例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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109 決戦編 第6話 世界を賭けた戦い

フェイトから逃亡した私は下方に跳び、宮殿下部の金魚とマンタの場所へと急行していた…時、さらに下方の遺跡群から飛び出してきた金魚の側面が爆発する。

「何ッ」

そちらに意識を向けるとフェイトによく似た何者かが金魚に止めを刺そうとしているのが眼に入った。

その何者かは炎帝を召喚し…さらに加速した私は断罪の剣を構え…雷光が走った…ネギである。ここまで早い復活はまさかの展開ではあるが、敵に新しい駒が出てきた現状、戦力的にも非常に助かる。

「僕の仲間に手出しはさせない」

そうネギが啖呵を切る。

「よく乗り越えた!ネギッ」

私もそう叫びながら火属性のフェイトモドキに切りかかった。

「ちっ」

フェイトモドキはそう舌打ちしながら私の攻撃を避ける。

「ネギ…千の呪文の男の息子と…今のは精霊人か?まあいい、一人ずつ逝け」

と、炎帝がネギに一撃を入れ、ネギはそれを受け止める。

「きゃあああッ」

「先生…ッ!」

「奴の息子なら殺害規制も解除でいいだろう、次はお前だ、精霊人!…なにっ」

炎帝のはなった攻撃の煙が晴れるとそこには無傷のネギがいた。

ネギが金魚の甲板を見る…つられて私もそうすると下半身と右手を失った茶々丸とそれに寄り添う聡美がいた。

「先生…千雨さん…」

そう呟く茶々丸にニコリと返すと私たちはフェイトモドキを睨みつけた。

「何…だ、こいつら…?」

私はネギと一瞬視線を交わし、フェイトモドキに切りかかる。私の剣とフェイトコピーの拳がぶつかる。そしてその傍らではネギが雷の投擲と雷の暴風を融合させた魔法を生成し、炎帝に投擲し、炎帝がえぐり取られて姿を消す。

「チッ貴様っ」

「おっと、私から気をそらすなよ、三下」

「誰が三下かっ!」

と、まともに喰らえば私の防御でもただでは済まなさそうな拳で乱打を繰り出してくるが、まあ本物のフェイトと比べればまあ拙い攻撃であり、掠りもせずに凌げるレベルではある。

「ノイマン・バベッジ・チューリング 来たれ雷精 風の精 雷を纏いて 吹きすさべ 南洋の嵐 雷の暴風」

機動詠唱した雷の暴風をフェイトモドキに喰らわせ、吹き飛ばす。それに追撃するようにネギが巨神ころしを投擲して腹に直撃、フェイトモドキに炸裂した。

「ガアアアアアアッ」

そして、そんな叫び声を上げながら真っ二つになったフェイトモドキは地上に落下していった。

「よく闇から帰ってきたな、ネギ」

「はい、おかげさまで…人間はやめちゃいましたけれども」

「まーそれは仕方がない…とりあえず金魚に降りようか」

「はい」

と、私たちは金魚の甲板に降り立つ。

「千雨さん…ネギ先生…」

「ネギ先生…千雨さん…」

聡美と茶々丸がそんな風に私達の名を呼ぶ。

「ただいま、聡美…それと茶々丸、無事…ではないみたいだけれど具合はどうだ?」

「はい、なんとか…主機、記憶チップ、量子コンピュータの三大重要機関は無事ですし、循環系も漏洩部は全て封鎖済みです」

「それはよかった…と言いたくないほどの損傷具合ではあるけれどな」

「そうだよー特に胸に食らった一撃は3センチずれていただけで主機関損傷だったんだよ」

「ハイ…ですが敵の奇襲を受けた際に咄嗟に体が動いてしまい…」

そう茶々丸がしゅんとした様子で言う。

「怒ってはないさ、茶々丸…でも自分のことも大切にな?お前が死んだら私たち…いや、皆が悲しむ」

「ハイ…ですが、この機体が壊れても記憶メモリが無事なら私は死んだ事にはなりません、それに…ネギ先生やみんなのお役に立てるなら…」

「ふうむ…そっか…茶々丸はそう考える訳か…確かにそういう考えもあるけれど…やっぱり不正解」

と、聡美が茶々丸にデコピンをする。

「記憶だけじゃ魂は維持されないかも知んないでしょ…全く、その意味では貴重なサンプルなんだからちゃんと自覚を…せっかくネギ先生とした仮契約が無効になる可能性だってあるんだし…ね?」

