どうも皆さんよろしくどうも。
さて前回、8,7,6,4,2を殺したわけですが。正直言って殺して正解でした。
何故かって?
早速、警察に身元がバレたからですよ。
ほんの数日ですよ?死んだ5人が源氏蛍のメンバーだってバレたし、同じ義経記を所持していたことも、メンバーが互いに義経の家来の名前で呼び合っていたことも。
どんだけ身辺管理が甘いんだって話ですよこの5人。(幸い、俺と頭領、3の正体は不明のままみたいですけど)
週刊誌の記事にも載っちゃうくらいで、5人が馬鹿じゃなかったら、警察とマスコミの調査が優秀すぎるとしか説明がつかないくらいです。
まぁあの5人の普段の奇行を見れば驚きませんけど。
例えば、源氏蛍の皆で花火大会を見に旅館に泊まりに行った時も、何故か俺にやたらと卓球させてから「これで死後硬直が早まりましたね」とか言って来たり。
玉龍寺でバーベキューした時も、燃えやすくなるようにって不要な木にまで油を撒いたりしたり。(あの木、片付けとけって言っておいたけど、ちゃんと捨ててくれたのかな?)
とにかく、変な奴らばっかりだったんで、俺が義経になった暁には、新・源氏蛍として俺の剣道の弟子たちをメンバーに加えるつもりです。
えっ?取らぬ狸の皮算用だって?仏像も見つかってないのに?
そのあたりは大丈夫。ちゃんと3が動いてくれています。全ては順調です。
あとは、優秀な探偵でも現れない限り。
順調ではありませんでした。
京都に帰ってきた俺が見たものは、手つかずの絵だったからです。
3、サボってました。俺の東京~大阪~京都の風タイムの間も。
古美術商が忙しいからって。
これだから51のジジイは。今の時代はインターネットっていう便利なツールがあるじゃないですか?盗品の美術品を捌くのが大変?そんなのヤフオクにでもぶちこんどけ!
ってなわけで、ここからは俺のターン。
まずは絵と仏像の写真をプリントアウトしたものに『この絵の謎を解けば、仏像の在り処が判る』の一文を添えて山能寺のポストに入れて、俺の口から「東京の毛利小五郎に調査してもらったら?」と促しておきます。
なんせこの仏像、本来なら12年に1度の御開帳があと5日後に迫っていたんです。
この時、俺も初めて焦りました。
仏像盗難が世間に知れ渡ったら、いざ仏像を売ろうにも「盗難を聞いてから作った模造品」と疑われて、高値がつかない可能性があるからです。できればこの5日の間に謎を解かないと・・・
そして当日、やってきました毛利小五郎とそのご家族様。住職の円海と、俺の剣道仲間の僧の竜円、能役者の水尾春太郎、俺と3でお出迎え。
ココで初めて、俺の義経運命を左右する名探偵様のお顔を拝見。
うん、駄目かもしれない。
見た目、ただのちょび髭のオッサンでした毛利小五郎。
しかし、他人本位でまかせっきりはいけません。欲しい物を手に入れたい時にはベストを尽くしましょう。
京都で人にベストを尽くしてもらいたい時には、お茶屋で舞妓はんが一番です。
俺は3に「毛利さんに気分転換してもらうために、桜屋でおもてなししよう」と誘いました。
ただアイツ、この期に及んで『最近、寝不足だ』って言って尻込みしました。
なので「あの店は頭領がよく通っていた」って付け加えておきました。
これでおもてなし完成。
毛利探偵、是非この謎を解いてくれ!
で、今気付いたんですけど。今回、俺の仕事多くないですか?
というより、共犯であるはずの3の仕事、少なくないですか?最初からほとんど俺1人で頑張って。
よし決めた。ついでに3も殺そう。どうせ仏像の売却先探しだって、コイツに任せていたら何年かかるか分からないし。
さて、夜まで時間もあるし、俺は仏像探しの続きでも・・・
その時、運命的な出会いが俺に訪れた。
鞍馬寺を探していた時、なんと偶然にもハットリくんと出会ったのです。
君と出会った奇跡、緩やかな風吹く街で。
きっと彼は持っているはずです。京都に来る時に必ず持ってくる、初恋の水晶である白毫を。
そして俺は白毫を取り戻すため、僧上ヶ谷不動堂に立つ彼の背に矢をシュート!
