ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

12 / 111
いやー、内容薄いかもー(白目)


第12話  私と友達になってくれますか?

「知ってる天井だ…………。」

 

魔女の結界から脱出した後、魔女と衝突した時のダメージ、そしてとどめにマミとまどかの両名から受けた良質的なタックルのせいで気力が限界に達したさやか。

一応結界が発生した場所が恭介が入院している病院の敷地内だっため、担ぎ込まれたのもその病院なのだろう。

 

何よりすごく見知った天井が目の前に広がっているのだから。

自分はしっかりと生きてるし、マミやまどかがあの巨大なお菓子がたくさんあった魔女の結界で死んだということもなかった。

暁美ほむらがなぜか悟っていたマミの運命を乗り越えたのだ。そのことに満足気に笑みを零しているとーーー

 

「なぁにが知ってる天井なんだよ、お前は。」

「んぐっ………!?」

 

凄く聞き覚えのある声とともにさやかの脳天にゴスッと鈍い音ともに鈍痛が襲う。

突然の痛みにさやかは頭を押さえながら脳天にゲンコツをかましてきた相手を涙目で睨む。

そこにいたのは、さやかの両親の慎一郎と理多奈だった。まどかとマミの二人の姿も病室の中にあった。

 

「と、父さんに母さん………!?なぜ病院に………!?」

「なぜってお前が病院に担ぎ込まれたって連絡が入ってきたからに決まってるだろうが!!」

「もう、突然のことだったからすっごく慌てたのよ?それで来てみればまどかちゃんは涙目でその隣にいたマミちゃんっていうそこの金髪の子も不安そうな顔をしていたのだけど、貴方、何があったの?先生は全身打撲とか言っていたけど…………。」

 

母親である彼女からそう尋ねられてさやかは思わず渋い表情を浮かべてしまう。

正直なところ、話したところで真実味がなさすぎるからだ。いきなり魔法少女のことや魔女の結界で魔女と接触事故を起こしたといったところで連れて行かれるのは病院の精神科なのは目に見えていたからだ。

 

「…………何か車のようなものに轢かれたのが一番しっくり来るのだろうな。もっともどんな車種かだったかは微塵も覚えていないし、二人と会ったのも完全に偶然だ。」

「ちっ、やっぱりそうかよ。車かその類の乗り物だったか。」

「……………何も覚えてないの?」

 

理多奈の心配そうな表情を浮かべながらの質問にさやかは首を振ることで否定の意志を示す。

もちろん、さやかはその原因をすべて覚えているし、全身打撲に至るまでの経緯も忘れたわけではない。

ただその原因となった魔女は既にマミが打倒しているし、両親がいくら探したところでそれを見つけることは叶わない。ただそれだけなのだ。

故にさやかは両親に真実を隠すことを選んだ。

そこに多少の良心の痛みはあったが、これが一番手っ取り早い。

 

「覚えていないというよりわからなかった。気づけば、地面に転がされていた。」

「…………………そうかい……とにかくお前さんが無事で良かったよ。」

「ところで、退院はどれくらいでできそうなんだ?」

 

安堵する息をつき、病室の椅子に脱力しながら座った慎一郎にさやかは退院の時期を聞くことにした。

 

「っとだな…………全身打撲とは言ってはいたが、その割には外傷はほとんどないって話だ。そんな時間はかからねぇと思うぞ?」

「………そうか。大事ないようでよかった。」

 

さやかは自身の手足に巻かれている包帯を見つめながら安心したように表情を緩めるのだった。

 

 

 

 

しばらくして、慎一郎や理多奈と会話していたさやかだったが、両親はひとまずさやかが急に入院したから急いできたのか、色々と家でやることをほっぽってきたらしく、早めに帰っていった。

病室にはまどかとマミ、そしてさやかの姿しかなくなっていた。

 

「二人とも、まだ残っていたのか?今日は色々あったのだから、早めに帰ることを薦めるが………。」

「えっと…………そう、だね。今日は色々あったんだしもう帰った方がいいよね…………。」

 

まどかがそうは言うもののどこか気まずそうに、視線を横にいるマミに向けていた。疑問に思ったさやかが彼女の方に顔を向けると先ほどから俯いているマミの姿があった。

 

「…………私、二人を危険な目に遭わせてた………。」

「それは………こちらとてある程度の覚悟はしていた。確かに今回、命の危険こそはあったが、こうしてみんな生きている。それでいいではないのか?」

 

感情を押し殺すような声でさやかとまどかを危険な目に合わせたことを後悔するマミ。そんな彼女にさやかは表情を緩めながら気にしなくていいと伝えるがーーーー

 

