劇場版名探偵コナンの犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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めぐりあう2人の名探偵 =第3章= 【後編】

一之瀬恵子の口封じに、フェリー爆破に成功した僕・浅見京太郎。

 

続いて町長秘書の車に海上レストラン行きのお手紙をセット。

そして僕は爆弾をセットにゴーさ!

レストランの壁に爆弾をセットして、その隣に次のチェックポイントである資料館行きのお手紙もセット。

さて、あとは遠くで爆発に毛利小五郎が巻き込まれるのを見守るだけ。

簡単なお仕事? でもね、「仕事」ってのは「いかに簡単を作り出すか?」ってことだよ。

 

 

 

で、毛利小五郎

・・・来ない。

 

 

もうすぐ爆破時間なんだけど・・・あの暗号、そんなに難しかったかな?小学生レベルだよ?

≪だいたせいかたいきたみはたてたんさたいだ 狸≫くらい簡単だったのに?

 

と、待っている所に小さい人影が2つ・・・。よく見なくても、あれは子供2人。眼鏡の子とウェーブ髪の女の子。

あれ?

そしてレストランから慌てて飛び出す従業員。

 

 

BOOOM

 

レストランを跡形もなく吹き飛ばす破壊力に文句は無い。

だけど、その巻き沿いになったのが従業員と子供2人ってのが計算外すぎた。

毛利小五郎・・・まさかあの子供たちに爆弾処理を託したのか?なんて外道な。

 

 

 

あと、僕も今さら気付いたんだけど・・・次の爆発場所の手紙・・・今の爆発に巻き込まれて燃えちゃってない?

しくじったぁ・・・

と、項垂れそうなる僕の目に飛び込んできたのは、逃げのびた従業員が子供たちに手紙を渡す所。そして手紙を読むや、次の爆発場所の資料館の方に走っていく子供たちの姿だった。

 

つまり・・・・従業員の機転と子供たちの閃きが、僕を救ってくれている!

はぁ、ほんと助かるよ。ありがとう、小さな探偵さんたちと、髪の毛フサフサのジョン・マクレーン!

 

 

 

 

BOOOM

 

 

 

その後、資料館は無事に爆発。展開早いけど、皆ついてきてるかな?

 

アンド、またしても子供たちが巻き沿いになりかけていた。さらに不在の毛利小五郎。オイ。

そして資料館のオーナーである仇の木本陽司も大騒ぎ。金塊が無いことにも気付いたみたいだ。

 

目的は2/3しか果たせなかった。いや、2/3も果たせたんだ!

 

これにて一件コンプリート!

 

さて、今日はもう休もう。木本の拉致はまた明日のお楽しみってことで・・・

 

 

 

 

 

【翌日】

 

 

 

う~ん・・・なんか雲行きが怪しい。

木本の拉致準備中に小耳にはさんだ噂話。

それは次の爆発予告の情報だった。

 

あれ?心当たりが無い・・・

まさかのまさかだけど・・・模倣犯的な?コピーキャット的な、この島に住む潜在的爆弾フェチが本性を現しちゃったの?

モノマネされるのは、それだけ僕の爆弾事件が人の心をしっかり掴んだって証拠だけど、このタイミングで真似されると、僕らの復讐に口を挟まれるみたいでなんか嫌だ。

どうにかして、「そいつは偽物だ!」ってことを皆に知ってもらわないと。

 

 

こういう時こそ、名探偵に助けてもらおう!

探偵は常に困っている人の味方。きっと理解してくれるはず!

そして僕は、偽物が捕まるまで大人しく待っていればOK。

 

じゃあ何をしようって?もちろんお手紙さ。

慣例に従って暗号風に・・・さぁ、岩永さんの出番だ!

 

 

 

その時、次元の壁を超えるような、不思議な声が僕に届かなかった。

 

 

・・・あれ?

出てこない。

昨日は呼ばなくても来てくれたのに。

仕方ない。僕自身で考えるしかない。

つまりこれは僕自身への脳トレを兼ねた脳トレ。未来への投資だ!

