例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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115 モラトリアム編 第5話 体育祭

そうこうして月は変わり、体育祭まであと二日となった日…夕映がついにネギに告白したらしい。そうして…情報から遅れること暫く、当の本人が戻ってきた…のは良いのだが。

「そのパク何とかカード持ってる人!挙手!!そして提出!」

「「「「ええーっ」」」」

…気がつけばネギが女の敵だとかいう話になって…同意はするが…なぜかこう言う話になった。

「これは体育祭を前にクラスの結束がかかった大問題よ!!正直に出しなさい!!」

という柿崎の言葉に皆は次々と仮契約カードを取り出して掲げた…あ、那波の奴、隠してやがる。ちらりと視線を向けるが、恐ろしい威圧感を感じてと口をつぐむことにした。

「17人?」

「いや、アスナと委員長もだからさらに+2人」

「じゅ…19人…クラスのほぼ3分の2…」

「ちなみにこっちの3人とハカセはネギ先生とじゃないから、そこよろしく」

「いやまって、ハカセはって事は千雨ちゃんはネギ君とキスしたの!?」

「うっせー、色々あったんだよ」

「んーまあ、そこは今はいいわ!と言うか私達、クラスの波に乗り遅れてる?」

柿崎はそういうと廊下に飛び出して行き、釘宮と桜子もそれに続いた。

「うおおおおっ、待ってて、ネギ君!今すぐお姉さんが奪ってあげるわ」

「はーい、ストップ、ストップ!ただキスしても出ないからねー」

…そして、駆け出していったのを朝倉に止められていた。その後、ネギの糾弾大会が始まり、体育祭最終日のイベントへの干渉というか、まあ…バカ騒ぎの開催が決まったのであった。

 

 

 

そうして、魔法世界でのプロ資格など知るか(参加資格にはプロ資格保持者の出場禁止規定がないので)という事で出場したウルティマホラで準優勝(優勝はクー)をもぎ取った学園祭最終日…遂に全体イベントが始まった。

「みんな本気だなー」

「ポイント100倍ですからねー」

「それもあるけど、ネギ君の為にもいっちょがんばらないとね」

「…ちょっとやり過ぎな気もしますけどねー」

と、私は超の残していった立体映像投影技術で司会の朝倉とその背後霊のさよを投影する聡美のそばにいた。

「ま、二人はネギ君に迫る役は無理だからサポートよろしくね」

「おう、まあ任せとけ。やり過ぎと判断したら止めに回るけどな」

「ネギ先生争奪は本気の方々にお任せしましょー」

なんてことを言いながら狙撃班に合流する朝倉を見送って観戦していると、予定通りゆーなの魔法禁止弾がネギに直撃した。

「おー命中しましたねー」

「臨戦態勢なら対応できるかもしれねーけど日常モードなら無理だよ、アレは」

「という事は…あ、コタロー君と高畑先生と明石教授がネギ先生に接近していますー」

「まあ、その辺りは楓たちに任せて、私たちは冷やかしといざという時のストッパーだな」

「ですねーあ、位置的に柿崎さん達がネギ先生確保できそうですねー」

そう、聡美がモニターを見ながら言う。

「ってことはチア部三人組がパクティオーか…」

と、思ったのではあるが、いつまでたってもパクティオーの光が発生しない…カモが事情を知ってあの辺りに…正確にはネギの近くに…待機しているはずなんだがな?

「あ、クーさんと遭遇しました」

「げ…最悪復活できるとはいえ、スプラッタルートもあり得るか、こりゃ」

「それは…クーさんのトラウマ的に回避したいですねークーさん通信機持っていましたっけ?」

「…持つわけないだろ、あいつが」

「ですよねー」

なんてやっていると、クーがネギに告白をかまし、そして全力でぶん殴ろうとした所を投げられた。

「セーフですー」

「だな…そろそろ私も行ってくるわ」

「はーい、お気をつけてー」

聡美に見送られて、私も冷やかし半分、真面目さ半分でネギの元に向かった。

 

私がネギの元にたどり着くと、丁度ネギの魔力が回復した所であった。

「よう、ネギ」

「ち、千雨さん!?」

「ビビんなって、ちょっと冷やかしに来ただけだって…ま、楽しんでいるか?」

そう言って私はネギに笑いかける。

「え…えっと、ハイ…楽しいです」

「それは良かった…ダチとバカやったり、好きなコ誰とか、告白するかどうかが一大事だったり…そーゆーどうでもいいことが大切な、麻帆良の日常…コレが私達が帰る場所で、守るべき場所さ…わかるな?」

