ込まれ晩酌の相手に付き合わされるし。

何故か家のしきたりで女装をして登校する同級生には掘られかけるし。

 

管理人であるどこか影のある儚げな美しい未亡人からは、しな垂れ掛かられて誘惑されるし。

おまけに彼女の娘達である三姉妹からもそれぞれ懐かれているし。

ちなみに上から21歳、17歳、8歳と。年上、同級生、ロリと幅広い包囲網。

 

兎にも角にも本人は何をやったという訳でも無いのに、道行の周りには魅力的な女性が次々と集まってくるのだ。

 

 

道を歩けば美少女が落ちてきたり、パンを咥えた女の子とぶつかったり、芋ケンピつけたドジっ子にツッコミ入れたりは当たり前。

ついでに言うなれば、寄ってくる動物や昆虫までもが全て雌。

 

その視線を合わせれば頰が赤く染まる。

その笑顔を見れば心臓が思わず高鳴る。

その手に撫でられれば切ない箇所がキュンと疼く。

 

 

女性達にとって道行はそんな魔性の男なのだ。

 

 

「お前はエロゲの主人公か。死ねよモテ男。死ねよ、頼むから死ねよ。なあ、本当に……お前がいるから‼︎ あの娘まで‼︎ あの娘までええええぇぇぇ‼︎‼︎」

 

「リア充爆発しろ。え? 無理? なら俺が今からテメェの頭を爆発させてやるよ。遠慮すんなって。友達だろ?」

 

「トゲキッス! でんじは からの エアスラッシュ からの エアスラッシュでずっと俺のターン‼︎」

 

 

そんな台詞で友人達にからかわれた回数など数えきれない。

ヤケに目が血走ってて噛み締めた唇から血が流れ、カッターナイフや金属バットに手をかけていた地元の友人達が懐かしい。

恐らく彼等なりのジョークを交えたコミュニケーションだったのだろう。

というかそういう事にしといた。しといて欲しい。

 

 

こんな感じで徹底的に女にモテまくる道行だが、意外な事に本人は誰とも付き合う事も無かった。

ならばモテ体質を利用して美少女達の身体を好きなように貪っているかというと、そうでも無い。

意外な事に彼は誰とも性的接触を持った事など無い、ファーストキスすら経験の無い生粋の童貞だった。

 

 

なら道行は女に興味が無いのか? 答えは否だ。

 

可愛い女の子と話すのは好きだし、身体を密着されればその柔らかさや香りについクラっとしてしまう。

彼は別に同性愛者だとか、人に言えない特殊な性癖を拗らせていた訳でもない。

健全な男子高校生である彼にとって、女性と接する事は胸が高鳴る事だった。

しかし道行は今後一切、恋人を作るつもりも無かった。彼にはあるトラウマのようなものがあったからだ。

 

 

小学生低学年の頃だった。

彼には気になる女の子がいた。幼すぎる故、それが恋だという自覚は無かった。けれども他のどんな女の子よりも気になって、仲良くしたいなと思う娘がいたのだ。初恋の蕾と言ったところだろうか。

 

件の少女は狐のように目が細くて頰はソバカスにビッシリと覆われた、お世辞にも可愛いとは言えない顔立ちの地味な娘だった。

今となっては理由すらも思い出せないが、道行は何故か彼女に惹かれていた。

 

彼自身は気恥ずかしい初恋の芽生えを周囲にしっかりと隠していたつもりだが、何せ道行は生粋のモテ男。

同級生12人、女教師3人、授業参観で一目惚れしたお母さん方28人、代理で来ていたお父さん方3人、近所のストーカーが8人に、おまけのヤンデレ気味の義妹。

常にここまでの女(一部例外有り)が道行の事を観察していたものだから、その淡い恋心など悲しいくらいにお見通しだった。

 

するとどうなるか。簡単だ。

陰湿で執拗なイジメが発生したのだ。それも道行に決して気づかれないように、だ。

ドロドロとした女の嫉妬の恐ろしさを知るには当時の道行はまだ幼すぎた。

まるで発酵したベトベトンに興奮したクサイハナを足したような、吐き気を催す邪悪な行いに道行が気付けた頃。

件の彼女はイジメに心が折れて、家族と共に遠い場所に転校が決まった後だった。

 

