ほむら「美樹さやーー「私がガンダムだ」はぁ?」   作:わんたんめん

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なんだか前回と前々回にかけてお気に入り数がかなり増えててびっくりしました。
こんなノリと勢いだけで色々ぶち壊していく作品しか作れない自分ですが、これからも読んでいただければ幸いです。


第67話 よく考えてほしい

夜空からの光とビルの誘導灯に照らされる屋上。

さやかの煽りでキレたアリナがドッペルを発現させ、体から極彩色の絵具を氾濫させる。たちまち彼女が立っている中央の巨大な女性像が塗り潰され始める。

視点をずらしてみればちょうど囲むように配置された振り子のような形状をした魔女が数体。ケタケタとした薄気味悪い、不気味な笑みを向ける。

基本同じ姿かたちをした魔女と相対することなどほとんどないと思うのだが、その魔女たちはアリナの手によって使い魔から育てられた個体なのであろう。

その魔女たちはケタケタと笑い声をあげると自身の身体でもある巨大な振り子をまるでプロペラのように高速回転させる。

 

「ッ‥‥‥来るわよ!!」

 

アリナに相対する魔法少女の中で一番の年上であるやちよが声を張り上げる。

飛び出た言葉こそ極めて少ないが、張り詰めた緊張感で身構えていた全員が即座に、あるいは誰かを抱えながら飛び退いた。

次の瞬間、さやかたちがいた場所にどこからともなく時計の振り子が振り下ろされ、土煙と轟音を響かせる。

 

「どうすんだ?流石にここまでの魔女を同時に相手にするとかあたしにも経験ねぇぞ。」

 

「そうね。わたしも同じね。しかもアリナ・グレイも止めないと、追い込まれるのはこっちね。」

 

「‥‥‥‥アリナ・グレイが目の敵にしているのは私だ。それにあの絵具に触ることが危険であることを鑑みれば、遠距離攻撃ができる魔法少女に私を加えたメンバーで彼女にあたるのはどうだろうか?」

 

「あの絵具に…‥?確かに見た目からしてとてもいいようには思えないとは思っていたけど…‥‥」

 

ひとまず全員でどうするかを話し合った結果、アリナへの対応をさやか、いろは、マミ、やちよ(槍の投擲による攻撃)の四人で行い、それ以外の魔法少女で魔女の相手をすることで方針が固まった。

さなとアイはとにかく巻き込まれないことを最優先にし、身を隠すようにさせる。

 

「‥‥‥もっとも、今の私にはそれ以前にやることがあるのだが。」

 

方針が固まったところでそんなことを言い出したさやかに全員の目線が注がれる。魔女の初撃を避けたときには変わりなかったはずだが、気づけば何か人のようなものを両脇に抱えている。

 

「た、たすけてぇ…‥‥‥‥あたしたちを見捨てないでぇ…‥‥」

 

「一体いつまでわたくしたちは縛られていればよろしいのですかぁ…‥‥‥」

 

さやかが両脇に抱えているのはここに来たときに縛り上げていた天音姉妹だった。その身体は変わらずマミのリボンでがんじがらめにされており、そのままではまともに動ける様子には見えなかった。

 

「あ‥‥‥‥えっとぉ…‥‥どう、するの?」

 

「できれば拘束を解いた上で安全な場所まで連れていきたい。」

 

「でもその人達…‥‥一応敵よ?解除してしまっても大丈夫なの?」

 

姉妹のことをすっかり忘れていたらしいマミが当惑した表情のままそう尋ねる。確かに天音姉妹は現状では敵であることは確かである。迂闊に拘束を解いてこれ幸いにと反撃されるかもしれない。

 

「その可能性も否定することはできないだろうが‥‥‥私たちは敵を殺しに来たわけではない。敵とはいえ、助けられるのなら助けたいし、このまま放っておくのは私の夢見が悪くなる一方だ。」

 

かたくなにするさやかにマミは敵前であることも相まって元々それほど長話にするつもりもなかったのかあっさりと引き下がり姉妹の拘束を解いた。あとはそのままほったらかしでもよかったのだが、さやかは強襲される可能性もあることを危惧して地上につながるエレベーター付近まで送ると言い出す。

