ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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途中、原作まんまのところあるけど、書いていてすごく心のうちを書きたくなりました。

なんて対応、してやがる………!!ほむらぁ………!!(団長並感)


第10話 虚勢?結構、虚勢を張ってこそ、人間よ

「ティロ・フィナーレ!!!」

 

マミの掛け声と共に巨大化したマスケット銃から発射される光線と見間違うような弾丸が眼前の魔女に直撃する。というより、魔女にぶつかっているはずの弾丸はなぜかマスケット銃の銃口と繋がっているので、もはや弾丸ではなく、普通にビームなのだろうが。

ともかくマミの必殺技のティロ・フィナーレが直撃した、外見が金平糖のような不定形の形をした魔女は爆発と共に消滅し、その魔女の結界だった、一面が闇に包まれていたような暗黒の空間は霧が晴れるように霧散していった。

 

「……………今回の魔女の結界。妙に暗かったな。意外と光に弱かったりするのか?」

「うーん………どうなんだろう?確かに暗いなぁとは思っていたけど………。まぁ、変に不気味な風景よりは少しはいいんだけど…………。」

 

今日も今日とて、マミの魔法少女体験コースのために彼女の魔女退治に同行していたさやかとまどか。だいぶ慣れてきたのか、今回倒した魔女に対してそんなことを述べる。

 

「二人ともおつかれ様。」

 

そんな二人に魔法少女としての姿から見滝原中学の制服に格好を戻したマミが声をかける。

 

「魔女と戦っているのは貴方だ。普通であれば、私たちが労いの言葉をかけるべきではないのか?」

「そんなことないわ。魔女と相対するだけでもまだ初めの方は結構勇気がいるんだから。」

「でも、そんな魔女といつも戦っているマミさんはやっぱりすごいと思います。それにとてもカッコいいですし。」

「そ、そうかしら?」

 

まどかの言葉に少々照れ臭そうにするマミ。どうやらあまり褒められることに慣れていないのだろうか?そんなことをさやかは考えながら帰路に着く。

 

「そういえば鹿目さんはもう願い事とか決まった?」

 

帰っている最中マミがまどかにそんなことを尋ねる。突然振られた話題にまどかは少し狼狽るような様子を見せた後に表情に僅かに影を差し込ませる。

 

「……………ごめんなさい。正直言って、まだ…………。」

「まぁ、そういうものよね。いざ考えろって言われたら…………。」

 

まどかの反応も予想していなかったわけではないのか、マミはさほど表情を崩さず、その柔らかな顔つきのまま納得するようにうんうんと頷いていた。

 

「…………さやかちゃんは、どうなの?」

「私か?そもそも大前提として魔法少女になることすら決めていないのだが…………。まどかはやはりなるつもりなのか?」

「私は…………まだ自分の中で決心はついていない。」

「……………そうか。」

 

まどかの言葉にさやかはそれだけ返すと、考え事を始める。内容はもちろんほむらのことだ。

彼女はどういう訳かは未だ話してもらっていないが、まどかを魔法少女にはさせない確固たる意志を感じることだけは確かだ。そして、その理由としてまどかが有する魔法少女として類稀な才能をキュゥべえに利用されたくないとのことであった。

 

(……………そういえば、暁美ほむらはキュゥべえにまどかの才能を利用されたくないとは言っていたが、そもそもキュゥべえは何故魔法少女という存在を作り出したのだ?)

 

物事には必ず何かしらの目的があるのが必然だ。だからキュゥべえが契約と銘打ってその者の願いを叶える代わりに魔法少女としての運命を課す。そのことにも例外でもなく必ず目的があるはずだ。

しかし、その目的をキュゥべえ自身の口から語られたことはない。

 

魔女の全滅が奴の目的?

