劇場版名探偵コナンの犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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お宝争奪バトルミステリー開幕
“真実”を奪い合え
刀に秘した“真実”が月下へと導かれる



100万ドルの五稜星

私は元高校教師で居合の達人、福城良衛。

戦時中に隠された斧江財閥の財宝を探している。いや、探していた。

財宝は戦況を一変させるほどの兵器だと言い伝えられている。だが妻を内戦で亡くした私は兵器大嫌い。

 

だから

『人間を殺す・兵器・火器類 をぶっこわす』

 

さあ皆さんご一緒に

『Ningenwokorosu Heiki Kakirui をぶっ壊す』

 

え? ゴッホのひまわりに興味は無いかって? いったい何年前の話をしているんだ?

 

さて、そんな財宝を狙っている悪い奴らがいる。

斧江財閥の現当主、斧江拓三と。武器商人のカドクラだ。

この2人を殺せばいいかと言えば、将来的に新たな悪い奴が出てくる可能性もある。

じゃあ財宝をぶっ壊せばいいかと、今は亡き相棒と一緒に私が何十年探しても財宝を見つける事ができなかった。

だから理想としては、財宝探しはこのバイタリティ抜群の2悪党に探させて、一網打尽にぶっ壊す。そうすれば未来永劫平和だ。

財宝の手掛かりとなる6本の刀が、もうすぐ北海道に揃う。

私はぶっ壊す用の爆弾や、財宝発見の頃合いを見計らうための発信機も用意できた。

いよいよ決着は近い。

 

 

だがここに1つ問題がある。

悪党どもが財宝まであと一歩まで迫れば、お宝争奪戦が過激になって、私を含めた関係者に危害が及ぶ。

私の身はともかく、息子の聖に奴らの魔の手が及ぶ危険があるのは放置できない。

 

 

そこで私は息子を警察に匿ってもらえるよう、1つの殺人事件を起こすことにした。

財閥の顧問弁護士の久垣澄人を殺す。久垣は自分の依頼人である拓三を裏切ってカドクラにつくようなクズ人間。殺しても同情する価値もない。

 

トリックは簡単。

聖が使う刀の鞘を黙って拝借し、久垣を殺した時にヤツの指紋と血痕をつける。そして殺害時間は聖が刀を使った仕事中にする。

こうすれば刀についた指紋から聖は容疑者となって警察に拘束される。だが犯行時間から逆算すると聖に犯行は不可能だと、いつか警察も気付くから聖は解放される。

 

 

久垣はサクッと殺せた。

なんか知らんけど夜の函館が騒がしかった。パトカーとかバイクの音とかうるさかった。あれ何?

 

さて、次に私のやることは・・・無いな。

 

 

 

 

 

しばらく暇だ。

 

 

お宝争奪戦には手がかりとなる刀が必要。

それは我が家にもあるし、拓三の元にもあるし、カドクラの元にもある。

カドクラのところの刀には、私が発信機を取り付けておいた。だからこの発信機の位置が急に動いたりすれば、いよいよ争奪戦スタート。

それまでは発信機の位置情報を日々確認したり、私の家に悪党どもが訪問するのを待つだけ。楽な仕事だ。

 

噂は所詮、噂か。

いや、独り言なんだが。

私、一応は犯人になるんだよね。悪党どもとはいえ、人殺しているから。

そういう犯人って、噂だと・・・ものすごく忙しいって聞いていたから。

フィジカルも必要とか。金がかかるとか。みんな色々悩んで苦労するって。

 

なんか、それほどでもないな。

まぁ気の長い話。一休みしながら呑気に過ごせば・・・

 

 

 

え? なんかカドクラの刀、すっごく移動してない?

私が人殺したばっかりの、昨日の今日に、急に動いてるんですけど発信機が!

いや、軌道の描き方がなんかスゴイ。円を描くように。建物すら貫通してるんですけど!

車じゃない。鳥か? 飛行機か? 

 

どういうことだ!?

