その夜、ネギが楓と仮契約をし、就寝となった。厄ネタに関しては明晩、ネギと相談してから皆に話すかは決めるという事にして聡美には闘技場に戻ってから、という事にした。そして夜が明けて…
「――ぼーず、てめぇは確かに強くなった、この短期間で驚くほどにな。まあ、俺という師匠がいればこそだが…成長の速度で言えばナギを超えたかもしれん」
「ほ…本当ですか!?」
「それでもあのフェイトにはてんで敵わないだろうがな」
「ですよねー」
嬉しそうだったネギがズーンと落ち込む。
「ま、仕方ねぇアレは奴らの中でも最強の部類だ、ナギが苦戦したくらいだからな、映画見たろ?」
「…映画…あの映画…色々と聞きたい事はあるんですが…」
「あん?もう無料昔話サービスタイムは終了だぞ?」
「わかっています…あの映画が本当だとするなら『黄昏の姫御子』…アスナさんは未だにこの世界にとって重要なキーであるハズです」
…魔法無力化能力から薄々気づいていたがやっぱり黄昏の姫御子ってアスナの事かよ…と内心突っ込みを入れる。
「ふむ?」
「と、いう事はフェイトが今何を企んでいるにせよ…アスナさんが危険です!アスナさんのことをまず考えなくては…」
「あの騒ぎの後だ、警備も最大レベルまで強化されている…奴らも昨日の今日で手は出してこねぇだろ。新オスティア市街にいる限り、お嬢ちゃんは安全さ。それでも心配なら俺がさらに特注の護衛をつけといてやる、任せとけ。
それより今は目の前の拳闘大会に集中すべきだ、大会に優勝してアコちゃん達を解放してやるんだろ?」
「う…」
「戦場では常に目前の状況に集中せよ…大会優勝もできねぇようじゃフェイトにゃ到底かなわねぇぞ?」
「…ッ…わかりました!お任せします!」
「よぉし!!!それでこそ我が弟子!
もっとも、今のお前なら拳闘大会優勝は楽勝だろうがな」
と、おっさんが私に合図をする…合図をしたら黒板を押して持って来てくれ、と言われてずっと甲板の端っこで二人の話を聞いていたのだ、私は。
「えーっ!?そうなんですか?」
ネギが驚く…が、正直カゲタロウのガチモードと私のガチモードくらいだろうな、ネギとコタローペアにとって脅威となるのは。それもどちらもソロであるのでペアでなら何とかなる…はずである。
「よぉし、久々に俺式強さ表で解説してやろう…ご苦労、千雨君」
「パシリに使いやがって…まったく」
と、一応軽く苦情だけ入れておく。
「懐かしいですね」
「まず、以前はあの影使い以下だったお前だが…俺という理想的師匠の下で修業した結果、既に基礎力は奴と同等か上回るレベルだ」
「ええっ?」
と、私からすると明らかな嘘…そう言えば私とやり合った件もネギにゃ直接は伝えてねーな…をのたまいながらおっさんは700強のあたりにネギの顔を描く。
「さらに『暗き夜の型』つまり闇モード起動で出力はなんと50%アップ」
「おお!」
と、1100にまたネギのキマった顔を書く。
「そして『闇の魔法・術式兵装』の発動によってさらに倍!!」
「えぇえーっ!?」
と、さらに2200にもネギの顔を描いた。
「ス…スゴイ…僕…こんなに強く…ほぼ4倍…」
と、ネギは感慨深くしている…が、実際はカゲタロウのガチモードにも届いていない。
「ちなみにフェイトの以前の予測はココ、さらに約1.5倍だ」
「ですよねー!」
「まあ、その辺の力量差は各能力を突出して上昇させる術式兵装を効率的に運用する事によって埋められるんじゃないかと期待していたわけだが…モノホンの奴は俺の見た所、予測のさらに数倍する可能性もある」
