ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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アニメのホーリーマミさんつよすぎぃ!!

え………いやなにその弾幕…………ちょっとちびりそうなんですけど(白目)






第28話 そんな安っぽいものではない筈だ

「……………一度、貴方に関してのことを適当に並べましょうか」

 

魔女を倒し、自身の力についての詳細をある程度は把握したさやか。

しかし、その明かされた詳細が詳細だったために、一度情報の整理が必要と判断したほむらがどこか集まれる場所はないかと提案する。

そこで名乗りを上げたマミが彼女の部屋に移動することになった。もちろん、まどかも一緒にだ。

 

今はマミの部屋に上がり込んで、彼女の出す紅茶を少し嗜んだところで、ほむらが切り出し始めたところだ。

 

さやかの手にした力…………彼女曰くガンダムと呼ぶらしいその力は他の魔法少女とは一線を画すようなものであった。

 

さやかの基本武装は剣だ。もっとも銃剣のようなものがついたGNソードⅡブラスターという遠距離武器があるも、それはマミがリボンからマスケット銃を生成したり、佐倉杏子が槍の持ち手を鎖にして打撃武器としても活用していたため、応用武器の範疇にはギリギリ入るだろうが、脚部のカタール、腰に取り付けられた長さの違う2振りのGNソードⅡ、そして左肩の大剣GNバスターソードⅡ。全て装備した姿は見るものになかなかに殺意が高いように見えてしまうだろう。

 

「…………武装が近距離に寄ってるけど………普通に万能型ね。腰回りの2振りには射撃ができるように形態が変えられる機能がついているのでしょう?」

 

そう感想をつぶやいたのはマミだ。さやかの腰部の2振りの剣は両方とも刀身を半回転させることで覗かせる銃口から射撃ができるライフルモードが搭載されている。

 

「そうなる。しかも長い方にはサブグリップがついていて、ブラスターほどではないが比較的長距離から精密射撃ができる。短剣の方も、剣先を射出することでアンカー代わりにもなる優れものだ。その代わり…………」

 

さやかはそう言って立ち上がるとソウルジェムを掲げ、一瞬だけ青い輝きを発すると魔法少女…………というよりダブルオーガンダムの武装を展開する。

 

「見ての通り、この姿になる前の騎士甲冑への姿へは変身できなくなっている。それに関しては別に構わないのだが、以前は比較的無制限だったサーベルの召喚がそもそもとしてそれ自体ができなくなっている」

「つまり…………別に進化したっていうわけではないのね」

「進化というより…………変革したと言った方がこの際正しいかもしれない」

「変革…………ね。確かにその方が言い得てるかもしれないわね。魔力が自動的に回復するなんて、聞いたこともないし」

 

さやかが自分自身が変革したという言い振りにマミは頷きながらも考え事をする様に頬杖をつく。その目線は展開したダブルオーガンダムの両肩のGNドライヴに向けられていた。いわずもがな、ドライヴから放出されている粒子が気になっているのだろう。

 

「やはり魔力の回復に目がいくのか?」

「…………そうね。空を自在に飛び回ることでさえ異質なのに、その上魔力の回復なんて、異質を通り越して異常よ」

「そ、そうか…………」

「それはそうでしょう、美樹さん。だってグリーフシードのことを全く考えないで行動できるのよ?他の魔法少女が聞いたら眉唾物よ?」

「それも…………そうか…………」

 

ほむらとマミから同じようなことを言われてしまい、さやかは肩身が狭そうな思いを抱く。そこから先ほどもほむらとマミから小言のようなことを言われてしまい、流石のさやかも少しばかり居心地が悪そうに表情を渋いものに変える。

 

「……………その………風見野市にいるっていう杏子ちゃんっていう魔法少女のことはどうするの?」

 

その状況を見かねたのか、まどかが話題転換として佐倉杏子の話題を出した。救いの手が出されたことにさやかが助かったと言わんばかりに表情を朗らかにし、マミとほむらはお互いの顔を見合わせる。

 

「そうね………やっぱり貴方に対応してもらう他はないわね。彼女の実力は私も目をつけている。ワルプルギスの夜との戦闘でも頼りになるはずよ。でも何より…………彼女自身、貴方を今のところ目の仇同然の標的と捉えている以上、その軋轢を取り払ってもらわないとそれ以前の問題になってくるわ」

