ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

47 / 111
なんか評価バーが赤になったり橙に戻ったりと凄く忙しい。いや、評価していただけることに嬉しいこと変わりはないのですが。


第47話 私は十分に幸運よ

先手を打ったのは天音姉妹たちの方だった。魔女をその身に宿したようなその姿にさやかたちが驚愕しているその間に、暗い色相をぐちゃぐちゃにかき混ぜたような色合いをした泥を弾幕のようにばらまいた。

それで我に返ったさやかたちは瞬時にその場から飛びのき、それぞれバラバラに射線から逃れ、目標を見失った泥のような塊は外れ、着弾した箇所に歪な恐怖心を煽るようなオブジェクトをそこに残す。

 

「あまり、直撃を貰うのは体によくなさそうだな!!」

 

「ええ、そうみたいね!!」

 

その様子に悪態をつくようにさやかがそう言葉を漏らすと、たまたま近くいたマミがその言葉に同意しながらマスケット銃を出現させると天音姉妹に向けて一斉掃射をお返しと言わんばかりの弾幕で反撃を行う。その弾幕も先ほどの天音姉妹の弾幕に負けず劣らずの密度だったが、マスケット銃から放たれた実弾はその間を月夜と月咲はその巨体のわりに素早いスピードにまるで鏡合わせのように互いに互いの動きを反転させたような動きで縫うように潜り抜け、あたりそうな弾はさやかの攻撃を受け止めた音による障壁で弾丸を防いだ。

 

「ハァァァァァァァ!!!」

 

「ウオラぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そこから続けざまに柱の影から杏子とフェリシアが天音姉妹に肉薄し、強襲を仕掛けるが、それも姉妹が展開する音による障壁にもろとも防がれる。そこから姉妹が吹いた和風の笛(篠笛)の音が鳴り響き、二人は弾かれるように吹っ飛ばされた。おそらく音波によるもので吹き飛ばされた二人だが、うまいこと空中で態勢を整え、足元から水飛沫を挙げながらさやかとマミのところまで飛ばされてくる。ケガこそ二人の身体にはなかったが、その表情は想像以上に障壁の硬度が高かったのか、歯がみするように忌々しげにするものを浮かべていた。

 

「まるで攻撃が通じねぇぞ、どうすんだよ!?」

 

「なにかからくりのようなものはあるのでしょうけど、それをいちいち調べる暇もなさそうだし………………」

 

杏子が悪態を吐き、マミが険しい表情を見せながらなにか手はないかと画策する。しかし、その直後に再び泥の塊のような弾幕による攻撃が展開され、さやかたちは回避を余儀なくされる。

 

「ともかく、このままでは埒が明かない。あの奇妙なレベルまで一緒に行動している二人を引きはがし、それぞれで対応するのはどうだろうか!?」

 

「ちッ、それしかなさそうだな!!頭数の比率は変わんなねぇが、あれを常にまとめて相手すんのも無理がある!!」

 

さやかの提案にいち早く杏子が賛同する声を挙げる。ほかの二人も異論はないのか無言でうなずくことでそれを示した。

 

「それなら………………佐倉さんは美樹さんとペアを組んで、深月さんは私と一緒に行きましょう。あなたは暴れるのが一番性にあっているでしょうから、好きにうごいてちょうだい。私が合わせるから。」

 

「お、おう!!わかった!!」

 

「さやか!!お前は切り込んであいつらの間に溝作っちまえ!!」

 

「言い方に些か難があるように思うが………………了解!!一気に目標に飛翔する!!」

 

杏子の言い方に困惑するように表情を浮かべてやや悩ましげにするも、さやかは状況に一石を投じるために、天音姉妹たちにむけて飛翔する。さやかの両肩にあるGNドライヴから放出されるGN粒子のクリアな緑色の光は暗い地下水路の空間を淡く照らし、その光を水面は反射して幻想的な空間を作り上げる。

 

「好きにはさせないでございますわ!!」

 

「月夜ちゃんには近づけさせないよ!!」

 

その空間を駆け抜けるさやかに月夜と月咲は彼女を好きにさせるとまずいことを悟ったのか、先ほどまでの泥の塊の射線をさやかに集中させる。接近すらも許されないくらいの濃密な弾幕だが、逆に言えば接近することに重点を置かなければ、それはただばらまかれているだけの攻撃でしかない。さやかは無理に接近することはなく、二人の視界にいじらしく映り込むように距離を保ちながら、姉妹がマミたちに視線が行きそうなことを察知すればすぐさま横やりでGNソードⅡロングのライフルモードのビームを姉妹に浴びせる。

 

「うう、攻めるか攻めないのかきっちりしてほしいでございます!!」

 

「………………そうしてほしいのならそうするが。」

 