急いで確かめなければ。

 

 

 

ガッチャマンがいた。

白い翼のガッチャマンがいた。

 

いや、ニュースで見たことがある。こいつは怪盗キッド!

え? 発信機、キッドのこと指してるんですけど。

それにキッドが持ってる刀、カドクラの。私が発信機仕込んだヤツなんですけど。

 

どゆこと? とりあえず刀は返してもらおう。カドクラか警察に届けてもらわなきゃ。

 

ということで襲いました。刀で斬りまくってやりました。この白い馬鹿を。

もちろん殺すつもりは無いよ。怨みもないし。まぁこいつも悪党だけどさ。

いや、むしろこのコソ泥に財宝を探してもらうのも手か?

 

 

なんて考えているところに・・・

ガキンッ!

 

「なかなかやるようやな」

 

なんか出てきた。褐色の肌の若い男が。

誰? 刀持って怪盗キッドを守って。キッドの仲間? のようには見えないな。聖と同じくらいか少し年下の子供のようだ。

そんな子供がキッドを守って、私の刀を捌ききっている。なかなかの腕前だ。

だが生憎、お前が今持っている刀は目抜きの外れた刀だ。だから鞘から抜いた瞬間にマトモに使えなくなる。

私の勝ちだ。

 

「退けぇ! キッドォ!」

 

なんかサッカーボール状の鈍器が襲ってきた。

壁にバウンドしまくって、私にも命中するトンデモない鈍器だ。

キッドの隠し武器か? 小学生くらいの子供が近くにいるのに、なんて危ないヤツだ!

 

仕方ない。ここはひとまず撤退するしかない。

 

 

 

というわけで私は刀を放置して逃げた。

後で確認すると発信機も壊されてしまっていた。

 

クッ、これはマズい。どうしよう。

 

 

と思っていた矢先、警察が家に来た。財宝の手がかりの刀について聞きに。

これは好都合。警察が介入してくれれば、財宝が無事に発見される可能性が高くなる。

 

いやぁ、一時はどうなる事かと思った。

最悪のパターン、息子に財宝ごと全て空爆してもらうつもりの時期もあったけど。これで安心できそうだ。

いやぁ、息子には平和に生きて欲しいんだ。

だって息子は完璧超人。医術も剣術も極め、さらには色を知る年頃のお茶目さまで完備。

現に私の家の前で、なんか恋人を取り合って喧嘩するくらい。ラブコメしてやがる。そこまで備えてやがったのか。

 

 

ただ、いいかい? 聖よ。

その恋敵くん、ついさっき私と刀交えた子。

 

なんでココにいるん? しかもあの現場にいた小さな眼鏡の子もいるし。

どうやら恋敵くんは服部平次、眼鏡の子は江戸川コナンというらしい。あと川添って刑事さんと、通りすがりの高校生・沖田くんと。この4人もお宝争奪戦の参加者らしい。

 

うん。バチバチしてきました!

財宝に最初にたどり着くのは誰か?

悪党か? その場合は空爆。

警察か? その場合は平和。

 

頑張れ警察! 期待しているぞ平次くん、コナンくん!

 

 

 

と思っていた矢先に、拉致られました。

犯人はカドクラ一味。いよいよマズイな。

幸い、直前に警察が聖を逮捕していてくれた。私としては息子が拉致されなくてよかった。

 

 

 

さて、ここから年齢制限のシーンが始まります。あらかじめご了承ください。

何故って? こういう悪党が何するか、賢い皆様なら分かるでしょう。よいこの皆様は絶対に知らないことでしょう。

 

余にも恐ろしい拷問ですよ。

だって闇の武器商人だよ? R18+か、R15+か。はたまた12歳未満の方は保護者の助言・指導が必要なシーンが含まれる拷問が始まるに決まってるだろ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

そこまででもなかった。

単純に殴るけるの暴行だけだった。五体満足で一夜明けたわ。

カドクラ。お前、どこまでの悪党なの?