まあそれは、復活した茶々丸が元の茶々丸ではない事の証明でもあるので試したくもないが。

「とにかく、皆さん無事でよかったです。祭壇まで行きましょう」

「了解、ネギ君。千雨ちゃん、茶々丸さんをコパイシートに運んでくれる?」

「わかった、行くぞ、茶々丸」

そう答えて私は茶々丸を抱えてコックピットに運ぶのであった。

 

「千雨さん、スイマセンがフェイトとの決戦は僕に任せていただけませんか?」

コックピットのコパイシートに茶々丸を配し終わった時、ネギが言った。

「助太刀無用…って訳だな?さっきの火のフェイトモドキより本物のフェイトはずっと強いぞ?お前ひとりでは恐らく互角…私とお前の二人がかりならば十中八九勝てるぞ」

「わかっています…ですが、そうしたいし、そうするべきだと思うんです」

「フフ…まあ、お前はフェイトと友達になりたいんだったな…」

そう言って私はため息をついて続ける。

「わかった、一応フェイトはお前に任せる…だが、万一お前が負けるか時間切れが近くなった場合は介入するからな?」

「はい、それでかまいません…ハルナさん、お願いします」

「りょーかい、ネギ君。それじゃあ上部の祭壇に向けて出発進行!」

という訳で私たちは宮殿上層部の祭壇に向かった。

 

「先生ッ」

「待ちくたびれたよ、ネギ・スプリングフィールド」

祭壇に到達した私たち…否、ネギに対してフェイトが声をかける。

「ネギ君、大丈夫?大丈夫なのね!?」

「はい!全て僕に任せてください。ただし、戦いになった場合、余波がどれほどになるか予測がつきません。備えてください」

「…お前が負けるか、5分前になったら介入する、それまでに決着をつけろ」

「はい!行ってきます!」

そう答えてネギはフェイトに歩み寄っていった。

「ネ…」

「先生ッ…」

そしてネギはフェイトの眼前で雷化を解いた。

「先生!」

「なんてことを!術式兵装…雷化の変身を解くなんて!」

「ネッネギ君!?それはマズイよ、いくら交渉するつもりだって武装解除は…!」

「大丈夫だよ、アレでも…まあ武装解除する意味はねーけど」

「そーですねー先生、もう人間やめちゃっていますからー」

そんな会話をしていると祭壇の反対側にクーたちが転移してくる。

「できれば話し合いで決めたい」

「…本気で言っているとは思わないね」

そうネギとフェイトは言葉を交わすとにらみ合い…唐突にフェイトの拳がネギの顔面に振るわれる。

「いっ…いやぁッ!!!」

「さっきの言葉、信じていいんだよね!?千雨ちゃん!」

そうして、土煙が晴れるとそこには健在なネギの姿が現れる。

「そういうことか」

事情を把握したらしいフェイトに対してネギはニッと笑うと脇腹に拳を叩きこみ、吹っ飛ばした。

「フ…フフ…京都で僕は君に今はまだ無理だと言ったよね…遂にここまで来たか」

「オスティアで君は僕に何も知らないただの子供だと言ったね、全てを知り、僕自身の答えを携えて来たぞ」

「その答えは受け入れられない」

「ああ…だから拳でわからせてやるって言ってんだ、フェイト」

「フ…」

「先生…!」

「ネギ君!」

「千雨さん、ハカセ…結局ネギ先生はどうなっているのですか?」

戸惑い交じりのブリッジの空気に茶々丸が私たちに問う。

「端的にいえばーマギア・エレベアを完全に己に取り込んだー的なやつですねー」

「まあ、わかりやすく言えば、それだな…マギア・エレベアと一体化したというのがより正確だが」

「ス…スゴイ…」

「ネギ先生…なんていう子なの…」

「ナギ様の息子が世界の運命を懸けて…こんな場面に居合わせるなんて信じられない…」

「でもそれって…」

ハルナは私達が言葉を濁した部分を察したように言葉を紡いだ。

 