「それは…………マミ先輩からの目線でもか?」

 

ほむらから佐倉杏子との間に生まれた確執をどうにかしないとワルプルギスの夜どころではないと言われたさやかは彼女のかつてのパートナーだったと仄かしていたマミに詳細を尋ねた。

 

「……………確かにあの子の実力はかなりのものよ。彼女と仲違いした時、私にあの子を傷つける勇気がなかったとはいえ、思い切り負かされたもの」

「マ、マミさんが打ち負かされるほどの実力者……………!!」

 

さやかの言葉にため息を吐き、思い悩むような表情を見せるマミからの返しにまどかは戦慄してしまったような顔を浮かべる。

 

「でも、センスに関してはこの時間軸の貴方は佐倉杏子に劣ってはいないでしょうね。他の時間軸の貴方だったら、まだ生まれたてもいいところで防戦一方だったから」

「防戦一方だったのは変わりなかったはずだが…………」

「いいえ、それは違うわ。貴方は彼女の攻撃を防ぎ切った。でも他の時間軸では佐倉杏子曰く三週間は病床につくほどの重傷を負わせたと言っていたわ」

「それじゃあ…………他の時間軸の美樹さんは、そこから先はベッドで寝込んでいたの?」

「いや、それはない。ほむら曰く他の時間軸の私は悉く魔女化して死んでいるらしい。私であれば、恭介がいる病院で魔女化するつもりはない。アイツに危害を加える可能性が高い。なんらかの手段で復帰したと考えるのが筋だ」

「ハァ……………あまり話に関係はなさそうだけど、別に隠すことでもないから話すわ。他の時間軸の美樹さやかの願いはほとんどが上条恭介の指を治すことだった。そして、魔法少女の使える魔法は願いにもある程度結び付けられるの。」

 

マミの疑問にさやかがその可能性は低いと言うように自分だったら絶対に恭介の入院する病院で魔女に成り果てるつもりはないと言い切る。

その様子にほむらは呆れたため息を吐くと魔法少女の願いと得意とする魔法の相関性を話した。

 

「その理論で予測を立てるならば……………治癒魔法か?」

「ええ、そうね。彼女の傷が治るスピードが段違いになっていたわ。それこそ、全治三ヶ月ほどの重傷をその場で治してしまうほどのね」

「……………そう聞いてしまうとそっちの方が異質ではないのか?いや、魔法なのだからいちいち言及するのは野暮というものなのだろうが…………」

 

ほむらの言葉にさやかは訝しげな表情を見せながら手元の紅茶に口をつける。他の美樹さやかの領分とする魔法が回復なので有ればある程度のこじつけで魔力の回復も可能なのかもしれない。以前、キュウべぇから聞かされたほむらが時間遡行を繰り返す度についてきた因果の束がこの時間軸のさやかにも影響を及ぼし、他の時間軸の美樹さやかの力が使えたなどという話もあながち否定できない路線にもなってくる。

 

「でも……………それだと今回のさやかちゃんの魔法は違うんじゃないかな?そもそもとしてさやかちゃんは願いを叶えていないわけなんだし…………」

「魔法少女としての形はなしているのだし、得意な魔法も何かしらの形になっているんじゃないかしら?」

 

そこでまどかが首を傾げながらほむらの言葉に疑問を呈したが、マミが同じように首を傾げながらもまどかの言葉に少々思い悩みながらも持論を投げかける。

 

「……………ほむら。佐倉杏子が現れる場所などの目星はついているのか?」

「え……………そうね…………ゲームセンターとかそのあたりだったわ」

 

そんな中、さやかは唐突に話を佐倉杏子に関してのことに戻すと、ほむらに彼女が頻繁に現れる場所を尋ねた。そのことにほむらは一瞬呆けた表情を見せるもさやかに佐倉杏子がよくいる場所を伝える。

それを聞いたさやかは立ち上がると帰る支度を始めた。急にさやかが帰る準備をしだしたことに周囲の3人は困惑したように見つめる。

 

「今日は久しく恭介の見舞いに行くつもりだったんだ。突然なのはすまないが、最低限のことは話せたはずだろうから、私は先に帰らせてもらう」

 