 

確かに魔女は危険な存在だ。魔法少女を増やす理由としてはこれ以上ないものだが、それであれば、ほむらがわざわざ嫌悪感を出すほどキュゥべえを目の敵にし、まどかを意地でも魔法少女にさせたくない理由には今一歩弱い。

 

もっと、何か大きい理由が必要だ。

 

(…………となればその理由を知るにはキュゥべえに直接聞くのが一番手っ取り早いが………確証を持って言えるわけではないが、いまいち奴は信頼性に欠ける。)

「美樹さん?何かすごく悩ましげな顔をしているけど…………。」

 

キュゥべえから感じる妙なやりづらさに頭を悩ませていると、その様子が顔に出ていたのか、マミに声をかけられてしまう。当たり触らずの返答をしようと彼女に視線を向けるとキュゥべえの真っ赤な瞳がさやかを見つめていた。

 

「……………いや、なんでもない。その叶える願いのことで考えていただけだ。」

「そうなの?一応、この前願い事があるにはあるって言っていたけど、何か聞きたいことがあるのだったら、いつでも相談してね。」

「そうさせてもらう。その時はまたよろしく頼む。」

「ええ、もちろんよ。」

 

あながち事実でもないが、嘘ではないことをマミへの解答にしながら当り障りのないように笑みを浮かべるさやか。そのことにマミは柔らかな笑みを浮かべることで返した。

 

 

 

「さやかちゃん、願い事ってもしかしなくても、上条君のこと?」

 

魔女退治が済んだ後、マミと別れたまどかとさやか。夕暮れに染まっている見滝原市を歩いていると、不意にまどかが真剣な表情でそう尋ねてくる。

 

「……そうだな。どうにも私は我欲があまりない人間らしい。だから自分関連の願いはからきしだが、代わりに思いついたのが、まどかの言う通り、恭介の指を治してもらうことだな。」

「そう…………なんだ………。でも、それってーーーー」

「ああ。他人の願いを代わりに私が叶えることになる。もっともそれが恭介の願いであるという確証は全く持って得られないがな。」

「そ、そうなの………?上条君も指が動かないのなら、普通はその指を治したいって考えると思うけど………。」

「普通はな。だがそれは恭介自身の口から聞かされたものか?」

「え…………聞いては、ないけど…………?」

「ならば、それ以外も十分に考えられる。そしてその可能性を考慮せずに私が勝手に恭介の願いを叶えた気になったところで、以前にも言ったが、それこそ独り善がりの善意だ。アイツ自身の口からそれが聞かれない限りはな。そう言った意味では私の願いはかなり慎重に考えなければならない代物だろう。」

「む、難しい……………。」

「…………そうだな。確かに、難しいな…………。」

 

悩ましげな表情を浮かべるまどか、そのまどかの難しいという言葉に同意するように頷く仕草を見せるさやか。

 

「…………だから、これからも悩んでいくのが、最善で最短の道なのかもしれない。悩み、そのまた悩み、悩み抜いたその上で魔法少女になるかならないかを選択するといい。どういう訳かは知らないが、まどかにはかなり高い魔法の才能があるらしいが、選択する自由は常にまどかにあるからな。」

「………え、そうなの?」

「ああ、暁美ほむらがそういうニュアンスの言葉を口にしていた。もっとも彼女は意地でもまどかを魔法少女にさせたくないらしいから、もし仮になるのであれば彼女を説き伏せるしかないと思うが。」

「あ、あはは…………そ、そうだね………。」

 

ほむらに対して若干の苦手意識を持ってしまっているのか、ほむらの説得となると苦い表情を浮かべるまどか。

彼女は転校してきて以来、妙に他人との接触を拒んでいるかのようなオーラを身に纏っているため、どうにも関わりづらい雰囲気に包まれている。

 

「……………さやかちゃん、人付き合いって難しいね。」

「そうだな、人と人は意見の相違でお互いすれ違うこともあるのかもしれない。むしろ、最初はそれがほとんどだろう。そのすれ違いが、嘘として形に現れ、相手を区別する。」

「それは…………どうして?」

「なまじ知性が些細な誤解を生み出す。それと………これは持論だが、人と人との間であれば、個々人の感情も含まれているのかもしれない。」

 

「もちろん感情がいらないと言っているわけではない。それがなければもはやそれは人間ではなく、ただの機械となんら違いはない。」

 

「だから、感情を有する人間は、いや人間だからこそ、誤解し、衝突し合い、その先に他人とわかり合うことができる。」

「わかり…………合う…………?」

 

