「うわあぁああぁぁあぁあアスナぁアスナあぁ」
「ぐ…う…うっ…くふっ…」
アスナが光の中に消えていった…その直後
パシィッ
そんな音がした…超のタイムマシンの発動音である。
「あ、あれーここって…出発してすぐじゃ…」
「「「「「へ…」」」」」
「たっ…ただいまー」
…そこにはアスナと超とエヴァがもう一人と…多分大人になった私と聡美とがいた。
「「な!?」」
「え…ア、アスナさん?でででも今その…ちっ超さんに、エヴァさんが二人…それと大人な千雨さんとハカセさん…?」
「ア……ス…ナ?」
そうして、私たちは帰還したアスナに駆け寄っていった…
「ハハハハッ、こんなこともあろうかと私、タイムマシンに加え、次元跳躍並行世界往還装置『渡界機』を開発してたネ」
「どこまで天才なんだよ」
「いや、実際はかなり開発大変だたがネ、エヴァちんやハカセに千雨さんの協力もあたヨ」
私らもかよ。いやまあ、生きていれば手伝うだろうけど。というか手伝ったから来たんだろうけれども。
「つまりはこういうことアルネ」
と、超が図解で説明した事には、超による改変前の世界線から、改変後の世界線の100年後…あとで聞いた話にはアスナが寝坊して130年後らしいが…に渡界機で移動し、そこからタイムマシンで目覚めたアスナを連れてこの時間にやってきて…世界線が分岐したらしい。
「な、なるほど」
「で、でも超さん…と100年後のエヴァちゃん、千雨ちゃん、ハカセ、なんでここまでしてくれたの…?」
「ふん…約束を守れなかった男からの頼みでな」
「うむ、次元を超えてエヴァにゃん達から協力依頼されたヨ」
「まー私はお前を100年の眠りにつかせた側だからな…ご褒美だ」
「そーいう事ですねーそれに『こー言う世界』も興味があったのでー」
…こーいう世界?と浮かんだ疑問を深く考える間もなくエヴァが続ける。
「…大体、貴様にあんなシリアスな役は似合わん。貴様のようなアホはくだらん友人どもと益体もない日常を過ごし取るに足らん人生を生きた後、畳の上とかで平凡に死ぬがいいのさ」
「う…」
「あ、あのでも…超さん、100年後のエヴァさん、千雨さん、ハカセさん…あなた達はどうされるんです?僕達とは違う時間軸のあなた達は…」
「私は私の世界に帰るネ、この世界を見れたことで満足したヨ、まあせっかくだし卒業式までは付き合うがネ」
「私はこれでもいろいろと忙しい身でな…まあ詳細は秘密だが、フツーに未来に戻って生きていくさ」
「私達も同じく…だな、グラニクスへの出張の予定もあるし…」
後でアスナに聞いた事には万博への出張ということだろうか。
「ええー不死者であるのは一部にはバレているんですけれどもねー幸い、科学者としては受け入れて頂いていますー」
「そうなのか…いや、まあ元気そうでよかったよ、未来の私達」
「そうですねー人類社会の中で研究者を続けられているのは幸いですー」
「まあ、その辺りは貴様ら自身の功績が大きいな…ぽっと出の馬の骨が不死者だとバレたら狩られるだけだろう」
そう、未来のエヴァが言った。
「それより、ネギ坊主は自分の心配をするべきネ」
「うむ。これからの貴様の100年は相当キツいぞ、まあしっかりやれ」
「とはいっても、茶々丸も私達もできる限りは支えてやるだろう…が、全ての鍵は、お前だ、ネギ」
「そうでしたねー懐かしい日々ですー」
「フン…まあ用事は済んだ、帰るぞ」
「はいよ」
「はーい」
「送るヨ」
そう言って未来の私達が去っていこうとする。
「ま、待ってエヴァちゃん、千雨ちゃん、ハカセ!あっちのネ…アイツは何であんなことになっちゃってたの?エヴァちゃんとおんなじ身体になってたんならあんなことにはならないハズでしょ?もしかして…未来で何か悪いことが…?」
おろ…その言い方からすると…ネギは未来では死んでいるのかな…?まあ、始まりの魔法使いとの戦いなど、色々と危機はある。
「フ…安心しろ、あっちのアイツは満足して逝った、お前の事は悔いていたがな。こっちのソイツがどうなるかは貴様次第だ」
