例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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17 ネギ着任編 第2話 再会

授業が全て終わり、ネギ先生を呼びに、そして(準備が済むまで)足止めしに行く係に立候補した私は、職員室を訪ねたが、先生は不在だった。

一度教室に戻り、その旨を伝えた後に、ネギ先生を探しに出た。

幸い、噂になっているネギ先生を追跡するのは極めて容易で、最寄りの礼拝堂近くの大階段下にネギ先生…とアスナ、そして大階段を下っているのどかを見つけた。

 

あ、なんかヤな予感がする

 

そう思った直後、のどかが足をまずい方向に捻って階段から落ちた。

助けに飛び出そうとした矢先、ネギ先生はあろう事か極めて目立つ大杖…まぎれて生きるんだからもっと目立たない発動体を持とうぜ…を構えてのどかに浮遊術らしきものを行使してからダイビングキャッチした…アカン、バレた…

 

そう思いながら様子をうかがっていると、アスナが杖ごとネギ先生を拉致った。

…うん、のどかにばれないようにその場で問い詰めなかったのはファインプレイだな…よし、とりあえずのどかのフォローをしようか

 

とすっ

 

大階段を飛び降り、のどか近くに着地する

「大丈夫か?のどか」

「あ…うん、千雨さん。ネギ先生に助けてもらったから」

そういって少し頬を染めた…うん、魔法バレ方面は大丈夫そうだな

「足は…痛むか?」

少し足を確認する振りをして一応治癒魔法をかけながら尋ねた。

「えっと…大丈夫…痛くないです」

「そうか、なら本を集めるのと運ぶのを手伝うよ」

「あっ…でも…」

「総合図書委員の雑用だろ?これ。私の借りた本もあるし、今度はネギ先生が助けてくれるとも限らねぇし…何より、私の役目、アスナがネギ先生拉致っちまったから役目も無くなったしな」

そういって気を引きながら…林の浅い所で問答をしているらしき気配を感じる…もっと奥行けよ、アホ

とは思いつつも、とりあえずはのどかと共に本の運搬を済ませるのであった。ネギ先生はアスナが足止めしているという連絡を入れた後に。

 

 

 

「…アスナさん、携帯教室に忘れて行っていますね」

アスナとネギ先生の戻りが遅いとアスナの携帯に連絡を取ろうとすると、アスナのカバンからコールが響く。

「もう一度探しに行ってくるわ」

と、下足ホールに降りた辺りでネギとアスナを見つけたので踵を返し、教室に戻った…誤魔化せている気がしないのでまだ巻き込まれたくない

「今さっき、下足ホールに戻ってきた二人が見えた。そろそろ来るぞ」

教室に戻ってそう報告すると、みんなが配置につく…私は聡美の隣に確保してもらっていた席に着いた…クーと超は騒ぐ方だからと席はいらんらしい

「まったく…ネギ少年が天才なのは確実ではあるが…非常識に過ぎるよ…全く」

「どうかしたんですか?」

「んーあとで話すよ…少し長くなるし」

聡美と話をしているとアスナの叫びと共に扉が開き、直後クラッカーが連弾で炸裂した。

で、アスナが歓迎会の事をすっかり忘れていたとかほざき始めた

「…さすがはアスナと言うべきか…」

「…歓迎会を忘れているとは…さすがアスナさん…荷物を置きっぱなしとはいえよく戻ってきましたね…」

二人して呆れるのであった。

 

 

 

「千雨さーん…ネギ先生の高畑先生へのアレって…」

「いうな…聡美…色んな意味でこう…なんと言うか…非常識だろ?

