例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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文章量少なめにつき、本日二話目です。ストック量も難アリですが。


127 人生編 第9話 五月の帰還と麻帆良の拡大

2010年5月、フランス、中国、トルコの3か国への留学を終えて五月がついに麻帆良に帰ってきて一か月…新築された超包子本店で超包子幹部会メンバーとお料理研究会幹部クラスとで4夜連続の夕食会を催す事になった。先の3夜の料理担当は五月で、一夜ごとにフレンチ、中華、トルコ料理のコース料理で五月の腕のお披露目会であり、4夜目が五月監修、担当お料理研究会の超包子チームで開く五月のお疲れ様会である。

「三日間、お疲れ様でした、五月さん」

「ホント、御馳走さま、五月ちゃん」

特別ゲストのネギと取材を申し込んできたのでついでに招いた和美が4夜目にやって来て五月に挨拶をする。

「お楽しみ頂けたのであれば何よりです。ぜひ今晩もお楽しみください」

「はい、超包子は今でも利用させて頂いていますし、修行してきた五月さんの監修でどんな味になるのか楽しみです」

「そうだね、各国料理コンクールで優勝をかっさらってきた五月ちゃんの腕はみせてもらったし、今晩は管理方面の腕前、見せてもらうかんね」

「はい、楽しみにしていてください。超包子を守ってくださっていた皆さんの腕に私のレシピを合わせた味、中々のモノですよ」

そう言って五月は自信満々の顔をした。

 

「うん、十分旨いな」

正直、五月直々の味には少し劣るが、最近食べていた超包子の味とも少し違った中華という感じである。

「そうですねーですが五月さんの味というよりはここ3年間の超包子の味って感じがしますね」

「ええ、五月さん自身の味とは少し違いますがとっても美味しいです」

「うむむ…コレは中々美味アルネ」

「皆さん、呑みこみが良くって、少し指導しただけでコツを掴んで一気に伸びてくれました」

「いいねぇ…超包子の今までの料理とは少し違う感じがするけれどもこっち方面での展開も考えていたりする?五月ちゃん」

「そうですね、この超包子本店は今までの飲茶系統メインとは異なる中華料理店という形で経営していく予定です。それが軌道に乗ったらフランス料理、トルコ料理も経営、監修していきたいですね」

「成程…それは楽しみだね」

と言った感じの幹部+ゲスト席である。

 

「いやー四夜連続ごちそうさま、おまけにインタビュー迄させてもらえちゃって…ほんと言う事無いよ」

「までって、インタビュー…取材が本筋だろうに、和美は」

「それもそうだね、千雨ちゃん」

「お忙しい中、四夜もお付き合い頂き、ありがとうございましたネギ先生」

「いえ、こちらこそ楽しい夜をありがとうございました、五月さん」

楽しい時間も終わり、ゲストのお見送りの時間である。

「それではネギ先生ーまた機構でお会いしましょう」

「うむ、ネギ坊主お互い精進は欠かさぬように」

「はい、ハカセさん、クー老師、それではまた」

そう言ってネギと和美は去っていった。

 

「という訳で、五月の帰還パーティーは終わって超包子本店の運営メンバーの腕も確かめられたな…合格で良いと思う」

「そうですねー場合によってはー所長としての接待にも使用させて頂く事もあるかもですねー」

「うむ…お値段的に日常使いは難しいアルが祝い事の際はぜひ食べたいアルね」

「では、予定通りのスケジュールで超包子本店始動という事でよろしいですね」

「「「異議なし」」アル」

五月の言葉に私達、超包子幹部会はそう答えた。

「お料理研究会とも協力してフレンチやトルコ料理の方面も力を入れて行かないといけませんねー」

「そうだな…先日公開されたから言うけど、第二期軌道エレベータ計画での麻帆良湖への基部建設が決まって、麻帆良も拡大していくだろうから急ぎたいな」

「そうですね、この本店は運よく公表前の契約となりましたけれども、地価なども上がっているようですし…労働者の方々向けに従来店舗の拡充を先にした方が良いかもしれませんね」