さやかの、まるで人が変わったかのような口調から出された言葉にまどかは驚いた表情を浮かべながら、さやかの言葉の中にあったわかり合うという言葉を反芻する。

そのまどかの言葉を肯定するようにさやかは無言で頷いた。

 

「…………できるのかな、ほむらちゃんとだって。」

「できるさ。彼女もまどかを大事に思っている人間の一人だ。まぁ………私のその彼女への印象も色々と生じている疑問点を直視していないのは否めない上に、向こうの態度もかなり考えものという、極めて薄い氷の上に存在しているようなのが正直なところだが…………。」

 

まどかの言葉に彼女を安心させるように笑みを向けるさやかだったが、ほむらのことになるとどうにもまどかと似たような苦笑いを禁じ得ないのが正直なところであった。

 

「う、薄い氷の上って…………だ、大丈夫なの…………?」

「……………もし、割れても足が水の中に沈む前にその場から離れれば大丈夫だろう。」

「ねぇ、それって最終的には穴だらけになるよね?ほむらちゃんへのイメージが穴ボッコボコになるってことだよね!?」

「……………そうとも言うな。」

「さやかちゃん!?お願いだから私の目から顔を逸らさないでーーーー!?」

 

気まずくふいっと視線を逸らしたさやかにまどかは泣きつくように彼女の腕にしがみつくのだった。

 

 

 

 

 

「……………。」

 

まどかとさやかの二人と別れたマミ。魔女を倒したにも関わらず、何故か彼女は帰ろうとせず、一人、わずかに霧ががり、薄暗くなった公園で立ち続けていた。

 

まるで、誰かを待っているかのようにーーーーー

 

「…………来たわね。」

 

その誰かの来訪を察したのか、マミがそう呟くと彼女の後ろから人影が現れる。その人影が徐々に大きくなると周囲にあった街頭にあてられてその姿が明らかになる。

そこにいたのは、彼女の友人ーーーでもなくーーーましてやーーー彼女の彼氏やらなんやらでもなく、憮然とした顔つきを浮かべている暁美ほむらだった。

その憮然とした面持ちにはどこか苛立ちのようなものも感じられた。

 

 

「…………わかってるの?あなたは無関係な一般人を危険に巻き込んでいる。」

 

マミに勘づかれていたにも関わらず、ほむらはその顔に出ている苛立ちを声に乗せているような強い語気で彼女にそう告げる。

ここでいう一般人、というのは十中八九、まどかのことを指しているのだろう。

さやかは…………ちょこっとくらいは含まれているかもしれない。具体的に言えば一割弱。

 

「彼女達はキュゥべえに選ばれたのよ?もう無関係じゃないわ。」

「あなたは二人を魔法少女に誘導している……。」

 

キュゥべえに魔法少女としての才能を見出された以上、魔法少女になるしかないと言うようなマミの発言にほむらは表情をわずかに険しくしながら彼女に噛み付いた。

 

「それが面白くないわけ?」

「ええ、迷惑よ…………。特に、鹿目まどか、彼女だけは契約させるわけにはいかない……。」

 

マミの眉間にシワを寄せながらの言葉に迷惑という言葉を使いながら、まどかにだけは絶対にキュゥべえとの契約を結ばせるわけにはいかないと強い口調でマミにその自分の意思を伝える。

 

「自分より強い相手は邪魔者ってわけ?いじめられっ子の発想ね。」

 

しかし、その彼女の意思もマミには曲解した形で受け取られてしまい、彼女に挑発的な発言をさせてしまう。

 

「…………あなたとは戦いたくないのだけど。」

 

そのマミに対して、特に表情を変えずに戦うつもりはないと言いながらもそういうこともやぶさかではないというような雰囲気を出すほむら。

 

「なら、二度と会うことのないよう努力して。話し合いだけでことが済むのはきっと今夜で最後だろうから……。」

 

告げられた最後通告とも取れるマミの言葉。その言葉は嘘偽りでもなく、もしこの場に居続ければ、彼女のマスケット銃がほむらに向けられるのも時間の問題だろう。

そのマミの最後通告にほむらは本当に戦いたくなかったのか、わずかに歯噛みするような顔を浮かべたのちに彼女に背を向け、去っていった。

 