アリナからの攻撃もあるし、それは危険だとやちよ辺りが言ったが、さやかはそれを押し通し、半ば強引に姉妹を両脇に抱えたままエレベーター付近まで一気に加速する。

 

「あうっ‥‥‥‥」

 

「ひゃうっ‥‥‥‥」

 

エレベーター付近まで移動したさやかは少しばかり雑に姉妹を落とすと周囲を警戒するように視線を張り巡らす。幸いマミたちがいい感じにアリナの注意を引いている。すぐに見つかる様子はなかった。

 

「ま、待ってくださいましッ!!!」

 

そのまま戦列に戻ろうと身構えた時に天音姉妹の姉で胸のでかい方、月夜がさやかを呼び止める。呼び止められたことにさやかは少し間を空けると顔だけを後ろに立っていた月夜に向ける。

 

「…‥‥‥何か用か?」

 

いったん話を聞く姿勢をとってくれたさやかだが、その声は物静かで冷淡ともとれるようなものだった。その雰囲気と以前フクロウ幸運水のウワサをめぐって戦ったときの記憶が月夜の身体を竦ませるが、なんとか押しとどめ、気の張った険しい表情を向ける。

 

「どうして、わたくしたちを助けてくれたのですか?」

 

「どうして、と言われてもだな…‥‥あのままいてもお前たちが危険だった上に、お前たち自身が助けを求めていたから放っておくのもどうかと思った。」

 

月夜からの質問にさやかはなぜそんな質問を、と不思議そうに首をかしげながら、さも当然だというように放っておけなかったと答える。

 

「敵対関係にあるのに、ですか?」

 

「敵対関係か…‥‥いうのもなんだが、お前たちマギウスの翼にとって魔法少女はその解放の対象なのだろう?敵対関係だというのも些かおかしなことではないのか?」

 

「それは…‥‥その通りではありますが‥‥‥‥ではこの際お聞きします。なぜ、アナタはマギウスの翼に対してその刃を振るうのでしょうか?我々の行いが多くの人々に理解されるとは、はじめから思ってはおりません。ウワサや‥‥‥‥例によって本来は打倒するべき魔女を利用している以上、他の魔法少女から後ろ指を指されるのも覚悟の上でした。」

 

「でも、それでも…‥‥あたしたちは魔法少女の解放のためにやっている‥‥‥!!それぐらいの自負はあるんだよ‥‥‥!!魔法少女の解放という大偉業をやろうとしているマギウスの御三家は本当にすごい人たちなの!!」

 

いつの間にか復活した月咲も加えてさやかになぜマギウスの翼に楯突くのか、その理由を問いただす。

 

(…‥‥‥すごい人、か…‥‥)

 

さやかは月咲がこぼしたマギウスはすごい人という言葉にわずかに苦虫をかみつぶしたような、しかめっ面の表情を見せる。確かにそのマギウスと呼ばれている魔法少女たちはすごい人物にあたるのは確かだろう。

キュウべぇと契約を交わした魔法少女たち全員に知らずのうちに刻みこまれた定めのようなもの、魔女化。そこから解放を求め、そこを目指そうとしていること自体に、さやか自身としてはなんら異議のようなものを申し立てるつもりはない。

だがそのために一般の人々を巻き込んでいるようでは、自分が助かりたいが為に他者を蔑ろにする醜いエゴでしかない。

もっとも、そんな綺麗事のように済むほど、現実が甘くないことは承知しているが、綺麗事にしようと努力することと、努力しないとでは人の心情に雲泥の差を生むだろう。

 

(とてもではないが、あのアリナ・グレイという魔法少女が、ただ単に魔法少女の救済を望んでいるようには見えない。)

 

アリナ・グレイはまさにその綺麗事で済まそうと努力を行わない人間だ。何より自分のアートを第一の信条としているようで、そのために他者の命すら厭わない人間のように見える。

そんな人間が、マギウス────あろうことか他者(魔法少女)を救うための組織のトップにいるとは甚だ信じがたいことだ。

 

