ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」 作:わんたんめん
『ライフルビット展開!展開!』
「青ハロちゃん、お願い!」
ハロの声にそう返しながら手持ちのピストルビットを連射するマミ。
灯花の館内放送があってからというもの、明確な侵入者に防衛用の戦力を集めさせているのか、あの熊の頭の警備用ウワサがわんさかとこの地下空間に現れる。
羽根たちの姿はまだ見えないが、それも時間の問題だろう。
頭数で無理なら手数でカバーするしかない。今回のマミのサバーニャはその一体多の状況にうってつけだった。
マミの思考とリンクしているハロの制御で縦横無尽に駆け巡っているライフルビットの総数は10を超えている。
そのビットたちがウワサを取り囲むと、さやかの撃つものと同じビームがウワサの体に風穴を開ける。
サイズの差もあって一発程度では止まらないが、ビットはマシンガンもかくやという連射スピードでウワサを蜂の巣にして撃破する。
「オレンジハロちゃん、ホルスタービットを!!」
『リョウカイ!リョウカイ!』
マミの体に取り付けられたホルスタービットが分離すると、合体し、三つの菱形が連結した形をとった。
「フルバーストッ!!」
連結させたホルスタービットの菱形から極太のビームが発射され、射線上にいたウワサたちをまとめて薙ぎ払う。同時にライフルビットも乱射のようにビームをばら撒き、前方の敵を一掃。暗い地下空間に一瞬だけ星空のような空間を作り出した。
「すごい…………女王グマのウワサの手下をあんな簡単な蹴散らしてしまうなんて…………!!」
「美樹さんとのコネクトは確定でおかしな機能がついてくるけど、火力や機動力は保証されるわ。ところで七瀬さんあの熊の頭、ウワサの手下なのね?」
「はい。警備用のウワサと称していましたが、あれは女王グマというウワサの手下に当たる存在です。実際に女王グマそのものの姿を目にしたことはありませんが、とにかく普通の魔法少女では太刀打ちすることもできない強力なウワサだとは聞かされてはいます。」
ゆきかからの説明に少し考える様子を見せるやちよ。
「構わないわ。そのウワサ、私たち遊撃部隊に任せて。」
「静海さん…………いいの?」
「大方そのウワサも防衛のために本命の近くに配置されてることでしょうし、散策ついでにそちらも破壊しておきましょう。」
「常盤さんまで………………ええ、わかった。貴方達にお願いするわ。」
女王グマのウワサの捜索と破壊を引き受けてくれることに感謝の言葉をあげながら列車は進んでいく。
「おそらくそろそろ着くはず…………でも─────」
「終着駅が見えたわ!でも案の定羽根の魔法少女たちが待ち受けてるわ!少なくとも30人!」
「……………まぁ、そうなるな。」
ゆきかの呟きと同じタイミングで空を飛んでいたマミからそんな警告が飛んでくるが、さやかもそれくらいは想像がついていたのか、大した焦りもなく淡々とした様子を見せた。
「………………私が行きます。」
そう言いながらおずおずとした様子でさやかの側に来たのはせいかだ。
「行けそうか?」
「あなたとのコネクトなら、私の固有魔法が強化されるし、吹き飛ばすだけですませられます。」
「了解!頼んだ!」
せいかの言葉に大きく頷き、任せるように彼女の肩に軽く手をのせるさやか。
マミのように劇的な強化を可能とするさやかのコネクトが発動し、ヴェールのような薄い水の膜が彼女を包む。
「私は、ふたりとの日常を、明日を守りたい。なら、この力の使い方はイエス、だよね。」
泡が弾けるようにせいかを包んでいたヴェールが爆ぜる。
彼女のメイン武器は先端が三日月状にあしらわれた短い杖から放たれる鞭。
それがコネクトしてからは刀身がまっすぐに伸びた両刃の剣になっていた。
それ以外、外見的にはせいかの格好に変わりはない。
「…………………」
しかし、せいかが何か念じるようにしながらジャンプすると、足元から虹に光る光輪が生まれ、彼女を空は羽ばたかせる。
「き、来たッ!?げ、迎撃!迎撃を急いで!撃ち落とせー!!」
空を浮遊に近い飛び方で接近してくるせいかに羽根たちは魔力弾を発射する。
本拠地にいるだけあって練度も相応にあるのか、その魔力弾はせいかに向かって誘導してきていた。
「ッ……………!!」
弾幕の厚さはみている限り分厚い。
魔力弾とはいえ、撃てる人数が揃えられればそれは十分な代物にはできる。
さらに誘導までしてくるとなれば、一発当たって怯んだところを見せてしまったら大ダメージは避けられないだろう。
「こっちには狙いが向かなくなったけど……………大丈夫!?」
「せいかちゃんなら大丈夫!!」
「うん!せいかちゃんなら大丈夫だよ!!」
「なら大丈夫だな!!よし!!」
