お願いします
「かっちゃん!」
「よお出久、時間通りだな」
ボクは今かっちゃんの家に来ていた
「それが…あれか、俺の」
「うん、かっちゃんにデザインを考えてもらったヒーロースーツだよ」
「よし!早速見せてくれ!」
かっちゃんの部屋に通され、鞄からかっちゃんのヒーロースーツを取り出す
「まずは全体のデザインから、爆発をイメージした髪飾りにはノイズキャンセリングを搭載してる、爆発の轟音から鼓膜を守れるようにね」
「その辺はべつにあってもなくても俺は耐えられるけどな」
「耐えられるじゃあダメなんだよ、細かいダメージの蓄積は将来に必ず響くよ、二十代のころに徹夜とかオーバーワークとかで三十代半ばで引退せざるを得ないヒーローなんて二桁じゃあ足りないくらいいるんだから」
「…おう、わかったよ…」
「えっと、それじゃあ次はマスクだね、口元はないからアイマスクだけだね、といってもこれ自体には大した機能はついてない、強いて言えば瞬きに連動してマスクの目だし穴が閉じるってだけだよ」
「それこそいるのか?」
「うーん、ある程度表情がわからないと不安がる人もいるだろうし、ほらオールマイトみたいな素顔のヒーローって笑顔も商売道具だから、かっちゃんが不敵に笑ってるだけでヴィランにとっては恐怖だし市民から見ればもう大丈夫だっていう安心感あるし」
「お、おう…」
「次、首にアーマー、軽くて頑丈、落下しても首を痛めない、肩の稼働を邪魔しない、特に何も付いてないけど後付けで色々つけられそうだね、ニトロを細かくマシンガンみたいに打ち出す機構でもつけよっか?」
「いらん、俺を全身火薬樽にでもする気か」
「…じゃあ次はボディ、難燃耐熱対衝撃防刃防弾なんでもござれの伸縮性のあるスーツに膝にはプロテクター付き、これで不満が出るようなら全部作り直すよ」
「いや十分すぎるわなんだこれ至れり尽くせりかよ」
「いやー頑張ったよダイラタンシー流体ってのがあってね、要は衝撃を受けた時にだけ硬化する液体で、こいつを二重構造のスーツの間に挟み込んでるんだよ」
「詳しい説明は長くなるから飛ばせ」
「ごめん、じゃあ次は籠手だね、と言っても受験に持って行ったのとそんなに変わらないよ、ただ貯められるニトロのキャパシティを5%上げてある」
「またキャパシティ上げたのかよ、初期型に比べてもう3倍くらい増えてねぇか?」
「やっぱ継続戦闘にはキャパシティが大事だからね、常に最高のパフォーマンスを発揮できるようになるってのは大きいでしょ?」
「で、俺の要望書にはこの足アーマーはなかった筈だが?」
かっちゃんが指を指すのは手榴弾のデザインをした籠手と同じデザインの足アーマー
「まだ試作品だけど籠手とニトロタンクを共有できる足アーマーでシューズの裏から今掌から出してるのと同じようなことができるようになっているよ」
「移動の方法が増えるってのは良いな、今までよりも攻撃にバリエーションが出来そうだ」
「あと、要救助者を手で抱えたまま空中を飛べるのを想定してるよ」
「そうか…確かに手が塞がると何も出来ねぇ…そういうことなら必要な装備だな」
「さぁ!早速着て見せてよ!」
「おう!」
……………
「できた?」
「おう!良いぜ!」
かっちゃんの部屋の扉を開けると、ボクの作ったヒーロースーツを身に纏ったかっちゃんの姿があった
「流石だねかっちゃん、デザインの才能もあるんじゃない?」
「まあな…」
「?どうしたの?何か不備があったのかな?」
「いや、改めてこうしてヒーロースーツを着てみると…なんかこう…込み上げてくるんだよ…腹の底からっていうか…体の内側からっていうか…俺は…ヒーローになるんだって!」
「うん…そうだね…ボクも感じてる…ボクの作ったスーツを、サポートアイテムを誰かが誰かを救けるために使うっていうさ…なんだろなこれ…すごく誇らしいよ!」
そんなやりとりをしていると、扉がノック無しに開く、かっちゃんのお母さんがお茶を持ってきてくれたようだった
「ごめんね出久くん!お茶出すの遅くなっちゃって…あら!それ勝己のヒーロースーツ?凄いじゃないこんなの作れちゃうなんて!」
「あっすいませんおばさん、お構いなく」
「ちょっと勝己!そんなのつくってもらったんだから絶対No. 1になんなさいよ!」
「あったりまえだ!これがあれば負ける気しねぇわ!!」
我ながらよく出来たと思う…間違いなく、ボクの短い人生のなかでは最高傑作だ
よし、雄英高校でもっと色んなことを学んでこのスーツをさらにアップデートしよう、いっそヒーロー科の生徒のスーツをもっと作ろう
ボクは史上最高世界最高のサポートアイテム職人になろう
あの髪飾りがただの飾りとか勿体無さすぎると思ったのでノイズキャンセリングを搭載
足からもニトロ発射でグラントリノみたいに動けるはず
練習なしでもかっちゃんならよゆーよゆー