あまりにちまちまとした攻撃を煩わしく感じたのか、月夜が飛び回るさやかに怒りを露わにする。常に隣にいる月咲も似たような表情をさやかに向ける。それにさやかは特に動じることなく淡々と答えるとさやかはあえて目立つように姉妹の眼前に立つと、左肩のGNバスターソードⅡを手にするとその巨大な刀身を天音姉妹たちに向けて左手を添え、盾にするように構え、そのまま突進を行うように天音姉妹たちに肉薄を開始する。

 

「つ……月夜ちゃん!!」

 

「は、はいですわ!!」

 

真正面に突っ込んでくるさやかに姉妹は顔を見合わせるとさやかに向けて泥の塊の弾幕を形成し、即座に発射する。しかし、さやかの全身を完全に隠してしまうほど巨大なGNバスターソードⅡの刀身に阻まれてさやかには塊の破片ですら届かない。

 

「フォーメーションを崩す!!」

 

そのまま勢いで弾幕を突破したさやかは刀身に姉妹の攻撃で泥がへばりついたままのGNバスターソードⅡをスピードを維持したまま月夜に向かってシールドバッシュを仕掛ける。その狙いが自分だと察した月夜はたまらず月咲から離れてさやかから距離を取ろうとするが、それで生まれた差もさやかが少しスピードを上げるだけで易々となくなり、刀身を月夜に押し付け、行動の主導権を奪ったさやかは地下空間を支える柱に勢いよく突っ込んだ。

 

「つ、月夜ちゃん!?」

 

自身が世の中でもっとも信じている片割れが窮地に陥ったことに月咲はひどく狼狽した様子で月夜の安否を心配する。しかし、その安否を確かめる声にさやかが起こした土煙からの返答はない。月咲はそれでも自身と一心同体といっても過言ではないほど通じ合った月夜を信じる。なぜなら自分たちが今纏っているのはドッペルと呼ばれる魔女の力を人の身でありながら行使を可能とした奇跡。その力をしっかりと人間としての理性を保った状態で十全に扱えるのだ。

余ほどのことがない限り、そのドッペルが敗れることはない。そう、思っていた。

 

「ハァァァァァッ!!!」

 

しかし煙幕から姿を現したのはGNフィールドを展開し、身を守っているさやかの姿だった。そのさやかはGNフィールドを展開したまま茫然としている月咲に接近すると両腕に装着したGNカタールで殴るように切りかかる。月咲に振るわれる横薙ぎ、上段切り、下段からの斬り上げのさまざまなカタールの刃の軌跡。それに月咲は反応し、防御こそするも、やはり視線を未だ晴れない土煙の方に向け、目の前でさやかの攻撃にさらされているにもかかわらず、月夜を心配しているのが丸わかりな様子だ。

 

「心配している余裕がお前にはあるのか?」

 

そのことを何気なく聞いたさやかの言葉に、そのあまりにも淡々とした落ち着いている、冷淡な声に月咲は冷や水を浴びせられたような感覚に襲われる。咄嗟に口に添えている笛を思い切り吹き鳴らすと、音波が衝撃波のように変わり、近くまで接近していたさやかを弾き飛ばす。その反撃にすらさやかは慌てることなく空中で態勢を整える。展開したままだったGNフィールドのおかげで多少の衝撃がさやかの身体を揺さぶっただけで外傷は一切ない。しかし、さやかが月咲を見据えたときには既に次の行動に移っていた。

 

「笛花共鳴!!」

 

その笛の音色に込められた魔力は対象の脳に直接音を響かせ、動きを封じる技。対象が一人に限定されるが、その分効果は絶大でほぼ確定で行動不能に陥れることができる。しかしデメリットとして効果は笛を吹いている間であり、その間にも月咲には集中力が求められる。

 

「………?」

 

だが、今回はその相手が悪すぎた。GNフィールドを展開したままのさやかはわずかに圧力のようなものを感じただけで、月咲が望んだような効果が現れる兆しはまるでなかった。

 

「き、効いていないの!?なんで!?」

 

「何かしてきたようだが…………!!」

 

思わず笛から口を離して驚きを露わにする月咲。一応さやかがGNフィールドを展開している時に音波による攻撃に怪我らしい怪我を負っていなかったことから効果が見込めないことを見抜くことはできたかもしれない。しかし、月夜のことで頭がいっぱいになっていた彼女はそれに気づかなかった。

 

そして       

 

 

「あ、あれ……………!?」

 

突如としてガクンと自身のドッペルがまるで背後から何かに引っ張られるようにバランスを崩す。何事かと思い、反射的に振り向くとそこにはドッペルの背部の金環に括り付けられた、所々に節のような箇所が存在する鎖が目についた。

 

「へっへ…………つっかまえーたぁ!!!!」

 

その鎖を辿っていくと、ギチギチと音を鳴らす鎖をしっかりと手綱のように握りながら無邪気な笑みを浮かべ、捉えたことを喜ぶ杏子の姿があった。

 

「なっ…………いつの間に………!?」

 

「お前が不用心すぎんだよ!!相方やられたくらいで動揺すんなら最初から前に出てくんなよな!!」

 

