俺が右の邪眼を発動させた事により上空に現れたのは、あの四つの脚がついた巨大な鉄球と背中が接合されている八つ目のロボットだった。
「フム……」
上空に現れた八つ目のロボットは、地上で
『『……………っ!?』』
突然、俺達の周囲に凄まじい突風が渦巻き、あまりの風の強さに思わず目を閉じて次に目を開くと、俺達を取り囲んでいた
「ヨウヤク拙者ヲ呼ビ出シテクレマシタナ、頼人殿?」
「よく言うよ。今まで何度呼んでも出てこなかったくせに」
八つ目のロボットの言葉に、俺は自分が表情をしかめたのを感じた。コイツ、こんな性格だったのか?
「頼人先輩! あれを!」
「どうした? ……げっ」
八つ目のロボットと言い合いをしていると銀華が遠くを指差し、そちらを見ると先程吹き飛ばされた
原作とは違い悟空本人と戦わないから少しは楽かと思っていたけど甘かった。これも気を抜いたら死んでしまう充分にキツイ試練のようだ。
「出てきたのだったらお前の力を見せてもらうぞ『ラシュラ』」
俺はこちらに向かってくる
「承知シマシタ。……デハ、始メマショウ」
ラシュラはそう言うと一瞬で俺達の前に出て、その直後に周囲の風が一斉にラシュラに集まり始めた。
いや、風だけではなかった。この荒野にある全てのものがラシュラに引き付けられ、荒野の砂や小石がラシュラの体に接触するとそれらは光の粒子となってラシュラの中に吸収されていった。
そしてラシュラに集まろうとする風の勢いは徐々に強くなっていき、それと同時にラシュラの体が光を放ち、光もまた風と同様に徐々に強くなっていく。
「なるほど……。どうやらこの荒野もあの仮想空間のように悟空先生の霊力……いや、この場合は神通力か? とにかくそれらで作られた異空間のようだな」
「あの、頼人先輩? あれは一体何が起こっているのですか?」
俺がラシュラの体に吸収されていった荒野の砂や小石を見て納得していると、何が起こっているのか分からないという表情をした銀華が聞いてきた。
「あれがラシュラの能力だよ。
アイツの能力は、対魔粒子や霊力といった霊的な物質やエネルギーを吸収して、そしてそれを雷のエネルギーに変えることで自分自身を雷にするというもの。
この荒野にあるものは大気から砂の一粒まで全て悟空先生の神通力からできているから、ああやって吸収して自分のエネルギーにしているんだ」
対魔忍の忍法、ゴーストスイーパーの霊能力、神族や魔族の特殊能力……。これらは全て対魔粒子や霊力などの霊的なエネルギーを必要としている。
ラシュラはそういった霊的なエネルギーを周囲から全て吸収することで、敵の能力を無効化すると同時に自分自身を雷そのものにして強化する。そして雷そのものになったラシュラはまさに光に次ぐ速度を誇り、もし敵が何か別の切り札を持っていてもそれを使用する前に叩きのめす事が出来る。
能力無効化と時間停止(と思えるくらいの超スピード)。
ラシュラの能力は簡単に説明すればこの二つであり、いつの日かラシュラは自分の能力を「能力者バトル漫画で最強の能力、あるいは反則技だ」と言っていたが、それはハッタリでも何でもない事実であったのだ。
自らを雷として、修羅の如く立ちふさがる敵を尽く打ち砕く。それ故に「
「えねるぎーノ充填完了。ソレデハソロソロ参リマショウカ?」
異空間の荒野を構成している悟空の神通力を吸収して、自らを雷に変えたラシュラは行動に移した。
それから後の出来事は、ラシュラによる単なる