ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」 作:わんたんめん
まぁ、個人的に出してみたいキャラは一人いるんですけど…………
「ふぅ………………」
GNバスターソードⅡを両手で構えたさやかは目線を自身の前方で蠢いている魔女に向けて集中させる。
(三人とも、今しがた新しい魔女と接敵してしまった。間に合うのであれば援護を頼みたい。なんだかこの魔女は妙だ。)
(わかったけど………妙ってどういうこと?)
(…………最初の見つけた両生類のような魔女、あれが新しく現れた魔女に殺された。)
(ハァ…………?)
ひとまずほむら達に念話を送り、魔女が魔女を殺すという異常事態を伝えると案の定杏子の声を筆頭に困惑気味な声がさやかの脳裏で響く。
(それと追加で、どうやらこの付近に現地の魔法少女が来ているようだ。協力を仰ぐべきか?)
(協力を仰ぐのはいいけど、その後の対応には気をつけなさい。本来であれば私達はグリーフシードを狙いにやってきた外からの魔法少女と言われてもおかしくはないから。)
(む…………そうか、それもあるか。私は基本グリーフシードがいらなくなってしまったから失念していた。)
ほむらの言葉に納得した様子を見せたさやかはGNバスターソードⅡを構え直す。砂の髪をたなびかせている人形の魔女は殴りつけられたダメージが残っているのか、フラフラとよろめかせていた。
(…………そういえば、答えてなかった質問があったな。いろは、まだ声が届くとこにいるか?)
(はい、なんですか?)
(一応、私達見滝原組もその夢を見てこの神浜市に来た。神浜市に来れば魔法少女は救われるという内容のだ。そういう意味では私達は同じ志を持った者と言える。といっても私達はその魔法少女が救われるというのに疑いを持って来ているが。)
(疑い…………ですか。)
(…………すまないが、詳しいことはまた後でだ。今はコイツの対処をしなければならないからな。)
いろはとの念話をそれまでにするとさやかはGNバスターソードⅡを振りかぶり、よろけている魔女に向けてもう一度振り下ろす。
『!?!!?!!!?』
再びバスターソードを食らった魔女は結界のような公園を模した風景を破壊し、声にならないような絶叫を撒き散らしながら後ずさる。
(……………この魔女、これまでのものと比べて強いな。)
これまで出会した魔女はその攻撃方法に苦心しただけで、おおかた一撃で倒してきたさやかはバスターソードⅡの攻撃を二発受けても普通に活動を続けている魔女に舌を巻く。さらにはバスターソードの形上、切断というより相手を質量で叩き切る構造をしているため、巨体を誇る魔女には少々ダメージを稼ぎづらい面がある。
「……………だが、私の剣はこれ一本ではない!!」
しかし、さやかの手にしている剣は一本にあらず。バスターソードを左肩に戻すとさやかは腰にぶら下げていたGNソードⅡ、そのショートとロングを手にすると一気に魔女に肉薄。その一対の二振りを魔女に向けて振り下ろす。
「セブンソード………コンビネーション…………!!」
さやかはGNソードロングで魔女を切り抜けるとすぐさま反転、今度はGNソードショートで魔女の背後から切り抜けるとその二つの剣を真上に放り投げる。
「GNカタール…………!!」
放り投げた二つの剣が空中で煌きを生み出している中、さやかは瞬時に脚部に取り付けてある二つのカタールを魔女に向けて投擲し、その刃を魔女の体に深々と突き刺した。
その痛みに悶えているのか魔女がのたうち回る仕草を見せているとさやかは空へ放り投げたGNソードを再び手に取るとショートの剣先をワイヤーで射出し、魔女の巨体にそれが突き刺さるのを確認すると、自身の体を魔女に引き寄せ、勢いそのままロングの刀身でもう一度切り抜ける。
「切り開くッ!!!」
さらにさやかはGNバスターソードⅡの刀身の裏の取手を左手で手にし、手持ちの盾のように構えるとそのまま魔女に向けて殴りつけるようにその先端を突き刺す。さらに右手にGNソードⅡブラスターを手にすると、銃身下部のブレードで袈裟斬りに切り裂くと最後にトドメと言わんばかりにさやかはGNバスターソードⅡとブラスターのブレードで魔女の体を挟むように斬る。
「これで、終いだッ!!!」
刃が食い込み、肉体を切断している二つの刀剣から血が吹き出ているように黒い液体が辺りにぶちまけられるが、さやかはお構いなしに一度食い込んだ刃を反対に向け、今度は魔女の体を無理やり押し広げるように力任せに振り抜く。