 

 

 

頑張って考えました。

≪偽物とは違う本物の花火を見せてあげよう!≫

≪みどり=「54」ぶんか=「113」クリスマス=「1225」こども=「?」。「?」に入る数字は何かな?≫

そして添付する島の地図に数字をふっていって、ショッピングモールに『55』を書きこんで。

あとは毛利小五郎にお手紙送付と。

 

 

その後、最後の爆発場所のショッピングモールに辿り着いた僕。

いつも通りに爆弾を設置するんだけど、今回は少し工夫が必要だ。

探偵に見つけてもらわなきゃいけないんだ。でも、一般人には見つからないようにしないと・・・

どうすんの?この微調整。さっぱり見当がつかない!

どんなに困難でも頭を使えば僕の経験値・・・なんてポジティブシンキングも通用しない事態だ。

 

困ったぁ!

 

 

 

 

『お困りのようだな』

 

 

 

その時、次元の壁を超えるような、不思議な声が僕に届いた。

絶対に出会うことのない、監督の違う、媒体の違う、そんな場所から来たような若い男が、僕の前に現われた。

 

 

この気配・・・岩永さんと同じ!?

「俺は中岡一雅。キミと同じ敵を相手に、暗号と爆弾を仕掛けた先輩さ」

おぉ!凄く気の合いそうな人が現われた。

 

「貴方も爆弾魔なんですね!」

「そのとおり。しかも爆弾の設置場所のこだわりに関しては右に出る者はいないぜ。しかも何千人もの一般人に見つからなかったけど、小学生が頑張って全部見つけることができたような設置場所のチョイスセンスもあるのさ」

そう言うと中岡くんは鼻高々に胸を張り、観覧車のゴンドラの座席の下に爆弾を設置して消えていった。

 

彼は、幻だったのだろうか?もっとおしゃべりしたかった・・・

岩永さんも、もしかすると?

 

まぁ惜しんでいても仕方ない。やることは山積みなんだ。

毛利小五郎が爆弾を解除したら渡してもらえるように、ショップに手紙を置いて、その件を店員さんに電話しておくと。

手紙は≪モノマネ好きのネコをやっつけるのは、キミたちだ!ネコがおとなしくなるまでは、花火パーティーも中止だよ!≫ってね。

(子供っぽい文体なのは、岩永さんに寄せておいたからさ。でも恥ずかしい)

 

なんて事をしている間に、今度は図書館でも爆破事件が発生。模倣犯の仕業か。

駄目だこいつ。早くなんとかしないと・・・

 

 

なんて心配もいらなかった。

その後、どうやら偽物も爆弾に飽きたようで、爆弾事件がピタリと止んだからだ。

何この肩すかし・・・結局、僕が余計な爆弾を消費しただけじゃないか。

 

 

 

 

【その夜】

 

 

事件は急展開。

木本誘拐のために、奴のいるホテルのスイートルームの通路の爆弾を仕掛けているところに、なんと毛利小五郎が突入したんだ!

僕が急いで隠れると、毛利小五郎は「よく聞いてくれ!その部屋には爆弾が仕掛けられているらしいんだ!」と、木本の部屋に強行突入していった。

 

えええええ!?

名探偵、どこまで名探偵なんだよ!

まだ仕掛けている最中の爆弾情報、どこからどう入手したんですか。

まぁ、設置場所は部屋じゃないけど。

にしても、神かアンタ!?

 

 

でもまだ慌てるような時間じゃなかった。

「私が用のあるのは・・・倉本高史さん、あなたなんですから!」

部屋に踏み込んだ毛利小五郎の勇ましい声。偽爆弾魔は木本の部下の倉本だったようで、毛利小五郎は倉本を捕えに来たみたいだ。

爆弾魔が判明して僕少し安心。いやでも安心できない。次に探偵の牙は僕に向く予感がするんだから。

 

 

なんて戦々恐々している僕の耳に、今度は「ほへ・・・?ふにゃ~」という毛利小五郎のマヌケな声が届いた。

あれ?これは先の読めない展開が来たぞ?