「そうだなぁ…インサイダー情報になるから黙っていたけれども商機は確実にあるからな」

「町中華系の早い安い旨いタイプの店舗をいくつか展開してもいいかもしれませんねー」

「おっ、それは嬉しいアルね」

「そうですね、麻帆良湖周辺に店舗を借りられるようならば、営業する準備をしてみましょう」

「どうせやるなら派手にやろう、聡美とも相談したんだが、超包子のプール資金とは別に1億位までなら出資できそうだから必要ならば言ってくれ、場合によったらそれ以上捻り出せる」

「ありがとうございます。人手という意味でもお料理研究会との相談も必要ですが、それだけ資金があれば色々と計画をつくれそうですのでまた幹部会で相談させてください」

という事でその日の幹部会は終了という事になり、解散となった。

その後、何度か会議を重ねた結果、将来を考えて2か所で店舗を買い取り、また別の2か所で店舗を借りて町中華を新たに開店する事となり、後々まで繁盛するチェーン店、超包子のきっかけとなるのであった。

 

 

 

「いやーやっぱり高いですねー店舗家賃も店舗自体の買収もー」

「そりゃあそうだろう、麻帆良湖への軌道エレベータ建築誘致に成功してこの辺りの地価は爆上がりだからな」

「新時代の象徴、宇宙への階段ですからねー暫く民間開放はされないにしてもそれを期待して値上がりしますかぁー」

今や麻帆良は学園都市であるだけでなく、宇宙への出入り口として将来の発展が約束された都市である。というか、学園都市の研究都市としての側面が軌道エレベータの麻帆良誘致に役立ったという面はあるのであるが。

「正直、特許収入の運用を麻帆良の土地、宇宙開発関連企業の株、超包子への出資のどれでするか悩ましいレベルではあるな。研究費は別にして」

「億単位でがっぽがっぼですからねー特許収入…茶々丸用の装甲板や魔力缶がこんな儲けになるとは思いもよりませんでしたねー」

加えて、国際機関の局長職の私と所長職の聡美のお給料が入る。

「軌道エレベータの構造材にマナ科学の基幹技術だからなぁ…良心的なパテント料でも恐ろしい事になるのは当然か」

尚、時々新技術の特許を出しているので、今ほどの額にならずとも、特許料収入が途切れるのは当分ないだろう。

「で、麻帆良市も開発が進んでいくわけですが…自宅の評価額もえげつない事になりそうですねー結局、貸地でなく買い取りで建てましたしーかなり敷地も広いです」

「そうだな…都市計画次第ではアトリエ引き払う話にもなりかねないし、その時は大分色付くだろうなぁ…」

私達のアトリエは現在の麻帆良市郊外の住宅地にあるのでこれから拡大していく麻帆良市を高密度化する再開発には巻き込まれる位置にある。

「まー職場が宇宙に移転する可能性も考えたら色々と備えておくべきでしょうねぇ…」

「あー事務局の軌道上移転計画かぁ…10年後くらいの予定とは言え研究局の全面移転は勘弁してほしいなぁ…と、言うのはいつも言っているな」

「そうですねぇ…低重力環境の利点もありますが、色々と危険もありますからねぇ…精々研究所一つ置く位が妥当だとは思いますよ?開拓が進んだ火星に移転とかならともかく」

「ただ、事務局が軌道上に移転するならば私のオフィスは軌道上に移すべきという話も分からなくはないからなぁ…」

「それは…そうですねぇ…その場合、私も軌道上に上がるか別居ですかー?別居はちょっと…」

「…まあ、長距離転移ゲートでも使うか、最悪の場合は退職するか…一人分の収入で十分食っていけるんだし、自前の研究費もあるし」

軌道エレベータでの昇降だと毎日通勤と言う事が難しいくらい時間がかかるので。

「そのカード強力ですよねぇ…まあ、色々なモノと引き換えですが」

そう言って聡美はくすくすと笑った。

 

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