そもそも関係者相手にあんなあからさまな事して…天才と紙一重な方向も併せ持っているのか?ネギ先生…」

「うーん…そういう事じゃないですかねぇ…」

聡美と二人で高畑先生とずっこけるアスナの間を往復しているネギ先生…一応周囲にはサービスで認識阻害をかけておいた…を観察しているとついにアスナが教室の外に飛び出し、ネギ先生もそれを追い始めた。

「わり、ちょっと高畑先生と話して来る」

「いってらっしゃい、千雨さん」

 

かんっ

 

と靴を鳴らす動作で認識阻害の範囲を直すと高畑先生に声をかけた。

 

「…先生」

「…うん、完全にアスナ君にはバレてるし、こう、もうちょっと節度を持って欲しいよ…ネギ君…うん、僕の方からも注意しておくから…長谷川君はさっきみたいなフォロー、お願いしても…大丈夫?」

「はい…気づいた範囲でならば」

 

そんな会話をしているうちに、ネギ先生とアスナの追跡者たちが教室を後にし始めた。

 

「一応、見てきます」

「うん、お願い」

 

その追跡者…委員長と朝倉が筆頭…に交じってアスナたちを探しに行くと階段で向かい合って楽し気にじゃれているのが発見され、朝倉を筆頭に複数名が写真を撮影し始めた。

 

そして委員長がアスナに詰め寄って行った。

うん、大丈夫そうだな、と思ったらパニックに陥ったネギ先生が杖を振りかざして記憶を喪えと叫び始めた…魔法の行使すらできとらんのだけれども…アレで殴る気だろうか?と思ったらアスナが全員ノーパンにする気かとか叫んだので少しだけ状況が見えてきた。

もしかして、ネギ少年、パニックになって記憶消去ではなくて武装解除魔法でも使ってアスナを脱がせたのか…?そりゃあバレるに決まっているだろう

私はあきれながらその騒ぎから一度身を引いた

 

その日の夜は聡美相手にいかにネギ先生がやらかしているかの愚痴を長々とする羽目になった。

 

 

 

翌日、また一限目は英語でネギ先生の授業…だったのだが、授業そのものは悪くはない…というかまあ大差の付きようがない無難な授業ではあったのだが、その途中、先生がくしゃみをしたところ、アスナが脱げて下着姿になった。そして、アスナが殺意だけで人が殺せれば、と言わんばかりの勢いでネギ先生を見つめていた。

いや、世界樹の魔力のせいでこの辺りは魔力が濃いからかもしれねぇけどさ(魔力容量の大きい魔法使いが急激に魔力量が増えたりすると相性の良い系統…たぶんネギ先生の場合は風…の魔法がちょっとした事で暴発する事はあるらしいとか何かで読んだ)、魔力制御がガバガバじゃねぇか、暴発で武装解除とか…と言うかそれで疑いを持って、黒板消しで疑いを深めて昨日ののどかので確信したパターンか…あー関わりたくねぇ…でも、まあ文通友達でもあるし…多少のフォローはしてやるか…とはいえ、直接できる事もないし、高畑先生か学園長にでも相談させるか…とか考えながら放課後にネギ先生を探していると、

 

「こ、これがあれば惚れ薬みたいなのを作れるかも!!」

 

とか叫んでいるネギ先生に遭遇した…おい、惚れ薬って一応、違法薬物だろうが(成人向けの合意の元使用される媚薬やそーいう目的の短期の品は製造販売が許可制で、手に入れるすべはなくはないとか聞いたが、明らかにそういう用途ではなかろうし)…うん、お説教

 

パン

 

手を打って認識阻害を張り(ちなみに動作は気分でやっているだけで、実際はただの無詠唱基礎魔法である)、ネギ先生に英語で声をかける

 

『なぁーにをしているのかなぁ?ネギ先生?』

『え、えっと、25番の長谷川千雨さん?な、なにか』

 

なんと、あろう事か、私を認識できていない様である…髪型…はともかく、眼鏡を外すか。

 

『これでわかるかな、ネギ少年?』

『えっ、千雨さん?同姓同名の別人じゃなくて?』

 

髪型と眼鏡だけで同姓同名の別人だと思っていたらしい。

 

