例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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決戦編
104 決戦編 第1話 突入


「ネギ君!お疲れっ!」

「ハルナさん」

その後、諸々…ルーナのアスナへの再変身とか色々と…を済ませてダイオラマ球を出た私たちをハルナが迎えた。

「ちょうどよかった、新オスティアからネギ君宛に念話通信が入っているのよ」

「新オスティアから念話通信ですって?」

「うん、いいから早く早く」

そうせかされて皆でブリッジに向かう。

「アスナもみなかったけど、ずっとネギ君の付き添い?」

「え?うん、ま、まあね」

「こちらです」

と、茶々丸がブリッジの扉を開けた。

「や…ネギ君大丈…かい。周囲の魔素が不安定で…信状態が悪…調整中だ」

「タカミチ!こっちに来ているとは聞いていたけれども、無事でよかった…アレ?その後ろの人…クルトさん!無事だったんですね、良かった」

「ええ、無事ですよ…さて…そこにいるなら君達も気づいているでしょう。完全なる世界残党が廃都最奥部で何かを始めたようです。

観測される魔力の総量から推定されるのは…あの20年前の再現です。

先ほどまでの君と私の話は十年百年単位の危機の話でしたがこれは数時間から数十時間での目前の危機…

この事態に対し、現在帝国・連合・アリアドネーの全ての勢力が手を結び、混成艦隊を編成してそちらに向かっています…ありたいていに言ってこれは世界の危機です。

世界の危機…ですが君も知っての通り、ごく一部をのぞいて我々の戦力は彼らに全く歯が立ちません。

先行している君たちは我々の貴重な戦力です、言っている意味はおわかりですね?

力を貸して頂きたい、ネギ君…このとおりです」

とういってゲーデル総督は頭を下げた。

「ネギ君、騙されるなよ、こいつが殊勝な態度に出る時は裏で何かを企んでいる時だ」

と、高畑先生がひょいっと出てきて口を挟んだ。

「黙れ、タカミチ、こんな緊急事態に裏をかく意味があるか」

「わかりました、でもちょっと待ってください。僕たちはそもそも夏季旅行中の学生の集団でこの世界の人間でもないんです。

説明も同意もなく危険に巻き込むことはできません、みんなの意見を聞く時間を頂いていいでしょうか」

と、ここでネギがその建前を出すか…という建前を出してきた…まあ説明と同意はとってやりたいが…な

「…いいでしょう」

そして、ネギは停泊中の金魚とフライマンタの甲板上にみんなを集めて事情を説明した。

「――という訳で、以上のように知らない間に何だか大変なことになってたみたいです!

ですが!あくまで僕たちの目的はアーニャの救出、そして『造物主の掟・最後の鍵』の奪取…『最後の鍵』を手に入れられれば、結局敵の野望を阻止することになりますし、何よりも消されてしまった人たちを取り戻すことが出来ます」

「ええんちゃうか?恩人助けてついでに世界まで救えるゆーんならもうけもんや」

と、コタローが言った。

「くうううぅう!けど、いよいよ来たね、来ちゃったね『世界の危機!』」

「盛り上がってきたよー!なんかシャレになってない気もするけどー」

「で、でも何で『今』なんだろ、私達タイミング悪いよねーそーとー」

「それは…」

…まだ話すのはまずい…か。

「ま、まあ悪の組織にもいろいろ事情があんだろ!それより本題だ、茶々丸頼む!」

「はい」

と、茶々丸が空中スクリーンに映像を投射する。

「では、お願いします、朝倉さん、ハルナさん」

「オッケー、この5時間の全力の観測の成果を見てよ」

そう言って、ハルナと朝倉は現在の状況図を示して説明をする。

魔力の奔流の影響で墜落していた島があらかた浮き上がっている事、アーニャのバッジの反応が墓守の宮殿から出ている事…そして超強力なバリヤーが中心部全体を覆っている事…ってオイ。