「まぁ…‥‥そのマギウスの人間たちは確かにすごい人物ではあるだろうな。神浜市限定とはいえ魔女化を回避するためのドッペルは革新的とも呼べる存在であるのは事実だろう。よく耳にしていた神浜に来れば魔法少女は救われるというのは本当にそうなのだろうな。」

 

渋々、もしくはどこか不服そうな表情を見せながらマギウスのことを高く評価するさやかに姉妹はそろって呆けたように目をパチクリとさせる。

 

「魔女化のこと…‥‥知っているの?」

 

「知っている。ついでに言えば見滝原組は全員知っている。その上でお前たちの行動に敵対している。」

 

「な、なぜでございますか!?てっきり何も知らないからかと思っておりましたが、魔法少女にとって魔女化は避けられない運命のようなものでありましょう!?」

 

「正直に言えば、私は解放そのものには賛成だ。私だってまだ生きていたいからな。だが、そのために行っているお前たちの行為そのものに私は疑念を抱いている。」

 

「わ、わたくしたちの行為‥‥‥ですか?それは‥‥‥確かに衆人の皆様には理解していただけない部分も多いかとは存じ上げますけれども。」

 

「‥‥‥‥まず、お前たちは一体何のために魔女やウワサを守る?」

 

「そ、それは教えられませんわ!!」

 

流れ的に聞けるかと思ったが、どうやらそこまで口が軽いわけではないらしい。さやかは残念そうにしながら肩を竦ませる。

 

「なら、話は変わるがお前たち姉妹は家族はどうしている?いるかいないか、それだけでいい。」

 

突然の質問に一瞬何を聞かれたのか理解できなかったのかお互いに顔を見合わせる姉妹。

 

「一応‥‥‥」

 

「いる‥‥‥けど?それを聞いてどうするつもりなの?まさかとは思うけど、脅しとかそういうつもり?」

 

一体何のためにその質問を?とでも言いたげな表情と警戒するような表情でさやかを見る姉妹にさやかは険しい表情を見せながらも、そんなつもりなどないというように静かに首を横に振った。

 

「魔女もウワサも魔法少女に限らず普通の人々にも危害を加える。それこそ無差別に、そして無作為にだ。もしも、本当に可能性の話だが、お前たちの家族や大事な人がお前たちが掲げている解放のための活動にその被害者として巻き込まれた時、お前たちはどうする?」

 

「え…‥‥‥家族が巻き込まれたとき‥‥‥‥?」

 

「そ、そんなの‥‥‥考えたこともないよ‥‥‥。だってそんなこと────」

 

「ああ。確かにほとんど起こりえないだろう。だが、決してその可能性がゼロになることはない。千に一つであれ、万に一つだとしても、家族が巻き込まれてしまうことはありうることでもあるんだ。」

 

さやかからの言葉に戸惑いを隠せない姉妹に言い聞かせるように続ける。

 

「私とて、この呪われた運命から逃れられる方法があるのならそれにあやかるべきだと思っている。こんなのは詐欺もいいところだからな。だが、その解放へと続く道に人の不幸はあってはならないとも思っている。それは私たちが解放された後にも尾を引き続ける本当の呪いだ。もちろんそんなことは綺麗事だと、切り捨ててもらっても構わない。だがそれを背負いきれるほど、私たちの心はできちゃあいない。」

 

「だから、よく考えてほしい。本当に解放のためにはウワサや魔女を使い、他人を不幸に巻き込むことしかできないのかと。青臭いだのなんだの思うかもしれないが、子供である私たちにはそれくらいがちょうどいい。」

 

そこまで語ったさやかは長話をしてしまったかと自身を戒めるように駆け足で姉妹のそばから離れる。その時に少しだけ姉妹の方を振り向くが、その目線は姉妹ではなく二人がいる場所の少し奥の方を見つめているように見えた。その場所を少しの間見つめていたさやかだったが、不意に視線を戻すと同時にGNドライヴで浮かび上がり、ずっと開けていた戦線に復帰する。その瞬間にようやく獲物を見つけたのであろうアリナが獰猛な笑みを狂気的な笑い声をもってさやかを出迎えるが、彼女からの絵具による攻撃をさやかはバレルロールを駆使して切り抜ける。