『そうだよ、メルディアナでの国際会議で出会って、君と文通していた長谷川千雨だよ、ネギ少年』

『うわぁ、お久しぶりです。でも、それなら昨日の内に声をかけてくれてもよかったのに』

ネギ少年が、喜びと若干の不満を浮かべてそう言った。

『…アスナに明らかに魔法バレしていたからな、アスナと一緒にいるときは声をかけたくなかった』

『そ、そんな事は…いえ、その…バレちゃいました』

ネギ少年がズーンといった表情でうなだれる

『はぁ…まあ、アスナには最悪バレても許容できるとか高畑先生は言っていたから即オコジョ送還はないだろうけれど…気をつけろよ?』

『そ、そうなんですか?』

ネギ少年は希望を取り戻した様子でそう言った

『ああ。と言うか、少年、実技も得意だったはずだろうになんで記憶消し損ねて…下着消す羽目になったんだ?』

『それが…よくわからないんですよ…なぜか記憶を消す魔法は正しく発動したはずなのにアスナさんのパンツを消してしまって』

『無意識にレジストでもされてそうなったのか?』

『と、考えるのが一番合理的ではありますけれども…それでもなぜそうなるかはよくわかりません』

『…まあいいか。でも魔法バレ自体は明らかに修業的にはマイナスではあるからどうするかはお前自身で決断するんだぞ、高畑先生なり学園長に報告するか、隠蔽しようとあがいてみるかは』

実際は、もう高畑先生は気づいているけどな

『はい…そうですね、タカミチに相談してみます』

ネギ少年は少ししゅんとした表情でそう言った…よしよし、いい子だ。

『うん、それが良いと思う…まあ惚れ薬云々は…アスナのご機嫌取りかなんかだったんだろうけれども不問にしとこうか、違法だけど』

『えっ、そうなんですか?』

『例外的な場合を除けば、そうだって聞いたぞ?』

『里のお姉さんたちは割とそういう話していましたけれども…』

『…規則の運用上、効能が低い物は見逃される…とかじゃないか?それ』

『ダメなやつじゃないですか、それ』

『うん、本来は駄目なやつだな』

 

うんうん、と二人で頷き合う。

 

『と、それだけじゃなくてだな…ネギ、今日の授業の時、くしゃみで魔法を暴発させてアスナを武装解除…だよな?アレ…していたよな?

そう言った暴発を防ぐ魔法具と…持っていないなら、人助けをする時に使える発動媒体を借りに行こう』

『えっと…魔法具と発動媒体…杖ですか?』

『発動媒体の方は、昨日、のどかを助けた事自体は良い事だと思うけれども、基礎魔法をこんな大杖で魔法を行使したら目立って仕方ないからな…袖口や服の陰で隠せる小さな杖とか指輪や腕輪みたいなのがあれば、便利だなと思ったんだけど』

『ああ、なるほど…それでアスナさんにもバレちゃいましたし…』

あくまで止めだけどな…とは言わずに心に止めて続ける

『後、ネギのくしゃみでの暴発は…まあ、魔力容量のでかい場合に偶にある症状らしいから対策用の何かがあれば、と思っただけで詳しくはわからない』

『あ…えっと…メルディアナでも、これは匙を投げられているんですが…一応、聞いてみましょうか…』

『…せめて、何か軽減策とかはないのか?』

『一応、魔力を消費すれば頻度と威力は下がるんですが…辺りかまわず魔力消費の大きい魔法を撃ちまくるわけにもいきませんし…』

『あーなら、そう言う射撃場を借りるとか何とかする相談になるかなぁ…ほら、行くぞ』

『あ、ハイ、千雨さん』

 

私とネギ少年は、そのまま、英語で麻帆良の事について雑談を続けながら高畑先生の元へと向かった。

 

結局、その日は高畑先生と少しお話をして、アスナの事は厳重注意という事と、射撃場か何かは高畑先生も考えてくれる…ぶっちゃけ、エヴァの別荘借りると言う手もあるのだが…という事で終わりとなり、ネギ少年…もとい先生をアスナと木乃香の部屋に送り届ける…前にロボ研としての研究室部屋に招待する事になった、なぜか。

 

 

 




千雨ちゃん、ネギ君の所業をフォローするの巻。
あんまり遅くならないうちに再開・合流をさせる為にちょうど良い介入点がここでしたので…ま、結局ドタバタはするんですがね。

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