この出来事は道行の心に大きな傷をつける事になった。

自分が好意を寄せた。ただそれだけの理由で人一人の心をボロボロに傷つける切っ掛けを作り、人生を台無しにしてしまった。

 

しかもそれが、自分の初恋だった相手に。道行が自分の心に気付いた頃には時すでに遅し。

道行は自身の浅はかさと愚鈍さを呪い枕を涙で濡らす日々をおくった。

 

そして彼は決意した。

自分が人を好きになる。それだけで愛しい人を傷つけてしまうと言うならば。

簡単な事だ。自分は一切恋人や特別な関係の女性を作る事は諦めればいいのだ。

そんな極端な結論に至ってしまった。

 

こんな自分を好いてくれている人には、身勝手で悪い事かも知れない。

それでも不幸な人間を産み出さない為には、この決意こそが正しいのだと妙にネガティブに張り切ってしまったのだ。

そんな決意とともに道行は後ろ向きな努力を始めた。

 

 

女の子からの好意にワザと気付かないフリをして、好意を示すような台詞や態度にだけ都合良く聴こえなかったり見なかったフリをしてみたり。

 

顔さえ隠せばマシになるだろうと前髪を不自然なまでに伸ばし、目元を覆って不気味な男を気取ってみたり。

 

体育は実は得意だがワザと手を抜いて成績を落とし、運動オンチの情けない面を強調してみたり。

 

 

それでも根が真面目で心優しい道行は困っている人がいればついつい手を貸してしまい、ナンパに困る見ず知らずの女性を庇って惚れられる。

告白してきた女子生徒にごめんなさいとお断りをすれば泣かれてしまい、慰めのつもりで頭を撫でては更に惚れられる。

 

 

そんな努力すら虚しいモテ体質に本人が苦悩しつつも、道行はなんやかんやと騒がしくも平穏な日常をおくっていたのだ。

 

そう。あの日までは。

 

 

 

 

二時限目の英語の授業中に、まず大きな地震が起きた。

関東大震災もかくやという大揺れに、慌てて机の下に避難。

するとそれがキッカケだったのだろう。

グラウンドの地面からは巨大なカバらしき化け物が。

空からは見たこともない大量の怪鳥が。

そして学校どころか街全体を蹂躙せんとする異形の怪物達が突如として現れ、この世界に襲いかかった。

 

道行は理解出来ない唐突な化け物集団の登場と、それらによる大虐殺の光景に泣きそうになった。

だがそれでも持ち前の勇気となけなしのプライドを奮い立たせては奮闘した。

 

 

青緑色の触手の塊であるモンスターにグチョグチョにされている後輩を救い出した。

何故か日本刀を振り回してるヤマトナデシコな生徒会長と共に巨大なクワガタ虫を退治した。

恐怖に震える同級生をおぶりながら鋼鉄の巨大蟻から逃走した。

そして最後に担任の女教師の逃げ道の為に竹刀一本で殿を勤め、身体中傷だらけになりながらも何とか生きていたのだ。

 

この時点で既に人間離れしているというか、何がそこまで道行を駆り立てるのかと突っ込みたくなるものだが本人はとにかく全力で頑張ったのだ。

 

 

そして何故かアクション映画のワンシーンの如く爆発した校舎から命からがら脱出。

傷だらけのままグラウンドで座り込み一息入れるも、そんな道行をあざ笑うかのように地面の中から蝉の幼虫を巨大化したような化け物が彼を取り囲んだ。

 

もはやこれまでか。そう道行が諦めたその時、突然目の前の空間がグニャリと歪んだかと思うとそこから神秘的な美少女が現れた。

 

 

そう、冒頭のキルリアさんである。

 

道行の真っ直ぐな心に惹かれたのか、視線を合わせただけでポッと頰を赤らめて即落ちしたチョロリア。じゃなくてキルリアはサイコパワー全開で化け物を殲滅。

そして褒めて褒めてと言わんばかりに熟練のバレリーナのように踊りながら道行の目の前まで寄って来た。

 

