ドラミドロと男の子 【失踪中】   作:村娘

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☆前回のあらすじ☆
どうした?何があった!返事をしろ
レレーク、レレェェエクッ!(デッデッデン!!)





仕事が家に郵送されてくる恐怖


幼いその体に襲い掛かる無慈悲な力…レレの運命や、如何に!正直色々やりすぎたかな…なんて思った回。そういやこの作品恋愛要素がありましたね…

 

 

 

「しっかし、どこから入ってきたんだこいつ?」

「さぁ?…案外宿舎の方で寝過ごしてて

 いま外に出た~なんて感じだったりしてな!」

 

「あっあっ…離してぇ!」

 

 

 くしゃみ一つでアラートは一気に赤色へ。

相棒(ダンボール)は無惨に打ち捨てられ、顕になった丸腰のレレに迫る大きな手は、容易く小さな潜入員を捕獲した。

 

 発見から五秒も待たずに捕まった情けない潜入員に待っているのは、牢屋へ監禁からの捕虜尋問だ!

 

これポケモンだよね…?

 

 

サボる口実にゃちょうどいいしな…っとはい、それじゃお兄さん達と一緒に、調査が終わるまで控え室で待ってような?」

 

「や゛た゛ぁ゛!゛

 さ゛き゛に゛す゛す゛む゛の゛ぉ゛!゛」

 

 

「やっべちょっと変な扉開き掛けてるかも…なぁキャス」

「んなもん開くな、さっさと閉じろコウイチ」

 

 このままでは両手首を掴まれ、持ち上げられたまま連行されてしまう!

とにかく逃れようと、足をジタバタ暴れさせたレレだが…効果は薄く、無駄に疲れただけ。最終的には泣き出してしまった。

 客観的に視れば『大人二人が男の子を無理矢理連れ去る図』そのものな訳で。

完全に事案な光景の当事者たるレレは、それはそれは恐い思いをしていることだろう。

 

 そんな状態でも先に進みたがるのはどうなのだろうか…?無自覚ながら物凄い胆力である。

宿舎に戻ると言う当初の目的はすっぽり抜け落ちてるのだろうが。

 

 

 だがこのままでは、連れ去られた先で構成員(16~25歳女性)達に乱暴(撫でくりまわ)されてR-15行きになってしまう…!

目をギュっと食いしばる。最後の力を振り絞って、叫んだ。

たすけてェーッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どいてぇぇぇッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 突如、レレは自由となった。空中に投げ出されたのだ。

ただ、自由と言ってもレレは空を飛べる訳ではないので、勿論地面へ吸い寄せられていく。

反射的に目を閉じ、身体を強張らせることで、迫る落下の衝撃に備えた。

 

 

__が、いつまで立っても痛みはこない。

 

恐る恐る目を開けると、ザラザラとした群青の細い腕がレレの身体を包み込んでいた。

 

顔を上げると、こちらを覗き込んでいたガブリアスと目があった。

そして、その背中には

 

 

「えっと、久しぶり…?だね」

 

 

我らが(暫定)ヒロイン(ヒーロー)、エミちゃんの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

「コウイチィ!?オイッ!大丈夫か?!」

 

 

ちなみに、レレ君の手を掴んでいた男、コウイチは、ガブリアスに追突された衝撃で壁にめり込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ、えっ…?

 エミちゃん?なんでここに…?」

 

 

レレは こんらん している!

 

そりゃ(大の大人に捕まったと思えば厳ついガブリアスにお姫様抱っこされてたら)そう(何も理解出来ずに混乱する)よ。

 

 

「なんでって、

 私もシーストームを見に来たんだ~。

 それでたまたまここに着陸しちゃったみたい。

 

 レレ君は最近どんな感じなの?

 …なんて久しぶりにお話したかったけど、

 今はそんな場合じゃないみたいだね…!」

 

 

実に三週間ぶりの再開だが、先ほど吹っ飛ばした男の方角を見るエミ。

釣られてレレも目を向ける。

 

 

「いっ…てぇなくそっ!ガブリアスで突っ込んでくるとか、オレじゃなきゃ死んでたぞ!」

 

「コウイチが無事で良かったけどさ、なんであれ食らって無事なんだよお前…」

 

 

 

 正直、ガブリアスに轢かれてしまったら良いところミンチ、悪ければ肉片残らず消し飛んでいたかもしれないが、ここは平和なポケモン世界。

そのためのご都合主義タグ

 

 

 そんなちょっと抜けたやり取りをしている彼らだが、手にはしっかりとボールが握られている。心なしか顔つきも少し険しく雰囲気が変わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

ー☆ー

 

 

 

「さっきのガキ一人なら

 優しくしてやったんだがな…

 

 マルノームッ!」

   ウゥワァァアォ

 

「ガブリアスなんて連れてきた

 そっちが悪いんだからな!

 

 グライガー!」

    ギシャシャア!

 

 

「う~ん…うん、お願いできる?アス!」

     ギュアグゥウ!

 

 

 突然の乱入者たるエミとガブリアスのアスに対して、大人二人が取ったのは、マルノームとグライガーによる二人掛の攻撃だった。

 

 文面だけ見れば酷く大人げない図だが、2対1だと言うのに、関係ないと言わんばかりに堂々と二人と二匹を見据えるアスを前にしていると考えれば……まぁ妥当かもしれない。片方轢かれてるし…

 

 

あっ、レレ君は腰を抜かしてたので物陰から見守ってます。

 

 

「マルノーム、たくわえる!」

    ワァウゴォ

 

「お前はマルノームのサポートだ!

 アクロバットで撹乱しろ、グライガー!」

        ギシィ!