と、僕が間抜けな感想を述べている間に、毛利小五郎の追撃がスタート。

 

 

「この部屋に爆弾など仕掛けられていません。先ほどの話はすべて嘘です」

嘘だと!?一体、どういうつもりだ!?

 

「今、この夕闇島を騒がせている連続爆弾事件。そして、閉鎖されたトロッコ食堂で発見された白骨化した遺体。さらには、図書館で刺殺された笹山徹さんの事件。その事件のすべてに、あんたが関わっているんだ!倉本高史さん!」

 

 

マジか!?

後半、初耳!

 

 

 

 

そして咲き乱れる毛利小五郎の名推理。

 

 

 

 

なんか、謎は全て、解かれていた。

 

 

 

 

その後、逆上した倉本が毛利小五郎に襲い掛かった。

でもキューンって音が鳴ったかと思うと、倉本はサッカーボールのような鈍器で殴られて、廊下に吹き飛ばされてきた。

 

あっ!そこはマズイ・・・

 

BOOOM!

 

 

 

僕が設置した爆弾の上に倒れてしまった倉本は爆発に巻き込まれ重傷!

いや、普通死ぬよ? 頑丈だなこの人。

 

そして廊下には、倉本を追い詰めていた眼鏡をかけた子供が1人。

どうやら鈍器のほうはこの子の仕業みたいだ。最近の道徳教育は崩壊している。

でも、この放送倫理に抵触しかねないボウヤに、僕は自分の口で礼とお詫びを言いたい。

「コピーキャット倒してくれてありがとう、爆発に巻き込んでゴメンね」って。

 

姿を見られるのはまずいけど、まぁ子供相手ならいいか。

 

 

 

 

『ちょっと待った!』

 

 

 

その時、次元の壁を超えるような、不思議な声が僕に届いた。

絶対に出会うことのない、媒体の違う、画風が似ているようで違う、というか何かが違う、そんな男が、僕の前に現われた。

 

 

 

 

そいつは黒ずくめの男だった。

 

 

そいつは、黒ずくめと言うには、あまりにも黒すぎた。

黒づくしで、全身タイツみたいで、目だけ光って、そして大雑把すぎる黒だった。

それは、正に、“犯人”だった。

 

いや、変態じゃないか?こいつ・・・何者?

 

 

「私は犯沢。駄目だよ、今キミが出てしまったら、あの子供に姿を目撃されたら、今後の展開が無茶苦茶になってしまう」

犯沢を名乗る変態は、ズカズカと僕の前に立って、その眼鏡の少年と対峙し始めた。

いや何やってんのアンタ。

 

「驚いたな。モノマネ好きのネコを退治してくれたのが、こんな子供だったとはね。礼を言うよ、ボウヤ」

犯沢はまるで僕の気持ちを代弁するように、雄弁に語り始めてくれた。

 

「ボウヤも、ちっぽけな花火には、もう、あきただろう?ボクも、あきちゃったんだよね。だから、そろそろ前座は終了して、メインイベントを始めようと思うんだけど、どうかな?」

なんか出しゃばりだけど・・・初対面の相手にああもズケズケと物を言えるメンタルが無い僕には、凄くありがたい。

でも、何を言ってやがるんだ?この犯沢は・・・

 

「じゃあ、みんなに伝えといてよ。あの惨劇を再び。じっくりと味わってくれってさ」

犯沢がそう言い終えると、タイミングを見計らってくれたように眼鏡の少年は気絶してくれた。

そして犯沢も僕の前から、岩永さんや中岡くんと同じように消えていった。

 

 

 

何だったんだ?この一連の現象は・・・・

まぁ気にする時間も惜しいか。

 

 




その後、僕は同じく都合よく気絶してくれていた毛利小五郎の横を通り過ぎ、木本をサクッと拉致。
夕闇島へと届けて、今日はおしまい。




復讐は上手く行っている。

次のターゲットは・・・水川助吉と土田文子だ!
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