例えばこんな長谷川千雨の生きる道   作:紅シズク

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52 第1計画編 エンディング 少女の描いた夢とその結末

「なあ、聡美…超の計画ってネギを勝たせるルートだったりはしないよな?」

それは、超のお別れ会の夜に私が聡美に問うた言葉だった。

「あーその疑念に行きついちゃいましたか…千雨さん」

と、聡美は答えた。

「そりゃあなぁ…タイムマシンをネギに渡した件と言い色々と…タイムマシンの戦闘への応用を見ると尚更な」

「ええっと、実は半分当たりですー第一計画は千雨さんの察しているだろう内容だと聞いていますがー懸念材料のネギ先生たちをその世界線から排除する為に…第二計画が存在しますーその計画の世界線では…恐らくガチバトルになるだろうと…」

と、私の問いに聡美がネタバレをかます。

「あーなるほど…二つの世界線に分岐させて…タイムマシンに仕掛けた罠にかかればすべてが終わった時間に飛ばされて…そこから世界樹深部を目指して成功すれば…って事か」

と、タイムマシンが恐らく持つ特性を前提に組み上げた推理の一つを提示してみた。

「はいー第二計画の世界線に分岐する私達にとっては裏切りですが…第一計画の確実性を増す為と…第二計画は最悪負けてもいいのでー」

「…オイ?」

と、聡美の言葉に私はそんな反応を示した。

「いやー第二計画って、第一計画の亜種であると同時にある種のネギ先生育成計画でしてー」

と、聡美が全てをぶっちゃけた。

 

第一計画の世界線…つまりは私の生きる世界線ではネギ達の不在が確定した。ご丁寧に超は世界線がきちんと確定する様にネギ達が一週間分、一気に跳躍するように仕込んであったとも待機期間の間に聞いていた。

 

 

 

そして…世界を管理して見せると言った超の計画は、ある意味成功し、ある意味失敗した。

混乱は最小限に収まり、マギステル・マギ達、善意の魔法使いの活動も活発化し、また魔法の軍事・テロへの転用も私が危惧した程のものではなかった。

2003年の8月下旬に発生した同時多発ゲートテロにより本国との関係が途絶…その後の麻帆良事件と呼ばれる一件の後、生き残りのために各国魔法協会が国連や現地政府に協力をはじめる事となる。特に、魔女の国イギリスと関西呪術協会を抱える日本、そして人種の坩堝アメリカは元々比較的政府と魔法組織との距離が近く、力を伸ばした。言うまでもなくそれらの国々はアメリカという超大国とその同盟国であり…その結果、陰りが見られていたパクス・アメリカーナの再来となった。

 

 

 

あの日、ネギが消え去った後の魔力に触れた私はある存在と邂逅し、私の魂に刻まれた言葉のルーツを知った…それは彼女の娘だった魂に刻まれた葬送の言葉であり…輪廻の果てに無数に散ったその魂の一片を宿す存在の一人が私で、何重もの奇跡の果てにその力を目覚めさせた…が、数多に千切れた魂の欠片ではさほど大きな力は無く、世界樹の魔力と相性が良くなり、色々と才能に恵まれる代わりに闇の悪夢に捕らわれると言うだけの物らしい、少なくともいらん事をしなければ。と言う訳で、気が向けばまた会いにおいで、と誘われ、後にも麻帆良地下の彼女の下を時々訪ねる事となるが…それは私にとって一人の友人が増えただけの事であった。

 

 

そして…

「母様ー」

「ああ、走ってはいけません」

火星開拓の前線基地への出張から地球に帰った私は娘と茶々丸(が、地球に持つ体の一つ)に迎えられた。

「ただいま、美雨…いい子にしていたか?」

と、美雨を抱き上げる。

「うん!茶々丸お姉ちゃんやママのお手伝いもちゃんとしていたよ!」

「ええ、いつも通り、いい子にされていましたよ」

と、茶々丸が美雨の言葉を肯定する。と、少し遅れて二人の女性がやってくる。

「おかえりなさい、千雨さん」

一人は聡美…

「おかえり、千雨サン、五月がご馳走を用意して待っているヨ」

もう一人は超である。

「ただいま、聡美、超」

「あ、ママ、鈴音さん」

「もー美雨、ママと千雨さんの事待ってよーねって言ったでしょ?」

と、聡美が到着ロビーのギリギリまで駆けて来ていた事から想定していた通りの事態を言う。

「美雨が元気良いのはいつもの事ネ…千雨さんに似て…容姿はハカセそっくりだが、中身は千雨さんの幼い頃とそっくりネ?」

と、超がため息をつく…そう、この美雨は超の専門の一つである生物工学の技術による人工授精で私が産んだ正真正銘、聡美との実子である…一応、技術自体は一般公開されており、費用面で十分に広まっているとは言い難いが、不妊治療の一種だと思えば男女間の顕微授精より高額ではあるものの、中流家庭でも覚悟を決めれば手の届くくらいの額である。

 

 

 

私と聡美は色々あって、正式に恋人同士となり、麻帆良学園にも復学というか飛び級して後に博士号も取得した。その後、超の計画の一環で火星開拓関係の事にも尽力し…20代の内に麻帆良大学の理学部と工学部にそれぞれ教授として迎えられ、魔導科学と呼ばれる新分野の始祖として讃えられるほどの名声を得ている…研究は概ね好きにできているし、家庭も円満である。同居している超はアメリカという超大国の一極支配に近い体制に苦虫を噛みつぶした様な顔を時々する事はあるものの、致命的な事態のコントロールという方向では概ね上手く行ったこの世界での人生と研究、多角化している超包子の経営を楽しんではいるようで、概ね幸せそうである。そして、半同居状態である五月は超包子のレストラン部門担当の役員兼総料理長を任されており、いくつもの店舗をうまく切り盛りしているし、料理の腕・厨房の差配能力共に当代一と謳われている。

 

「千雨さん」

美雨を茶々丸に預けて聡美に近づくと聡美に抱き付かれた。

「どうした?聡美」

「えへへ…おかえりなさい…愛しています、千雨さん」

「ああ、ただいま…私も愛しているよ、聡美」

そう答え、私はそっと聡美を抱きしめた。

 

 




これにて、第一計画世界線はエンディング。少なくともこの世界線では千雨さんはハカセと結ばれて婦妻しております。そして、超一味…超と五月さんと茶々丸の一人(複数ボディー持ち)と同居していて美雨ちゃんはみんなに愛されて育てられております。
UQホルダー編の色々は作者がフォローできていないのもあり、始まりの魔法使いとかはアスナの消滅とかと共に色々なかった事になっていて、魔法世界は完全なる世界計画で住民ごと消滅…という事になっています、少なくとも公式には。次回は第二計画編という名のネギま本編ルートに戻っての連載…になるといいな(続きをうまくかけずに第一部完のノリでここで終わる可能性が無いとは言っていない、一応執筆はしているけれど

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