「そんなことできるわけないじゃないッ!!!!」

 

病室に響き渡るマミの絶叫。涙混じりのその声にさやかとまどかは息を呑むことしかできなかった。

 

「魔女の中から突然、別の存在が現れるなんて、思いもよらなかった…………!!私は、あの魔女に近づかれた時、何も、出来なかった………!!完全に倒した気になって、油断していた………!!」

 

「私は………魔法少女なのよ……!?本当だったら、貴方達二人を守る責任と義務がある………!!なのに私は、あの時何も出来なかったどころか………!!」

 

マミはその瞳を病室のベッドの上にいるさやかに向ける。その瞳は自責のようなものを孕んでいるように見えた。

 

「美樹さんに………助けられてしまった………!!本当だったら、私がしっかりしなきゃいけないのに………!!それどころか、助けられた後、私は恐怖で足がすくんで、少しの間動けなかった………その間に結果的に美樹さんに囮をさせてしまった上に怪我までさせてしまった………!!」

「マミさん…………。」

「マミ先輩…………貴方は…………。」

 

慟哭ともとれるマミの言葉に何も声をかけることができないまどかとさやか。その間にも無常にも彼女の慟哭は続く。

 

「昔ね………まだ魔法少女に成り立てだったころ、私の力不足で救えなかった子供がいるの………。それだけでも、すごく辛かった………。その時からもう絶対に誰も死なせないってやってきたのに………。」

 

「私は知り合い一人すら、肝心な時に助けられなかった………!!」

 

「情けないわよね………。強くなったって思っていたのに、本当に死ぬ場面に直面すると、どうしようもなく、怖くなっちゃうの………。」

「いや、当然ではないのか?人間だれでも死というものに恐怖を抱かないはずがない。むしろ、それこそ人間たらしめるものではないのか?」

「さやかちゃん…………。」

 

最初こそ、マミの様子に気圧されたのか、呆気に取られた様子のさやかだったが、少ししないうちにいつもの冷静さを取り戻し、一歩対応を間違えればまずい方向に傾きそうなマミに語りかける。

 

「でも、私は魔法少女なのよ?だったらみんなを守れるくらい強くないとーーーー」

「虚勢を張るのは、それ以上やめた方がいい。貴方は魔法少女である以前に人間だ。魔法少女が人を守るためにあるのであれば、何より身近な人間である貴方自身を守らなければ、他人など持っての他だ。」

「虚勢なんて………私は………。」

「そういう人間ほど自分が限界を迎えていることに気づかない。前回、貴方の部屋に邪魔した時に聞いただろう。その生き方で寂しくないのか、と。」

「……………さやかちゃん。」

 

まどかの声にさやかが彼女の方に視線を向ける。彼女の目はどこか意を決したようなものとなっていた。何か、重大なことを話すのだろうか、とさやかの中で予測を立てる。

 

「マミさん、言ってたよ。魔法少女は怖くて、辛い。ひとりぼっちで泣いてばかりだって。」

「……………そうか。」

 

彼女の予測はやはり当たっていた。マミは本当は限界で寂しかったのだ。その感情を今まで押し殺して生きてきた。誰にも相談できずに、そもそもとして相談する相手すらいない、ずっと孤独の状態で。だが、そんなひとりぼっちの彼女にも光が当てられる時が来た。

 

「む………少し痛むがなんとかなるか。」

「さ、さやかちゃん!?大丈夫なの!?」

 

突然さやかがベッドから立ち上がったことにまどかは驚いたように目を白黒させ、マミに至っては声すら上げられずにさやかを見つめていた。

そんなさやかは若干ふらつきながらもマミの目の前まで歩を進ませる。

 

そしてーーーー

 

「あーーーーー」

「まどかがもう言っているとは思うが、敢えて言わせてもらおう。貴方はもうひとりぼっちではない。ここには、魔法少女のことを知っているまどかと私とーーー貴方がいる。であれば、多少の相談事であればいくらでも請け負うさ。」

 

彼女の両肩に腕を回したさやかは自身の方にマミを抱き寄せる。突然のことにマミは呆けたような声を上げるが、そんなのはお構いなしだ。

 

「だから、その抱えているものを思う存分に吐き出すといい。ここには私たち3人しかいないからな。」

「で、でも、私は…………私は…………。」

 

さやかに抱き寄せられたことに困惑するような様子を見せながらも何かを耐えるようにその手をぎゅっと握りしめて、さやかの着ている服にシワを作る。

するとさやかはまどかに視線に向けて目配せをする。最初こそ、まどかは視線を向けられたことに首をかしげるが、さやかが柔らかな笑みを浮かべながら、マミに一瞬だけ自身の顎を向けるような仕草をすると、その意図を察した。