「ハセガワチサメはいいのか?ネギ君、彼女は僕らの戦いに十分介入しうる戦力だ…僕でも一蹴するのは難しいだろう」

「千雨さんには待機してもらっている…余程、長引かなければ僕らの戦いが決着するまでは静観してくれる…はずだ」

「なるほど…大した自信だね、ネギ君…じゃあやろうか、ネギ君」

フェイトがそう言ってネギとフェイトが激突する…最初は格闘戦から始まり、それはネギの有利で決着した。フェイトは吹き飛ばされ、1001本にも及ぶ魔法の射手でネギが追撃を入れ、さらには恐らくは同規模の魔法の射手を装填した桜華崩拳を放つ。が、フェイトは石化の邪眼でそれを迎撃、ネギはレジストしたものの、攻守が転換する。そして石化の邪眼を避け続けて距離を取ったネギにフェイトは石化の息吹を放つ。

「いけない!石化の雲!」

「石化の…!?あんなおっきいの見たことないよ」

対するネギは石化の雲を避けながら雷の暴風を詠唱、雷の暴風が雲を吹き飛ばすと共にフェイトに向かっていった。

「出たぁ雷の暴風」

「や、やったのですか?」

「いや、まだだ」

フェイトがネギの背後に現れる。

「千刃黒曜剣」

フェイトの召還した数多の刃がネギを切り刻まんとするが、ネギはそれを巧みにいなす…が、その隙にフェイトは無数の石杭を召喚していた。

「万象貫く黒杭の円環 ジャック・ラカンは凌いだよ、君はどうだいネギく…」

フェイトが言い終わる前、石杭が殺到するよりも早く、ネギは雷天大壮状態となって杭の間をすり抜けてフェイトをぶん殴った…うん、すり抜けられるなら私だって動き出す前に対処する。

「フ…ククク…ハハハハハ」

ネギの雷撃連打を受けて吹き飛ばされたフェイトが笑い、雷化したネギにカウンターをかました。

「くっ」

「ネギ君、その技への対策は君の師匠が全国ネットで公開済みだろう、ダメだよネギ君、この戦いで出し惜しみは無しだ」

「え…これで満足か、フェイト」

若干戸惑ったネギは雷天双壮状態となり、問う。

「ああ、大いにね。かのJ・ラカンすら対応できなかった君の独自魔法…見事だよ僕からも称賛を送ろう」

「――いつも無表情な君が今日はよく笑うじゃないか」

「楽しいからだよ、ネギ君。僕にとってはこの戦いこそが…唯一の望みだった」

「唯一の望み…だって?」

そう言葉を交わしながら断罪の剣と石剣で剣戟が始まる…

「唯一だって…?君の僕への評価がそれほど高かったとは意外だね」

「フッ…さあ見せてもらおうか、君の全てを」

そう言って剣戟が続く…後ろで脇でアスナ争奪戦が始まっているが約束もあるし、グッドマン先輩達も飛び出して行って戦力も十分だし、何より介入してフェイトがなりふり構わなくなっても困るので放っておくことにした…ら、戦力比からの予想に反して調とやらはアスナを儀式の定位置に戻す事に成功した。

「調さんの粘り勝ちだね、君の仲間も頑張ったようだけれど。調さんに感謝すべきだよ、ネギ君。姫御子が祭壇にいないまま儀式が不完全に発動すれば6700万人の『人間』は弾き出されて火星の荒野に投げ出されるところだった…最悪の事態だよ、君達のせいでね」