気を取られている間に背後に回られたことに目を見開き驚いている月咲に杏子は笑みを浮かべた表情から一転、不服気に一言つけながら眉を潜めると、手にしていた鎖を肩に乗せ、一本背負いのような姿勢を取ると、ドッペルごと月咲を投げ飛ばそうとする。

 

「くっ…………ドッペル相手に力業なんて…………!!」

 

「隙だらけだ!!」

 

ドッペル相手に普通の魔法少女が力勝負を仕掛け、あろうことか投げ飛ばそうとする杏子の行動を月咲は無謀と思い、逆に鎖ごと杏子を引っ張り上げようとする。しかし、内心で苛立ち、その脳内の思考を月夜への心配で埋め尽くした月咲の姿は隙でしかない。

即座にさやかがその無防備な姿に正面からショルダータックルをかますと本格的に月咲のドッペルは空中での姿勢を崩し、さやかからみて後ろめりになる。

 

「ッ、あ    

 

「たぁりやぁぁぁぁ!!」

 

そして月咲が態勢を崩したところにタイミングを合わせた杏子は鎖を思い切り引っ張り、腕を振り下ろすと、月咲は悲鳴すらあげる暇すら与えられずに柱にドッペルごと叩きつけられ、轟音と土煙にその身を沈めた。

 

 

 

 

「何か広い空洞に出たわね…………ここがウワサの本体がいる空間かしら。」

 

一方、結界からいち早く脱出し、ウワサの本体の元へ向かっていたほむらは鍾乳洞のような洞窟を潜り抜けていくうちに一際広い空間に出る。

その空間は何か建造物の残骸が点在しているような遺跡じみた空間。その中でご丁寧に祭壇のような形状をした階段の天辺に楽器でいうホルンの口のような形状した煙突から泡のようなものを出し続けているとても現実のものとは思えない気色の悪い絵本からそっくりそのまま出てきたような物体が鎮座していた。

 

「………………どう見てもあれね。ウワサの本体をこの目で見るのは初めてだけど、そう魔女と変わりはなさそうね。」

 

次の瞬間、ほむらは左腕の円盤からオートマチック式のハンドガンを取り出し連射。マガジンを打ち切るまでトリガーを引き続けた。

しかし、放たれた弾丸はフクロウ幸運水のウワサが前面に薄い光の幕のようなバリアを展開したことで弾かれてしまう。

 

「一応防御機能はあるのね」

 

淡々と分析をするほむらにウワサはようやくやってきた人物が自分を害する存在であることを認識したのか、泡の代わりにフクロウのような造形の使い魔の群を吐き出すとバサバサと煩わしい羽ばたき音を響かせながらほむらへ襲いかかる。

 

「邪魔よ」

 

その使い魔の群れにほむらは無骨な重機関銃を取り出し、中腰に構えると重厚な発砲音と共に弾丸を掃射する。放たれた弾丸は使い魔の群れをバラバラに霧散させる。

 

「…………バリアは見ている限り常に展開しているわけではない。なら…………」

 

まだ銃口から煙が出ている機関銃を仕舞うとそのままほむらは円盤を回転させる。その瞬間、周囲の時間が停止し、世界が白く反転する。

その中で唯一色を保っているほむらは悠然と階段を登り、全くの障害なしにウワサの目の前まで足を運ぶ。

そしてほむらは円盤からまた別のものを取り出すとウワサの口に向かって梱包された箱のようなものを複数個投げるように放り込む。

 

「幸運水、ね。私にはもう無用な代物ね。」

 

ウワサに向けてそう呟くとほむらは階段を降りウワサから離れたところで懐からスイッチのついた起爆装置のようなものを取り出すと、時間停止を解除すると同時にそのスイッチを強く押す。

 

「巴さんが生存し、佐倉さんとも協力関係を結べた。何よりまどかが契約しないことを約束してくれた。性格がまるで違うとはいえ、あんなにまで私に噛み付いてきた美樹さやかが、支え、そばにいてくれた。」

 

ウワサの身体は一瞬膨らんで赤熱化したかと思えば、数秒後には風船が破裂したように粉微塵になると同時にC4爆弾の盛大な爆発がウワサを内部から焼き尽くす。

 

「だからわたしは、十分に幸運よ。」

 

爆風に煽られる黒髪を抑えながらウワサの破壊を確認したほむらはその場を後にしながらまだ戦っているであろう仲間たちの元へ戻る。爆発の炎に照らされたその表情は見間違うことなく、清々しいものを浮かべていた。

 

 




さっさんのやった動きの元ネタ

赤枠改の前特殊格闘の突進部分

クロスブーストのセブソ新規格闘モーション

フクロウ幸運水のウワサ、終わり!!閉廷!!

次回は口寄せ神社編へ武力介入!!←え、なんで?時系列的にはこれと同時期にやってた。

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
  • ガンダムではない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。