 

「マミさん。マミさんは、すっごくカッコいい人です。いつもみんなのために魔女と戦っていて、あの魔女の結界の中でも言ったように、そんなヒーローみたいなマミさんに憧れてたりしています。」

 

「でも、そんなマミさんだって、カッコいいところばかりじゃないのは、分かっています。いつも無表情で見えても意外とみんなを笑わせようとしてくれたり、みんなのことを誰よりも大事に思ってくれていた。それはさやかちゃんでいっぱい見てきたから。」

 

「だから、マミさんだって少しくらい弱いところを見せても、大丈夫です。そういう一面もマミさんなんですから。」

 

そのまどかの言葉は確かにマミの心に届いただろう。しかし、彼女はさやかに抱き留められていることに対して抵抗をやめただけだった。

だが、あと一押しなのは確かだ。

 

「…………こんな私でも………いいの?私は、先輩なのに、情けないところもあるし…………。」

 

自身の言葉に笑みを浮かべながら、二人揃って頷くことで、その意志を露わにする様子を見せられたマミ。

 

「…………私ね、ずっと欲しかったものがあるの。なかった訳じゃないけど、魔法少女として生きていくうちにどんどん関係が希薄になっていったからもうほとんどないものね。だからーーーー」

 

 

私と友達になってくれる?

 

 

「ああ。もちろんだ。」

「はい!!」

 

そのマミの願いにさやかはにこやかに頷き、まどかは満面の笑みを返すことでその願いを叶える。

その答えにマミは一瞬、呆けると徐々に瞳を潤ませると、さやかの服を握り締めていた手を彼女の背中に回し、力一杯抱きしめるとその胸で声を押し殺したようにすすり泣きはじめる。

 

それでも、そこにはひとりぼっちだった少女はおらず、いるのは友人に囲まれたただの女の子としての巴マミだった。

 

 

 

「それじゃあさやかちゃん、また来るね。」

「ああ、いつでも来るといい。というが、入院する期間は短そうだからすぐに学校にも戻れると思うが。」

 

まどかの言葉にさやかがそう返すと二人は手を振りながら病室を後にしようとする。

 

「…………マミ先輩。」

「美樹さん?どうかした?」

 

そんな時、さやかは突然、マミを呼び止めた。少し怪訝な顔をしながら振り向かれたマミの顔は先ほどまで泣いていたのも相まって、目の周りがわずかに赤く腫れていたが、その顔に憔悴したような雰囲気はなかった。

 

「…………また、紅茶を飲ませてはくれないか?貴方の淹れる紅茶はケーキの甘さとぴったりで気に入っているからな。」

「……………ええ、いつでも待っているわ。」

 

さやかのお願いにマミは晴れやかな笑みを浮かべながらそれを了承すると、二人は病室から出て行った。

二人の姿が見えなくなるまで見送ったさやかはやることがなくなったため、布団を被り直すと、そのまま就寝することにした。

 

(ねぇ、美樹さん?)

 

そんな最中に突然、マミの声がテレパシーとしてさやかの頭の中で響く。今まさに就寝しようとしたところだったため、不意を突かれたような形となったさやかは苦笑いを浮かべながらマミのテレパシーに応える。

 

(…………今まさに寝ようとしたところだったのだが…………)

(あ、あら………?ごめんなさいね………。)

(まぁいい、忘れてくれ。それで、何か要件でもあるのか?)

(……………暁美さんに伝言をお願いしたいのだけど、いいかしら?)

 

マミの要件というのはほむらへの伝言であった。そのことにさやかはわずかに眉を潜めながら思ったことを口にする。

 

(……………直接言ったらどうだ?彼女も学校に通っているのだから、それこそまどかにだって頼めることではないのか?)

(ま、全くもってその通りなのだけど………少し、顔を合わせづらいのよ…………。)

 

マミが気まずそうにしながら何かを察して欲しいという口調でテレパシーが送られる。

そのことにさやかは少し考え込むと、魔女の結界で二人と合流した時にまどかが言っていた言葉を思い出した。

 

(……………そういえば、彼女を縛り上げたらしいな、彼女の警告に全く耳を傾けず。)

 

さやかがそういうテレパシーを送るとマミが声を詰まらせたような息遣いが頭の中で響く。要するに合わせる顔がないのだ。どういう訳かほむらはあの魔女の危険性を知っていた。なぜ知っているのかはこの際棚に上げておき、その危険性を前もって警告しにきたにも関わらず、彼女は耳すら傾けずに拘束、そして放置してしまった。

その時のマミのそばにはまどかがいたはずだが、おそらくその時のマミの様子に気圧されて彼女の後を着いて行ってしまったのだろう。

彼女はやる時はやるが、基本的には気弱な性格だ。まぁ、そんなこともあり得るのだろう。

 

(ふぅ……………分かった。学校に戻ってからになるだろうが、機会があれば彼女に伝える。内容は警告を聞き入れなかったことのへの謝罪か?)