普通ならあまりの超展開に気が動転してパニックを起こすだろうが、そこはモテ男の道行。

道に迷ってる外国人女性に声をかけたら何故かCIAとのカーチェイスに巻き込まれた経験は伊達じゃない。

疲れた身体に鞭を打ち、少女っぽい生命体の前にしゃがみ込んで視線を合わせて優しく微笑む。

そして義妹にしてやってるように優しくその頭を撫でてこう言ってやるのだ。

 

 

「助けてくれてありがとう」

 

 

ただその一言だけで。

 

 

「キッ……キリュリュリュゥ……」

 

 

はい即オチー。コイツは間違いなくチョロインですわー。

まるで某ハイスピード学園ラブコメに出てくるチョロコット並みのチョロインっぷりを披露した少女型モンスター、キルリアさん。

 

この時点で彼女はつい二分ほど前までは見ず知らずの相手だったのにも関わらず、目の前のトレーナー(という事に彼女の中ではなっている)添い遂げてタマゴを産みまくり幸せな家族計画を妄想する程に道行にゾッコンになっている。

人間とタマゴができるのかって? 出来るんじゃない?

公式の設定でポケモンと人間は結婚できるんだし。知らんけど。

 

 

閑話休題。

まあこのような感じで、逃走→化け物の襲撃→大ピンチ→都合良く雌モンスター助太刀→ニコぽ撫でぽ→なかまになりたそうに こちらを みている。

を繰り返して何故か都合良く無傷で無事だった自宅マンションに着く頃には五匹のモンスターに囲われるという誰得な逆ハー状態になってしまったのだ。

 

 

 

 

ググッと自分の首を無理矢理に引っ張られる感覚で現実に戻ってきた道行。

彼に触れてる者など何もいないのに見えない力で引っ張られる感覚はすっかり慣れたものだ。

その犯人を見やるとチョロリアことキルリアが瞳を閉じて道行を見上げるようにして、その小さい唇をチョコンと突き出しているではないか。

 

俗に言うキス顔である。

 

 

ちなみにこのキルリアという種族、平均的な身長が約80cm。身近な例えだ言うと幼稚園児と同じくらいの背丈である。

男子高校生と幼稚園児のマウストゥーマウスのキスが始まる五秒前

しかも女の方は舌を入れる気満々である。

 

どう見ても事案です、ありがとうございました。

 

 

「キッ、キルリー⁉︎ ちょっ、落ち着いて‼︎ こういう事は恋人同士がするものだから軽い気持ちではダメ……って更に謎パワーが強くなった⁉︎ あーダメです‼︎ 後生ですから‼︎ 後生ですからあああぁぁ‼︎」

 

 

念力によって首から上を完璧に支配された道行とキルリアの距離は徐々に縮まって行く。

そして今、唇が重なり合い、二人(?)は幸せなキスをしてハッピーエンド一直線。その直前に。

 

 

 

 

 

 

「クッチーーット‼︎」

 

 

キルリアのいた場所に鋼で出来た巨大な大顎がハンマーのように振り下ろされ、キルリアルートをぶっ壊した。

 

 

「キル⁉︎ キルリーッ‼︎」

 

「クッチ! チーチー‼︎」

 

 

テレポートで緊急回避を行ったキルリアが眦を釣り上げて無粋な乱入者に非難の声をあげるが、それに対抗するようにして後頭部に巨大な鋼の大顎を生やした異形の少女(っぽいモンスター)が負けじと怒鳴りかえす。

 

 

『チョット! 私ト ミチユキ様ノ邪魔シナイデヨネ⁉︎』

 

『邪魔するに決まってるでしょ⁉︎ ねんりき使って無理矢理キスとかサイテーよ‼︎ アンタなんかただの痴女じゃない! この似非バレリーナ痴女‼︎』

 

 

道行にはモンスター達の言葉が聴こえるだなんて都合のいい能力は無い。

にも関わらず何となく理解してしまったのは彼に集る女性達の言い争いを長年聴いてきたからだろうか。

 