 

 

恐らくは最大まで溜めた『はきだす』で

一気に方をつけるつもりなのだろう。

 

そしてグライガーは、マルノームのたくわえるが最大まで溜まるまでの時間稼ぎ役と言ったところか。

 

 

マルノームが口の中で何かを蓄え始める中、グライガーはアクロバティックな動きでアスの回りを飛び回る。

 

 小柄な体躯で飛び回るその姿はハエの様。アスは鬱陶しそうにドラゴンクローを振り回すが、グライガーは間合いを管理し、絶妙な距離感を保っているため、その凶爪は当たらない。

 

 

「ん~…そうだ!アス、

 でっかいがんせきふうじを頭の上に作って

 

 ドラゴンクロー!」

     ッ!ギュゥアグゥ!

 

「ッ!やらせるな、グライガー!」

   ギッシュ!

 

 

ここでついにエミが動く。

 

 上空で作り上げた岩石をドラゴンクローで砕くことで、岩の雨を降らせるつもりかと、キャスはエミの指示から推測する。

もし、その攻撃が実現した場合、まず間違いなくグライガーの飛行は阻害されてしまい、最悪いまだたくわえている最中のマルノームにまで被害が出る。

 

 当然阻止しようとグライガーに指示を出す。

その指示に答えるべく、グライガーはアクロバットの動きのまま、その大きなハサミで殴りかかる。

 

 

「そこだよ!叩き落としちゃえ!

 単発ダブルチョ~ップッ!」

  グルァ゛ァ゛ア゛ッ!

 

 

 アス頭上で、そこそこの大きさとなっていた岩石エネルギー体がフッと消えた。

これにはキャスとグライガー、遠目に見ていたコウイチも驚いた。

 

 本来、なみのりやいわなだれと言った何もない所から自然物を創り出す特殊精製系統の技は、エスパー技と同じく多少の集中力が必要である。

そして、特殊精製技は基本的に強力であるため、トレーナーは、出来るだけ早く攻撃するために一気に集中させる。そのため、技として一度でも確立させたのであればまず失敗はありえない、と言うのが常識であった。

 

 しかし、アスはスッとがんせきふうじを解除した。まるで最初からがんせきふうじ等射つつもりはなかったと言わんばかりに。

 

それが意味すること、

即ちキャスとグライガーは

 

してやられたのだ

 

そうしてフリーとなったアスが、ただ真っ直ぐに飛来するグライガーを捉えられないはずもなく、

 

グライガーを地面に叩きつけた。

 

が、ただでさえ威力の低いダブルチョップの単発。ダメージは低く、軽傷。すぐさま立ち上がろうとするグライガーだったが

 

 

グゥギュルゥ…ッ!

 

キリッシィ…ッ?!

 

 

 この場の王者たる陸鮫がそんなことを許すはずもなく…その凶悪な翼爪を巧みに扱い、グライガーの身体を持ち上げた。

 

 

「アス、ドラゴンクローで

 体力を調整してあげて」

  グルゥ…ッ♪

 

 

ギィ゛ギャ゛ジィ゛ィ゛ッ??!

「グライガーッ!ックソ!

 耐えろ、耐えてくれ…!」

 

 

エミの指示の下でアスは残虐な笑みを浮かべる。

つぷりと爪の先端が、グライガーの脇腹に刺さった。

 

そして、その爪でドラゴンクローを発動した。

 

翼爪に集中したドラゴンエネルギーは爪をコーティングし、余剰エネルギーは爪の長さ、太さにまで干渉する。

 

必然、刺さった爪がグライガーの身体の肉を裂きながら成長し激痛を与えた。

 

悲鳴を上げ、脂汗が止まらない。

体が震え、涙がこぼれ落ちる。

 

そうして苦しむグライガーの姿を見て、アスは心底楽しそうに笑う。

 

キャスは、パートナーのその痛ましい姿を見ていられなかった。

酷すぎる…と呟いて、コウイチは目を逸らした。

逸らしてしまったが故に

 

 

「もういいかな。

 

 そのグライガー、マルノームに

 投げつけちゃって!」

   ゥルグバァッ!

 

 

「…ッ!口を開けるな!マルノームッ!」

      オォワァ…?

 

 

数瞬、反応が遅れた。

 

たった数瞬、されど数瞬。

のんきな性格のマルノームは、ゆったりとした動作で中断しようとするも、グライガーは三度目のたくわえるを行っていたマルノームの口の中へと放り込まれた。

 

 

 

 

そして放り込まれたグライガーは、マルノームの口内で蓄えられていた高エネルギーに触れてしまう。火薬に衝撃を与えるのと同義のそれが引き起こす事象。

 

 

 

 

大爆発である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!今のうちにここを離れるよレレ君!」

 

 

ただでさえ派手なポケモンバトル。それも相手を爆発させた時の轟音は町中に広がってしまった。ボーっとしていたら、他の人達がここに来てしまう。

 

エミはへたりこんでいたレレの手を握ると、その手を引っ張って走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにレレは、好きな子と初めて手を繋いだことに、心の中で舞い上がってた。

かわいい。

 

 






エミちゃん出せ出せ裏で散々言われたので書いたらすごいことになりました(語彙力)
ドラ美です。

今回は前半と後半を分けて書いたので雰囲気がぐちゃぐちゃになってますね。やたらシリアスが上手い朋友君に影響されたので朋友君のせいです。

感想の方で遅れるなんて言った癖に一週間足らずで更新してしまった…
いや、遅い方なのかな…?



ちょうどやっていたアンケートの方を締め切りました。
結果は
『色違い設定いる』に2票
『色違い設定いらない』に0票

となりましたので、これからもくっきーちゃんは輝く翠の色違いと言うことでやっていきます。

投票、ありがとうございました!


頭からっぽ族流行れ
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