 

 

 

 

 

次の日、さやかは前回心変わってマミの両親のお参りに行ったため、行けなかった恭介への見舞いに来ていた。見舞いの品は前回と同じような花瓶に飾れるレベルのシンプルなものをチョイスしていた。

 

「恭介、見舞いに来た…………のだが…………。」

 

病室の扉を開けながらベッドで横になっているであろう恭介に挨拶をするさやかだったが、病室の光景が視界に映るとその言葉も続かなくなる。

なぜなら病室にいるはずの恭介の姿がなかったからだ。

 

「……………手近な看護師は………。」

 

病室に恭介の姿が認められないことを察したさやかはすぐさま周囲に看護師がいないか見渡した。ちょうどタイミングよく看護師が廊下を歩いている姿を見つけられたため、さやかはその看護師に恭介の所在を確かめることにした。

 

「すまない。そこの病室に入室している上条恭介について聞きたいのだが………。」

「上条さんのですぅ………?ああ、わかったですぅ!!貴方いつも彼にお見舞いに来ている女の子ですね!?今日も来てくれたんですね!?」

「お、覚えられていたのか…………。」

 

声をかけた看護師に恭介にいつもお見舞いに来てくれている女の子という認識で覚えられていたことにさやかは少々こっぱずかしい思いを抱き、照れているような素振りを見せる。

 

「まぁ、毎日とは言いませんけど、それなりの頻度で来られたら流石に覚えるですぅ。それで上条さんのことです?それでしたら今は彼、リハビリセンターでリハビリ中ですぅ!!よければ案内でもしますですか?」

「……………いや、遠慮させてもらおう。恭介が頑張っているところに水を差すわけにはいかないからな。代わりにこの花束をさしてもらえれば、私としては十分だ。」

 

そう言いながらさやかは看護師に買ってきた花束を渡すとそのままその場を去っていった。

 

 

 

 

 

病院からさっさと出てきたさやか。外にはどこか意外そうな顔を浮かべているまどかがキュゥべえを肩に乗せた状態で待っていた。

 

「あれ?さやかちゃん?もういいの?」

「ああ。どうやらタイミングが合わなかったようだ。長居するわけには行かなかったから病室に花だけ置いてきた。」

「そうなんだ………それじゃあ、どこで暇を潰さないとね。」

「別段、この後の行動に無理して付き合ってもらう必要はないのだが…………。」

 

まどかの言葉に微妙な笑みを浮かべるさやか。その理由としては、彼女の肩に乗っているキュゥべえが原因だった。いくら魔法少女の才能があるものでなければそのキュゥべえの姿は見えないとはいえ、妙に視界に映り込んでくるキュゥべえははっきり言って気が散る存在だった。

そうと思いながらもまどかと談笑を続けるさやか。

 

「ん…………?」

「さやかちゃん………?突然どうしたの?」

 

そんな最中、さやかは突然足を止めると周囲を見回し始めた。キョロキョロと辺りを見回すさやかに気になったまどかは声をかける。

 

「………………魔女と相対した時のような寒気がする………。」

「え…………!?」

 

わずかに青ざめた表情を浮かべているさやかから放たれた言葉にまどかも驚きの声をこぼしながらさやかと同じように周囲を警戒し始める。

 

「っ…………あれだ!!」

 

程なくしてその元凶はさやかによって見つけ出される。まどかがさやかが指を指している方向に視線を向けると、そこには病院の支柱に突き刺さっている魔女の卵、グリーフシードがあった。

 

「グリーフシードだ!!もう孵化しかかっている!!」

「なっ…………!?」

「う、嘘………!?こんなところで………!?」

 

孵化しかかっているという言葉に険しい表情を浮かべるさやかと困惑気味に狼狽する様子を見せるまどか。

 

「まずいよ、早く逃げないと。もうすぐ結界が出来上がる………!!」

「も、もうそんなに時間がないの………!?」

「…………まどか、マミ先輩と連絡先の交換は?」

 