キルリアに殴りかかったモンスターは道行にはチィと呼ばれている、あざむきポケモン『クチート』だ。

 

モンスターの中ではキルリアのように人間の子供に近く愛らしい姿をしているが、その後頭部には鋼で出来た鰐の口のような凶悪な大顎が生えている。

可愛い姿で油断させて後ろの口から捕食するという狡猾で残酷なモンスターだが言うまでもなく道行に惚れている。

出会った経緯も似たようなもので、キルリアとどっこいどっこいのチョロさであった。

 

 

「キルリー……キルキルッ‼︎」

 

「チーッ! クッチクッチー‼︎」

 

 

道行のとの念願の口付けを無粋な横槍によって遠ざけられたキルリアは激怒。

室内の空間を大きく歪ませ、サイコパワーを爆発させるサイコキネシスの発動しようと集中している。

対するクチートも黄色がかった肌を怒りで赤く染め、後頭部の大顎を大きく開く。

憎き恋敵を噛み砕くつもりなのだろう。

これに焦ったのが道行である。

 

 

「ちょっ‼︎ ちょっと待って二人(?)とも‼︎ 暴力は良くないよ‼︎」

 

 

大慌てで二人の間に割り込む道行は気が気ではない。

もし二人が争って大怪我したら大変だし、何よりこれ以上部屋をぶち壊されるのはゴメンである。

過去に何度モンスター同士の喧嘩で部屋がめちゃくちゃになった事やら。

キルリア含めた一部の住人がサイコパワーを使って修復出来なければ、軽く見積もっても十回以上はマンションごと崩壊するハメになっていただろう。

 

ちなみに先ほどクチートがハンマーよろしく大顎をぶち込んだフローリングは大穴を開けている。

下の階の住人が避難の為に長らく留守にでもしていなかったら普通に裁判沙汰である。

 

 

「ほ、ほら。僕なんかの為に争わないで……」

 

「キル‼︎ キルルルー‼︎」

「クチ‼︎ チチチチーッ‼︎」

 

 

「退いて! ソイツ殺せない‼︎」という副音声が道行の脳内に響く修羅場はまさに一触即発。

ここに女達の譲れない戦いの火蓋が、今切って落とされようとしている。

 

直前に。

 

 

 

 

「アッマージョッ‼︎」

 

「ギルッ⁉︎」

「グヂッ⁉︎」

 

 

隣室から飛び出した人影が華麗に二人の頭を蹴り飛ばした。

 

仲良く壁に激突した二人はぐったりと目を回して倒れている。どうやら事なきを得たようだ。

かなり乱暴な仲裁方法だが、この程度では二人とも死にはしないのを何度も実感した道行はとりあえず安堵した。

 

 

「マージョッ! アマアマ」

 

 

全くもうどいつもこいつも。とプンスカ怒りを表す彼女は一言で言うならば南国に咲く花を擬人化したような姿だった。

肉厚な緑色の葉がロングの髪を模し、小さな蕾が女王の冠のようにチョコンと乗っかっている。

全身を百合のような白とペチュニアの花を濃厚なしたような赤紫で構成し、パニエをたんまり含んだスカートを模した肉厚な花弁から伸びる美脚がまるでミストレスのような威厳を放つ。

 

彼女こそがフルーツポケモン『アマージョ』。

しかも道行にアママと呼ばれるこの個体は、特性として『じょおうのいげん』を持つ産まれながらの女王の様。

気品溢れる高貴なポケモンと言える存在……筈なのだが。

 

 

「あ、ありがとうアママ。助かったよ……ちょっと過激な気もしたけど」

 

 

そう道行が困ったように笑いかけるだけで。

 

 

 

 

 

 

 

「アッ……アママーッ‼︎」

 

「うおおおぉぉ危ねえええぇぇぇ⁉︎」

 

 

古典的な暴力的ツンデレヒロインに早変わりである。

 

ちなみに今何をしたかと言うと、顔を真っ赤にしたアマージョが照れ隠しに得意技の『トロピカルキック』を放ったのだ。

名前からすると何だか微笑ましい様子に思えなくもないが、このアマージョの代名詞である蹴り技の衝撃波だけで室内のテレビが隣室の壁ごとぶち壊れた事から威力をお察しして頂きたい。