「その結論は一体どこから出てくるのかなぁ……………」
1人突っ込んでいくせいかに心配そうな目線を向ける葉月だが、せいかの友達の相野とれいら、そして賛同までしてしまうあやめにげんなりしたように肩を落とす葉月。
「やってみせる………………!!」
迫り来る弾幕にせいかは射線から外れるように動く。
しかし、誘導している魔力弾は当然のようにせいかの後を追いはじめる。
その間にも羽根たちから追加の魔力弾が飛んでくる。
「
見かねたマミがライフルビットを複数飛ばして迎撃させるが、やはり人数の差とマミ自身が戦闘をしていることが顕著に出てしまい、捌ききることができない。
「大丈夫です!!やれます!!」
手伝ってくれてるマミにそう返すと、それを示すためか逃げていた足を止める。
追われているにも関わらず、逃げる足を止めるという暴挙に羽根たちは一瞬迷うように表情を強張らせる。
「ッ……………ここ!!」
瞬間、せいかの周りにあの虹色の光輪が浮かび上がるとブゥンッ、という音と共に彼女の姿がかき消え、誘導弾が直前まで存在していたはずの箇所を通り過ぎていった。
「き、消えた!?もしかしてワープとかしたの!?」
こつぜんと姿を消したせいかに動揺し、辺りを見渡すがすぐに彼女の姿を見つけることができた。
誘導弾も多めに撃っていたのが功を奏したのか、まだせいかを追っている数も多い。
「まだまだ………………!!!」
まだ追ってくる弾幕にせいかは一回、二回、三回と連続でワープを行い、魔力弾を振り切っていく。
「ひらけた……………そこっ!!」
弾幕を掻い潜ったせいかは手にしていた長剣、ブレンバーから虹色のオーラを二発発射する。
さやかたちのビームとはまるで違う甲高い発射音を響かせながら、オーラは羽根たちのいる終着駅に着弾。集団を包むほどの煙幕を立ち上げさせる。
「ゲホゲホッ………………ッ!!しまったッ!?」
煙幕の中で咳き込む白羽根の魔法少女。少しして何かに気づいたのか、焦った表情で煙幕を少しでも無くして視界を確保しようとする。
しかし、その時点では既に遅かった。
「──────チャクラフラッシュ!」
ほど近いところからそう聞こえた瞬間、煙幕ごと羽根たちの魔法少女たちを吹き飛ばす勢いの衝撃波が彼女たちを襲う。突然の強襲に羽根たちは反応すらできずに宙に舞い、意識を闇に落とす。立っていたのは、衝撃波の中心に立っていたせいかただ1人だった。
「あまり悠長にしてはいられない。増援が来る前に可能な限り上へ上がろう。」
列車が止まると同時に再び駆け出すさやかたち。
先ほどの羽根たちは偶然近くにいた者たちだったのか、はたまたフェントホープが広すぎて移動するのも一苦労なのかは定かではないが、ゆきかの案内の間に防衛の羽根たちとの戦闘は一度も起こらなかった。
「いろは」
「はい?どうかしましたか?」
その道すがら目線を合わせるように高度を下げながら、いろはに話しかけるさやか。
「お前はこの先、里見灯花たちの元へ向かうだろうが、どうするつもりだ?」
「……………変わりません。会って話がしたい。それだけです。」
(…………余計なお世話だったか)
いろはの答えにフッと軽く笑みを浮かべるさやか。
思えば彼女はこの事件の根幹に灯花たちがいることを知った時からずっと話すことを目的にここまできた。
困惑こそ未だあれど、自身の内にある彼女たちとの
「なら力ではなく想いを尽くせ。彼女たちを想うお前の心を伝える。それがお前の戦いだ。」
「想いを………はい!!」
さやかからの言葉にうなづくとと同じタイミングで暗かった空間が明るくなり、西洋風の屋敷の廊下のような場所に出る。
「上層に出れました!ここからは────」
「ああ!みんな、ここからが本番だ!」
「いた!侵入者してきた魔法少女たちだ!みんなで取り囲むよ!!」
上層に足を踏み入れた瞬間、羽根たちに見つかり、左右両方から取り囲まれ始めるさやかたち。
10余名しかいないのに対してすでに倍に近い人数に再び前を塞がれてしまう。
「おっけー、ここからはあーしたちの出番ってわけね!!」
「そういうことになる。」
隣にやってきた衣美里にそう返すさやか。
準備体操をするようにその場で屈伸している彼女にさやかが手を触れ、せいかの時と同じように光の膜に覆われる。
「さっさん、あーしたちは何をすればいい?」
「────暴れてくれ。でも死人を出さない程度にな。」
さやかからの命令を受けたまさにその瞬間、光の膜を突き破りながら身の丈以上の巨大メイスと悪魔の尻尾を想起させる鋼鉄のブレードを携えた衣美里が左側の羽根たちに突撃する。
「かっしこまり―ーーーーーー!!!!」
突然の突撃に呆然として反応すらできない羽根たちに空高く掲げたメイスを力強く振り下ろす衣美里。