(…………そうね。彼女の言う通り、今回の魔女は一味違った。実際、美樹さん、貴方が助けてくれなかったら、私はここにはいなかったでしょうね。)

 

(…………さっきまで私の中で色々感情が渦巻いていたから言えなかったけど、助けてくれてありがとう。貴方は私の命の恩人よ。)

(………そんなわけない、と言いたいところだが、そう言ったところで、無限ループに陥るだけなのは目に見えているから、素直に受け取っておこう。)

 

さやかがすぐに引き下がったことに意外にと思ったのか、少し間が空いた後にマミはさやかにもう一度ありがとうと告げて、テレパシーを終える。

脳内にマミの声が響かなくなったことを確認したさやかは身構えていた警戒を解くと、布団を被り直し、今度こそ就寝に入った。

 

 

 

 

その夜、一般的な病院の面接時間を過ぎた時刻。照明も消された暗い廊下、そんな建物の中を歩く人影が一つ。

その人影は病院内を見回っている看護師でもなく、はたまた夜勤中の医師でもなかった。

その理由は彼女の着ている服がそのような関係人物が着るようなものではなく、どこかの学校の制服のようなブレザーだったからだ。

その人間はとある病室の一室の前で立ち止まるとそのドアの手すりに手をかけた。

 

次の瞬間、その人影の姿は一瞬で、さながら瞬間移動でもしたように掻き消えてしまった。しかし、わずかにドアが閉まる音が響いたことからその人影は病室の中に入り込んだのだろう。

そんな人影が入り込んでいった病室の標札にはさやかの名前が刻まれていた。

 

 

「………………………。」

 

病室に入り込んだ人影ーーーほむらは視線の先にあるベッドで寝ているさやかに近づいていく。

夜、誰も見ていない病室、シチュエーションは完全に暗殺のソレだ。

 

「こんな夜更に何の用だ、暁美ほむら。既に面会の許可が下りる時刻は過ぎているはずだが。」

 

しかし、さやかは近づいてくるほむらに気付いていたのか、彼女に背を向けたまま言葉を投げかける。

もっともほむらからは見えないがその表情は困惑を孕んだ苦笑いを浮かべていたが。

 

「ええ、こんな夜更だからよ。他の人間が乱入してくる可能性が一番少ないもの。」

 

さやかの言葉にさながらちょうどいいとでも言うような雰囲気で言葉を返すほむら。そのタイミングでさやかが布団の中で身体を回転させ、横に寝転がった状態でほむらと対面する。

 

「……………今私の中でお前には不審者のレッテルを貼っているのだが、百歩ほど譲ってそのことは棚にあげる。で、一体何の用だ。」

 

そうほむらに自身への要件を尋ねるさやか。しかし、その手には何かあった時用にナースコールがしっかりと握り締められていた。

 

「……………巴マミを助けたのは貴方?」

「その質問に答えるのは別に構わない。だが、私からもお前に聞きたいことがある。何故彼女があの魔女との戦いで死ぬことを知っていた?まるでお前は以前に巴マミがあの魔女と相対し、そして死んでいった様子を目の当たりにしたような様子だった。」

 

さやかがその質問をした瞬間、ほむらの表情がまさに驚愕というようなものに変貌し、完全に彼女のポーカーフェイスが崩される。

予想だにしなかった質問、彼女の内面だけで行われた誰も知りようがないはずの言葉。

その言葉をさやかは感じとり、聞き取っていた。

 

「答えてほしい。前回は引き下がったが、今回ばかりはそうもいかない。確かに彼女はあのままでは死んでいた。だが、何故それをお前が知っていた。」

 

さやかの質問にほむらは完全に目を見開き、言い淀むことしかできないでいた。

 

 




ねぇ、知ってる?
ほむほむの中の人って、ダブルオーでルイスの声やってるんだぜー?

さっさん「私がガンダムだ!!」
ほむほむ「パパとママを殺した、あの時のガンダムゥ!!」(なお、本人はガンダム顔に機体に乗っているというくっそ皮肉つき)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。