「危ない!」
突然、子供が叫んだかと思うと、ハットリくんに体当たり。矢は外れてしまいました。
『失敗!』
矢を1本しか持ってこなかったのがアンラッキーでした。もう手持ちの武器は発煙筒くらいしかありません。
ここは逃げるしかない。
俺は急いで山道をダッシュで駆け下り、後ろを振り返ると・・・
なんとそこには、牛若丸みたいにピョンピョンと木々を駆け抜けて俺を追いかける子供の姿があったのです。
というか、あれ絶対子供の身体能力じゃない。妖怪です。ゲゲゲの鬼太郎です。
怖くなって焦った俺は、いざバイクに乗って走り去ろうとした時にウィリーしてしまいました。死ぬかと思った。
その後も田舎路を逃げる俺を執拗に追いかけてくるハットリくんと鬼太郎。これでもか!ってくらいしつこい。
あんまり怖いもんだから『白毫ごと谷に落ちてもらっても構わない』って思って吊り橋を切ってやっても、それすら乗り越えてくる。
鞍馬駅から線路に逃げても、やっぱり追いかけてくる。道交法違反ですよ?免許一発停止ですよ?
最後は結局、正面から近づいてくる電車が危ないから教えてあげようって思って炊いた発煙筒の煙の中に、彼らは消えていきました。
はぁ、心臓に悪い。休みたい。
でも、もうそろそろお茶屋の約束の時間です。毛利探偵をもてなして、ついでに3を殺さなきゃいけない。
昼は仏像探しで、夜は接待と殺人。タイトなハードスケジュールったらありゃしません。
その夜、竜円、3、水尾と共に京都千斗町の茶屋「桜屋」で毛利小五郎をおもてなし。
舞妓の千賀鈴さんの舞いに鼻の下を伸ばしてお酒をエンジョイ。
つかの間の休息。
とは言っても殺人前のアルコール摂取は厳禁。この後バイクで帰るのもありますし。
毛利探偵が舞妓さんにセクハラも、まぁそれも彼女のお仕事。俺はスルーで。
なんて言ってる所に、毛利さんの娘さんが登場。父親の愚行を戒めました。
と同時に参上したのは彼女の友達の女の子たち。
・・・そしてハットリくんと鬼太郎。
『!!!!!?????』
心臓止まるかと思った。何故ここに2人が!?
今から3を殺すっていうところにストレス!俺はストレス社会反対です!
その後、話は「源氏蛍を毛利探偵に推理してもらう」
⇒「メンバーは義経記を持ってる」
⇒「ワシも持ってる」(3、馬鹿なの?わざわざ言うなよ!)
⇒「義経記って言っても実際は弁慶記」(と、俺がどうにか話を逸らす)
⇒「安宅の弁慶」(そういえば2、頭領がプリン食べた?って疑った時に俺をチラチラ見て「見破られないために棒で叩かないの?」ってフリを出してきてたなぁ。マジでノリが分からない)
⇒「近頃寝不足だから、下の部屋で休ませてくれ」
急な流れで3が物色タイムに入っていきました。やっとか。
計画通り・・・じゃないけど、とりあえず計画通り。
幸いにもハットリくんや鬼太郎、女の子たちはまったりムード。殺人日和です。
俺はトイレタイムに芸者さんの付き添いを断って、静かに店の納戸で3をサクッと殺害。
鋭利な刃物で頸動脈を掻き切って・・・と、その前に。
発動【倫理斬り】
『説明しよう。倫理斬りとは、頸動脈を掻き切った時に通常であれば発生する大量出血を、放送倫理に抵触しないように超少量出血に抑えることができる、恐るべき技なのだ。ついでに返り血を防ぎ、犯行後に着替える必要が無くなるという、便利な技なのだ』
その後、俺はペットボトルに刃物とGPSを入れて、窓から川にポイッと投げました。
そして警察が到着。
取り調べと関係者全員の身体検査。(あれ?ハットリくんと鬼太郎が居ない。捜査ザルじゃないですか?)
解放されてから、GPSを頼りに、川下をどんぶらこっこと流れる凶器を回収。
その足でハットリくんを襲撃です。
正直言って怖いけど・・・・ヤるしかない!
まず、バイクのミラーを矢で撃ちぬいて挑発します。
次に、下京区観喜寺町の梅小路公園に誘い込みます。
さらに、木刀を1本あげて一対一の決闘を申し込みます。
『何でこんな面倒なことするの?』って?