「大丈夫ですよーこれほどの奇跡が起きたんですから、未来は明るいはずですよー私達と同じだけ頑張れればーですが」
「そうだな、もしアスナがいれば…私達にとってはそう言うifの物語だからな、この世界線は」
そう、未来の私達が応じる。
「そうだぼーや、未来を一つ。貴様は100年後の世界では皆からマギステル・マギと呼ばれていたぞ」
「へっ」
「それもメガロ政府が出している『マギステル・マギ』資格などという小賢しいものではなく…古くからの、人々の口の端から自然とそう呼び習わされることとなる、真の意味でのマギステル・マギとしてだ」
「え…ホ、ホントですか!?とっと…父さんと同じ…?」
「うむ、ネギ坊主」
「だけど…まあそうなるかはお前次第だ、ネギ」
「だが、まあそれもこの時間軸では危ういかも知れんなぁ、貴様のその有り様では」
「へ…」
そう言って未来のエヴァはアスナの服の裾を掴むネギを見る。
「あっ、いえ、ここれはッ」
「エヘヘ」
「なぁ超、千雨、ハカセ、アスナを戻したのは失敗だったかもしれんなぁ」
「確かに、アスナを失った事で芽生えた自立心が彼の成功の要因かもしれないヨ」
「まあ、その場合は…私がやってくれる…かな?」
「いえーアスナさんが戻ったことで罪悪感が薄まって千雨さんも頑張りが低くなる可能性もー」
「えっ、こっちに飛び火すんの!?」
そう、今の私が答える…確かに、アスナを眠らせた罪悪感が薄まったのは事実だが。
「ううむ、この世界の行く末が不安ネ」
「あっちのぼーやはすごかったがなぁ」
「そうだな、私もそれは保証する、こっちのネギがどうなるかは別だけども」
「私達も頑張りましたけどー中核はネギ先生でしたからねー」
「だっ大丈夫です!しっかりやります!」
「私だって!悪いことなんか起こさせないわよ!」
「その意気だ、どう呼ばれるかはこれからの貴様達次第、これより先の未来は白紙、貴様達のつくる未来だ、進めガキども、明日へと」
そう言って未来の私たちは帰っていった。
それから…色々な事があった。卒業式後の告白大会に、卒業旅行を兼ねたインド旅行で国際会議に出席…帰国後、後に国際太陽系開発機構へと発展的解消する火星開拓準備機構の立ち上げ宣言…その後の高校生活と機関所属の研究者としての二足の草鞋で過ごした3年間、そして大学は博士号で飛び級したことにして、国際太陽系開発機構に専念、様々な技術革新を巻き起こし、名前をさらに高めると共にブルー・マーズ計画の為に尽くした。
そうしてネギ16歳の夏休み…始まりの魔法使い…ヨルダとの決戦…厳しい戦いではあったが、なんとか勝利を収めた。概略としては、先行していた私達の目の前で小惑星アガルタに寄生したヨルダが覚醒、聡美を含めて随伴していた非戦闘組の護衛にコタローを残して私、ネギ、フェイトが吶喊した。
その後、デュナミス渾身の召還魔軍と遭遇、私とフェイトがそれを受け持ち…3時間が経過した。その頃には召喚魔もだいぶん削れており、残りをフェイトに任せて私も突入…したところで艦隊を相手していた取り巻きの一部が登場、交戦に入った。1対1ではもはや私の方が圧倒的に強いのであるが、消耗した状態で1対多となると一蹴とはいかずに時間をかせがれた…そうしているうちに、デュナミスがネギとヨルダの戦いに介入…均衡が崩され…かけた時にこちらの増援が到着し…その後は大決戦が行われ、私とネギの二人がかりでヨルダをボコってついにはアスナの支援が通って依り代たるナギ・スプリングフィールドを殺害…現れたヨルダ本体を暦のアーティファクトで停止させ、ネギとアスナが止めを刺した。そうして…魔法理論的にはありえない奇跡は起きた。
ナギ・スプリングフィールドの生存である…昏睡状態とはいえ、彼は生存しており、2年後に目を覚ました。そうして、物語はハッピーエンド…とは終わりはしない。むしろ魔法世界救済の物語の確たる宇宙開発はこれからであるし、順調に進んでいる前期計画も目は離せない。事細かに全てを語るわけにもいかないので抜粋して話を進める。