 

道行は幅広いツンデレ女性から理不尽な暴力を受けつつも何だかんだ受け流して来た生粋のタフガイである。

だが幾ら何でも流石にこれは無理だったのか、横っ飛びでギリギリ回避する事に成功した。

 

ちなまに万が一でもかすっていたら爆発四散の人肉ミンチの出来上がりだろう。

タイプ一致のアマージョの蹴り技はサイドンやゴローニャのような硬さが売りのポケモンにすら大イメージを与えかね無い技なのだ。

 

 

「ア、アマママッ! アマージョッアママママッ‼︎」

 

 

「勘違いしないでよね⁉︎ アンタを守る為に二人を沈めたんじゃないんだからね⁉︎」みたいな事言ってるんだろうなーと思いながら、道行は気絶した二人を引き摺りながらソソクサと立ち去るアマージョを見送った。

彼女の顔は言うまでもなく真っ赤だった。

 

好きな人の前ではどうしても素直になれなくて脚が出ちゃうの。

そんなテンプレ乙なツンデレモンスターなんて誰得なんだよ、と道行は死にそうなかおでボヤいた。

 

 

「僕。一生、女難の相に苛まれるハメになるのかなぁ」

 

 

それが道行の定めである。

 

ようやく一息つけると安堵の息を吐く暇すら天は彼に与えない。

何故ならアマージョに入れ替わりで二匹の動物が部屋に入って来たからだ。

 

 

「ミミロ?」

 

「ルナルナー?」

 

 

茶色の体毛に長いロップイヤー。

体の節々にクリーム色のフワフワの綿毛がついている可愛らしくも逞しいうさぎポケモン『ミミロップ』

それから黄色と橙色のモコモコの体毛、豊かな尻尾に何故か木の枝を指しているきつねポケモン『テールナー』である。

この二匹は道行のモンスターハーレムの中でも元となったであろう動物の面影を強く残しているコンビだ。

 

おまけに二匹とも二足歩行で、身体つきもどことなく人間の作りと似ている。

更に表情がこれまた人間型のモンスターと比較しても見劣りしないぐらい整っており、更にどことなく女性的。

一部のケモナーと呼ばれる特殊性癖の方々からは堪らない姿だろう。

 

道行からはそれぞれミミロ、ルナナと呼ばれるモコモココンビ。

そんな可愛らしい彼女らの姿を視界に入れた道行はニコリと笑顔を浮かべ。

 

 

「三十六計逃げるに如かず‼︎」

 

 

窓を開けて即座に逃走を試みた。マルマインも真っ青の速さである。

 

因みに道行の部屋は二階なので飛び降りたとしても、運が良ければ怪我せずに着地できる。

そもそも昔から女性関係以外はヤケに豪運の彼なら傷一つ無く脱出出来たことだろう。

 

だがそうは問屋が卸さない。

 

 

「身体が、動かない……⁉︎ ルナナだな⁉︎」

 

 

何故なら窓枠に脚を引っ掛けた体制のまま、金縛りにあったように身体が急に凍りついたからだ。

首も動かせない事から確認は出来ないが道行にはその犯人を即座に察した。

 

 

「ルーナ」

 

 

道行の想像通り犯人はどことなくドヤ顔のテールナーだった。

尻尾に差していた木の枝を魔法の杖のように操作して素早く道行をサイコパワーで拘束。

更にビューン・ヒョイっと杖を振り回せばあっという間にウィンガーディアム・レヴィオーサ(浮遊呪文)。

道行の身体は宙を浮かんでそのまま大の字にベッドに寝かされてしまった。

フリットウィック教授もニッコリの早業である。

 

 

「ま、待て! 待つんだ二人共‼︎ 話せば分かる‼︎ 話せば分かるから‼︎」

 

どこぞの首相のような台詞を吐きながら焦る道行。死亡フラグの乱立確定である。

 

そしてそんな彼を煽るようにして二匹はご機嫌な表情でジリジリと彼に近付いて行く。

因みに二匹とも言うまでも無く道行に惚れている。

というかこの二匹の場合は彼の前では常に発情している。

 