その後、偽アスナもといルーナの情報で中心部最上部の魔力柱では魔力が台風の目の様にないでいる為に障壁がないので入れる、そして墓守の宮殿には下部から侵入すべきという事が判明した…まあ電波だとか妖精さんだとかいろいろ言われていたが。

更にそれをネギが1、バリヤーを突破、2、警備の薄い下から突入、3、アーニャを救出、4、『最後の鍵』奪取とまとめた。

そして編成…色々と検討した結果、4つの班に分かれる事になった。1、フライマンタで比較的安全な空域で待機する、2、金魚で突入並びに脱出経路を確保する為に宮殿近辺で滞空する、3、アーニャを救出する為の隠密行動突入部隊、4、『最後の鍵』奪取を目的とする突入班主力…私は4班、聡美は1班に割り振られていた。まあ妥当である。

そして最後にネギは30分後の作戦開始を告げた。

「さて、それでは皆さん…よろしくお願いしま」

と、気の抜けた挨拶で締めようとしたネギにハルナが口を挟む。

「コラーッだめだめリーダー!もっと気合入る奴お願いよ!敬語も禁止!」

「はい…で、ではあまり得意じゃないですけど…えと…

白き翼の諸君!!最後の戦いだ!!いくぞ!!」

「「「「「おおッ!!」」」」」

その後、総督に協力する旨を伝えて作戦共有をしている…と殺気を感じ、ネギが飛び出していった…

「スイマセン、一度退出します…おそらく敵襲です」

「わかりました、ご武運を…」

そう会話を交わし、私も甲板に向かって駆けて行った。

甲板に出るとネギがちょうど敵…月詠を大岩に叩きつけているところであった。

「ネギ坊主!!」

「何事アル!?」

「な…月詠!?」

そしてぞろぞろとクー、刹那、楓が現れる。

「大丈夫ですか、ノドカさん、コレットさん」

「ハ、ハイッ」

「ハイッ」

「月詠さん、あなたは僕には勝てないと思います。お金で雇われた傭兵なら…ここで降伏していただければ助けます」

そうネギが月詠に告げると…月詠は恍惚とした表情を浮かべた…そしてぶんぶんと首を振り、口を開く。

「フフ…ネギ君はウチがお金目的でやっとるとお思いで?ウフフフ…子供ですなあ。

――この世界に意味はなく、我が求むるはただ血と戦のみ

…この世にはそーゆー人間もおることを知っときなはれ、まあその意味ではフェイトはんもカワええもんや…伝言があります。

『待っている』と。全く、エラいモテようで妬けますわあ」

と、言って月詠はグランドマスターキーらしきものを召喚した。

「まあ、それも辿りつけたらの話や、フェイトはんを失望させへんといてな」

そして、月詠は巨大な魔法陣…召喚陣らしきものを出現させた。

「ハルナさん、ジョニーさん!発進してください、今すぐに!」

とは言え、停泊中の飛行魚がすぐに出発できるわけでもない。とりあえず私は戦闘態勢に入り…闇呪紋の装填を始めるのであった。

そうしている間にも召喚魔が次々と出現してくる…そして5重装填まで完了した時、ネギが敵先頭を撃破して叫ぶ。

「僕が数を減らして止めます!墓守り人の宮殿へ向かってください!早く!!」

「ネ…ネギ!一人で大丈夫なの!?」

「…はい、大丈夫です、必ず追いついてあなたを助けだします」

「なっ…みゅ…」

という会話を尻目に装填を続け、フル装填した時、金魚とフライマンタが発進した。

ハルナとジョニーさんは岩石地帯を巧みに、上昇しながら突っ走る…が、ネギの取りこぼしを全て振り切ることもできず、魔法の射手のガトリングと真名の射撃で迎撃するが手が足りない。