「はい…」

「お前は…私達は…それを忘れちゃなんねぇ、忘れたらきっと奴らと同じになっちまう…」

ネギに、そして自分に言い聞かせるように、私はそう言葉を紡ぐ。

「千雨さん…」

「祭に水差してわりぃな、だけどこの役割を務められるアスナまでこっちに来ちまったことだし…一度言っておかなくちゃなんねぇと思ってな…じゃ、後は思いっきり楽しめ!3-Aの連中は手ごわいぞ」

「はいっ」

そう告げ、アスナと茶々丸が様子を窺っていることを確認して私はその場を立ち去った。

 

「でーどうしますーコレー」

「うーん…どうしようか、コレ」

聡美の元に戻った私は朝倉からの情報でネギに本命がいるらしいという事を知った。まーネギとアスナなら返り討ちに出来るだろうと思っていた…のだが、まさかのザジ参戦である、それも本気モードで。

そうして、悩んでいると気づけば明日菜が討ち取られてしまった。そしてそれでできたスキを突かれてネギが異常状態になり、立ち直る前に現れた那波のアーティファクトの毒牙にかかり、ネギは那波の従属下に入った。

「これはやり過ぎ…ではー?」

「そうだな、間に合うかわからんが止めてくる」

「わたしも、念のため秘密兵器を用意しておきますねー」

「うん?何のことかはわからんけど、そんなのがあるならば頼んだ」

「はいー頼まれましたー朝倉さんが生中継も始めましたしー急いでくださいー」

 

「そういう事でーッ」

「逃げたーッ」

という事で、皆のもとに再び向かった私が見たのは雷の煙幕とそこから飛び出る、ネギを担いだユエとノドカだった。

「内紛…か?」

「あ、千雨ちゃん!手伝って!」

「ヤダよ、つうか、従属化はやり過ぎだ、お前ら」

ネギたちを追うハルナ達に私は言う。

「む…千雨ちゃんのジャッジはそう来たか…でもまだあきらめる訳にはいかないっ!」

「まー簀巻きにして問い詰めるまでは許すからがんばれ、那波とノドカのアーティファクトは禁止な、つー事でがんばれ」

「くっ…自分はハカセとラブラブだからってこの子はっ…」

私はハルナに警告を発して、ハルナの捨て台詞は無視し、観戦モードに戻った。

 

その後、アキラがネギと仮契約した光でネギが発見されたが、すんでの所でアキラのアーティファクトで離脱、その後ネギ達は短距離転移を繰り返して逃走していった。

それに対してハルナ達は…えぐい手を使用した…茶々丸による逃亡先候補の水面をピックアップに、桜子の直感により待ち伏せ場所を選定…までは良いのだが、エヴァを召喚しやがった。