どうやら見た目的にも動物に似ている事から、亜人型のモンスターよりもやや本能に忠実な傾向があるようだ。

ペロリと舌舐めずりした二匹はギシリと軋むベッドの上に身を乗り出す。

 

ミミロップは道行の胸板に蕩けた顔を擦り付けたり首筋にキスをしたりと甘えたい放題。

更にテールナーの方は巧みな杖捌きで道行には直接触れもしないのに、器用に彼のベルトを外し始める。

サイコパワーの無駄遣いにも程がある。

どこかの黒髪ロングのジムリーダーが見れば、怒りのあまりにお人形にされてドールハウスに閉じ込められてしまう事だろう。

 

 

「ミロミロ……ミミミ! ミロップ‼︎」

 

「ルナールナー……」

 

 

ミミロップの顔が道行の首筋から徐々に上に登って唇に迫る。

テールナーはベルトを外すと今度はズボンを脱がしにかかる。

 

 

「いやああああああぁぁぁらめええええええぇぇぇ‼︎」

 

 

生娘のような悲鳴をあげながら金縛りに反発するように指先だけで器用にパタパタ暴れる道行。

だが彼の悲鳴は捕食者達の情欲をくすぐるだけである。

息をハァハァと荒げ、目を血走らせ、もう女性というか雌としてもダメなんじゃないかという表情でついに彼女らは道行に襲いかかる……直前。

 

 

 

 

 

 

「アッマージョッ‼︎」

 

「ミミ⁉︎」

「ルナ⁉︎」

 

 

我らがツンデレヒロインのご到着である。

 

残念な事にこの作品ってエロ作品じゃないのよね。と無情な現実を叩きつけるような激しいトロピカルキックが扉をぶち抜いて二匹に叩き込まれた。

 

だが、これでさっきみたいに都合よく気絶して天丼完成。とは甘く行かない。

 

 

「ミッ……ミロップー‼︎」

「ルナ……テールナー‼︎」

 

 

ハーレムの中でも一番レベルが高いミミロップはステータス差で。

テールナーはタイプ相性で耐え伸びる。

アマージョの蹴り技は強烈だがそう簡単に二匹は沈まない。

 

何故なら彼女達は恋する乙女。そして発情期の獣。

乙女の意地と獣の性欲をたぎらせて邪魔する恋敵を迎え打つ。

普通に字面が最悪である。

 

 

「アッママー‼︎」

「ロップ‼︎」

「ルーナー‼︎」

 

 

そこから始まるのは大乱闘だ。

アマージョのトロピカルキックをミミロップが躱し、壁がブチ抜かれる。

テールナーのかえんほうしゃをアマージョが躱し、部屋が燃える。

ミミロップのとびひざげりをテールナーが躱し、ベッドが砕けちった。

既に室内はボロボロな上にボウボウ燃えている。

本家大乱闘メンバーであるルカリオさんとゲッコウガさんも真っ青の地獄絵図。

 

もちろん、そんなアビインフェルノな場所に種族人間である道行が耐えられる筈も無い。

テールナーのサイコパワーが弛んだ直後に泣きそうな顔でベッドから飛び降りる。

 

 

「こんな殺人技ばかり繰り出す連中と一緒の部屋に居れるか‼︎ 僕は逃げるぞ‼︎」

 

 

ずり落ちたズボンを必死に上げつつ必死に逃げる道行の姿はまるで浮気現場にカチコミを入れられた間男のようだ。

時折ズボンがひっかかって顔面からコケたりと、己が死亡フラグを立ている事など気づく事なくマヌケな姿ながらようやく玄関まで辿り着いた。

 

 

確かに彼女達モンスターには恩がある。

道行を護ってくれているのも、交代で食料調達をしてくれているのも感謝している。

 

だからと言って、毎日のようにアプローチを仕掛けて来るわ、喧嘩を始めるわ、挙げ句の果てに性的な意味でと襲い掛かられて来ては溜まったもんじゃない。

一番か弱いキルリア相手にすら、本気を出されたら道行は抵抗すら許されず貪られてしまうのだ。

 