「う…」
「だが、拳闘大会は楽勝だ…そこのチサメ嬢ちゃんがガチモードでかかってこねぇ限りはな」
と、ラカンのおっさんが私に話を振る。
「…安心しろ、私は剣闘士チウとして闇呪紋と呪血紋は無しでやるからな…負けてもらっちゃ困る」
「って事はやっぱ楽勝だな。あの影使いも大戦期の猛者だ、何か隠し玉を持ってるかも知らねぇがフェイト以上という事はありえねぇ。とっとと優勝して賞金かっさらってこい、コレは師匠命令だ。まあ、よっぽどの『珍事』でもない限り、お前が負ける事はねぇよ、フェイトの事はその後だ、いいな?」
「ハイッラカンさん」
と、ネギはいい返事をして頭を下げたが…その後おっさんが浮かべた笑みは珍事を仕込んでいるに違いない笑顔であった。
「ところでよ…おっさんはこの強さ評価でいくつなんだよ」
と、私は黒板の片づけを頼まれた際に興味本位でおっさんに問うてみた。
「んーそーだな…大体…」
おっさんはそう言いながら自分の似顔絵を描き、その隣に1万2千と書き込んだ。
「1万2千って所だな」
「ほう…1万がおっさん達のレベル…エヴァのいう所の超一流って所か…?」
「そうだな、俺やナギ、お前らの師匠のエヴァ…そしてフェイトの強さがそんなもんだな」
「数倍って言ってたな…そりゃあそんなもんか…」
「おうよ、まあ10年くらい頑張れば、ぼーずや嬢ちゃんならたどり着けるかもしんねえな」
そう言って、おっさんは豪快に笑った。
そして新オスティア市街地に戻った私たちは門限破りをした闘技場に顔を出して…特に怒られる事もなく済んだが…みんなと合流し朝風呂に向かった。多少ファン達に囲まれるシーンもあったがプライベートだからと短く宣言して引いてもらう事に成功し、みんなのいるであろう奥まった場所に向かった。
「おお、やってるな、みんな」
「どうもですー」
「ヤッホー千雨ちゃん、ハカセ。お風呂位、狼姉妹モード解いたら?」
とハルナがいう。
「最近お風呂はこの姿で千雨さんに抱かれて入るのに慣れちゃいましてー」
と聡美がいつものように私に抱きしめられるように占位した。
「うわー相変わらずだねー中身を考慮しなければ年の近い親子か年の離れた姉妹かのほほえましい入浴シーンなんだけどさー」
「それを言うなら朝倉と相坂だって…ホラ」
と、朝倉の胸に挟まれている相坂人形を指さす。
「あーあっちは…あくまで依り代じゃん?」
「つまり本体だな」
「そりゃそうだけどー」
みたいなバカ話やお互いのゲートポート以降の話をしながら私たちは温泉を堪能するのであった…なんか胸をもむ女の子の痴漢が出たとか言う話は私と聡美は巻き込まれていないので割愛する。
楓の新アーティファクトにより護衛が楽になった事も踏まえ、楓、刹那、クーに茶々丸、朝倉+相坂、そして志願したハルナを探索組として送り出した後、私たちは闘技場の自室に戻った…私の試合は午後であるのでまだ試合準備も必要ないため、聡美と厄ネタトークである。
「それで千雨さんー魔法世界が火星の人造異界だと何が問題なんですかー?」
「…人造異界って天然異界と比べて安定性に乏しい傾向があってな…まあ自然に異界が発生するほどの好条件と、条件を整えてやって無理やり作った異界との違いだな。つまり…この魔法世界はいつか崩壊する可能性が高い…火星の裏界である事も考慮すれば…な。いつ、というのは計算する要素が足らな過ぎて何とも言えないが長くとも創生から現実時間で数千年程度のスパンだな」
「…ちょっと待ってください、それとんでもない厄ネタじゃないですか!?」
珍しく聡美が焦った様子で叫ぶ。