そうして寮の大浴場に網が張られ、その直後にネギ達は網にかかった。

「…止めるべきだろうか、コレは…いやまあいいか、ザジは通したし、エヴァも通しで」

と言っていると夕映とノドカも参戦し、抵抗を見せた…が、あっという間に追い詰められてしまった。そして、わずかに交わされた舌戦もエヴァの魔法で終わる…かに思えた。

「あ…そっか、五月か…エヴァに口で勝つには五月がいたな」

エヴァの氷瀑を翼で受け止めるザジと、五月と五月を運んできたクーという光景が目の前に広がっていた。

『千雨さーん、私もそちらに向かっていますので、お迎えお願いしますーというか今、更衣室で着替え中ですー』

と、同時にそんな通信が入った、ので五月とエヴァとの舌戦を聞きながら更衣室へと向かった。

「どーもですー」

「お、アスナと刹那と木乃香も…ってことはネギ側か?」

「はいー秘密兵器の準備が整いましたのでーアスナさんにここまで連れてきていただきましたー」

「という事らしいからハカセの運搬よろしくね、千雨ちゃん」

「ああ、任された」

という訳で、私はハカセを抱いて浴室へ戻り、五月がエヴァに舌戦で勝った?後にハルナがネギと女の子の真剣勝負だと宣っているところに登場する事になった。

「ハーイ、待った待ったーッ」

「ギャアア」

そんな掛け声とともにアスナがアーティファクトを床めがけて投擲し、ハルナ達が悲鳴を上げ、一度飛び上がった私たちは皆の前に飛び降りるように登場した。

「アスナと…ハカセに千雨ちゃん!?」

「こんなこともあろうかと!ネギ君の本命を知るべきではない決定的材料を用意しておいたよ!」

そう言って(学会以外では)珍しくスイッチオンな聡美は超家家系図と書かれた本を見せつけた。

「そっ…それはあの超 鈴音の禁断の秘密兵器家系図!?」

「燃えたはずじゃ?」

「バックアップは基本よ!そう!これにはネギ君が将来誰と結婚するかが記されているはずだよね!これを見ればわざわざネギ君に聞く必要もない!さあ、とくと御覧じろ!」

と、たぶん私だけにわかる程度に悪戯っぽく笑いながら家系図をめくり、開いて面々に見せつけた…あ、コレ、偽物か。

「は…」

「白紙…?」

「そうです!夏休みのネギ先生とあなた方の行動により、未来が変わったのです!この世界線において、今後何が起こるかは誰にもわかりません」

だが、そうだとしても、超が持ち込んだ『超の世界線の出来事を記した家系図』はその影響を受ける事はない筈…やっぱり偽物だな。

「未来は白紙、つまりみんなにチャンスはあるってこと…だってさ」

そう、アスナがまとめた…アーうん、コレはネギラブ勢は裏切るか。

「スマヌ、パル殿、裏切り御免」

「な」

「ああー楓姉ズルイ」

「僕達も裏切るー」

「み…みんなにチャンスがあるって言うなら」

「無理矢理今好きな人を聞き出すんは逆効果って気するなあ」

「ぬ」

「ああーッちょっとあんた達ーっ!?」

意外にも楓が先陣を切り、次々と裏切りが発生する。

「ごめん、パル、ゆーな!私達、やっぱ、ネギ君につくよ!」

「てことで反撃ーッ」

「ギャーッ」

「なんでこーなるのー!?」

「ハーレムエンド反対ーッ」

個人的に、ネギが管理しきれる範囲であればハーレムアリだと思うがね、英雄色を好むともいうし…危ういコイツを支える女は多い方がいい…私は聡美がいるからその役割は断るが。

「やれやれ」

「んーでもネギ君、ホンマは誰のことが好きやったの?」

「このか!?それ聞いちゃったら意味ないでしょー!?」

「アカンかなー第三者的立場のお姉さんとしてネギ君の本命のチェックを…」

「ダメッ」

こうして、体育祭最終イベントを乗っ取ったバカ騒ぎは終わりを告げたのであった。

 

 

 

その夜…後夜祭の花火を背に夕映がネギにバカ騒ぎの謝罪とか、ネギが想いを抱えて100年の旅路へと赴くのであろう事…そしてプロジェクトへの参加表明をしていた…が。

委員長をはじめ、茶々丸を含めた他のネギラブ勢が乱入…ネギの取り合いが始まった。

「フフ…救世主も大変だな…しかしあの調子だと本命以外に押し切られてしまうんじゃないか?」

「これニセモノなんですけどね~」

「あ、やっぱ?」

「あの子はそういう強引な姐さん女房の方が合いそうだけど」

「ふん…」

「これでいいのかしら」

「ええんちゃう?」

「うわー…」

「…でも、確かによかったかも、これなら私がいなくても大丈夫だね」

「アスナ…」

「アスナさん…」

「ん?」

そう言っていると、ネギが意味ありげな優しい笑顔をこちら…観戦している面々に向けた。

「わわ?」

「今の何々?ネギ君なんやろ?あの優しい笑顔、あの状態でアスナ見てあの笑顔って。やっぱ本命はアスナちゃうんかな~」

「ふぇ?な!?何言ってるのよッ今のは私見てたんじゃないわよッ!!わわ、私目がいいから視線見えたけど、今アイツが見ていたのもっと左!こっちのだれか!こっちの誰かが本命じゃないの!?エヴァちゃんか、龍宮さんか、千雨ちゃんか、ハカセか!」

「あん?」

と、エヴァ。

「いや、それはないだろ」

と、真名。

「てことは~アレ?」

「千雨さんは渡しませんよー」

「聡美は渡さんぞ」

声を揃えて私達はそう反応した。

「あー言えない、ってそういう方向の可能性もあるなー横恋慕かぁ…確かにネギ君、よくお茶しながら話していたよね…二人と。最近はフェイト先生とコタロー君も交えてみたいだけれど」

と、美空が言う。

「あーまあ、研究仲間という方面が主だが、色々と話は合うな…聡美は渡さんけど」

「ネギ先生が志を違えない限り、共に行く事は決めていますがー千雨さんは渡せませんねー」

「だよねぇーこれはもしかしてもしかすっと色々面倒な地雷だったりするねーネギ君の本命」

「そうか?私としてはむしろその方が面白いがな?ククク…ぼーやの本命が千雨かハカセだった日には…いや二人ともいう線も…」

等とエヴァが言い出したが、とりあえず黙殺しておくことにする。その背後では、カモにネギの本命を聞き出そうとして刹那が本命だったらどうするんだとアスナに言われる木乃香がいたりする。

 

 

 

 




本作のネギ君の本命?本作は『概ね』原作沿いですとだけ。
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