ルフィに惚れ込んだ男とルフィのファンである2人は未来からの記憶を受け取り、ルフィを助けるために動き出す!

1 / 1
結局エースを助けたい。


もし未来の記憶が降ってきたら。

ある日、ローグタウンで麦わらのルフィの公開処刑が行われようとしていた。道化のバギーの持つ刀がルフィの首ものへ。

 

「わりぃ、俺死んだ。」

 

笑顔でそういうルフィ。だが、そんなルフィを救うイナズマが処刑台に落ちる。この瞬間、ある世界では感動に涙を流す男がいた。

しかしこの世界では頭にとてつもないほどの情報が入り、放心している男がいる。男は、憧れの人を痛みから救うため動き出す。

 

ある日、ある島で2人の男が5日目の戦いをしていた。戦いは互角。だが、最後一つの突きによって戦いは終わる…はずだった。だがそれは違う世界の話でこの世界では最後の技を突き出す時、男は多くの情報が入り動きが止まってしまう。その隙を突かれ男は負けてしまった。しかし、この時頭に入った情報を理解し、変えるために男は動きだす。

 

 

あの日から数ヶ月後2人の男がは出会う。

顔を見た瞬間理解した。あいつも自分と同じで"未来"の情報を持っていると。そしてきっと、それは自分たちだけだということを。男たちはすぐ自分たちの持っている情報を照らし合わせた。

 

「わしはずっと見てた。あの戦争の後深く傷つき、自分を責め暴れていた姿を。自分が血だらけになっても構わずただひたすらに…。」

 

「おれァ、あの戦争の時あのお方がどんな気持ちだったのか想像することしかできなかった。だどもあのお方がお兄様と再開した時お傍で見てたからわかるんだべ。お2人が今でも忘れられない痛みがあるんだっで。」

 

「じゃから」「んだから」

 

「絶対にエースさんを助けるんじゃ!」

「絶対にエース様を助けるんだべ!」

 

2人だけの秘密の同盟がここに結成する。

知られるわけにはいかない。誰にも。

変えたい未来は一つだけ。他の未来を変える事はできん。

それが何よりあの兄弟の今後のためになるから…。

 

「エース君が黒ひげティーチと戦わないのが一番救える方法じゃが…あの戦争はルフィ君にとってもエース君にとっても必要なもんじゃ」

 

「んでも、マリンフォード には流石のおれでも近づけねぇべ〜」

 

「それについてはわしに考えが2つある。」

 

「2つ?」

 

「ああ、わしは前回の同じ動きをする。それが一番マリンフォード に行けるはずじゃからな。だが、おまえさんは違う。いや、違うからこそこの動きは重要じゃ。やりやすい方を選んでくれ。」

 

「わかったべ。」

 

それから入念に作戦を立てていく2人。

なぜ、自分の元へ情報が降ってきたのかはわからない。

でも確実に言えることがある。それは2人が力になりたいと思わせるあの不思議な少年をあの嵐を呼んだ兄弟の持つ心の闇を取り除くこと。それが使命だと。あの兄弟のおかげで救われた人は何人いたのだろう。救われた国はいくつあっただろう…。

その度にきっと思ったんじゃないか。あの時今ぐらい強かったらと。

エースも助けられていたらと…。

ルフィに後悔の2文字は似合わない。絶対に成功する作戦をジンベエとバルトロメオは入念に考える。

 

 

そしてついにやってくる。

エース公開処刑の日。

ルフィはインペルダウンからマリンフォード に向かう船の中にいた。

そのお供にはイワンコフ、クロコダイル、ジンベエの3人の他多数。

そんな時、1人の囚人がルフィに声をかける。

 

「ルルルルフィ先輩!おれァあんたに憧れて海さ出ただ!エース様をお助けするために是非とも俺をつかってくんどー!」

 

それはバルトロメオだった。

あの後、ジンベエが提案した案はバルトロメオが七武海に入るか、わざと海軍に捕まりあの騒動に合わせて脱獄し一緒に行く方法の2択だ。それに対しバルトロメオはわざと捕まる方を選ぶ。理由は嘘でもルフィの敵にはなりたくないからというバルトロメオらしい考えだ。