そりゃ私を人質にして警察を脅したり、函館の町中に爆弾をしかけたり、やってること非道だけど。

私にはお前の趣味が分からん。

てっきり女はべらせているかと思いきや、むさくるしい男しか部下にいないし。

こんなオッサンと一緒に朝ティータイムしたり。

 

あれか? 噂の、放送倫理に配慮するってヤツ?

グロテスクな表現やエロティックな表現を避けて、爽やかな一面を魅せようってヤツ?

 

 

多分それ系なんだろう。

 

 

そして気が付いたら夜。

服部くんとコナンくんが財宝の在処を突き止めたと、カドクラ一味&私を五稜郭に召喚してきた。

そして2人から語られる推理の数々。

どこからともなく悪趣味な熱気球が夜空に浮き上がり、そこから飛び出す光のビームの先。

 

 

斧江財閥の財宝は、函館山に眠っている。

 

 

そうか。あとは頼んだぞ聖。函館山を空爆してくれ。

 

そして拉致被害者の私は成すすべなく、悪党の悪行を見ていることしかできない。

カドクラが約束を守るわけがないのだ。

函館山に行く前に、服部くんとコナンくんを殺してしまうだろ・・・う?

 

 

 

・・・・・なんかスゴイ大乱闘が始まったんですけど。

服部くんが強い!

それに颯爽と現れた沖田くんも強い! 家で会った時にはこんなに強そうに見えなかったのに!

あと、初めましてのハゲも。

 

カドクラの部下を次々に薙ぎ払っていく高校生剣士たち。

でもカドクラ本人は私を連れて車で逃走。乱暴な運転。事故りそう。酔いそう。

 

あと聞いていい?

なんか車の周りが閃光で眩しすぎるんだけど。

え? これは何? いや、本当に何?

 

 

 

忙しい!

私以外が忙しい!

いやカドクラが可哀想なくらい忙しそう。

しまいにゃ、函館山の中腹に突如として現れたコナンくんの目の前で、何故か車が横転するし。

まぁカドクラがコナンくんを殺そうとした時には、私が奴を投げ飛ばしてやりましたよ。

 

 

哀れカドクラ。

そしてコナンくん、瞬間移動能力のあるキミは一体何者なんだ?

 

 

「江戸川コナン。探偵さ」

 

・・・・説明になってない。

けど、キミは私が犯人だと分かっていたようだ。

 

だが、それがどうした。

今から聖がこの山を空爆・・・

できずに爆撃機のセスナが墜落したんですけど。

 

でもって聖が服部くんと一緒にパラシュートで降りてきた。

あと、目を覚ましたカドクラが川添って刑事さんに撃たれた。

そしていつの間にか私とコナンくんと合流した怪盗キッド。

いつの間にか消えた川添さん。

ということで、3人で財宝を確かめに行くことに・・・

 

 

 

いや、私以外の存在の出入りが忙しい!

 

 

だけど、そんな私にも忙しくなる瞬間が。

情緒が忙しくなる。そんな瞬間が・・・

なんと、私が生涯を捧げて破壊しようとした斧江財閥の財宝。

戦況を一変させるほどの兵器とは

スマホの超絶下位互換の装置でした。

 

 

 

ちょっと叫んでいい?

 

_____________!(声にならない叫び)

 




いかがでしたでしょうか?

いや、たしかに敗北したけど、私は一体何に敗北したんだろう?
時代かな。
元々、トリック自体はバレることが大前提だったから、探偵に敗北した感は無いんですよ正直言って。むしろ解いてくれてありがとうまである。

しかし考えてみれば戦況を一変させるほどの兵器っていっても、幕末レベルの戦争ですからね。100年近く前の兵器を欲しがるとか、カドクラも武器商人としての勘が堕ちたものだ。かく言う私もですが。
古代兵器が現代兵器よりも優れた破壊力を持つとか幻想すぎて、アニメや漫画に毒されすぎていましたよ。そんなわけないのに。

なら、幕末の武器ならどんなものが欲しいかって?
う~ん。赤報隊で培った鉄砲火器の知識を元に作った炸裂弾かな。
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