その結果魔女の体はバラバラに引きちぎれるように切り裂かれ、魔女の髪の部分を形成していた砂のように風に吹かれたように消えて行った。
「な、なんとかなった…………」
「す…………すごい…………!!」
魔女の残骸が黒いモヤとして周囲に漂う中、その中でクリアに煌めく緑色の粒子に包まれながら安堵の表情を見せるさやかの姿にいろはは目を見開いてその姿を見つめる。
「…………いろは、これをお前とそこの黒江という子のソウルジェムに。」
ビルの中の広場に降り立ったさやかは足元にあったものを拾い上げるとそれをいろはに向けて投げ渡す。それを驚きながら掴みとったいろはは、投げ渡されたものが二つのグリーフシードであることを認識すると再び目を見開きながらさやかを見つめる。
「え、そ、それじゃあ美樹さんのは…………!?」
いろは狼狽ながらの言葉にさやかは答える代わりに自身のソウルジェムをいろはに見せつけるように手にもつ。その青い宝石は若干の緑色の輝きが入り混じっていたものの、輝きそのものに陰りは一切なかった。
「この通り、魔力に関してはさほど気にするな。遠慮しないで使ってくれ。」
「……………ホントにいいんですか?」
遠慮するなというさやかの言葉があったにも関わらず、それでもいろはは申し訳なさそうに不安な表情を見せる。それにさやかは笑みを見せながら無言で頷く。それでようやくいろははおずおずと自分と黒江のソウルジェムにグリーフシードを当て、穢れを取り払った。
「その…………改めてご迷惑をおかけしました。」
「あ、ありがとうございました…………。」
ソウルジェムから穢れを取り払ったタイミングで黒江が目を覚まし、いろはが事の行き先を説明し終わるといろはと一緒に黒江も感謝の言葉を述べながらさやかに頭を下げる。
「気にするな。こちらが好きでやったことだ。ところで二人はこれからどうする?このまま神浜市に向かうのか?」
お礼の言葉に気遣いは無用という返答をするついでにさやかは二人にこれからの動向を尋ねる。既に外の風景は日が沈み夜になっており、これから行動を起こすのは中学生であるさやか、そして服装的にもいろはと黒江には周囲の目を気にしないといけない時間帯だ。
「……………いえ、今日はもう帰ろうと思います。こんな時間ですし、明日も明日で学校ですし…………黒江さんもそれでいいよね?」
「……………うん。」
「それが賢明だな。魔法少女とはいえ、学校を疎かにしていい理由にはならないからな。となるとこの時間辺りにまた神浜市を訪れるつもりなのか?」
「…………そのつもりです。確かめたいこともできましたし…………。」
いろはと黒江が今日は素直に帰るという判断に頷きながらまた神浜を訪れることを聞いているといろはが憂に満ちた表情を見せたことにさやかは首を傾げる。
さらに魔法少女としての姿はケープで顔が隠されていてよく見えなかったが、こうして見てみるとなんとなく既視感を覚えるさやか。その理由に当たりをつけようと頭を振り絞るがその最中、中断せざるを得ない出来事が起こる。
「待ちなさい。」
広場に響く第三者の声。いろはと黒江はびっくりした様子で声のした方角を振り向くが、さやかは頭痛の種でも出たのか、困った表情を見せる。その理由は確かにさやかも始めて聞く人間の声だったが、気配自体は魔女と戦っている時から感じてはいたからだ。
「今から帰るところだというのに…………神浜市の魔法少女が何か用なのか?」
「あら、どうして私が神浜市の魔法少女だってわかるのかしら。」
「私は少々気配を感じ取りやすい体質でな。魔女と戦っている時からヒシヒシと感じてはいた。一つは私の仲間である魔法少女達。それともう一つ、神浜市の市街の方角からやってきていた。その気配が今そこにいるアンタだということだ。」
さやかの並べられた理論に姿を現さない神浜市の魔法少女は言葉を返さない。返さない代わりにさやかは自分やいろはと黒江を代わる代わる見ているような視線を感じとる。まるで吟味されているかのような視線の動かし方にさやかは少なからず眉を潜める。
「…………………………で、一体何用なんだ。私達も暇ではないのだが。」
さやかが憮然とした表情でいろはと黒江と同じように声のした方向を見つめていると、不意に広場に差し込んでいる月の光に影が現れ、穂先がトライデントのように三叉に分かれた槍を手にした青い長髪の女性が現れる。
「ん…………………?」