「儀式自体を止めて見せる、そう言ったろう、フェイト」

「ならば」

と、フェイトはネギの断罪の剣を握り、干渉して砕いて見せた。

「僕を殺して儀式を止める他はないね」

そう言って振るわれたフェイトの石剣をネギは拳で迎撃して折って見せた。

「殺すなんてしない、フェイト、僕は…」

そんな甘いことを言うネギにフェイトの拳が決まる…まあそんな甘い理想を掲げるからこそ、私は世界の命運をネギ一人に預けたのだが。

「甘いよネギ君、甘すぎる。その甘さで…世界を背負うつもりかい?」

そうといながら放たれた蹴りでネギは吹き飛ばされるがすぐに体勢を持ち直して拳と共に答えた。

「ああ、そうだ」

そこから激しい乱打戦が始まった。

「見事だ、本当に見事だよネギ君…今の一撃はJ・ラカンに匹敵する」

「君こそ、フェイト、あのラカンさんが反応しきれなかった僕の…雷速近接格闘に対応できるなんて信じられないよ」

「フフ…くくく…ハハハハハハハハハハ」

フェイトは笑いながら地を裂く爆流を発動させる。

「何がおかしい!?フェイト!」

「ハ、君こそ今笑みがもれていたよ、ネギ君、楽しそうな笑みだ」

「えっ…ウソ―ー」

残念ながら、本当である。

「ようやく分かったよ、ネギ君、これが…これこそが!!」

と、クロスカウンター…そしてフェイトの蹴りがネギを吹き飛ばす。

「―ー楽しむってことなんだろう。J・ラカンが言っていた、もっと楽しめと。君は今、僕の力を超えつつある、それはそうだろう、なぜならそれは闇の力!!君の得た力はまさしく我が主と同じもの。だが…分かっているのかい?その代償の大きさを」

「ああ、分かっているさ、その覚悟だ、どんな力だろうと使い尽くして君を止める、君を殺しもしない」

と言っているとネギとフェイトの意識が上方に逸れた。

「…ほお、これは…!」

つられて私達も上空に意識を向ける…すると

「そんな…アレは…!」

「地形一致、間違いありません…」

「あー…膨大な魔力によってゲート経由で繋がったのか…」

「麻帆良学園…?」

まさしく、麻帆良学園だった。そして突如として突風が吹き始める。

「皆…ッ」

皆を案じてそう叫んだネギがフェイトに吹き飛ばされる。

「ゲート向こうと繋がったのは確かに想定外だ、だがそれも今はいい。両世界の運命はいずれこの戦いで決まる、今はこの場が、この戦いが全てだ!!」

フェイトがそんな感じのキマった台詞を叫んでいる頃、こっちはこっちで大変なことになっていた。

「くうう、ネギ君にフェイト君、容赦ないわねぇっ!茶々丸さんどうなってる!?」

「いけません、精霊炉不調、操舵不能」

「この程度の竜巻で!?」

「ただの竜巻ではありません、魔力乱流です」

「あくまでも魔力濃度差に伴う突風だ、時期におさまる…それまで耐えられねぇか?って、左舷!」

と、飛んできた浮遊岩が金魚の左舷にぶつかる。

「魔力乱流ゆえ、浮遊石も大小問わず飛んできます」

「早く言いなさいよッ死ぬわよッ…ってギャアアァ吸い込まれるーッ」

「先ほど千雨さんがおっしゃったように、恐らくは両世界の魔力濃度の差から生まれる現象ですねーこれ」

「ちなみに、このままいくと異界境界越境の瞬間に我々が船ごと圧潰する危険が76.2%…千雨さんが障壁に魔力を注いで頂ければ多少はマシになりますが、5割は切りません」

「冷静に分析してんじゃないわよーッ」

尚、今から皆を連れて飛び降りるというのは一瞬脳裏をよぎったがもっと危険なのでなしである…一人なら何とかならんでもないが、ともかく、聡美や茶々丸、ハルナを置いて逃げる気しない。