そしてついに1匹が金魚に取り付こうとした…のをクーが飛び蹴りで撃破した。そしてアーティファクトの如意棒を召喚し、まとめて撃破する。

「やるな、クー」

そしてコタロー、楓、まさかの裕奈…アーティファクトが魔法銃だったらしい…が参戦し、割と余裕をもって迎撃態勢が構築された。私は今の所、予備戦力である。

そうこうしているとアリアドネー組が直掩に上がり、刹那はネギの援護に引き返した。

「サーて、私もそろそろ参戦しねぇとな…」

と、いう事で私は空に舞い、虚空瞬動と断罪の剣で敵を屠るのであった。

そうしているうちに雲海を突破し金魚とフライマンタは混成艦隊の脇に出た。

そして、その前方に展開している無数の召喚魔の群れに向けて、艦首主砲が一斉発射された…混成艦隊に露払いさせたのかよ。

「先行して進路上の鍵持ちをできる限り狩る!」

そう叫んで私は舟の前に出て断罪の剣で砲撃に耐えた個体を屠りながら一足先に召喚魔の群れを突き抜けた。

「げっ…」

そこには魔力の嵐の目を守るように4体の巨大竜型の召喚魔が配置されていた。

「ノイマン・バベッジ・チューリング 契約により我に従え契約により我に従え 高殿の王」

まずは一匹を千の雷を詠唱しながら断罪の剣で屠る…

「来れ巨神を滅ぼす 燃ゆる立つ雷霆 百重千重と重なりて 走れよ稲妻 収束して顕現せよ 千の雷」

そして二体目を千の雷で吹き飛ばした直後、舟が追い付いてきた…早すぎるっ

更に悪いことに舟の守り手の面々は群れ自体を抜けた事で一瞬気が緩んでしまったか注意の方向が違っていた為に舟に接近を許してしまった。

「マズイッ!」

と、思った瞬間、金魚に攻撃が命中、さらに魔法障壁の展開が間に合ったものの、ブレスを吐かれた。

そして…私が駆けつけるよりも早くネギと刹那が帰還し、あっという間に二体の竜を屠ってしまった。

「ふう…ギリギリセーフって奴かな」

そう言いながら、私はネギ達に続くように金魚の甲板に降り立った。

「さあ、いきましょう、お願いします、ジョニーさん、ハルナさん」

ネギが操縦室に念話を入れるとついに私たちは魔力の目に向かって突入を始めた…

「くっ…ミルクの様に濃厚な魔力…それがこんなに集まってるなんて」

そしてすぐに魔力の目を抜けた私たちは、一路墓守り人の宮殿に向かう…そして散々上部は危険だというルーナ情報があったにも拘らず、私たちは上部から墓守り人の宮殿に接近してしまった。

「ちいっ」

「くっ…」

「これはっ」

私、ネギ、刹那は口々に叫び、迎撃兵器らしきもの…尖った石柱から舟を防御する。

が、防ぎ続けられるものでもなく…すぐに舟は急速降下で離脱…宮殿下部の予定していた辺りに突っ込んだ、二隻とも。

「ネギは金魚を!」

「はいっ!」

 

風花 風障壁

 

と、私とネギはそれぞれ障壁を張り、フライマンタと金魚を停止させた。

「皆さん、大丈夫ですか、ケガは!?」

「あたた何とかー」

「だ…大丈夫です」

「お…OK!」

「平気だよー」

「無事ですよー」

「みんな無事みたいだね」

と、口々に生存報告というか無事の報告が上がってくる…一応全員無事のようである。

そして、二隻の艇長は修理が必要な旨を主張し、ネギはそれを承認、護衛を残して進むと宣言した。

「のどかさん、アスナさん、下へ…」

「しっ…ネギ坊主、アレを!」

そう楓が示す先には何者かの人影があった。

「止まれ!!」

そう真名が銃を構えて警告する。

「龍宮さん!!」

「どうした、出遭うのは敵以外ないぞ」

「い、いえ…」

「こんにちは…ネギ先生」

「あ…あなたは…」

しかし、真名の言葉に反してそこにいたのはザジ…の様であった。

 

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