チャマは頑張った。
剣盾は一ヶ月はストーリー攻略に、一ヶ月は対戦環境を楽しむことで消費できて、そこからガラルで遊んでる派とアローラ対戦環境に戻る派、嫁ポケが互換切り食らった派に別れると予想。
「おい…おい、嘘だろ…?」
開幕から驚くジムリーダー、ドン。
それも仕方ないだろう。
何故なら、目の前の少年が二番手として出したポケモンがあの
「ギュルルゥァア!」
ドラミドロなのだから。
「くっきー、きあいだま!」
「ギュウ!」
「ッ!ジャラコ!」
「キュッ!」
くっきーとジャラコの勝負は唐突に始まった。
くっきーの扱う技の中でも、飛び抜けて高威力であるきあいだまを一転集中、ジャラコに狙いを着け、放つ。
種族として、明らかな格上の威圧を受けていたジャラコだが、ドンの指示にしっかりと反応。
まるでライフル弾の様に鋭い高速弾を、左へ咄嗟に跳ぶことで間一髪で回避する。
「そのまま、距離を詰めてドラゴンテールッ!」
「キュルァ!」
きあいだまを回避した一連の動作から、勢いを殺さず反撃へ移る。ジャラコの体が光る。
その中でも特に輝き、肥大化した尻尾でドラゴンテールを打ち込む。
「流石に、この差は埋められないか…」
が、くっきーが崩れる様子はない。
ダメージはあれど、そのドラゴンテールは致命的な一撃とまでは至らなかった。
「10まんボルトだ、くっきー!」
「ギュルルゥ~ッ!」
ドラゴンテールを打ち込むため接近していたジャラコが、電撃の速度に対応できる訳もなく、10まんボルトの電流を受け、ジャラコは瀕死となってしまった。
「オノンド、出番だ!」
「ギュビィ!」
ドンの二番手にしてリネアジム、バッジ0難度での壁であるオノンドが姿を現す。
荒々しい見た目とは裏腹に、綺麗に手入れされた牙が妖しく光る。その目は闘志に満ちていた。
「いくぞっ!オノンド、アイアンテール!」
「ギュルビィ!」
「ヘドロウェーブだ!」
「ギュギュアァ!」
先手必勝、
相手に動く隙を与えず接近を試みるドンと
恐らく何も考えずに、とりあえず技を撃つように指示を出したレレの声が重なり、オノンドとくっきーは雄叫びをあげながら、それぞれ技を発動する。
しかし、発動した技はアイアンテールとヘドロウェーブ。
物理技と特殊技がぶつかり合ったとしても、自らの体の一部で攻撃しなければいけない物理技が、本体から技を切り離し、打ち出す特殊技に勝つことは少ない。
結果、オノンドにのみヘドロウェーブのダメージが入ってしまう。
「オノンド…?」
「ギ…ッ」
オノンドの顔が青ざめていく。口元は僅かに紫色に変色しており、苦しそうに息を吐いている。オノンドは、間違いなく『どく』状態に陥っていた。
「ぐぅ…オノンド、あなをほる!
‘回収’してこい!」
「ギュゴォ!ゴォ!」
どく状態?知ったことではないとばかりにフィールドに穴を掘り、オノンドは地面の中へ消えてしまった。
くっきーには地上から安全に地中に潜むオノンドにダメージを与える技は持たないため、どこからオノンドが飛び出してくるかに集中する。
と、「さっきは外したから次こそ当てるよ」とレレが指示を出した。
くっきーはきあいだまを生成するために一瞬意識を傾ける。
━━瞬間、オノンドはくっきーの真後ろの地面から飛び出す。懐に紫に光る宝石を持って。
「オノンド!
その無防備な背中を切り裂いてやれ!
ドラゴンクローッ!」
「ギュゴァァア!」
レレは、自分とくっきーの間に突如現れたオノンドにびっくり。
それによって回避の指示は出せず、くっきー自身も虚を突かれ動けずに、オノンドの腕とは不釣り合いな大きさになっているドラゴンクローを受ける。
紫色の宝石の正体は『ドラゴンジュエル』であった。
カットされたジュエルの効果は、知っている人は知っているだろう。その原石をまるまる一つ使ったのだ。効果のほどは、相当な事になっているだろう。
だが、やはり種族の壁は簡単に越えることはできない。
ドラゴンジュエルの効果が付与されたドラゴンクローであっても、くっきーを仕留めることは出来ず。
「お返しだ、りゅうのはどう!」
「ギュギュッ!」
「…突き進めオノンド!
″
「グッ…ゴァ…ッ!グアァァア!」
くっきーの体が光る。地面に埋まっている多数のドラゴンジュエルのエネルギーが、くっきーのりゅうのはどうに集まり、その威力を増大させていた。
ドラミドロの豊満な特攻と、タイプの一致、ドラゴンジュエルの薄く多重に重なった効果が合わさった波動を、あろうことか体で受け止めながら着実と近付いてくるオノンド。その額には、きあいのハチマキが巻かれている。
「いけ、いけ、いけぇっ!」
「ゴォォオォッ!」
だが、オノンドには毒が回りきっていた。
ドラゴンジュエルがもたらしたエネルギーが体内でアドレナリンを生成し、一種の興奮状態を引き起こしていたため、着実に毒が体を蝕んでいることにドンも、オノンド自身も気付けなかった。
オノンドはふわりと全身から力が抜ける様に前のめりになり
特大の『りゅうのはどう』に飲み込まれた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「朝からまたキツいバトルをさせて貰ったよ」
そんなことを言いながらも、どこかスッキリとした表情をしているドン。
「なんだか久しぶりに
一人のトレーナーとして戦えた気がするよ。
…それはともかく、君は僕に勝った。
ここに君がリネアジムを突破した証、
『シナバッジ』を贈呈しよう。」
そして手渡されるシナバッジ。
そのバッジは、明るい黄色の光を放っていた。
「やったぁ!」
こうしてレレの初めてのジム戦は、勝利に終わった。
この話を完成させるためにジム戦ルールをいきなり改竄するはめになったり、ジャラコの鳴き声を確認するために開いた前話で重大なミスを発見したりと、しっちゃかめっちゃかで実質週一投稿は潰えました。
私の同期に戦闘描写がやたら上手い人がいるのですが、その人が私の作品から一部要素を参考にしたと言っていたので見に行くと、なんか凄まじいことになっていて「これが実力かぁ…」ってなりました。
でもあんなレベルになるならいつまでも未熟でいいかもしれませんね。
ちなみにいつもは1話1000文字ちょっとで、改行や句読点で文章量を多く見せていましたが、今回ついに2000文字を突破しました。
やったわ。
頑張ったから感想ください。
頭からっぽ族流行れ
感想ください
感想のお恵みを…