 

「……………今の、なんだか微妙にあたしたちを見ていなかったような…‥‥?」

 

「そうですねー‥‥‥‥一体なんでなのでしょう?」

 

「それはおそらく私のことを見ていたのでしょう。」

 

不思議そうに首をかしげる姉妹の背後から聞こえてくる人物の声に姉妹は驚いた様子で振り向く。そこにいたのは複数人の黒羽根たちと彼女らを率いるように立っている梓みふゆだった。

 

「み、みふゆ様ッ!?そ、それは、この‥‥‥!!」

 

「申し訳ございませんっ!!ウワサの様子を見に来たはずでしたのに、結局ウワサの結界を破壊されてしまいこの体たらく‥‥‥!!」

 

みふゆがやってきたことに二人は驚きつつもウワサを破壊されてしまったことに対する謝罪の言葉を並べる。

 

「そう、ですか。ほかの黒羽根の皆さんからここのウワサの様子がおかしいと聞きつけ、急いで動ける魔法少女のみんなを集めたのですが、既に手遅れでしたか。」

 

ウワサが壊されたことにみふゆは驚きつつもそれをなるべく顔に出ないように押し殺した声を挙げる。

 

「‥‥‥‥やはり美樹さやかさんとその一派の皆様ですか…‥‥」

 

険しい表情で空を見上げるその瞳には空中でドッグファイトをしているさやかの姿が写っていた。

 

「彼女たちがやっちゃんや今のみかづき荘の皆様と行動を共にするようになってからとてつもないハイペースでウワサが壊されていっています。特に美樹さやかさんに至ってはただの魔法少女でありながら単独でドッペルと渡り合えるほどの実力と能力の持ち主とも聞いています。聞くところによれば、彼女は見滝原からやってきた最強の魔法少女だとも噂されているようです。」

 

「今のところ、マギウスの三人にとっても一番大きい目の上のたん瘤になっているのは確実でしょう。」

 

淡々としているみふゆだが、さやかを見上げるその表情は苦々しいものだった。彼女自身、知らぬ間に握りこぶしを作り、下手をすれば手のひらに傷ができてしまいそうなほど強く握っていた。

 

「…‥‥能力を使っているワタシのことすら見えている様子なのに、アナタには視えていないのですか。魔女を倒すことすらできない魔法少女たちの苦しみが。未来を、絶望に包まれている子たちのすがる思いを、感じることはできないのですか?」

 

 

 

「いいかげんに………………してヨネッ!!」

 

降り注ぐ槍や弾丸の雨をドッペルの絵具で弾き飛ばすアリナ。人数的にもだいぶ不利なのも相まってその表情は忌々しいものでも見ているかのような形相を浮かべていた。

しかし、それはアリナを追い込んでいるはずのマミたちも同じような表情を見せる。何かに気づいたのかその場を飛び退く魔法少女たち。その直後に魔女の振り子が振り下ろされた。

 

「ちょっと、まだ魔女を倒せないの!?こっちにまで攻撃が飛んでくるのだけど!!」

 

「そうは言ってもやちよししょー!!あんなたくさんの魔女を同時に相手するなんて、流石のわたしでも初めてなんだけどっ!?」

 

「しかも強力な神浜産の魔女だ。こりゃあ骨が折れるなんてレベルじゃねぇぞ‥‥‥!!」

 

しびれを切らしたように声を張り上げるやちよに鶴乃が悲鳴を挙げながら走り回る、その小脇にはフェリシアが抱えられており、大方たくさんの魔女を目の当たりにして我慢ならなくなったところを反撃されてしまったのだろう。

 

「うがー!!おーろーせー!!」

 

とはいえ鶴乃の腕の中で暴れられるだけの元気はあるようだが。

近くにいた杏子も魔法少女としてそれなりの年数を重ねてきたとはいえ、複数体の魔女との戦闘は経験がないのか攻め手にかけている様子を見せていた。

 