キュゥべえがグリーフシードから離れるように忠告している中、悲痛な声を上げるまどかにさやかが声をかける。その声質に焦っている様子は見られず、むしろこの状況でありながら冷静さを保っていた。そのさやかの姿に触発されたのか、まどかはひとまず落ち着いて彼女の質問に答える。

 

「う、ううん。していないよ………。」

「やはりか………くそ、テレパシーなどに頼っているからこうなる………!!」

 

この状況で一番最善手なのはマミをこの場に呼び寄せることだ。しかし、そのマミと連絡先を二人とも共交換していない現状にさやかは軽く悪態をつく。

 

「辺りにはもうこいつの魔力に浸食され始めている。この場に居続けると結界に巻き込まれるよ?」

「…………キュゥべえ。マミの居場所、お前には判別が付いているのか?」

「……………何をするつもりだい?」

「質問に答えろ。今は、時間が1秒でも惜しい。」

 

さやかの有無も言わせない言葉にキュゥべえは少し時間を置いたのちに告げる。

 

「一応ね。でもそれは大体の目星がいいところだ。正確な位置まではわからない。」

「範囲が絞れているのであれば十分だ。まどか、マミを呼んできてくれ。私はこのままキュゥべえと一緒にグリーフシードを見張っている。」

「正気かい!?中の魔女が出てくるまではまだ時間がかかるけど、結界が閉じれば、君は外に出られなくなる!マミの助けが間に合うかどうか………。」

「だからお前も一緒にいろ。そうすれば居場所をマミに伝えることができるのではないのか?」

「それは不可能じゃない。でも伝えたところで誤差に過ぎない。君は結界の中で死ぬ気なのかい?」

「違う。私は信じているんだ。まどかがマミ先輩を呼んでくれること、そして彼女の助けが間に合うことを。」

 

そう言って表情を綻ばせるさやか。そのことにキュゥべえはまだ何か言いそうだったが、それよりも先にーーー

 

「………わかった。キュゥべえ、場所を教えて。絶対にマミさんを呼んでくるから。」

 

まどかが意を決したように力強い声でそうキュゥべえに詰め寄った。そこでキュゥべえは諦めたのか、呆れたように項垂れた様子を見せると、マミのおおよその居場所を伝える。

 

「さやかちゃん、絶対にマミさんを連れてくるから!!」

 

そういうとまどかは全力疾走をしながら病院から離れていき、マミを呼びに駆け出した。そのまどかの背中にさやかは柔らかな笑みを浮かべながら手を振ることで彼女を送り出す。

 

「…………君はどうしてそんな表情でいられるんだい?」

「…………何がだ?」

 

まどかを送り出した後、キュゥべえから珍しく質問が飛んでくる。そのことに若干の驚きを抱きながらその質問の詳細を尋ねる。

 

「魔女というのはいくら魔法少女によって倒せるとはいえ、普通の人間にとっては脅威に他ならない。そんな存在相手にどうして君は平静でいられるんだい?」

「………そんな平静でいるように見えるか?」

「少なくともボクから見ればそう見えるね。」

 

キュゥべえの質問にさやかは答える前にチラリとグリーフシードに視線を向ける。グリーフシードは妙な胎動を始めており、今にも中に秘められた魔力が溢れ出そうだった。

そして、さやかのその見立ても間違ってなく、グリーフシードから魔力が溢れたのか、白い光を放ち始める。

 

「まぁ、言うのであれば、恐怖心がないわけではない。だが、その恐怖にいつまでも怯えているようでは、人は前へは進めない。時にはそれを押し殺して、虚勢を張らなければならない。それだけだ。」

 

その言葉を最後にグリーフシードからの輝きは視界を覆い潰すほどになり、その光が収まった時には所々にお菓子のような意匠が施された魔女の結界が広がっていた。

 

「…………これではもはやメルヘンの極みに到達したようなものだな。」

 

あとはまどかとマミの到着を願うのみ。さやかはそう結論づけると魔女の結界に閉ざされた空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 




本編を流し目した作者

あれ?さやかちゃんをまとも(ガンダム)にしても地雷が多くない…………?魔法少女の真実知っちゃったマミさんとか…………あばばばば(白目)

好感度調整しくじったらデッドエンド不可避で強制リセットじゃないですかやだー(RTA走者感)

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