そう3人に断ると、さやかは身支度を整えた鞄を担いで玄関へと向かう。

 

「美樹さん!!」

 

そんな彼女を心配そうな顔を浮かべるマミが一度呼び止める。ちょうど靴を履こうとし、指を踵と靴の間に押し込んでいたさやかはその作業と並行しながらマミの方を振り向いた。

 

「佐倉さんのこと…………お願いするわ。本当だったら、私がやるべきことなんでしょうけど…………」

「………………貴方が気にする必要はない。元々向こうから喧嘩を売られたものだ。それにどう応えるかどうかは私の勝手だがーーーー」

 

気まずそうに佐倉杏子のことを頼むマミにさやかは軽く笑みを見せると視線をマミの奥にいるほむらに向けた。

 

「彼女が善人だったのは………マミ先輩、貴方の言葉で認識している。それに、嫌っているということは、どうであれ私の在り方が気がかりになっている証拠だ。無関心でいられるより取りつく島はある」

 

さやかはそこで言葉を区切り、玄関のドアを開け放つ。

 

「それと紅茶、ご馳走になった。また機会があれば、誘ってくれ。」

 

さも平然と、日常を感じさせるような次の機会の約束を取り付ける言葉を最後にさやかは部屋を飛び出ていった。

 

「……………………」

 

そのさやかの後ろ姿をほむらは怪訝な顔をしながら見つめていた。

 

 

 

 

マミの部屋から出ていったさやか。その足取りは恭介が入院している病院に向くことはなく、あてもなく適当に歩き回っていた。しかし、ちょうど人気の無さそうな裏路地を見つけると一瞬だけ周囲を見渡し、まるでそこに誰かを誘い入れるようにさやかは足を踏み入れる。

 

「…………姿を現したらどうだ?お前が見ていたのはお見通しだ」

 

そう言って視線の先に広がる裏路地の空間に声を響かせる。そこは真っ暗闇だったが、少しすると表の光がわずかに差し込んでいる部分に小さな影が入り込む。

 

「やれやれ…………すっかり嫌われたものだね」

「……………自業自得なだけだ。話すべきことを話さなかった、お前の怠慢だ」

 

現れた白い影ーーーキュウべぇにさやかは鋭い視線を向けながら吐き捨てるように言葉をぶつける。

 

「で、今更何の用だ?合理性を突き詰めた生命体で有るお前が意味もなくこちらの様子を伺いに来るはずもないだろう」

「そうだね。でも、その用というのは君自身、本当は察しているんじゃないのかい?」

「……………………」

 

キュウべぇからそう言われたさやかだが全くその通りでキュウべぇが自身を尋ねてきたのは十中八九、ガンダムのことだろう。

 

「魔法少女が魔女に変わる瞬間は何回も見てきたけど、全く別の存在に変化したのは君が初めてだ、美樹さやか」

「残念だが、お前にそう言われても嬉しいという感情は湧かないな。むしろ面倒だ」

 

そう言って白い目を向けるさやかにキュウべぇはその能面の顔を下に向けるとため息のような声を上げ、肩を竦める。

 

「君が新たに手にした力…………確か、ガンダムって言ったのかな?あれを手にしたとき、君は誰ーーーーいや、どんな存在と接触したんだい?」

「接触……………?」

 

キュウべぇの言葉にさやかは眉を潜め訝しげな表情を見せるが、キュウべぇが言っていることがガンダムの力を手にする直前、脳内に響いてきた声の主であることを察する。

 

「まぁ……………ヒトじゃないのか?少なくともお前よりは話が通じる存在だとは思っているが」

「……………本当にかい?」

「なら逆に聞くが、お前はどう思っているんだ?」

「ボクかい?ボクは少なくとも人ではないと思っているよ。ボクと同じような別の惑星の生命体さ。仮に人だとすれば、人間個人に干渉できるほどの正確性を持つ技術なんて、人間にできるとは思えないからね」

「お前は私達地球人をどう思っているんだ…………」

 

呆れたようにため息を吐きながら、まるで人類を下に見ていると思える発言にさやかは苦言を呈す。

 