 

「あ、そうだ。コネクトすりゃ少しはマシにはなるんじゃあねえの?」

 

「どうかしらね。確かに火力の底上げにはいいでしょうけど、誰と誰でやるかをちゃんと考えないと意味はないと思うわ。一を十にするんじゃなくて十を百にするつもりでね。」

 

ポンッと手のひらを拳で叩いた杏子にほむらは微妙な表情をしながらも方法としてはありと思ったのか助言を加えた。ならばほむらの言う通りに誰と誰とコネクトさせるか。幸い魔女の注意は逃げ回っている鶴乃たちに向いているのか見渡す余裕はあった。

 

「さーやーかーー!!!!」

 

そんな時鶴乃に抱えられていたフェリシアが大声でさやかの名前を呼んだ。その声に驚いたのかさやかがびっくりした様子で一瞬だけフェリシアの方に顔を向けるが、すぐに視線を戻して戦闘を続ける。

 

「手ぇ貸してくれ!!前みたいにオレの武器をでっかくしてくれただろッ!?あれでこいつら全員ぶっ潰す!!」

 

どうやらフェリシアは地下水道の時にさやかとコネクトをしたときの状態のことを言っているようだ。しかし今のさやかは戦闘中、しかもアリナにご執心されているおかげでその余裕はあまりない。

 

「────────美樹さん!!」

 

今度は下の方からマミの声が聞こえてくる。何かあったのかと反射的そちらを振り向くと視界に飛び込んでくるマミのリボン。それを咄嗟に掴み取ったさやかはそのリボンを通じて自身の力が彼女に流れ込んでいくのを感じる。

コネクトが発動したのだ。

 

「ここは私に任せて!!美樹さんは魔女の方へ!!七海さんと環さんも援護をお願いできる!?」

 

「ええ!!」

 

「わかりました!!いきます!!」

 

そう言いながらマミはさやかとのコネクト効果で浮遊砲台と化したマスケット銃を量産し、それら全てをアリナに向かわせる。当然アリナも反撃として手のひらサイズのキューブを細かく分解し、それらを弾として掃射するが、マミの思考とリンクしているマスケット銃は彼女の指示一つでその軌道を変え、弾幕を潜り抜ける。

 

「つぅ…‥‥」

 

自身の懐まで入り込んでくる小物にアリナは険しい表情でそれを振り払おうとするが、小物ばりに周囲を飛び回り、少しでも防御に隙間を見せれば即座に弾丸から切り替わったビームを入れられ、行き手を阻まれる。

そこに槍や矢がさらに撃ち込まれ、アリナは防戦一方の状況に追い込まれる。

 

「…‥‥‥‥わかった!!」

 

わずかに悩む様子をみせたさやかだったが、決心すると即座に身を翻して急降下。鶴乃たちの元へ急行する。そしてさやか自身に向けられたフェリシアの手。それをさやかが掴もうとする。

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

掴みかけたさやかの手をなぜか代わりにフェリシアを抱えていた鶴乃が勢いよく掴み取る。突然のことにさやかは珍しく理解が追い付いていない様子で立ち尽くすが、コネクトはしっかりと発動し、彼女との間に力の流れが生まれるのを感じ取る。

 

「おおっ‥‥‥すごいパワーアップしたような感覚がするぅ‥‥‥!!」

 

「えっと・・・・突然どうした?」

 

一人勝手に盛り上がっている鶴乃に再起動したさやかが困惑した様子で尋ねる。

 

「あ、ごめんね。いきなり手掴んだりして。痛くなかった?」

 

「いや、別段そんなことはないのだが‥‥‥‥」

 

事実、割り込むようにしてきた鶴乃にさやかにはこれといった悪感情はない。あるとすれば、魔女の群れを倒しきれるかどうかであった。それを察したのか、鶴乃はさやかの見せる表情にお返しと言わんばかりに晴れやかな笑顔でVサインを見せる。

 