その瞳からは真紅に輝く稲光が迸させるその姿はまさしく人知を超えた悪魔のようにも思えた。
その悪魔から振り下ろされたメイスは羽根たちの前をたたきつけるが地面には巨大なクレーターを作り、その衝撃だけで羽根たちは大きく吹っ飛ばされてしまう。
「道が開けました!お二人はついてきてください!」
先ゆくゆきかの先導で衣美里が蹴散らした集団の中をさやかと十七夜が抜けていく。
しかし、その然程離れていないところから新しい羽根たちの集団が現れ、3人に魔力弾を撃ってくる。
(ミサイルで迎撃──────)
「いえ!!お三方はそのまま前へ!!」
迎え打とうとしていたところを静止する声をかけられ、さやかは一瞬だけ声が聞こえた方に視線を向けると、ゆきかと十七夜の2人を抱え、強引に包囲網を突破する。
「あれがウワサの……………!!」
「先ゆくお三方を追わせはしません!!龍城明日香、参りますッ!!!」
さやかのスピードに舌巻きながらも追う姿勢を見せた羽根たちに立ち塞がるように明日香が突っ込んでくる。
1人突っ込んでくるだけなら、無視を決め込んでもよかったが、得物の薙刀の穂先に何かを添わせた明日香にギョッと目を見開いてしまう。
それは青色に輝く勾玉。一見するとなんでもないように見えるが、魔法少女である彼女らにはそれが有する魔力からその正体を察する。
あれは、ソウルジェムが変化したものであると。
「あ、あなた何を─────」
「心配御無用!!なぜなら、既に一度実践済みですので!!」
自身の命そのものであるソウルジェムを有ろうか刃物に添わせるという今から自殺でもしますと言うような扱い方に呆気に取られている中、明日香は不適な笑みを浮かべながら添わせた勾玉を砥石で研ぐように引く。
瞬間、ゴウッという音と共に蒼い炎を薙刀の穂先が纏った。
「なっ……………!?」
驚きを形相を浮かべる羽根たちを他所に蒼炎は徐々に形を成していき、長い刀身となって固定化される。
その蒼炎の刃を纏った薙刀を明日香は深く腰を落とし、真横に構える。
「いざ御照覧あれ!!この力、まさに魂削る必殺の一撃なり!!名付けて────」
「ハラキリ……………ブレーーーード!!!」
振るわれた刃は同時に刀身が伸び、羽根たちの頭上を切り裂いた。一瞬外したと思った羽根たちだったが、次の瞬間切り口から噴き出るように蒼い炎が爆発を起こし、先行するさやかたちと追う羽根たちを分断するように瓦礫の山が積み上がる。
「無茶苦茶だ…………だが、これでは孤立したのはあの3人だ!ここには一体どれほどの羽根の魔法少女たちがいると思っている!」
「その無茶苦茶の権化のような魔法少女こそ、貴方がたが吹聴した最強魔法少女、美樹さやかなんでしょうが!!ともかく貴方がたの狼藉、ここで終いにさせます!これ以上、無関係な人々を犠牲にはさせません!!」
「あすきゃん、ささらん!!引っ掻き回すよ!!」
「その爪とか生えてる状態で引っ掻き回すとか怖いなぁ………………ま、お互いケガとかないようにしていきましょ。相野さんたちも大丈夫そう?」
薙刀を再び羽根たちに向けて構える明日香の周りに騎士甲冑姿のささらやメイスを担いだ衣美里が駆けつける。
「大丈夫!あの人たちのやってること、気持ちはわかっているつもりだけど、それでも止めないとまた別のことで苦しんじゃうから!」
「他人を………しかも何も知らない人たちを巻き込んで…………そんなやり方で救われたなんて、わたし思いたくないよ!!」
「環さん達も常盤さんたちの援護で抜けていったから、今のところは順調……だと思います。」
ついてきた相野たちの表情に影は見当たらない。
別行動をとる他の者たちのために、心を繋いだ少女たちはその深淵の奥底へと進む。
余談1 さやかとのコネクトには二通りのパターンがある
1,全身まるっと変わるパターン
要するに他作品のロボットの能力や技が割とそのまま使用可能
なお面倒なのでデメリット効果とかないつもり
現状だと特に阿頼耶識持ちの衣美里
汎用性はこっちが優れる
今回の桑水せいかがそれにあたる
ちなみに今回は特に指定はないが、個人的にはネリーのつもりでやってた
戦闘は完全に某ACEから持ってきた
2,外見は特に変わらないが特大火力が出せる
必殺技が主に使える。
今話の龍城明日香がそれにあたる。
ほかにも鶴乃やフェリシアの時もこっちに該当。
マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………
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ガンダムだ
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ガンダムではない