 

「兎に角、一旦身を隠そう。そうだ、渋谷の大きな公園で確か有名な配信者が食料を分けてくれるとか……」

 

 

必死で記憶を漁りながら、ようやくズボンを履き直した道行は玄関のドアを開く。

 

人肉を砕く足技が飛び交い、灼熱の炎が身を焦がす地獄のような女の戦い。

その修羅場から逃げ出し、新天地へと向かう道行の旅路がガチャリとノブを開く音と共に今ここに始まりを告げーーーーー

 

 

 

 

 

「ジュラ。ルージュラ」

 

 

 

ーーーーー秒で終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなったんだろうか。

 

突如として現れた未知なる怪物達。

妖怪、クリーチャー、モンスター。呼び方は様々な招かれざる客人達が世界中に現れて暴れ始めたあの惨劇から半月。

 

小綺麗なマンションの玄関前にて金髪の唇オバケこと『ルージュラ』に両手で顔面を鷲掴みにされながら『薔薇色 道行(そうびしき みちゆき)』は静かに涙を流した。

 

道行は名は体を表すという言葉をまるで具現化した男で、文字通りの薔薇色の人生を歩んでいる男だ。

本人がどう思っていおうが、少なくとも赤の他人から見た彼の人生はそうだった。

 

何せ道行はモテる。モテ過ぎるくらいにモテた。モテてモテてモテまくる男なのだ。

 

 

「ジュラジュラ……ンム〜〜〜」

 

 

肉厚な唇が迫る。

それはまるで死神の鎌だ。

今までの思い出が走馬灯のように道行の脳を過ぎ去って行く。

 

 

 

嗚呼、せめて。せめて。

 

 

 

 

 

 

 

「せめてファーストキスは人間相手が良かったな」

 

 

そう最後に呟くと共に、グロテスクなまでにヌラついた真っ赤な唇がブチュリと重なって。

あくまのキッス→したでなめるのコンボで道行の意識は暗闇に落ちた。

 

 




『薔薇色 道行』
男/17才/175cm/60kg

兎にも角にもモテる男。本人が望んでいないにも関わらず女性からモテまくり、男からは嫉妬で嫌われる。
過去のトラウマから恋人は作らないと決めていたにも関わらず本能に忠実なモンスター達に囲われてその決意も無駄になった模様。
モンスターハーレムのメンバーが知らぬ間にタマゴを抱えていたがその親は不明。



『キルリー 』Lv27
キルリア ♀むじゃき

道行の始めてのポケモン。
エスパーパワーにて、ボロボロになりながらも他者を庇う姿とどんな女性にも紳士に接する姿を察して惚れる。
将来の夢は道行のお嫁さん。


『チィ 』Lv32
クチート ♀ なまいき

キルリーとはライバル関係。
キルリーのせいで道行になかなかアピール出来なくてモヤモヤしている。
将来の夢は道行のお嫁さん。


『アママ 』Lv30
アマージョ ♀いじっぱり

ハーレムメンバーの唯一の良心。
だが暴力系ツンデレ枠なのでついつい脚が出てしまう。ベッドの上では受け身。
将来の夢は道行のお嫁さん。


『ミミロ 』Lv48
ミミロップ ♀せっかち

ハーレムメンバー最強格。
元の世界ではとあるトレーナーの手持ちだったが強姦されそうになり蹴り殺して逃げて来た。今では道行を強姦するため狙っている。
将来の夢は道行を飼育すること。


『ルナナ 』Lv28
テールナー ♀ずぶとい

ミミロの舎弟的存在。
知能は高いが本能に従順、しかもサディストで道行を辱める事に悦びを感じている。
将来の夢は道行を性奴隷にすること。


『ジュラさん 』Lv31
ルージュラ ♀のんき

ハーレムメンバーの中でも下っ端なのに抜け駆けをしたのでリンチにあった。良い奴だったよ。
将来の夢は道行のお嫁さん。



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今後の展開

  • 本編を早く進めて欲しい
  • 番外編を進めて欲しい
  • ソラが主役の話が読みたい
  • 新キャラを沢山出して欲しい

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