「そーだよ…まあゲートが地球から魔力を吸い上げる役目でも担っていれば多少は長持ちするが…高々12個のゲート程度では永続は無理だな」
「でも、この事を魔法世界の上層部は…?」
「多分知っているな…何かしらの対策をとっているのかもしれねぇが…」
「対策…というと?」
「人造異界の脆弱性は主に魔力不足からくる崩壊だが…どーしても火星の裏界ってのがネックでなぁ…SFみたいに現実の火星をテラフォーミングでも出来りゃ別なんだ…が…ってするじゃねぇか、テラフォーミング」
「あ…超さんの未来情報…」
想いもよらないところで超につながった。
「もしかして…その宇宙開発計画に魔法使いたちが一枚噛んでた…とか?」
「あり得ない話ではないですねー」
「なら…言うほど厄ネタじゃねーか…コレは」
「そーですねー数年以内に世界が崩壊するとか言うのなら別にして」
「…その場合は外部から持ち込んだ生命と物資…まあ最低限、移民した人間の純血の子孫は吐き出されるから間に合ったんだろ、きっと」
と、いう事になり厄ネタ度が大幅に下がったという判断を下す私達であった…そして結論を下す、ネギに相談するのは拳闘大会終了後でいいだろう、と。
「ナギ・コジローコンビ、圧勝ーッ!!決勝トーナメント出場を決定しました!!」
午前の試合でネギたちは蜘蛛魔族のコンビを、ネギがほぼ一人で下して決勝トーナメント出場を決めた。まあ当然かという感じで観戦していた私達だが、直後の試合でネギと因縁があり、現状私たちの脅威となりうるカゲタロウの試合がある事もあり、すぐにそちらに移動した…ちなみにソロで予選トーナメント出場は私とカゲタロウだけである。
「さあ、ここまでタッグ戦を一人で勝ち進み話題を作ってきたカゲタロウ選手!予選決勝においてついに新たにパートナーをエントリー!そのパートナーとは…驚くなかれ、公式の場に姿を現すのは10年ぶりとなります!彼こそは伝説の傭兵剣士!!自由を掴んだ最強の奴隷拳闘士!!」
選手紹介が始まってなんだか雲行きが怪しくなってきた…
「大戦期平和の立役者…紅き翼、千の刃のジャック・ラカーンッ!!!」
ちょっと待ておっさん…それは無かろうよ!?
「あーこれって凄くまずいのでは…?」
と、聡美が言う。
「…割とまずいなぁ…」
まさかここまでやらかすとは思わなかった。
「このサプライズには対戦相手も驚きを隠せません」
「ちょっと待て主催者、聞いてないぞっ!」
「あわわ、コレはえぇと…サ、サインもらわなきゃ!」
うん、大混乱の模様である。
「開始!」
そして無慈悲に告げられる開始の合図…におっさんは宙に舞うと右ストレートの気撃を放ち…一発で試合を決めた。
「安心しな、寸止めだ…命まではとらねぇよ」
闘技場に拳の形が刻まれるほどの一撃で、対戦相手は瀕死の様相なのだが…寸止め?まあ生きている辺り手加減はしたんだろうけれども…
「ラカン圧勝ーッ伝説の英雄の復活に場内割れんばかりの大歓声ー!」
「あのおっさん、やらかしやがった!」
「どういうわけか聞きに行くで!」
と、ネギ達と合流し、ラカンのおっさんの部屋に駆けていく…
「どういうことですか、ラカンさんっ!?」
ネギが叫びながら部屋に飛び込むと、そこには酒を酌み交わすおっさんとカゲタロウがいた。
「ん?何の話だ?」
「な…なんでカゲタロウさんが…?」
いや、そりゃあいるだろうよ…タッグマッチのパートナーだし、飲み友達っぽいし…
「ああ!カゲなあ、実はお前が腕飛ばされて寝込んでいる間、飲んでたら意外に気があってよぉ!」