 

「ん?よくわかんねーけど、ありがとう!トサカ!」

 

「あのルフィ先輩からありがとうってー!おれァ感動だべ〜!!」

 

ルフィからのお礼に涙を流すバルトロメオ。

そんな男の元にジンベエが近づく。

 

「おいバルトロメオ。お前さんあっちの方はうまく行ったか?」

 

その言葉に顔を元に戻し、ルフィから少し離れる2人。

 

「あぁ、だどもやっぱりすぐには信じてはもらえなかっただ。とりあえずマリンフォード には来てくださるっぺ。」

 

「そうか…あやつに信じてもらうために出来るだけ未来を変えてはならん。ミスは許されん。気を引き締めるんじゃ。」

 

「ああ。」

 

そしてついにルフィ達一行はマリンフォード に到着する。

バルトロメオのバリアによって傷は少なく済んでいるが、特に前回と変わりなく物語は進んでいく。

着々とエースに近づいていくルフィ。だが、その時前回と違うことが起こる。それは傷が少なくなったが故のイレギュラー。

傷を負い、戦争の途中に動けなくなったルフィはイワンコフの能力により傷を騙し戦っていた。が、今回は動けてしまっていたのだ。ギリギリまで。そして大事な場面で動けなくなる。

 

「いつもそうさ、ルフィ。俺のいうことも聞かねーで、無茶ばっかり!しやがって!!」

 

「エーーースーー!!!」

 

ようやくエースを助け出したルフィ。

白髭海賊団からも歓声が上がる。

あとは海兵をなぎ倒しにげるだけ…なのだが。

 

「戦えるか?ルフィ!」

 

「ハァハァ…もちろ…ん」

 

体が前に向かってゆっくり倒れていくルフィ。

エースを救えたことによる安堵もきっとあったのだろう。

ルフィの体はここで限界を迎えた。

 

「ルフィ!!」「ルフィ君!!」「ルフィ先輩!?」

 

ルフィの体を支えるエース。

そんな2人に海兵は畳み掛ける。

 

「麦わらが倒れたぞー!!今がチャンスだーー!かかれーー!」

 

「絶対に逃がすなーー!」

 

ジンベエのバルトロメオが駆け寄り、海兵の攻撃から2人を守る。

が、止まっていれば不利になるのは分かりきっている。

 

「エースさん!!ルフィ君はもう限界じゃ!急いで船に乗れ!!」

 

「ここはオラ達にまかせてくんどー!!」

 

「すまねぇ!ありがとう!!」

 

ルフィを抱えて船の元に走るエース。

だが、ルフィを守りながら戦うほどエースも体力が残っていない。

 

「くそ!弟なんだ!手ェ出すんじゃねー!!火拳ーー!!」

 

絶体絶命のピンチのとき、白ひげの最後の船長命令が戦場に響く。

それにより動きが皆止まる。まるで時が止まったかのように…。

そして、白ひげは問う。

 

「エース。俺が親父で…良かったか!!?」

 

エースは一度ルフィを下ろし白ひげに向き合う。

膝を地面につき頭を下げて、涙を流しながら言う。

 

「勿論だ…!!!」

 

「グラララ…」

 

そんなエースの元へジンベエとバルトロメオが追いつく。

 

「エースさん!ルフィ君を連れて走るんじゃ!!」

 

「お二方は狙われてるんだべ!!白ひげの思いを無駄にはできないけろ!!」

 

「ああ!!…ルフィは絶対に死なせねぇ!!」

 

ルフィを抱え直し走るエース達。

だが、そんな元に赤犬が現れる。

 

「火拳を助け出してすぐ退散とは、とんだ腰抜けの集まりじゃな…白髭海賊団。まぁ、船長が船長それも仕方ねぇか。白ひげは所詮先の時代の敗北者じゃけぇ。」

 

明らかにエースを逃がさないための挑発。

だが、エースは分かっていても聞き逃すことはできなかった。

ルフィを静かに下ろすエース。

 