その現れた上半身を白い甲冑で覆い、着こなしている青いドレスから細い足を伸ばした自身より年上と見られるその女性にさやかは訝しげな表情を見せる。いろはとはまた違ったパターンの既視感を覚えたからだ。それはどちらかと言えば似ているというより本人をどこかで見たことがあるような気がするのだ。
「ど、どうかしたんですか?」
「いや……………彼女、どこかで……………んん…………?」
いろはに不思議そうにしている声が聞こえたのか、さやかに声をかけるもさやかは余計に首を傾げ、頭を悩ませる。
「……………なぁ、アンタ。少し聞きたいのだが、一般人の目にも映る、なにか公共のモノに顔でも出していたか?」
「ま、まさか…………げ、芸能人!?」
さやかの疑問に黒江が驚いた様子で現れた神浜市の魔法少女とさやかに視線を行ったり来たりと右往左往させる。その様子に毒気を抜かれたのか険しい顔つきから呆れたような目線に変えるとため息を溢す。
「……………七海やちよよ。」
「あぁ………………やっと思い出した。モデルの人か。何かたまたま見た雑誌でアンタの名前を見かけたことがある。」
「そう……………。」
神浜市の魔法少女 七海やちよが名乗ったことでようやく思い出したのか、大仰に掌の上に握り拳で叩くという仕草を見せる。すると七海やちよは自分が掲載されている雑誌を見たことがあると言われ、髪を撫で払い、どことなく嬉しそうな様子を見せる。だが、ここでさやかはふと、ある定義が脳裏をよぎる。世間一般的に少女というレッテルは中学生辺りまで通説である。それ以上になってしまうとどちらかといえば女性と言われる範疇に侵入してしまう。
さて、ここで何も知らないかもしれない読者諸君にヒントだ。七海やちよは確かに魔法少女だが年齢は既に成人一歩手前の19歳である。
「………………19歳が魔法少女をやってるのか。そのような人もいるのだな。意外、いや珍しいといえばいいのか?」
「……………………」
その女性であれば確定で気にしてしまうはずの、本人であれば尚更タブーな事実に
「」
「」
明らかに女性であれば目に見える地雷である年齢のことに、平然と踏み抜いて起爆させ、失礼のチキンレースを止まるどころかぶち抜いたさやかにいろはと黒江も思わず空いた口が塞がらない様子でさやかを呆然と見つめていた。
七海やちよが押し黙り、いろはと黒江もうかつに声を出せなくなり、その元凶であるさやかは変な空気になったことは察せるもののその理由がわからないさやかは首をかしげるという絶妙に微妙な空間が広場で形成される。
『こッの…………………ド天然ッ!!!』
その微妙な空間を切り開いたのは七海やちよ、いろは、黒江、ましてやさやかでもなくようやくやってきたほむら達であった。一部始終を見たり聞いたりしていたのか、どうしようもないくらい真っ直ぐなさやかに三人はその無防備な背中に某大体がベルトで変身するライダーのように飛び蹴りをお見舞いする。
「うぐッ…………!?」
突然背中への強襲にさやかはなんの対応も取ることが出来ずに体を弓のように逸らすとそのまま前方に向けて、顔面から転がるようにスライディングをかます。少しすると痛みから苦悶と困惑に満ちた表情をしながら顔を挙げる。
「い、いきなりなんなんだ…………飛び蹴りをかまされるようなことをした覚えはないはずだが…………しかも結構痛い…………。」
「アタシらにはなくともソイツにはあるだろうが!!少しは常識っての考えろ!!テメェも女だろうが!!」
杏子の怒声に訳がわからないという様子のさやかだったが、蹴られた背中をさすりながら立ち上がるとちょうど自身の背後に七海やちよが立っている位置まで吹っ飛ばされたことに気づく。彼女と真正面で対峙するさやかだったが、程なくしてその表情がかなり強張っていることに気づく。
「…………………なぜそんなに気が立っている?まさか、年齢のこと、それほどに指摘してはいけないことだったのか?」
憮然とした様子で無言で佇んでいる七海やちよにプレッシャーのような威圧感を感じるいろはだが、目の前で対峙しているさやかはそれに気圧される様子を微塵も感じさせることなく彼女の気に障ったことが年齢のことであるかを尋ねる。
「……………普通、人に年齢のこととやかく言われて何も感じないの?」
「気にしたところで、年齢を詐称できるわけではないからな。だが、それを指摘されて気を悪くしたのなら話は別だ。すまなかった。こちらの無神経だった。」
「ハァ………………この子、いつもそんな感じなの?」
視線を全く逸らさない真っ直ぐな、悪くいえば悪びれる様子が一切ないさやかの謝罪に七海やちよはため息をつくと、視線を蹴り飛ばした張本人であるほむら達に向ける。その視線を向けられた三人は杏子とほむらはため息をつき、呆れたように肩を竦め、マミは微妙な笑顔を浮かべる。