「だいじょぶだいじょぶ。なんていったってわたしは最強の魔法少女の鶴乃ちゃんだからね!!フェリシアだと勢い余ってここのヘリポートとかぶっ壊しちゃいそうだし、君は向こうの魔法少女をお願い。」

 

そう言いながら鶴乃は自身の得物である二振りの扇を取り出す。その扇はさやかとのコネクトとの影響か、全体的に巨大化しており、鶴乃の身一つなら余裕で覆い隠してしまいそうなほどの大きさを有し、先端からは鮮やかなほど燃え盛っている炎がさながら周囲に羽毛のような火の粉を蒔いている。

 

「…‥‥わかった。」

 

鶴乃の言葉にある程度の納得を得たのか、頷く様子を見せたさやかは再び上昇。離れたところで戦っているマミたちの方へ戻っていく。その背中をしばらく見つめていた鶴乃は魔女の群れと向き直る。

 

「あ、そういえばやけに静かだったからフェリシアのこと預かってもらうの忘れてた────」

 

思い出したようにフェリシアのことを探す鶴乃だが、どういうわけか既に彼女の姿は忽然と消えていた。あれ?あれ?と不思議そうにそのまま探していると離れたところにいるほむらと杏子のそばでおとなしくしている彼女の姿を見つけることができる。

 

「コイツのことは大丈夫だから盛大にぶちかませよな!」

 

「数が減ればその分対応がしやすくなるわ。せめて二体くらいは減らしてみなさい。」

 

フェリシアのことは大丈夫。それがわかった鶴乃は両の手に持つ扇で真上に円を描く。描かれた円はその内側で線と線をつなぎ合わせ、ただの円だったのが魔力を濃密に含んだ魔法陣を形成。続けざまに魔法陣から鶴乃の扇と同じような炎がほとばしると上空に向かって猛烈な勢いで火柱が立ち上がる。

そしてさながら火山の噴火とも思えてしまうほどの灼熱の炎がまるで意志を持ったようにうなりだすと、徐々に形をもたない炎が明確に何らかの形を取り始める。

 

「さぁ…‥‥行くよッ!!」

 

その鶴乃の掛け声と共に召喚された炎は自らの炎で翼を広げ鳥────不死鳥(フェニックス)と化す。鶴乃の炎から生み出された不死鳥は頭部と思しき部分から甲高い鳥の鳴き声を響かせるとその炎翼を羽ばたかせ一度大きく後退してから魔女に向かって突進を行う。

 

「やぁっ!!」

 

その突進を行う不死鳥に鶴乃は物怖じする様子を一切感じさせず乗り込み、その身に不死鳥を憑依させるように同化すると、不死鳥は体を構成する炎の輝きを一層強め、超加速をもって魔女に突撃を敢行する。

 

「熱風…‥疾風‥‥‥‥!!」

 

「あかしっく‥‥‥‥ばすたぁぁぁ!!」

 

不死鳥をまとった鶴乃の炎翼の羽ばたきは魔女を根こそぎ両断し、大爆発を起こして消滅した。燃えカスのように残った黒いススに転がっているグリーフシードを拾い上げた鶴乃は勝利宣言をするようにそれらを天高く掲げ、それを仲間たちに示した。

 

 

 




さっさんとコネクトした場合に限定条件が発生する魔法少女一覧
(なお伏せられている〇の数には文字数的に関係あり。)

深月フェリシア→某勇者王

巴 マミ→ ガンダム〇〇〇〇〇

佐倉 杏子→ 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

暁美 ほむら→ 〇〇〇〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇→ 〇〇〇〇ハル○○

由比 鶴野→ 某風の魔装機神  NEW

十咎 ももこ→ 〇〇〇〇〇○ ヒント 剣を大きくさせ、いざ雷の速さまで

天音姉妹→ 〇〇〇〇〇〇〇 ヒント 音、声が必殺技で調律のやべぇ方。


NEW ○〇〇 → 〇〇〇〇〇〇 ヒント 勝負は一発!!赤と青のボタン、知ってる?

ヒマだったら探してみてね!!

マギレコ世界にさっさんを武力介入させるのは……………

  • ガンダムだ
  • ガンダムではない
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