・ネギ争奪戦
ネギ争奪戦を制したのは茶々丸であった。他の皆も頑張りはしたのであるが、最終的には馬車馬の如く働くネギと共に過ごせる時間の長さで差し勝ったというべきだろうか。一応茶々丸からまた聞きした話では、あの体育祭の日時点での本命は別人だということで…懐かしい思い出として知りたいような、知りたくないような…である。
そして、茶々丸の願いで私と聡美の遺伝子マップを利用して疑似的に茶々丸の遺伝子マップを作成し、ネギの遺伝子マップと掛け合わせてクローニング技術の応用で一子を設けた。
この、私達から見ると孫娘にあたる子以外に私たちは子を作らなかった…少なくとも現在までは…事もあって、すこぶる可愛がったのは別の話。
・同性愛の生殖技術の話
少し私達も関係してくるというか、孫娘の件で少し触れたが、クローニング技術の応用と人工子宮の開発で同性同士でも子供を望む事は容易く…はないが、不可能ではなくなった。刹那と木乃香も結婚後、その技術を利用して子供を設けた。
・超包子
高校卒業後、フランス・中国・トルコに留学に出た五月の手で麻帆良に世界三大料理店チェーンとして再誕した超包子、その初期費用には私達も多分に出資した…というか、元々の超包子を一度整理した時に私達の持ち分として返って来ていた分を戻した。そして、発展した超包子は私達に多額の利益を与えてくれた…が、まあ特許とかで十二分に稼いでいる私達は配当をそのまま再投資した…結果、100年後、惑星間外食チェーン…恒星間探査船にも出店しているのでコレで呼び名が正しいのかは知らん…として君臨している超包子の大株主として名を連ねている…尤も、度重なる資本増強で最初の持ち分程大きいわけではないが。
・UQホルダー
不死者や人外達の互助会…そんな組織をネギは立ち上げた。エヴァは当然として、人ならざるものと化した私や茶々丸、割と後年になってその存在を人外化した聡美も後には所属する事になり…まあ、気づけばそーいう存在と定命の人々との摩擦軽減目的で国連とも連携する事となりと…色々とこちらの仕事も忙しい。
・研究者として
端的にいうと大成功であるし、寿命からいって私たち3人は21世紀以降の研究史にちょくちょく顔を出す事になるのは確定と言われている。まあ、私達が100人、いや1000人分の仕事ができても世界の科学者の総数は(特に魔法の普及も伴って教育レベルが上がってからは)そんなもの圧倒する人数がいるので一応はうまくいっている…今の所。ハンデというか席巻してしまわないように多少の取り決めとかもあるのではあるが。
なお、現在では麻帆良の3賢者の呼び名はネギ、聡美、私に与えられている。
それと、22世紀に入ってしばらくした頃の国際会議で人名に由来する法則名はできる限り使用しない旨が決議された。理由?ハカセ・サトミの第何法則だとか、ハセガワ・チサメの第何法則だとかネギ・スプリングフィールドの第何法則だとかは可愛い方で、ハカセ・ハセガワの第何法則とハセガワ・ハカセの第何法則とがそれぞれ別の法則を指す言葉として乱立した挙句の果てである。
・火星独立戦争
フェイトガールズたちの意志、ネギの正義感、私達の道徳心等いろいろありアリで戦争・紛争の抑止や貧困の解消などに努めてはいたがそれでも避けられない、解消しきれないことはある。その一つが火星独立戦争である。一応、太陽系開発機構の構成員としての権力で火星側の自治権の尊重を訴えるなど、抑える方向に動きはしたが、それでも行き違いと過激派のテロなどが引き金となって戦争は起こってしまった。とはいえ、その規模は火星全土に波及するモノではなく、最終的には魔法世界各国や恒星間探査船団自治政府などを含めて加盟する星間連合組織成立のきっかけとなった事もあり、災い転じて、という言葉を使いたくはないが、適用しても良いのではないか、という結果にはなった。
・こうして歴史は繰り返す…のか?