「………………気にかけてもらえる仲間がいるのは良いことよ。その仲間をハラハラさせるようなことはやめておいた方が賢明よ。ところで、貴方達は一体何が目的で神浜市に来たの?」
「……………………神浜市に来た魔法少女は救われるというその噂を確かめに来た。」
七海やちよから神浜市に足を踏み入れた理由を聞かれたさやか達。その中で彼女の真正面に立っていたさやかは一回だけ自身の後方にいるほむら達に目配せを行う。
もしかしたら誰か先に言い出すかもしれないというのも頭を過ったが、誰も口を開かない様子を見て、彼女たちが遠回しに説明を押し付けたことを察したさやかは微妙な表情を見せながらその理由を語る。
「………………その噂は知っているわ。そして、それで神浜にやってきた魔法少女が何人もいるのも。」
「正直言って、そちらにとって迷惑千万なのはわかっている。私達の行為は、いわば他国に対して戦争行為を仕掛けているのと同じようなものだからな。その魔法少女の暗黙の了解であるテリトリーについてもわかってはいるつもりだ。」
「…………………なら聞くわ。何故それでも来るのかしら?迷惑だとわかっているのなら、努めてそうしないのが尚更のことでしょう。」
さやかの言葉に七海やちよは目線を鋭くし、冷えた視線をさやかに突きつける。その眼光は少し離れたところで見ているいろはと黒江が息を呑むレベルの高圧だったが、さやかはそれに全く怖気ついた素振りすら見せず、真っ向からその目線を迎え撃つ。
「………………魔法少女が救われるというのはそんなに
「……………………………」
さやかの語った簡単にしていい意味、というのを七海やちよはその隠された意味を知っているのか定かではないが、それを聞いた彼女はしばらく押し黙り、広場に再び沈黙が走る。
「……………神浜の魔女は、軒並み強力よ。使い魔でさえ、下手をとると死にかねない。貴方は一人で倒しているのは見ていたけど、後ろの人たちはそれくらいの実力はある?」
「まぁ……………私よりは強いさ。」
七海やちよの問いかけにさやかは信頼から来る柔らかな笑みを見せるも後ろにいたほむら達は揃って渋い顔を浮かべていた。
「…………………正直言って、私はもう来て欲しくないわ。勝手にこっちに足を運んで死なれたらあとが面倒よ。」
それを見たかどうかは定かではないが、七海やちよは魔法少女としての衣装を消して、私服姿に戻るとそう語りながら踵を返す。
「神浜市の一画に神浜ミレナ座っていう映画館の廃墟があるわ。まだここに足を運ぶだけの愚かさがあるのなら、少なくともそこに通いなさい。そこに行って弱いままで変わらないのなら、本気でここに来るのはやめた方が賢明ね。」
「でも、それと同時に警告もしておくわ。これ以上神浜市では魔法少女を増やすつもりはないし、勝手に来るようなら、敵とすることも辞さないって他の魔法少女にも伝えてちょうだい。」
その言葉を最後に七海やちよはその場から姿を消した。魔女が突っ込んだことにより破壊された壁から風が吹く中、最初に動きを見せたのはさやかだった。
「よし、事も済んだことだし帰るとしよう。」
まるで面倒ごとが終わったかのようにさやかは気楽な様子で肩を回すなど体をほぐしながら振り返り、ほむら達の元へとやってくる。
「ッたく、お前なに勝手にアタシらのハードル上げてんだよこのバカ。」
戻ってきたさやかに杏子は恨めしいものでも見つめるかのように薄く目を開らきながらさやかの肩を軽く小突く。
「実際、まだ契約してから二週間くらいなのだから、みんな私より強いだろう?経験や培ってきた技術的な手数を考えると。」
その小言にさやかは一切の悪感情なく、純粋な気持ちで言葉を返しながら小首をかしげる。その様子にマミは困ったような笑みを浮かべ、ほむらと杏子は呆れたように肩を竦める。
「コイツはホントに…………そういうことを悪びれる様子もなく言いやがる…………でもなぁ、その理論だとお前に負けたアタシはそれ以下っていう煽りになんのか?」
「そんなことあるわけないだろう。あの時の杏子は怒りで動きに精細を欠いていただろう。」
そんなこんなで見滝原の魔法少女達が話を交わしているとおずおずとした様子でいろはと黒江が近寄ってくる。
「あ、あの…………ひとまず私達は帰りますね…………」
「ん?おう、アンタらか。
「そんな迷惑なんて………むしろ魔女から一番前で守ってもらって、逆にこっちが迷惑かけてしまったかと…………」