「ハルナーッ」

「ダメッ逆推進全開でも効かないわ!アンカー発射!!1番から3番」

そうしてアンカーが発射され、祭壇に食い込む…がすぐに床ごと砕けてしまった。

「「げ」」

「「あ…」」

「ギャアアアッ」

「どうしましょう、千雨さん」

「…ハルナと茶々丸に任せて後は祈るしかできん」

珍しく少し慌てた様子の聡美にそう答えて抱きとめる。

「よ~し来た来たぁ、まさにグレートパル様号最大のピンチ、これぞまさにクライマックスシーンね」

「え…エンジン圧力ダウン、噴射停止」

「流れに任せて下降(?)する、千雨ちゃんは境界突破に備えて緊急障壁に魔力を込めて」

「了解」

「艇長!!両側から巨岩接近!!」

「ぎぇぇ~!?くっ」

と、ハルナはアーティファクトの『落書帝国』で巨石に対応した…が

「さすがパル艇長…はっ、前方にさらなる巨岩」

「間に合わないわ、使用できる全砲門ひらけ、全弾発射!!降魔魚雷1番2番発射!」

「弾着確認!精霊砲スタンバイ!」

「主砲発射ッ!!」

「発射!」

前方の巨岩が砕け散る。

「突破!異界境界接近!」

「うげげ、でもこいつは…!ま…まずい、ものすごい圧力…!!障壁全力展開!このままじゃ船体が…うぅおおおっ」

…と言っている間に私たちは無事?に麻帆良上空に到着した。

「精霊炉ダウン!?これは…」

「ッ!そうだった、魔法世界用に調整された精霊炉はこっちじゃ使えん!」

「何ですって!?ええい、翼操作で何とか着陸するわ!つかまって!」

「千雨さん…」

どんどん高度を下げる金魚の中、聡美を強く抱きしめる…こうなったらとっとと脱出と言う手も使えるのではあるがそれは無粋と言う物であろう、これくらいならコックピットの保護機能的に死にはせんだろうし。

そうして…まあ何とか無事?に胴体着陸に成功し、私たちは一足先に麻帆良学園に帰還した。

「いてて…皆、何とか無事みたいね」

「おう」

「はいー」

「なんとか」

皆の無事を確認するとハルナは外に出るべくハッチを開こうとする…が。

「くおっ何だコレ扉が歪んで…ふんっ」

と、歪んで開かない扉を落書王国で吹き飛ばしやがった。

「さーて…私達も行きましょうか…茶々丸を治してあげないと」

「そうだな、行こう…私が茶々丸を運ぶ、聡美は戦いの歌を発動してついて来てくれ」

「ハイ」

「よろしくお願いします、お母様、ハカセ」

そうして、なんかわちゃわちゃしていたハルナと一部クラスメイトを無視して私達は研究室に急いだ。

 

「そー言えば、戦い放って来ちゃいましたが、千雨さん、どうされるんですかー?」

茶々丸の修理…と言うかボディの換装作業を始めて、少し落ち着いた頃に聡美が問うてきた。

「うん、戻るよ…見届けにゃならん、私にもその責任がある」

シレっと片手間で展開した観測装置から送られてくる情報は戦いの中断を示していたが、きっとそれは最後の決着までの間であろうと私は感じていた。

「では…あとは任せてください…ご武運を」

「うん…本格的に戦う事はないだろうけれども…行ってくる」

そうして研究室を飛び出した直後、急速に魔力の高まりを感じる。

「ぐっ…始めやがったか…千の雷と引き裂く大地…それに…何だコレは」

二つの極大魔法のみならず、それに何らかの干渉を私は感じた。

 

巨大な爆発を見届けた後、とりあえず私は観戦していたらしいマスター達に合流することにした。

「おや、千雨か…戻っていたのか?戦いを放棄して?と言うかその姿…どれだけの深度で魔法を取り込んでいるんだ」

「はい、少し事情とトラブルが重なって金魚に乗って…ちなみに魔法の取り込みは深度自体は変えてませんが多重で…専用魔法6つと千の雷ですね」

「そう言えば飛来物に懐かしい金魚型の飛空艇がありましたね…あれですか…と言うかなんという無茶を」

「フム…それはさておき、一応決着はついたようじゃな…アレは和解…かの?」

「あーなんか、ネギの奴、フェイトと友達になりたいとか言い出しまして…」

「それでですか…」

若干、あきれた雰囲気が場を覆う…が、黒い光線がネギとフェイトを貫いた。

「なぬっ!」

「いけません!アレは!」

沸き立つ溶岩の中から何者かが現れ、さらにデュナミス、加えて複数の造物主の使徒が現れる…

「始まりの魔法使いか!」

「そのようですね…まずいですな」

何とかしてあっちに戻らにゃならん…自前の転移魔法と言う手を考えていたが間に合うか…?

「オイ、千雨、貴様は儀式を何とか止めろ、始まりの魔法使い達は私がジジイどもと何とかする」

「了解です…ちなみに運んでくれたりは…」

「するわけないだろう、自力で跳べ」

「はーい」

「わしらも向かうぞ、婿殿はわしが運ぼう」

「お願いします」

という訳で私達はそれぞれ転移魔法を編み始めた。

 

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