1つは、3殺害を外部犯の犯行に見せかけるために、刃物を落っことしていく理由作りの為。
もう1つは、自分に自信をつけるため。ハットリくんへの腹いせもあるけど、彼は剣道の達人って雑誌に載っていたんですけど、『義経流の方が強い!』って証明できれば、明日からも頑張っていけそうじゃないですか?
決闘スタンバイ!
先攻、ハットリの攻撃。俺は籠手でガードしてすかさずカウンターの突き
後攻、俺のターン。連打で木刀を弾き飛ばして、ナイフでハットリくんの首筋をちょっとカット。ついでに服をビリッ。巾着がドロップ!
ドロップ!?
まさかの白毫がドロップ。これはチャンスと震える手を伸ばす俺。
「てやっ」
『うごぉぁあ』
ハットリくんキックが俺の腹に炸裂。ちょっと待って。これダメージデカい。
「これはお前が欲しがるもんやないで」
『いいえ、俺の欲しがるもんです』
そして俺はハットリくんを追い詰め、ナイフでトドメを・・・
ドゴッ!
何かが俺の能面に命中。重い!痛い!今のが一番痛い!
その正体はハットリくんの彼女が靴下に石を詰めて投げたもの。当たり所が悪ければ死ぬくらいの殺傷能力攻撃。
「刑事さん、コッチ!」じゃない!刑事さん、この娘、殺人未遂!
俺は朦朧とする意識の中、必死に逃げました。もちろん木刀は回収して、ナイフは残して。
本当に疲れる。全部終わったら2日くらいスマホゲームして過ごそう。
その翌日、俺は流円、水尾に昨日の3殺人について意見交換会に呼ばれた。そんなことしている暇ないのに。
でも断るのも不自然と、仕方なくお茶を交えてお話していると・・・
ハットリくんと鬼太郎参上!
『ファッ!?』
不死身なの?ハットリくん、昨日あれだけ痛めつけたのに。まさか別人?ともだち?カツマタくん?
そんな俺の動揺を余所に、ハットリくんは昨日自分が襲われた時間の俺達のアリバイを聞いてきました。
「寺町通りにある自分の古書店の2階でずっと一人でした。独身なんでアリバイを証明してくれるような人もいません」
皆さん、俺は嘘をつきましたよ。ハットリくんが襲われた時間、俺はハットリくんを襲っていましたから。
次に、ハットリくんは弓の経験について聞いてきました。
もちろんしらばっくれましたけどね。
でも、疑いの目が怖い。ここは誰か生贄を出さなきゃ、俺が安心できない。
そうだ。弓の経験で言えば、千賀鈴が矢枕(親指)を怪我していたんだった。
よし、容疑者を提供しよう。
「そういえばあのとき、やまくら・・・」
やっちまった!
矢枕は弓用語!
『そういえば、親指をケガしてはりますよ。千賀鈴さんは』って言うつもりがぁ、墓穴を掘ってしまったぁ。
これじゃ俺が弓の達人だとバレてしまう!
「やまくら?やまくらというと、茶屋の女将の山倉はんのことでっか?」
ナイス空耳!
「キスしてもいい?」を「キムチでもいい?」くらいのナイスアシスト!
俺が心の中でガッツポーズしていると、丁度いいところに千賀鈴さん登場。話をうまくスルーして、俺達は解散となりました。
はぁ、寿命が半分になった気がします。
ひょっとして俺、忘れているだけで何処かで死神と出会いましたか?
なぁ~んてブルーになっている所に吉報が1本!
剣道の弟子が梅小路公園でハットリくんの彼女を確保!
彼女を人質にして白毫ゲットのチャンス!
これは、あとで頭をイイコイイコしてあげなきゃ。
そしてさらに大吉報!
竜円から電話で「服部くんが絵の謎を解いたみたい」と。
何コレ怖い。全てが俺の為に動いているんじゃない?
ハットリくん、2度も襲ってごめんね。あとで仏像情報と白毫もらったらイイコイイコしてあげるから。
・・・駄目だ。普通に考えたら仏像について通報されちゃう。殺人も通報されちゃう。
マズイな・・・よし、お電話だ。
俺は彼女の携帯でTEL。
「この娘は預かった。1時間後、鞍馬山の玉龍寺へ来い」
これで完璧。
1時間後は空も真っ暗になるから、かがり火を焚いて、弟子たちにも能面と刀と弓矢を準備させて、おもてなしの準備万端です。
いつでも来いよ。
ケ~ンジくん。遊びましょう。
じゃなかった。ハットリくん。
何処からでもかかってこいや!