それに気づいた杏子がいろは達にさやかがなんかしでかしていないか尋ねるもいろはは困った笑みを見せながらそんなことはなかったとむしろ感謝を表しているようだった。
「気にするな。同じことを言うようだが、お前の持っている武器では前線を張るのは難しい。私が前に出て、魔女の気を引きにいくのは当然のことだ。」
その言葉にいろはは難しい表情を見せながら俯くようにおじぎをすると黒江と一緒にその場を去っていった。
「それじゃあ、私達も帰りましょうか。話し合わなきゃ行けないことはたくさんあるでしょうけど、それは明日にしましょうか。」
マミの仕切りで見滝原の魔法少女達も己の帰路に着く。しかし、その中で別のことを考えている人間がいた。
「…………どうかしたの?」
それに気づいたほむらがその人物に声をかける。声をかけられたさやかはハッとした様子でほむらに向き直ったが、彼女が先ほどまで向いていた方角はいろは達が帰っていった方角だ。
「……………………」
しばらくさやかは何かと葛藤しているのか、視線を右往左往させながら明らかに変な雰囲気を醸し出していた。そのあからさまな様子にほむらは訝しげな視線を向ける。
「……………すまない。少し気になることがあるから別行動をとっても構わないか?」
「ハァ……………好きにしなさい。どうせあの二人が何か気がかりなんでしょう?」
「ありがとう!!連絡はこまめにしておく!!」
「き、気をつけるのよッ!?」
ほむらの許可を得るや否や脱兎のようなスピードでいろは達のあとを追い始める。その直後マミの心配そうな声がかけられる。それをしっかりと聞いていたかは定かではないが、さやかは振り向くことはせずに手を挙げることで反応を返し、広場から姿を消す。
「あーあ、マジで行きやがった。つぅーか、なんかあの二人に引っかかるもんあったか?アタシはサラサラだったんだけど。」
「いいえ、全然よ。」
「右に同じく。特には違和感を覚えることはなかったわ。」
残された三人は不思議そうにしながらもさやかを信じて先に帰路に着くことにした。
「ハァハァハァ………………!!」
日が沈みきり、夜になっことでビルからの明かりが街を照らす。そして会社勤めから帰宅しているのか、スーツ姿の大人達が占めている中、制服姿のさやかがその人混みの中を颯爽と駆け抜ける。
中にはそのさやかの行為が気に障ったのか顔をしかめて文句の一つでも言いたそうにするもその人がひしめきあっているせいでその余裕すら失われる。
ようやくその人混みの唸りから脱したのもさやかが向かった先である駅に差し掛かったところ。それも改札を通り抜けたタイミングで電車の出発を告げるアナウンスが流れ始め、一層急ぐ足を加速させ、駅のホームへ向けて構内を駆け抜ける。
そしてようやく電車の車輌が目前に迫ったところで駆け込み乗車の禁止を警告すると同時に電車のドアが閉じ始めるとさやかはその閉じかけたドアに身を滑り込ませ、文字通り駆け込み乗車をする。
「ま、間に合った………………!!」
電車に辛うじて間に合ったさやかは膝に手を当てて荒い息を吐いていたが、額から流れる汗を腕で拭うと顔をあげ、電車の隅っこに背中を預け、寄りかかるような姿勢をとる。
そして、その電車に駆け込み乗車をしてきたさやかに驚いている人間がいないわけではなかったが、その中でも一際目を見開いているのがさやかの視界にいた。
「み、美樹さん……………!?」
「どうしてここに………!?見滝原はこっちとは逆方向だよ…………!?」
「少し…………聞いておきたいことができたからな………環いろは、君にだ。」
座席に座っていたいろはと黒江に驚かれた表情を向けられたさやかは得意気に笑みを見せながら荒い息を整えるのだった。
七海さんこれでいいのかな…………ぶっちゃけアニメ初期ほむらを投影しているような感じですけど。
ちなみに……………
いろはちゃん 15歳で中学3年
さっさん 14歳で中学2年
つまり…………本来敬称を使わなければいけないのはさっさんの方。
いろは→さっさん すごいしっかりしてるから年上だと思ってる。
さっさん→いろは 特にこれといって考えていない。
マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………
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ガンダムだ
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ガンダムではない