「有史以前からボク達インキュベーターは人類と関わりを持ってきた。もしボク達がいなかったら人類は今も洞穴の中で生活していたんじゃないのかな?」

 

さも当然というように人類は自分たちが導いてきたという傲慢な言い草にさやかは思わず苦虫を噛み潰すような表情を見せる。

 

まるで自分が創造主であると思っているような口ぶり。何故だかさやかには心を締め付けられるようなもどかしい思いに襲われる。ただ、その理由は自分自身でもわからなかった。

 

「……………お前のそのエゴが、世界を…………未来を………人を、歪ませる…………」

 

独白のようにポツリと呟くと路地の奥にいるキュウべぇから踵を返し、用は済んだと言わんばかりにその場を後にしようとする。

 

「美樹さやか、君は魔法少女の理から外れた人間だ。自力でなのかは定かではないにしろ、魔力が事実上の無制限なんてボク達も聞いたことがないからね」

 

「でもただでさえ魔法少女の時点で人の枠を外れているというのに魔法少女の枠からも外れるなんて、君は本当に人でいることができるのかい?」

 

人でいることができるのか、そのキュウべぇの問いかけにさやかは進めていた足を止め、顔だけキュウべぇに向ける。

 

「人を人たらしめるのは…………そんな安っぽいものではない筈だ」

 

それだけ言い残してさやかは再び歩き出し、光降り注ぐ街中へと戻っていった。

 

「……………とてもボクにはそう思えないな。わけがわからないよ」

 

キュウべぇは顔をわずかに俯かせるとさやかと同じように踵を返し、裏路地の闇に消えていった。

 

 

 

 

「美樹さやか、貴方……………」

「ほむら……………?」

 

路地を後にしたさやかだったが、出た直後に彼女を追いかけてきたのかほむらと鉢合わせてしまい、思わず驚いた表情を見せる。険しい顔つきを見せる彼女にさやかは気まずそうに頰をかく仕草を見せる。

 

「気づいていたの?インキュベーターが盗み聞きをしていたこと」

「まぁ………目線を感じただけだったのだが…………」

 

乾いた笑みを浮かべ、まるでいたずらがバレたときのような反応を見せるさやかにほむらは呆れたため息を吐き、細めた目線をさやかにぶつける。

 

「インキュベーターから言われたこと、貴方気にしてないの?」

「……………気にしているかどうかで言われればそういうわけではないのだが………だが、奴らの介入がなければ人類は今なお原始人同然の生活を送っていたと言われたのは流石に癪に障ったな」

 

インキュベーターの言い草に珍しく怒っているような表情を見せたさやかにほむらはじっとその様子を見つめていた。

 

(…………魔法少女の理から外れた…………それがどういう結末を生むのかは私にもわからない。)

 

(でも、もしかしたら…………この時間軸の美樹さやかなら、成し遂げられるのかもしれない。)

 

 

(見滝原の町も、まどかを含めた魔法少女のみんなを助けられる未来をーーー)

 

 

最初こそ、大事な親友であるまどかだけでも助けたかったほむら。その思想もいつかのように一度は挫折した、全員を助けたいと願う希望に戻っていた。

 

 

 




とある感想から思い至り、さっさんがマギレコに出てきたときのステを考えてみた。

美樹さやか(もう一つの対話の形)

タイプ:アルティメット

EXスキル:ターンの初めに味方全体のマギアゲージ10%アップ

ディスク配分:アクセル×2 ブラスト×2チャージ×1

コネクト:GNフィールド………対象に防御アップにダメージカット付与

マギア:自身に攻撃力アップ〈単体、5ターン〉
     自身に無敵付与〈三回、5ターン〉
     自身に自動回復〈1000、5ターン〉
     敵単体にダメージ〈Ⅴ〉 

ドッペル:味方全体のHP回復(5000)
     自身の攻撃力アップ(Ⅷ)
自身に無敵付与(三回、5ターン)
     味方全体のディスク効果アップ(3ターン)
     味方全体のマギアゲージをリチャージ(25%)
敵全体にダメージ〈Ⅹ〉

……………………盛り過ぎ?未プレイだからなんとも言えませんが………ちなみに参考にしたのはマギレコのアルティメットまどかとfgoのマーリン。

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
  • ガンダムではない

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