「いやはや、話してみるとこれがなかなか気さくな御仁でな」
と、茶番が始まる。
「ええーっ、それも聞いてませんよ?じゃなくてッ」
と、ネギがダンッと机を叩いた。
「何でラカンさんが大会に出ているんですか、今日の朝、楽勝だとか優勝してこいとか言っておいて…」
「俺が出ないとは言ってないじゃん」
と、ぬけぬけと言い放つ…大珍事を引き起こしておいてこの反応である。
「ちょっとーラカンさんが参戦なんて珍事も珍事、大珍事じゃないですかッウルトライレギュラーですッ絶対勝てる訳がないですよッ」
「オイオイ、あきらめ早いな、やる前からよぉ…失望するぜぇ我が弟子よ」
「…そ、そうか、アレやな!?師匠から弟子への最終試験とかそーゆー…」
「そ、そうか!いわゆる免許皆伝試験的な…」
「いや、まあそれはあるだろうけれども…問題そこじゃねぇだろ…このおっさんが試験だから勝敗にかかわらず賞金はくれるみたいな事するわけねーし」
「おう、もちろん!俺が勝ったら当然賞金は俺のモンだな」
デスヨネーという奴である。
「ええーっじゃあ亜子さん達は…」
「お前の仲間の能力なら別の方法でも結構稼げるんじゃねぇの?あのハルナって姉ちゃんとか…そもそも俺に師事する前は長期戦の計画もしていたんだろう?」
「ちょっ…」
それはそうだが、現在は優勝賞金前提で行動しているのである、帰宅プランとか諸々。
「それが嫌なら俺に勝ちゃいいだろうが、勝ちゃ」
「ムチャクチャだ!」
「まあ、落ち着いて考えてみろやぼーず、テメェ…あのフェイトと決着をつけたかったんじゃねぇのか?俺様とナギは永遠のライバル、負けはしたもののフェイトとナギは同格…て、ことはんん?どーゆーことだぁ?」
と、おっさんがネギをあおり始める。
「俺に絶対勝てないとか言ってるような奴がフェイトをどうこうできるのか?ましてやナギに追いつくことが出来るのか?」
「で…でも、フェイトとラカンさんは違います!ラカンさんはなんかもっと別次元の強さって感じじゃないですか!父さんだって…」
「何が別次元だ、何も違わねぇよ。やれやれ何も見えてねぇな、我が弟子は…ボーズてめぇ『本当の強さ』が欲しかったんだろ…フェイト…エヴァ…それにナギ…俺がその舞台への扉だ、ぼーず」
「で、でも、ラカンさんっ…そうは言っても…」
「御託はいらねぇ、戦ろうぜ、ネギ」
そう言って、おっさんは獰猛な笑みを浮かべた。
「予選Jブロック決勝、北方はニャンドマのねこみとねこゆきコンビ!南方はグラニクスのチウーッ!猫獣人の魔法剣士であるねこみ・ねこゆきコンビに対するは狼獣人の魔法剣士であるチウ選手という獣人同士のカードとなっております!」
紹介に従って闘技場に進み出て観客たちの声援を聞く…キャラ的にファンサービスは無しである。
「チウ選手は本大会における現在、唯一のソロ選手!ここで勝てばソロでの決勝トーナメント進出という快挙となりますが、対するねこみ・ねこゆきペアもそれぞれが凄腕の魔法剣士!どういった試合になりますでしょうか!」
司会娘の口上を聞きながら私たちは剣を抜き、構える。
「それでは参りましょう…開始!」
キィーン カーン キィーン
私達は闘技場の中央で交錯した。事前偵察と軽く剣を合わせた感じからすると、剣士としての技量は同等、身体能力は咸卦の呪法無しの私よりは上、魔法は事前情報の範囲では紅き焔クラスまで使えるが剣技と合わせては魔法の射手が精々…と言った感じでおっさんの強さ評価だと600から800程度…が二人、コンビネーションは良し…である。当然咸卦の呪法はアリにしているので単体の能力ではこちらが優位である。さて、ここで選択肢