少し時間は遡る…21世紀後半のある日…多くの中等部3-Aのクラスメイト達は老婆となっていたが、それでも全員がこの場に集まった…超を含めて。
「いよいよですのね」
委員長が呟く…私達、いや人類の尽力の結果、火星緑化計画は予定を大幅に前倒して完遂が宣言された…そして、アスナが目覚める時も前倒しになったのである。
パシッ
空が光り、若き日のアスナが降りてきて無意識のまま着地して崩れ落ちる…のをネギが受け止めた。
「ん…う…ネギ?」
「はい、アスナさん」
「ネギ…ネギッ」
そう言ってお姫様抱っこされたままのアスナがネギを呼び泣き出す…が
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おかえり、アスナ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
取り囲むように私を含めて皆が言った…当然、老婆のアスナも。
「へ…?もしかして…皆?3-Aの?」
「そーだよ、アスナ…眠りにつくのを私達に秘密にして…悪い子だねぇー」
代表するようにハルナがにこやかにいう。そして皆次々に若き日のアスナに言葉をかけていき…
「おかえりなさい、私」
最後にアスナがアスナに声をかけた…
「えっ…おばあちゃん、もしかして…私?」
「そーよ、色々あってね…詳しくは後で話してあげるから…まずはお疲れ様パーティーね」
そう言って老婆のアスナは若き日のアスナに悪戯っぽく笑った。
そして年甲斐もなく…昔に比べればおとなしくなったが…どんちゃん騒ぎを繰り広げた後、アスナに一部ネタバレをする場が設けられた。
「えーっ超のタイムマシンで!?」
「そうよ、おかげで眠りについてすぐの時代に戻って…色々大変だったけれども楽しい時間を過ごすことが出来たわ…」
「そうネ、次元を超えて千雨さんからその話を聞いた時はびっくりしたネ」
そうしてごく軽く現状を説明した後…私は口を開いた。
「さて、アスナ…お前には2つの選択肢がある」
「選択肢…?」
「そう、選択肢だ。一つはこの時代に残って生きていく」
「その場合は良ければ私の家族になって欲しいかな、無理強いはしないけれど」
そう言って老婆のアスナが子供のアスナに笑いかける。
「えーズルいですよ、アスナさん、ぜひ僕達の養子に…とまあその辺りもゆっくり考えていくとして、ひとまずはゆっくり体を癒して頂いて…その後はどう生きたいか仰って頂ければ精一杯サポートしますよ」
と、ネギ。
「と、まあある種の予定通りだな、多くのクラスメイト達を見送る事にはなるだろうが孫とお婆ちゃんみたいな歳関係だがみんな受け入れてくれるだろう…
そしてもう一つは…超のタイムマシンで過去へと戻る事だ」
「大変ですがやりがいはありますよー」
「うむ。ああ、別にタイムパラドクスとかは気にしなくていいネ、アスナさんがどうしたいかだけで選んでくれてかまわない」
「と、いうことです。もっとも今すぐに決める必要はなくて暫くはゆっくりして頂いて…」
と言いかけたネギの言葉をぶった切って若き日のアスナが言う。
「大丈夫、決めた、私、過去に戻る!」
「えっ…アスナさん、そんなにすぐ決めなくても…」
「今にも私がいるんでしょ?それなら、私は過去に戻って皆と同じ時間を生きて行きたいな」
「うん…そうだよね、私ならそう言うよね」
と、老婆のアスナが苦笑いをする。
「さすがアスナさん、ご自身の事を一番よくわかっていらっしゃいましたね…出発はいつにしますか?」
と、ネギ…多分こうなるだろうとは元々老婆のアスナが言っていた通りである。
「すぐにでも!」
「…わかりました、では超さん、お願いできますか?」
「ウム…では皆にお別れと…同行者はどうする?」
「アスナさんがよければ僕と…」
「あたしかな?かまわないかな、アスナ」
そう、ネギと老婆のアスナが言った。
「うん、大丈夫」
子供のアスナがそう答え…
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「いってらっしゃい、アスナ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「いってきます!みんな!」
そう、クラスの皆に送り出され、アスナは過去へと旅立っていった…こうして、歴史は繰り返す…のだと嬉しい。
この世界は十二分にハッピーエンドと呼べる世界なのだから…