蜘蛛の対魔忍は働きたくない   作:兵庫人

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 小太郎君が○ック・リー化したり、東京キングダムに俺の指名手配書が配られたりとか、中々に愉快なイベントから三ヶ月程の月日が経過した。

 

 その三ヶ月の間も相も変わらず危険な対魔忍の任務が週一のペースでやって来たが、銀華と一緒になんとか達成していって、俺は今日無事に中学三年生の三学期終了日を迎える事ができた。

 

 明日からは春休み。春休みくらいはゆっくりしたいなと思っていたのだが、そんな祈りも虚しく俺と銀華はいつものように終業式を終えると、すぐにアサギのいる学園長室に呼び出されたのであった。

 

 対魔忍の世界は本当にブラックすぎる……。

 

 

 

「強化合宿……ですか?」

 

 学園長室に呼び出された俺と銀華がアサギに言い渡されたのは新しい任務……ではなく、春休みを使った対魔忍として更に力をつける為の強化合宿の誘いであった。

 

「そう。実は今度、私とさくらの知り合いがこの里の近くにある妙神山で修行をするらしくて、もし良かったら貴方と獅子神さんもどうかと思って声をかけたの」

 

 妙神山とは日本に百と八ある霊地の一つで、神が棲まう神聖かつ危険な場所とされ、五車の里の対魔忍達でも許可無しで入ることを禁じられている。そして超能力を使う忍者やら魔族やらが存在するこの世界では神も当然存在して、そんな神が棲まう山で修行をするという時点でどんな人物か大体想像できる。

 

「学園長とさくら先生の知り合いって、やっぱり霊能力者ですか?」

 

「ええ、『ゴーストスイーパー』よ」

 

 やっぱりか……。

 

 アサギの言葉を聞いて俺は内心でため息を吐いた。

 

 ゴーストスイーパー。

 

 それは人間に害を与える悪霊を退治する霊能力者で、この世界におけるれっきとした国家技能職である。

 

 俺達対魔忍が主に活動しているのは、「魔」の存在が世界で断トツに多い東京キングダムやその周辺が多いが、「魔」の存在が活動しているのは東京キングダム周辺だけではない。魔界からこの人間界にやって来た魔族、古くから伝承で伝わっている怪物、成仏出来なかった霊魂が変質した悪霊等、様々な「魔」の存在が世界各地で活動をしている。

 

 そんな「魔」の存在を退治するのが俺達対魔忍の本来の役目なのだが、世界各地に無数に存在する「魔」の存在に対して対魔忍の数は限られているし、基本的に対魔忍は日本政府に雇われている形なので政府からの任務がなければ動けず、どうしても手に余ってしまう。そんな対魔忍だけでは対処しきれない「魔」の存在が関係するトラブルを解決するために作られたのがゴーストスイーパーという職業なのだ。

 

 しかし妙神山に修行に来たゴーストスイーパーか……。

 

「あの、そのゴーストスイーパーの名前を聞いてもいいですか?」

 

「構わないわよ。そのゴーストスイーパーの名前は美神令子。今、日本で最も有名な最高レベルのゴーストスイーパーよ」

 

 やっぱりか……。

 

 アサギから聞いたゴーストスイーパーの名前に、俺は再び内心でため息を吐くのだった。

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