「エース…!ダメ…だ!白ひげのおっさんの覚悟が…!!」

 

「ルフィ…すまねぇ!だが、これは引くわけにはいかねぇんだ!白ひげはこの時代を作った大海賊だ!!!!」

 

赤犬に攻撃を仕掛けるエース。

それを待ってましたと言わんばかりの顔で待ち構える赤犬。

2人の拳が交わる…と思われたが、交わることはなかった。

ある男が1人、間に立ち2人の拳を受け止めた。

 

「ハァハァ、ふーよくわかんねーけど、あいつが言ってたことは本当みたいだからな。俺が後悔しねーために、この戦いはやらせねーよ!」

 

受け止められたことに驚く赤犬とエース。

 

「貴様、覇気使いか。邪魔しよってナニモンじゃ。」

 

「…おまえ…!!」

 

「とりあえずここを離れるか!!おい!バルトロメオ!!ルフィを頼む!」

 

男はバルトロメオにルフィを頼み、自分はエースを強引に連れて走り出す。

 

「大先輩!!信じてくれだっさって嬉しい限りだっべーー!」

 

「流石にここまで合ってると信じるしかないだろ。…俺が忘れてる事はこいつらを助けてから思い出すとするよ!」

 

バルトロメオと男は実は以前にあっていた。

いや、バルトロメオが会いに行ったの方が正しい。

バルトロメオはどうしてもこの男も救いたかった。

だから、未来を知らない男に未来を話すと言うリスクを背負って会いに行った。

 

➖数ヶ月前➖

「誰だお前?俺に用か??」

 

「大先輩!あんたが記憶をなくしてることは知ってるべ!んだども、おれァあんたが未来で苦しんでいることも知ってんだべさ、これから起こる悲劇を伝えに来ただ!」

 

男は口を開け唖然とした後、笑った。

 

「未来??お前に未来が見えるってのか?ははは、なんの冗談だ。俺はそんな占いのようなもんは信じねぇ主義なんだ。」

 

「そう簡単に信じてもらえるとは思ってないとも、でも、本当なんだべ!!あんたは大先輩は、あの戦争でエース様を助けに行けなかったことを悔やんでただ!!おれァ知ってる!ルフィ先輩が傷つき、戦っていた時自分は何もできなかった事をずっと後悔してたこども!」

 

「エース?ルフィ?その2人が傷つくことになんでおれは後悔すんだ?」

 

「それは…あんた達が盃を交わした兄弟だからだべー!!今は信じてくれなくてもいい!んだども未来を変えることは難しい。大先輩にも力を貸して欲しいんだべ!!ルフィ先輩を!エース様を!!何より大先輩、あんたを今度こそ!救うために!!」

 

 

サボはバルトロメオの熱意と、自分の中にある違和感に気づきこうして戦場にやってきた。ただ、バルトロメオから聞いていた内容と起きることを照らし合わせ力を貸す貸さないは判断すると条件をつけて。

そして、ほぼほぼあっていた。何よりエースを海楼石の手錠から解放すること自体が不可能に近かったのにそれを成功させた。

これは信じるしかない。

 

「エース!ルフィ!おまえ達とは一回話がしてみたい!俺の過去を知るためにも!」

 

その言葉にエースとルフィは顔をサボに向ける。

そしてルフィは大泣き、エースは静かに涙を流した。

 

「ザボーーーーーーー!!!?」

 

「ったく!今まで何してたんだよ…相棒。」

 

そんな再会を果たした3人にジンベエとバルトロメオは嬉しそうに微笑んだ。

 

「これで、良かったんじゃ。この兄弟には闇は似合わん。」

 

「生で盃兄弟を見てるべー!幸せだベー!3人揃っているところを見れるなんてーー!レアだべーー!あーー!おれが未来の記憶を手に入れたのは全てこのためだべーーー!!」

 

その後3人はある無人島で昔について語り合う。

サボの記憶はまだ完全には戻っていない。だが、時期に思い出すだろう。前回のような痛みと涙とともにではなく、喜びと笑顔とともに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そしてエースを助けるのはサボがいい。
どうしても盃兄弟大好きなんです。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。