1)とっとと剣を収めて鉄扇術で戦う
2)魔法の優位を生かして吹き飛ばす
3)剣技と魔法の射手クラスの魔法で遊ぶ…もとい修行相手にする
まあ、真面目にやるなら1+2、鉄扇術で相手をしながら魔法でぶっ飛ばすのが正解であるが…私は3を選んだ。
「チウ選手、ねこゆき・ねこみペアを相手に一歩も引かず!剣技と魔法の射手がぶつかり合う!」
「くっ…私たちが遊ばれるとはっ」
魔法の射手と剣技の応酬で場を沸かせているとねこみの方がそんな事を言い出した。
「遊ばれ…?まさか手加減されているのか…このっ」
ねこゆきの剣筋に怒りがにじみ出てくる…がそれは悪手だ。
「みたいなら少しだけ見せてあげる」
と、挑発しながら若干単純化した攻めをいなす。
「ノイマン・バベッジ・チューリング」
「ねこゆき、落ち着きなさい!」
それをフォローしながらそんな声をかけるねこみであるが、遅い。
「拡散・白き雷」
と、私は白き雷を拡散で放った。ねこみは横に大きく跳び、範囲外に逃れたがねこゆきは離脱しきれずに障壁を展開、足を止めた…その隙を見逃してはやらない。
魔法の射手 雷の11矢
無詠唱で魔法の射手を剣に纏わせるとそのまま突進、ねこゆきの胸を(一応心臓は外して)突く…それをねこゆきは剣の腹で防ぐが…
パキャーン バチッ
刺突を止めた代償にねこゆきの剣は砕け散り、炸裂した魔法の射手がねこゆきを襲う…のを最後まで見届けずに即座に離脱、その残影をねこみが切り裂いた。
「おおっと、チウ選手の一撃がねこゆき選手の剣を砕いた!雷撃を喰らったねこゆき選手は無事か!?」
「ねこゆき!まだ戦える!?」
感電しながらもまだ健在に見えるねこゆきを私から庇いながらねこみが問うた。
「ああ…魔法だけなら何とか」
「上等!援護頼んだ!」
と、ねこみが私に切りかかってくる…と、同時にねこゆきから割と多めの魔法の射手の詠唱が聞こえる…私はニヤリと笑ってねこみと切り結びながら詠唱する…
「ノイマン・バベッジ・チューリング 雷の精霊89柱 集い来りて 敵を射て 魔法の射手 雷の89矢」
みこみの剣戟をさばきながら放たれたそれは、ねこゆきの魔法の射手を圧倒するとねこゆきに殺到する。
「ぎゃぁぁぁぁ」
「おおっと、ねこゆき選手にチウ選手の魔法の射手が殺到!これは無事か!」
「ねこゆき!」
「人の心配をする余裕…あるんだ」
と、つぶやきながら私はねこみの足を払った。
「あっ…」
倒れたねこみの喉元に剣を突き付け、こう宣言した。
「チェックメイト」
「…参った…降参するわ」
「ねこみ選手降参!ねこゆき選手…ダウンです!カウントを取ります!1、2、3」
と、司会のカウントを聞きながら剣を収め、腕を組んでねこゆきを睨みつけていると…
「11、12」
「うう…」
と、うめき声をあげながらねこゆきは立ち上がった…
「おおっと、ねこゆき選手、立った!試合続行です…?」
と、司会娘が宣言すると同時に私は剣に手をかける。
「どうなって…」
「降参なさい、ねこゆき…私はもうギブアップしたわよ」
と、立ち上がって砂を払いながらねこみが言う。
「へ?」
「まだ…やる?」
そう言いながら私は若干殺気を飛ばしてみた。
「あ…いや…参った」
やっと状況が飲み込めたらしいねこゆきはそう言って降参を宣言した。
「チウ選手勝利!なんとソロでの決勝トーナメント進出決定!本ナギ・スプリングフィールド杯においては5年ぶりの快挙となります!!」
そう、司会娘が私の勝利を宣言した。